余が友達になってやろう!   作:TaiPー燕

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第3話

ピピピッ…ピピピッ…と

耳元に置いてあるスマホのアラームが7時を知らせる。

なんか変な夢見たなー

と思いながら目を開けると昨日の朝と同じように部屋の天井が写った。

 

7時間は寝たはずなのに読書に夢中になって夜更かししてしまった時と同じような倦怠感を伴いながらも俺はグッと腕を伸ばし欠伸をした。

 

「あ!タカシ!おはよー」

 

不意に声をかけられ眠気が一気に吹き飛んだ。

 

声のする方を見ると見覚えのある少女がちょこんと正座をしてこっちをニコニコと見ていた。

 

今回は自分の頬をつねってみた。

 

少し混乱しながらも俺は目の前にいる少女に話しかける。

「もしかして…神様…です…か?」

 

「友達なんだからタメ口で良いって言ったじゃん。神“様”はやめてカミちゃんで!」

少女は相変わらずニコニコしている。

 

俺はここでようやくあれは夢ではなく現実だったのだと受け入れることにした。

どうやら俺は夜の間に神と友達になったらしい。

 

「ねーねータカシ。」

少しの間上の空だったがカミちゃんの声でふと我に返る。

 

「は…はい?」

 

「朝ごはんまだー?」

「はいいぃ!?」

 

いや神と友人なったのはわかった。それはもう受け止めた。

しかしなぜ俺が朝飯を用意せねばならんのだ。

それに神って飯を食うのか!?そもそもなぜ当たり前のように俺の部屋にいるんだ!?

普通の(全然普通じゃないけど)友人は勝手に部屋に侵入しないだろう…

 

「え?神ってご飯食べるの?」

様々な疑問の中でまず俺はそれについて聞いた。

 

「そりゃ神だってごはん食べるよー。タカシもお供え物って知ってるでしょ?」

 

なるほどご飯とはお供え物の事か…

 

「あっ!お供え物ね!昨日の残りのやつで申し訳ないけど…」

俺はそう言って昨日の余りのご飯を茶碗についで、カミちゃんの前に置いて手を合わせ御辞儀した。

 

「あー…普段はそれで充分なんだけど…」

カミちゃんは少し苦笑いしながら言う。

 

「ん?」

 

「下界に降りて現界したら結構な力を使っちゃったみたいで…」

俺はそこまで聞くと全てを察すると、朝食にするはずだった昨日の残りを彼女に差し出して学校へ行く準備を始めた。

 

「タカシありがとー!いただきまーす!」

 

「はいはい。どういたしまして。しっかり頂いてくださいませ。」

 

「ところで御神酒は?」

 

「まだ未成年なもんでね…すんませんね。」

準備を進めつつ何気無い(?)会話を交わす。

 

「でカミちゃんはなんで俺の部屋にいるの?」

俺は残っていた疑問を聞いた。

 

カミちゃんは箸を止めるとご飯粒を頬に付けたままキョトンとした。

「えっ?寝る前に約束したじゃん?」

 

確かにそういえば意識が薄れていく時にカミちゃんが何か言ってた気がする。

 

「ごめん、なんだったっけ?」

 

「もー!もう約束忘れちゃったの?」

カミちゃんは不満そうにご飯粒が付いたままの頬を紅潮させつつプクーっと膨らませた。

 

「ごめんって!この通りだからもっかい言ってよ。お願い!」

いったいどんな約束したんだろう…

少し不安になりながら俺はカミちゃんに向かって軽く頭を下げた。

 

「まあ友達のお願いなら… でも、今度は忘れないでよ。」

どうやら約束の内容を教えてもらえそうだ。

 

「まず私とタカシは友達ってこと。」

うんうん、確かに俺も友達なると言った覚えはある。

 

カミちゃんは続ける。

「で友達になった証にこの部屋を私の社扱いしても良いって約束をしたじゃない。」

 

ほーなるほどなるほど

俺の部屋がカミちゃんの社扱いになってるってことかー……

「ってええええええ!?」

俺がいきなり大声を出したせいでカミちゃんがビクッとしたが、そんなことはどうでも良かった。

 

「社!?社ってつまりこの部屋がカミちゃんを祀る神社みたいになってるってこと!?」

 

俺が興奮気味に聞くとカミちゃんは涙目になりながら首をコクコクと縦に2,3回小刻みに振った。

 

「だって昨日聞いた時は頷いてくれたじゃん…」

カミちゃんが声を震わせながら言う。

 

確かに頷いたと言われれば頷いたような気がしないでもない…

 

「え?もしかして私の勘違いだった?ここにいちゃダメ?」

カミちゃんの涙腺は崩壊寸前である。

 

「あー思い出した。確かに頷いた!頷いた!間違いなくカミちゃんと約束しました!」

もう半ばヤケクソである。

こうして俺の部屋はカミちゃんの社となり、俺はカミちゃんと一緒に暮らす事になった。

 

 

ついでに言うとこの時既に7時30分を過ぎていたのだが山中隆史は気付いてはいなかった。

 

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