もはや人間ですらない俺はどうすればいいでしょう!   作:アヴェストロ

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前回のあらすじ

マク「私がきた!!」
ミカ「あ、チョコの人に……チョコの隣の人」
ガリ「ガエリオだ!」
アト&クー「「ライバルがいたとは……」」


#7 体がガタガタ、もうヤヴァイ

どうも。鉄華団、社畜道の第一人者、バルバトスです。

初の宇宙での戦闘を終え、イサリビの格納庫において現在進行で、その場しのぎにもならない修理を受けています。

 

「ったく……楽させちゃくれねぇな」

 

黒人がタブレットをスライドさせながら、何度も頭を掻く。

 

「おやっさーん。装甲の補強ってMWと同じでいいの?」

 

一人の少年兵が黒人に訊ねる。

 

「はぁ? 馬鹿かおめぇ。装甲がナノラミネートアーマーを使うMWと一緒なわけないだろ」

 

「それじゃあ、どうするの?」

 

「ちったぁ待ちやがれ……」

 

黒人はタブレットと俺の回路を何度も見ては頭を掻き、そのたびに唸っている。

 

「ったく……ろくに整備記録が残っちゃいねぇ」

 

ばつが悪そうにいう黒人。

そりゃそうだろ。というか俺も自分自身の手入れの仕方を知らない。

……単純に言えば。怪我してそのままずーっと風呂に入っていないのと一緒だろ?

改めて思う。かなり不衛生だ。

 

「おやっさーん。リアクター周りのチェックも――――――」

 

「だから、待てって言ってるだろ。こっちはMW専門なんだ。MSを弄るのはガキん時以来だ」

 

片目隠れた少年。俺のリアクター周りもいいけど、できれば関節部分のアクチュエータを整備してほしいんですけど。

それと腕部のマニュピレータ。

今あげたのは、本当にひどい部分だ。

人間でいえば骨にひびが入る寸前。みたいな感じだ。

ここまでろくな整備もされずに、連戦みたいな感じだからな。

正直、いつボロが出てもおかしくない。

 

雑魚ならなんとかやれるかもしれないが、MSに長けている熟練者が相手となると……次は厳しいだろうなぁ。

一人の少年兵が黒人に訊ねる。

 

「このMSって大昔に造られたんでしょ?」

 

「ああ。昔も昔。厄災戦の頃の骨董品だ」

 

おい、黒人。てめぇ今なんて言いやがった?

骨董品だと!? お前までそういうのか!

悪いかったな! 錆臭くて悪かったな!

 

「まぁ尤も、ギャラルホルンが使っているMS以外はほとんど骨董品だがな」

 

黒人。俺と意思疎通ができるわけでもないのに、さらっとフォロー入れやがった。

 

「……厄災戦って?」

 

「300年前に地球で起こったでっかい戦争のことだ。話じゃ、地球をぶっ壊すんじゃねぇかって数のMSがドンパチやっていたそうだ」

 

「ふーん……」

 

感慨深く、黒人をはじめとした少年兵どもが俺に目をやる。

 

……そんなに見つめてもなんも出ねぇぞ。この野郎(嬉しい)

 

 

 

 

しばらく時間がたち、俺が先ほど上げていた関節部のアクチュエータ、腕部のマニュピレータが気休め程度に補強された。

うーん……それでも、各部のモーターがやたら負荷がかかっている……。

リアクターの調整は、メインシステムを介しても厳しい面がある。

2基のエイハブリアクターなんぞ、かなりピーキーだからな。一歩調整を間違えると、ボカン。だしな。

だからどうしても外部の調整が必要になる。

しかし、この鉄華団にはそのMsの専門家がいるわけでもない。

言ってしまえば素人軍団だ。それが手探り状態でリアクターを弄ろうもんなら……。

考えただけでゾッとするぜ。

 

……さーて。やることなんて1つもないし、今までの戦闘データのバックアップとって次の戦闘に生かせるように、最適化をやらないとな。

ミー助はどうしても、俺の操縦が荒いところがあるしなぁ。

とメインシステムと睨めっこを始めようとした時だ。

 

「お疲れ様でーす。お弁当持ってきましたー」

 

ぴくっ!!

このロリボイス。

 

「おー。アトラか。ありがてぇ。お前らー区切りのいいところで飯にしようやー」

 

「りょーかーい」

 

「やった、飯だ!」

 

黒人が少年兵どもに言うと、よほど腹が減っていたのか作業を一旦止め弁当を取りに行った。

いいなぁ……あんなにかわいい子から手渡しかよ。

このやるせない思いを抱えたままメインカメラを下に落とす。

そこには、なんとクーデリアちゃんが少年兵どもに弁当を渡しているではないか!

 

な、なんと羨ましい……MSになってはや300年。

これほど血涙を流したくなる日がこようとはっっ。

 

……涙を呑んでデーターの最適化しよう。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

ようやく、ミー助が行ってきた戦闘データの処理と最適化が終了した。

長かったわー。メインシステムに今までの戦闘データと照らし合わせて、俺の身体に負荷をかけずミー助の戦闘スタイルに合うよう再設定するの無茶苦茶大変だった。

過去の戦闘データとミー助の戦闘データを見比べ、それに最も適したのをバックアップに回す。

300年前の骨董品レベルだから、経験値みたいのは多いはずだし、過去のデータもと比較しながらやればすぐに終わると思っていた、俺がバカだったよ。

 

システムには厄災戦時の戦闘データはごまんとあったが、その中でも俺の中で参考になるデータが少ししかなかった。

なぜなら、MSとの戦闘に関するデータが極端に少ないのだ。

逆に、何やらよくわからん鳥みたいなやつの最も効率の良い殺し方しか載ってなかった。

鳥の効率のよい殺し方を知っても、人と同じように殺せるか? と言われればNOだ。

器官が違えば、骨格が違う。それにエネルギー源も違う。

何もかもが違う生体の殺し方を知っても、同じように殺せる道理がない。

……それにしても、こんなでっけぇ鳥みたいなやつの効率のいい殺し方なんぞ、なんでまたメインシステムはバックアップデータを『お気に入り』の欄に保存したのやら。

でもなぁ。このデータのサムネを見ると何故だかこの鳥がこの上なくムカつく。

見たことも聞いたこともないやつに、ムカつくという表現はあれかもしれないが。とりあえず、ムカつく。

……う~ん。わからん!!

 

それはそうと、新しい左腕のパーツとして付け足されたのがあのガリガリたちの乗っていたグレイズの上位互換にあたるシュヴァルベグレイズの装備されていたワイヤークローが追加された。

使いどころが難しい武装を足されたものだ。

下手に使えば、大きな隙を生む武装だ。

だって、ワイヤークロー射出して躱されたとしたら。そのワイヤーを回収する間を敵さんが待ってくれるはずもないし。

おまけに速度の速い機体だと躱される可能性大だし。

うまく使わないとなぁ……。

……一応、データにないか確認しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

イサリビのブリッジでは張り詰めた空気が漂う。

それもそうだ。

鉄華団の船、イサリビは敵に回したくない奴らの傘下にある、組織に後ろを取られている。

その組織の名はタービンズ。

鉄華団が、どうにかして後ろ盾としたい組織テイワズの傘下にある輸送組織だ。

タービンズを束ねる男。名瀬・タービン。

それが今、イサリビの後ろを取っている船に乗りオルガたちに降伏し所有物を明け渡せと言っている。

それを受け入れるということは、事実上の鉄華団の瓦解を意味する。

 

「あんた、正気か?」

 

『冗談に聞こえたか?』

 

オルガ口を開き無機質な画面に映る男を見つめる。

張り詰めた中でオルガがまじめな口調で返す中、名瀬は軽い口調で質問を質問で返してくる。

 

「……みんながバラバラになるのは嫌だな」

 

三日月がポケットの中に入っている、火星ヤシを見つめながらいう。

 

「オルガ、落ち着い――――」

 

何が起こるか予想していた、オルガと付き合いが長い少年兵。ビスケットが止めに入るが遅かった。

 

「悪いな、タービン。あんたの要求はのめない」

 

『ほぉ』

 

「俺たちは鉄華団として引き受けた仕事がある。途中で投げ出すわけにはいかねぇんだ」

 

オルガの覚悟。そして鉄華団団長としてのプライドがあった。

途中で投げ出す道理がない。

 

「あの」

 

後ろでそのやり取りを見守っていたクーデリアが口を挟む。

 

「今、地球までの護衛を鉄華団に依頼しています。今なくなられると困るんです」

 

『あんたがクーデリア・藍那・バーンスタインか。お嬢ちゃんの件はちょいと複雑でな。マルバの資産って扱いだし……』

 

クーデリアが出てきたことで、名瀬は困った顔をして帽子を深くかぶり考え込む。

 

「資産……? どういう意味だ?」

 

オルガがクーデリアに訊ねる。

 

「いえ、私は何も……」

 

『こいつは、マクマードの親父に確認しねぇとな……』

 

「あ、あの一ついいですか?」

 

考え込む名瀬に、ビスケットが勇気を振り絞って物申す。

 

『あー。なんだ。丸いの』

 

「ビスケット・グリフォンといいます」

 

『そのビスケットくんがなんだ?」

 

「あの、今この場で鉄華団としてタービンズと取引することはできないでしょうか?」

 

「はー? お前何言って」

 

その言葉に、ユージンが呆れた顔で言うがビスケットの真剣な表情に押し黙った。

 

「俺たちは、クーデリアさんを地球まで送り届けたいんです。その仕事成功させるには、ギャラルホルンの監視を避けて地球まで航路を確保できる案内人が必要となります。タービンズは、テイワズの輸送部門を管理してるんですよね? その航路を使わせてもらえませんか? 勿論、相応の通行料はお支払いします」

 

『駄目だ。話にならん。火事場泥棒で会社を乗っ取ったガキが一丁前の口をきくな!』

 

ビスケットの提案を名瀬は一蹴。

 

『俺はなぁ。さっきから道理の話をしてるんだ』

 

「俺らを見殺しにした腰抜け野郎とは取引しておいて、それを言うか?」

 

「あんな野郎より下に見られるってのが面白くねぇ」

 

ユージンが愚痴るとそれに続いてピアスをしている少年兵、ノルバ・シノも愚痴る。

 

『じゃあどうすんだ? お前らがガキじゃねぇってんなら俺を敵に回す意味も分かってんだろうな?』

 

全員の視線が団長のオルガに集まる。

 

「……さっきも言ったが、あんたの要求をのめない。あんたの道理は知らねぇが、俺たちにも通さねぇといけない筋がある」

 

その返事に名瀬が目が少し細まる。

 

『それは、俺たちとやりあうってのいいんだよな?』

 

「ああ。俺たちがただのガキじゃねぇってのを教えてやるよ」

 

『……お前ら。この代償は高くつくぞ』

 

その言葉とともに、画面に映し出されていた名瀬が姿を消す。

そんなやっちまったよ。の空気が漂う中、バルバトスは……。

 

 

 

『あーっもう! あと少しだったのにぃぃいいいいいい! あと1列ぶんだったのにぃいいいい!』

 

疑似テトリスを楽しんでいたそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

なーんか全体的にあわただしくなったな。

 

どうせまたギャラルホルンの相手だろ?

グレイズぐらい、簡単にあしらってやるぜ。

 

 

 

 

 

と意気込んだのはいいものの、実のところ。至るところのモーターに変な負荷がかかる不具合は改善されていない。

本来なら、こんな状態では戦場に出せるはずない。

身体のそこら中から悲鳴が上がってるよ。

 

「おやっさん! マルバが出てきたって本当か」

 

「ああ。どうやらそうらしい。おまけに、タービンズを連れてやってきやがった」

 

黒人とグレイズ改に乗っていたガチムチの会話が集音機に届く。

……マルバって誰だっけ?

 

「昭弘ははやくグレイズ改に乗って先行てくれ。バルバトスはぎりぎりまでリアクター調整をする」

 

「わかった」

 

ガチムチがグレイズ改に乗り込み、カタパルトへ降ろされ先に出撃していく。

それからすぐにノーマルスーツを着込んだミー助がやってきた。

黒人がコクピットのハッチをあけ、ミー助に座るように促す。

 

「すまねぇ、三日月。結局リアクターは調整不足のままだ。本当はこんな状態でおめぇを出したかねぇんだが……」

 

「まぁ動くんなら何とかするさ」

 

流れるようにコクピットへ足を運び、シートに座る。

 

「寝覚めが悪いから死ぬなよ?」

 

「おやっさんより長生きするつもり」

 

黒人のジョークもミー助もジョークで返し、その返答を黒人が笑い飛ばす。

 

「ちょーしいいこと言いやがって」

 

ミー助がシートにもたれかかり、阿頼耶識をセットする。

そしてシートをコクピットに収納し、ハッチでロックをかける。

 

―――――――システムの再起動を確認

―――――――リアクター、動力部、関節部に異常あり。推奨、欠場

―――――――戦闘を行いますか? 

    YES←

    NO

―――――――阿頼耶識システムとパイロットのビスを固定

―――――――武装を確認……高硬度レアアロイメイス、滑空砲

―――――――中距離戦闘に設定

―――――――ここ最近の戦闘データをバックアップに回します

―――――――戦闘が行える状態とは言えません。それでも戦闘を行いますか?

    YES←

    NO

―――――――短期決戦を推奨します

 

「くっ、リアクター周りだけじゃなく、動力部と関節部にまで変な負荷がかかってるのか……」

 

そうだよ。体がボロボロ。社畜ちゃんもここまで社畜してるところは知らないだろう。

 

「まぁ、やれるだけやるさ。な」

 

……そういわれると期待に応えるしかないだろうが!(嬉しい)

網膜投影を開始したと同時に、ブリッジより通信が入る。

 

『目標よりMSの出撃を確認。数は2です』

 

「わかった。おやっさん」

 

え? 今の誰!?

今のちょっとお姉さんみたいな誰!?

 

「よぉーし! バルバトスを下すぞ!」

 

ちょっと! ねぇ! 俺の質問に答えてくれよ! 彼女は誰!?

俺の癒しの双璧が三巨頭になるやもしれんだろ!

アームでがっしりとつかまれて、下のカタパルトへ固定される。

 

「さっきの人はフミタン。クーデリアといつも一緒にいる人だ」

 

おぉう。フミタン……よい響きだ。

見た感じ、流石にアトラちゃんとクーデリアちゃんと一纏めにするには、少し別の艶っぽさがある。

敬意を表してフミタンさんと呼ぶことにしよう。

それにしては、今日はいつになく素直だね? 何か変なものでも食べた?

 

「……」

 

無視かーい!!

 

『エアロック作動。カタパルト、ハッチ開放します』

 

フミタンさんの音声案内を集音機で聞きながら、ハッチが解放されるのを確認する。

 

『カタパルト、スタンバイ。いつでもどうぞ』

 

「んじゃ、バルバトス。三日月・オーガス出るよ」

 

その声とともに固定されていたカタパルトが火花を散らしながらミー助を乗せた俺を無限の宙へ放り出す。

いよっしゃー! こんな超絶縛りプレイじみた感じでどこまでいけるか試してやるぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙戦はまだ2回目で慣れていなというのもあるが、機体の劣化のせいで慣性制御が追いつくか追いつかないかのレベルまできている。

それでも、やらないと壊される。

背部に収納されていた滑空砲を展開。

通常よりも多めに、スラスターを噴かさないと前へ進めない。

それにさっきの滑空砲展開の時点で、ミー助の操縦と俺の動きに僅かなタイムラグが生じてるのがわかった。

……今回はさすがに、腹をくくらないといけないな。

ガチムチの乗るグレイズ改と合流する。

 

「お待たせ」

 

『へっ、待っちゃいねぇよ』

 

左様か。

ピピ!

 

索敵システムが、敵影を補足。

見つけたぜ、今回のお敵さんはあいつらだ。

 

「…あれか」

 

おう。あの青とピンクのMSが今回の相手だな。

2対2で戦力は互角。

さて、どう戦うかな。

 

―――――メインシステムより推奨、遠距離による砲撃戦

―――――接近戦闘はおススメしません

 

……ですよね。

 

『ミー助。今回は砲撃戦メインだ。お前の操縦と俺の動作にタイムラグが生じている以上、瞬間的な操作を求められる接近戦闘はできるだけ避けたい』

 

「……わかった。昭弘。今回は俺が援護するから、突っ込んで貰ってもいい?」

 

『三日月……おう! 俺に任せろ!』

 

ガチムチがバトルアックスを腰部から抜き出し、本当に敵へ突っ込んでいく。

迷いがないぶん、思いっきりがいいねぇ。

俺もガチムチに当たらないように、相手の動きを見るための牽制射撃を行う。

マシンガンじゃない分、躱されやすが相手の動きを制限するには十分だろ。

 

『うぉぉおおおおお!』

 

ガチムチが野太い雄たけび上げながら、ピンクのMSと切り結ぶ。

 

『随分と思いっきりがいいじゃないか! いいねぇ! そういうのはさぁ!』

 

ピンクのMSからの通信をキャッチ。

……MSに女性が乗っているだと!?

なんと羨ま――――――いやけしからん!

戦場に女を引っ張り出してくるとは!!(大混乱)

 

『姐さん、援護―――――』

 

「やらせないよ」

 

青いMSがピンクの奴の援護に入ろうとライフルを構えるが、その隙に滑空砲を斉射。

 

『くぅ!』

 

MSに施されたナノラミネートアーマーは貫けないが、ダメージは間違いなく蓄積するからな。

それは俺が身をもって体感している。

 

『戦闘の作法がなっていないようだが』

 

「戦いに作法なんてあるの?」

 

気にするな。戦闘にスポーツマンシップもクソもねぇからな。

ピンクの方に加勢させまいと、青にMSとピンクのMSの文壇に謀る。

どっちか片方を潰せば、あとは1つをタコ殴りにすればいいだけだ。

……潰せればの話だが。

 

「ちぃ!」

 

青いMSから斉射されるライフル弾を躱す動きをするが、どうしても動くまでにほんの僅かにあるタイムラグのせいで、回避行動がままならない。

前回の戦闘のように、ごり押し回避をもう一度しようもんなら、関節部のどこか逝っちまう。

 

『どうやら、MSの整備が行き渡っていないようだな』

 

「そんなの関係ないだろ」

 

敵の発言に図星を突かれるが、そこはミー助。いつもように何事もなかったかのように返答する。

でも実際に整備が行き渡っていないのが現状なんだよ!

 

ピピン!

 

あ!? 索敵に反応?

といっても反応があるのはかなり後ろのほうだが……。

 

『交戦中に失礼します。隠れていた敵MSが船に強襲をかけています。対空砲では間に合わないので至急、戻ってきてください』

 

ブリッジのフミタンさんの通信が入る。

 

「もう1機いたのか」

 

後方を確認するために後ろを向く。

 

『戦闘中によそ見とはね』

 

淡々と告げられる言葉と同時に放たれるライフル弾を、滑空砲でガードすることで乗り切る。

あんまり遠距離武装でガードしたくないけど、仕方ないだろ。

すぐに戻らないと船が沈むな。

どーする? ミー助。

 

「決まってるでしょ。昭弘。悪いけど、前の2機、頼める?」

 

『へっ! ああ。任せろ』

 

だよな。

ガチムチ1人でこの2機の相手は正直厳しい。

時間稼ぎが関の山だ。

 

「わかってる。だからすぐに戻る」

 

頼んだぞぉ! ガチムチ!

背部のスラスターと脚部のスラスターを総動員してイサリビを砲撃してるMSの破壊に向かう。

 

 

俺の癒しを奪うなぁぁああああ!

 

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

現在、イサリビは敵のMSの砲撃でダメージを受けながらも、艦首だけは敵戦艦に向けたまま後退し続けていた。

おいおい、こいつぁやばくないの?

いやイサリビのほうじゃなくて、敵のMSの速度のほうだよ。

 

『あはは! 遅いってーの!』

 

「くっ! 速い!」

 

大型スラスターを2基搭載されたMSのスラスター側面からのライフル弾の斉射。

躱すという事があまりできない今。右腕の装甲で受けるしかない。

地味に痛いけど!

俺のスピードじゃ追いつかねぇ!

敵は俺との距離を一定に保ち、側面に装備されているライフルを撃ちまくってる。

それを回避の動作がやはり遅れ為、何発かは必ず被弾する。

いやほんとに地味に痛いから!

こっちも負けずと滑空砲を撃つが、敵は機動力を生かして難なく回避する。

ちぃ! 下手にこっちから距離を詰めようもんなら、ただ蜂の巣になるのが落ちだし。

かといってこのままだと少なからず、必ず墜ちる。

メインシステムがそんな警報出しちゃってるし。

 

『遅い! 遅い! 遅い!』

 

あだだだだだだ!

敵さん、ちょっと撃ちすぎじゃね!?

今の俺がどんに遅いか俺が一番よぉ~く知っとるわ!!

それよりもこっちのパイロットも女かよ!

 

誰が好き好んで、コクピットに野郎を乗せなきゃいけないんだ!

あの機体どもが羨ましいッッ。

 

あ、いたっ! 今度は肩にもろ当たった!?

こっちはスラスターは今だ完全じゃないし、その癖メイスに滑空砲と思い武装しかないから尚のことだ。

 

「くそ! このままじゃ埒が明かない」

 

まったくその通りだぜ!

ミー助。悪いが滑空砲じゃあのMSを捉えきれない。

 

「そんなのわかってる。何かいいのあるの?」

 

ないわけじゃないが、お前の身体が持つかどうかだ。

 

「わかった。お前のそれでいこう」

 

本気? 相手の機動力だから本当にきついぞ?

コクピットに吐瀉物は勘弁だからな。

そんな会話をしながらも、ひたすら滑空砲を撃ち続けるが本当に当たる気配がない。

 

『それじゃあ、そろそろ終わりにしてよね』

 

あだだぁぁぁぁあああ!?

 

お、俺の他のMSとは一線を画す角が、角がぁぁああ!

ライフル弾によって右の角をへし折られたぁぁぁあああああああ!

 

あだ!

今度は胸部に被弾した。痛い!

これ見よがしにバカスカ撃ちやがって。

いたぁ!

あー! ナノラミネートがはがれて綺麗な煙に変わってるよ。

 

『あはははは!』

 

とどめとばかりに距離を詰めてきたぞ!

今だミー助!

 

「そこぉぉおおお!」

 

左腕に装備されているワイヤークローを射出。

敵さんを捕らえることに成功する。

 

「よし! あと頼んだよ」

 

任せろ!

 

『こんなもので!』

 

敵さんは一気に加速して、俺を振り払おうとする。

うぉおおおおお! ボロボロの機体には堪えるなぁ、おい!

 

「ぐぅぅう!」

 

耐えろよ! 今は耐えろ!

 

『そっちは慣性制御が追いついてないんでしょ? 早く離さないと苦しいだけだよ』

 

「離したらあんたはイサリビを沈めに行くんだろ」

 

ぐっそぉおおお!

脚部のスラスターで、慣性制御の微調整しても所詮は焼け石に水だ。

敵さんは加速しながら、小さな小惑星が核分裂に失敗したような隕石群へ入る。

 

「オルガの邪魔はさせない!!」

 

『邪魔をしてるのは、あんたのほうだろ!?』

 

敵さんは隕石に向かって突っ込むが、住んでのところで回避して俺たちだけ隕石に衝突させようってみたいだ。

ピピ!

コクピット内に電子音が響く。

 

「『きた!』」

 

よし! 今だぁ!

俺は隕石と衝突する前に、ワイヤークローを手甲から切り離した(・・・・・)

 

『ふふん、やっぱり無理だったかぁー。これで大人しく……って、あれ?』

 

敵さんは完全に俺たちを見失ったようだ。

さぁて、反撃に出るためのステージは整ったぞ!




最後まで読みいただきありがとうございます。

今回は長くなりそうだったので、切りのいいところで区切らせていただきました。
ラフタさん……あんたは我々の太陽だったのに。
なんで、なんであんなケツ顎にッッッ!
ラフタショックは大きかったと、執筆してる時に思いました。

変な描写などがありました報告していただけると幸いです。

次回 #8 黒人の次は爺かよ!!

ガンダムフレーム……男のロマンじゃわい!
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