戦闘の描写は‥‥ひどぅいかも(視線を逸らす
どれくらいの時間をかけて歩いたのだろうか、辺りは木、木、木‥‥どこもかしこも暗い森の中。私の体内時計では恐らく30分以上はずっと早足で歩いている。目的地はかなりの奥にあるのだが、私は先頭でいつまでも鼻歌を歌って呑気にしている鷹人を疑いの眼差しで見つめる。
「ねえ…本当に道案内はできているのでしょうね?」
「そう心配すんなって。梅軒に教えてもらった通り、ちゃーんと進んでいるぜ」
果たして本当だろうか‥‥。心なしか同じところをグルグルと回っているような気がしてきた。鷹人が次はあっちだ、今度はこっちだと左へ右へと方向を変えて進んでいるので不安が疑いへと変わり信じられなくなってきている。そもそも、梅軒がどうやってそんなルートを知っているのかというのも胡散臭い。
「その梅軒のメールの通りで大丈夫なの?」
「お前は心配性だなー。此奴の言うとおりに進んで行けば‥‥あ、やべっ」
ん!?今「やべっ」って言わなかった!?思わずこいつがこぼした言葉に目を見開いてしまう。そして当の本人は、にっこりと私に満面の笑みを見せてタブレット型の生徒手帳を見せる。確かに彼の言う通り、梅軒のメールとその内容と地図らしきものが映っているが、彼が口をこぼした意味が引っかかる。
「今、やべって言ってたけど…」
「ははは。よく見たら、地図が反対でしたー。いやー、やっちまったな」
「おおおおおいっ!?」
反省の色を全く見せないこのバカに私は全力のドロップキックをお見舞いした。こいつは地図を逆さまで見て案内をしていた。つまり、正真正銘の迷子になった。
「やっぱりあんたに頼った私がバカだった…!」
「そ、そう怒るな。まだ終わっちゃいねえって。道を引き返していけば…あれ?ここどこ?」
なんということでしょう。今自分達がいる場所すらも把握できないまま森の中を彷徨う事に。このままじゃただ森の中を歩き回るだけで終わり、ゴールへと辿り着けないまま試合すらでれなくなってしまう。もうこいつを切り捨てて自分で歩いて行こうか…
そんな事を考えていると、遠くで爆発音が響きだした。誰かが伐刀して他の生徒と戦っているのだろう。耳をすませば刀と刀がぶつかり合う金属音やら生徒の誰かの悲鳴や雄叫び…バトルロワイアルなのだ、誰かを蹴落とさなければ勝ち進むことができない。この辺りも激戦区になるかもしれない。と、いうことは…私は一筋の希望を掴んだように安堵する。
「この辺りから進んで行けば目的地に着くはず…!」
「まじか‼朱音、お前天才だな!」
「あんたがただバカなだけでしょ…だけど、他の生徒が戦っているように私達もその激戦に巻き込まれる可能性があるわ。覚悟して進むわよ」
「委細承知!初めからそうすればよかったんや」
お前はただ迷子になりかけただけだろうが。危うく私もこのバカと道連れになりかけたが、戦いとなればこいつの実力も把握しておく必要があるだろう。いずれ戦うことになるのなら、早めに対処法も考えておく。
「あらあら?どこの子羊が罠にかかったかと思えば、腰抜けの朱音さんじゃなくて?」
どこぞのテンプレお嬢様系なキャラみたいな台詞が聞こえイラッとした私は歩みを止めて声が掛かった先を睨む。暗い森の中から、林崎美利が高飛車風な高笑いを上げて現れた。彼女の後ろには取り巻きの生徒達がぞろぞろとついてきている。
「美利さん…私なんかに油を売ってる暇はないのでは?」
「本当はそうしたいのが山々なのですが…わざわざ貴女から間引き作業の中に入って来たのですから放っておくわけにはいかなくなったのですわ」
間引き…なるほど、だからあちこちで戦闘している音が聞こえてきたわけか。彼女は取り巻きを使って自分の邪魔になる輩を悉く蹴落としていき、安全な道を作ろうとしていたのだ。面倒なのに巻き込んでしまったと私は内心ため息をつく。
「美利さん、そんなことしていると他の生徒が追い越してしまいますよ?私は今貴女と戦って時間を費やす気はありません。お互いの為にもここは見なかったことにしませんか?」
「あらぁ?やっぱり戦って負けるのが怖いのですわね?だから貴女は分家で腰抜けの恥晒しと笑われるのですわ」
美利さんとその取り巻き達は一斉に私を嘲笑しだす。マジでイラッときた。本当にお嬢様系の輩は逆撫でする無知なのが多いのか。私も流石にここまで言われると我慢ができない。
「そうですか――残念だわ。あんたなんか相手にして時間の無駄になるというのに…」
「おおこわっ…俺は蚊帳の外でいいんだよな?」
「…あんたは邪魔をしないで。これは私のケジメよ」
「そこの貴方。その腰抜けを始末したら次の標的は貴方になるのだけど‥‥私の所に来るのなら、見逃してあげますわ?」
この高飛車女はどこまで人を舐めているのだろうか…鷹人は腕を組んで悩んでいたが首を横に振った。
「無理。クマさんを穿いてる奴の下とかちょっとなぁ…やっぱタイツに白ってのが好みだな」
そんな気がした。というかそんな基準で寝返る寝返らないのを決めないで欲しい。美利さんはすっかり顔を赤くして涙目で睨んだ。人のコンプレックスを弄るのはやっぱりこいつの方が長けているようだ。
「もう許しませんわ‼腰抜け諸共始末してあげます‼——統べよ、
彼女の右手に水が渦を巻きだし、青いサーベル型の固有霊装が握られる。固有霊装の名前の通り、彼女は水を操る伐刀者だ。美利さんは刀を振りかざして切っ先を私の方へと向ける。
「さあ!やっておしまいなさい‼」
彼女の合図と共に取り巻きの生徒達が一斉に伐刀して私へと迫っていく。
「おうおう、こりゃまた人海戦術ときたか。お前ひとりでいいんか?」
鷹人は他人事のように面白そうに眺める。好戦的なのだろうか、鷹人は自分も戦いとうずうずしてる。だが、これは私のケジメだ。邪魔をされては困る。
「だからいいって言ってるでしょ。あんたが出しゃばる所は無いわよ」
「へいへい…お手並み拝見といきますよ」
鷹人は小声で「頑張れよ」と呟いて後ろへと下がった。こいつは何を考えているのか、いや今は考えるのはやめよう。気が逸れる。私は目の前の事に集中して左手を掲げる。
「——
左手に淡い薄緑色の風が巻き上がり、私の固有霊装が発現される。私はそれを握り、構えていつでも迎撃できる姿勢に移る。私の固有霊装を見た鷹人は物珍しそうに見据えていた。
「盾を備えた左手用の短剣、マン・ゴーシュか…珍しいな」
刀身は小太刀よりもわずかに短いが、厚めの刃に翡翠色の盾が備わった短剣、マン・ゴーシュ型の固有霊装。私は後ろで呟いている鷹人には一切気にかけず、構えた。
手斧を振りかざして脳天を割ろうとしてくる生徒の攻撃を受け流し、相手の胸へ3連突き。横から刀型の固有霊装で斬りかかろうとして来る生徒の攻撃を盾で弾き返し、相手が怯んだ隙に刺突。
雄たけびを上げながら挟み撃ちで仕留めようとするソード型の固有霊装を持った生徒と二刀流の生徒の攻撃を躱し、まずはソードを絡め取って物腰になった相手に容赦なく刺突。すぐに二刀流の刀で再び斬りかかろうとしてきた生徒の攻撃を見切ってVの字に斬る。
ひとまず私に接近してきていた相手を片付けた。いちいち相手にしていられない。狙うは取り巻きを指揮している大将首である林崎美利。彼女さえ倒してしまえば烏合の衆、蜘蛛の子を散らすように逃げていくだろう。私は脚に魔力を集中させて駆ける。取り巻き達の剣戟を躱して一気に彼女の下へと迫った。
その速さに一瞬驚いたのか美利さんは目を丸くしていたが、すぐにドラグヴァンディルを横薙ぎで斬りかかる。無駄に盾で防ぐつもりはない。私は後ろへ下がって躱し、もう一度迫る。そして彼女にむけて突きを放つ。
「——どうせさっさと私を始末しようと真っ先に来ると思っていました。計算通りですわ」
美利さんはニヤリと笑う。その刹那、私の足下から水の柱が吹き上がる。もろに当たったらまずい――‼私はすぐに後ろへと飛び下がる。今の一撃で仕留めることができなかったことに私は舌打ちをする。さっさと仕留めないと、彼女のペースに変えられてしまう。
「お忘れですの?貴女は私に一撃も与えることもできずに惨敗したことを。何度やっても私には勝つことはできませんわ」
そう言って美利さんはドラグヴァンディルを地面に突き刺す。彼女の足下からいっきに水が広がっていき私の足下も水で濡れていく。もっと面倒な事になった。
「——
美利さんはそのままドラグヴァンディルを横薙ぎをして空を切る。ただ素振りをしているわけではない。ここから彼女の独壇場になってしまうのだ。私はすぐに避けることに集中する。
彼女がドラグヴァンディルを横へ薙ぎいたと同時に横から鉄砲水が流れてきた。木々をなぎ倒し、逃げ遅れた取り巻きごと巻き込んで私へと襲い掛かる。私は巻き込まれまいと必死に駆けて鉄砲水から逃れる。
逃げる私に彼女の攻め手は緩めない。次に再びドラグヴァンディルを水に浸された地面へと突き刺すと不規則に水の柱が吹き上がっていく。私は縫うように躱していき美利さんへと迫っていくが、彼女はそうはしてくれない。
ドラグヴァンディルを迫っていく私に狙いを定めて袈裟斬りで振り下ろした。彼女の前で立ちはだかる様に津波が現れ私へと迫ってきた。思わず歩みを止めて躱そうとしたがもう遅い。私は津波に巻き込まれた。水圧の塊が体に打ちかかり、呼吸ができない程の水中へと渦巻かれる。必死にもがいて水牢から抜け出す。強引に水を飲まされて苦しそうに咳き込む私に美利さんは嘲笑う。
「おほほほほ!何も変わっていませんわね!お飾りが付いたしょうもない短剣でただ突くことしかできない貴女は私に勝つことなぞ不可能ですわ‼」
彼女の伐刀絶技『
――けれど、これでだいたいわかった。
「——何も変わっていないのはあんたの方のようね」
「‥‥なんですって?」
ぴくりと反応した美利さんはジロリと私を睨む。殺気を込めているようだが、そんなもの怖くない。
「私は何度も何度も立ち向かって変わっていった‥‥取り巻き作って指揮して現状にご満悦のあんたにここで負けるつもりは満更ないわ」
「腰抜けの癖に癪に障る…‼やはり貴女からいち早く始末して正解でしたわ‼」
美利さんは再びドラグヴァンディルを思い切り袈裟斬りで空を切った。先ほどよりも大きな津波が発現されて襲い掛かる。軽く挑発したつもりだったのだが…テンプレお嬢様系というべきか、思った通り気が短いようだ。
さて、集中しなければ今度こそ巻き込まれてここで終了となってしまう。自分で言うのも何だが、黒鉄家の中では私は2番目に能力が低い。そんなブービーな力でどうすべきか、地面に這いつくばるほどに、血反吐を吐くほどに、体を壊すほどに鍛えぬいて考えぬいた。とある師匠に出会い、術を見つけた。
――自分の全力をぶつければいい
脚に、手に、自分の固有霊装に、ありったけ注ぎ込んで集中する。全力をもって相手の全力を打ち勝つ!
私は迫りくる津波に真正面から一気に突っ込んだ。普通ならば自殺行為だろう。でも打ち勝つにはこれしかないと私は考えている。
自ら飛び込んだことに美利さんは嘲笑の目で見ていたが、津波を突き破った私の姿を見て嘲笑から驚愕へと変わる。これ以上、貴女の独壇場にはさせない。私は風の様に駆ける。足には翡翠色の風が纏い、駆けていく私のスピードを上げていく。
美利さんは慌ててドラグヴァンディルを振っていく。水の柱を噴き上げさせ、水の斬撃を飛ばし、鉄砲水や高圧水流を放っていく。美利さんへと近づけさせまいと私の邪魔をする取り巻きごと巻き込んで攻撃する‥‥が、もう遅い。もう私は止めることはできない。
「こ、これならどうです!?貴女には私に一撃も与えることはできませんわ‼」
美利さんは自分の周りに水の壁を張っていく。私の攻撃を届かせないようにするつもりだ。でも私の考えは彼女の体に一撃を与える事なんて毛頭ない――一撃を与えるんじゃない、一撃で仕留めるのだ。
距離、今のステータス、申し分ない。体力、これで仕留めれなかったらバテるかも。水の壁、全力をぶつけなければ突き破ることはできないだろう。固有霊装にありったけの力を注ぐ。マン・ゴーシュの切っ先に翡翠色の風が纏い、渦を巻く。左腕を引き、狙いを定める。
「——風穿ち‼」
全身全力の風を纏った強烈な一撃の突きを放った。螺旋の風は勢いよく駆け抜け、水の壁へとぶつかる。大きな掘削音を響かせ、突き破り、美利さんの体を撃ち貫いた。幻想形態だから精神にダメージを受けるのだから無事だが、実戦形態だったら間違いなく体に風穴が開いていただろう。美利さんは激痛を耐えるような苦悶の表情で私を睨む。
「貴女‥‥実力を、隠していたのね‥‥っ!?」
その言葉を最後に美利さんはばたりと倒れた。私は勝利を噛みしめることなく、ただ真顔で倒れている美利さんを見つめた。
「隠していたんじゃない…身に着けただけよ」
ほっと一息ついた途端にぐらりと立ち眩んだ。へたりと膝をついて大きく息を吐いた。正直張り切り過ぎて力を消耗しすぎた。後は大将がやられた烏合の衆が散り散りになって逃げて行ってくれると嬉しいのだが‥‥
「いまのあいつなら楽勝だわ‼」
「美利お嬢様の敵っ‼」
うん、やっぱり現実はそうもうまくいかない。消耗しすぎた私なら勝てるだろうと高を括って襲い掛かってきた。何とか対処しなければと立ち上がろうとするが、うまくいかない‥‥‼
「選手交代といくか」
私を守る様に鷹人が前に出て私に剣を振り下ろそうとしてきた生徒を蹴とばす。
「ちょ、あんた…‼」
「朱音、お前は頑張って勝ったんだ。今度は俺が頑張る番だな」
「何を勝手に…‼」
「悪いな。何もしないのは俺の性分にあわねえし。というか、みすみすダチを見捨てるわけにはいかねえしな」
鷹人はニシシと私に向かって笑う。此奴と言う奴は‥‥本当にry
「あと、折角の黒タイツと同じルームメイトなんだ。いなくなるのはいやだしな!」
本当に変態のクソ野郎だ。折角の雰囲気を台無しにした鷹人は右手を掲げた。
「——ぶち壊せ、
鷹人は伐刀した。彼の手に光が灯り固有霊装が握られる。彼の固有霊装は一体何なのか、どんな力があるのか私は息を飲んで見つめた‥‥のだが、全貌が明らかになると思わず口をあんぐりと開けてしまった。黒い金属の棒、先端は赤く逆Lの字で曲がっている。刀でもない、メイスでもハンマーでもない‥‥というかあれってもしかして…
「どうみてもバールじゃん!?」
彼の固有霊装なのか、よくホームセンターとかでみかけるバールそのものだった。
「失礼だなー。バールじゃねえよ、バールのようなものだぞ」
「ようなものじゃなくて思い切りバールなんだけど!?」
「デッキブラシじゃないところだけ有難く思えよ」
「何が!?」
そんなやり取りをしている間にも鷹人に向かって生徒が襲い掛かってきた。余所見してる場合じゃないわよ‼と叫ぶ前に、鷹人はそのバールもといバールのようなものを思い切りフルスイングしてぶっ飛ばした。
「うちの相方に手を出す野郎は‥‥ぶっ転がしてやるぜぇぇぇっ‼」
戦闘狂のような笑みで飛び掛る様に襲い掛かっていった。思い切り振って、思い切り叩いて、思い切りぶっ飛ばして、次々に取り巻きだった生徒達を倒していく。
彼の戦いを見て一目で分かった。彼は強い、強すぎる。技の技術とか、剣術とか、剣技とかそんなものは彼には関係ない。積み上げた物を容赦なく叩き壊していく様は戦場の戦闘を楽しんでいるかのよな、細かいことなぞ屁でもない戦い方だった。
だからこそ、私は思わず見惚れてしまった――いや別に好きとかじゃなくて。彼の戦い方に、彼の強さに興味を持ってしまったと言っておこう。
気が付けば取り巻き達は壊滅し、残った者は一目散に逃げだしていっていた。鷹人は面白味が無くなったかのようにつまんなそうにため息をついた。
「ったく、興が削がれたぜ。所詮は取り巻き、か‥‥朱音、大丈夫か?」
「え、ええ‥‥あんた、結構強いじゃないの」
「だろう?もっといいとこ見せたかったけど、時間がねえな」
面倒くさそうに鷹人は頭を掻く。そうだった、これはバトルロワイヤルだけどもいち早く目的地に着く競争だ。こんなところでへたばっていたら遅れてしまう。私は立ち上がって急ごうとするが足下がおぼつかない。
「ほら、乗りな」
すると鷹人は屈んで私に背を向ける。おぶってくれるようだが、変な事をするのではないかと私は疑いの視線を向ける。
「遠慮すんなって。ルームメイトなんだし、タッグだし、相棒だし、ダチなんだからよ。急がねえと出たがってた七星剣舞祭に出る事すらできなくなるぜ?」
「ああもう‼仕方ないわね、変な事したらすぐにヘッドロックするわよ‼」
先程までタイツしか見てなかったくせにと毒づくが、ここは彼の言うとおりにしておこう。私をおぶった鷹人は一気に森の中を駆けていく。
「で、でもあんた道は分かるの!?」
「大丈夫だ!梅軒のルームメイトがわざわざ道を作ってくれたんだとさ!」
確かに気づけば一直線に焦げた道ができている。今度こそ、この道を辿ればつくのだろうかと心配になるが、鷹人はお構いなく風の如く駆けいった。
遠くで剣戟の音や生徒達の声が聞こえる。今だに先頭は続いているし、まだ間に合う。私は安堵のため息をつく。
心なしか、鷹人の背中が暖かい。かつて幼い私をおぶってくれた父を思い出してしまったのがいけなかったかな…
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「いやー、よく来てくれたね!朱音さんと鷹人くんで丁度35人目と36人目だ‼」
ニヤニヤとリハク校長はなんとか目的地に辿り着いた私と鷹人を生温かく労った。息が上がっている私と鷹人はそれどころじゃなかった。というかこのイベントはうまくいったとニヤニヤしてる校長がなんかむかつく。
道中、このまま一気に駆けてくれればよかったものの、鷹人が急に「お腹痛い」と言い出し、私ごと茂みの中へと飛び込んでいったのがいけなかった。疲労がたまっている私を更に苛立たせ、胃を委託してれたせいで私までもお腹が痛くなってしまったのだ。必死に耐えて薬草を探して何とかなったと思えばまた道に迷うわで大変だった。
「おー、お二方‼よくぞご無事でござった!」
苛立っている私に更に苛立たせてくれるようで、宍戸梅軒がにこやかに手を振ってやって来た。兜で表情が見えないが絶対に愉悦な笑みをしてるに違いない。
「もう大変だったんだぜー。朱音の奴が急にお腹痛いーとか言ってくるもんだからさー」
「それはあんたでしょうが‥‥‼」
もう色々と疲れてツッコむ気にもなれない。
「ご苦労でござるよ。でも、これでお二方も代表選抜に出れるでござるなー」
梅軒のいう通り、これで私も鷹人も代表選抜に出場することができる。やっと始まったばかりというべきか、ここから熾烈な戦いが始まるのだろう。
「諸君!よくぞ辿り着いた‼ライバルに打ち勝ち、誰よりも早くここへと来た君達はかなりの実力が備わっている。今後の君達の活躍を期待している!見事代表選抜も勝ち抜き、代表生となって七星剣舞祭で優勝してくれることを願っている!」
リハク校長は張り切りと期待の眼差しでここに辿り着いた新入生36名を見据える。やっとこんなめんどくさいオリエンテーションが終わった。私はほっと一安心した。
「これで新入生オリエンテーションを終了する‼‥‥ところで、帰り道ってどこ?」
私は思い切りずっこけた。校長、あんたも迷子か…!?
マン・ゴーシュもしくはマインゴーシュ。盾が備わった剣とか少し中二精神をそそったのでヒロインのメーン武器になりますた。
バールのようなもの(?)。はっちゃけた主人公なら刀とかじゃなくて、違うのがいいかなと…
ドラグヴァンディル…ブレ×ブレでは少しふとましい子だけども、だがそれがいい