名:山中隆史
齢:拾伍
趣味:読書
備考:休み時間や放課後も1人でいることが多く友人が1人もいない。
資料を見通し呟く
「こやつなら…」
俺は本が好きだ。今日も新刊を買うために本屋に行くつもりである。
高校になってから実家を出て一人暮らしだから思う存分本を購入し、読書に勤しむことができる。
飯を自分で作るのは少々面倒でだが親に文句を言われず好き勝手できるのは高校生にとっては最高級の贅沢であった。
この贅沢のために進学校の受験勉強と両親の説得を頑張ったというものである。
キーンコーンカーンコーン
本日の全ての授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。待ちに待った放課後である。
俺は新刊を求め足早に本屋へ向かった。
無事に目当ての本を購入できた俺は、アパートに戻るとまずは炊飯器で米が炊けるまでの間にコミックを2冊読んだ。
コミックを読み終わり少し遅い夕飯を素早く済ませると今度は小説に手を伸ばす。まさに至福である。
切りの良いところまで読んで時計を見ると既に22時30分を過ぎていた。
明日は日付からして当てられる可能性があるので面倒だが予習を少しする。
予習が終わるともう日付が変わろうとしている。
少し惜しいが本は逃げない。続きは明日の休み時間に読もうと思い、ベッドに入った。
「おい…… おい… おいってば!」
その声によって俺は目を覚ました。いや、正確には叩き起こされた。
「余が呼んでいるのに何故すぐに起きぬのか!」
見るとそこには小さい女の子が立っていた。
そして少女はこう続けた
「学生の身でありながら彼女どころか友人さえおらぬ悲しき青春を過ごす孤独な青年よ…喜べ!余がそなたの友人になってやろう!」
なんだこの初対面にも関わらず失礼な少女は!そもそもどっから来たんだ!?それにベッドで寝てたはずなのに今は真っ暗な中で突っ立っている…
そして俺は1つの答えにたどり着く。
あっ、これ夢か!
本の読みすぎだなぁ
俺は納得すると再び眠ることにした。
「寝るなあああああ!」
再び少女から起こされた。
なんて悪夢だ…寝てるのに夢の中で起こされるとか勘弁してほしい…
「言っとくけどこれ夢じゃ無いからな!ほっぺつねってみろ!」
そう言われたので眠たくて少しイラついていた俺は思いっきり少女の頬をつねってやった。
「いだだだだだだだ」
どうやら痛いようである。
頬から手を離すと少女は涙目で怒鳴ってきた。
「無礼者!神様のほっぺをつねる奴があるか!」
どうやら神様だったようだ…
ん?神様?このちんちくりんが?
「えっと…神様なんですか?」
俺は少女に聞き直した。
「そうだよ!神様だよ!貴様が孤独な青春を送ってたから余が親切心で友達になってやろうと思ってたのに!なんだこの仕打ちは!」
少女は涙目で地団駄を踏んでいる。
「い…いえ…まさか神様だったとは…申し訳ないです…」
おおよそ神様には見えなかったが今にも泣き出しそうだったので俺は少女に謝罪した。
少女の顔がぱぁっと明るくなる。
「まあ信じてくれたのなら良い。さっきのことは水に流そう!神(紙)だけに!」
「どうやら少なくとも笑いの神ではないようだ。」
つい思った事が声に出てしまったが、少女は構わず笑顔で続けた。
「よし!じゃあ今日から余と貴様は友人じゃな!神と友になれることを光栄に思うが良い!」
そして俺も笑顔で返した。
「大変光栄なお話ではありますが、ご遠慮させていただきます。」