問題児たちと不適合者が異世界から来るそうですよ? 作:アホ蛇
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「ギフトカード!」
驚いた様に声を上げた黒ウサギが、興奮した様な顔で四人のカードを覗きこんだ。
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「………」
「ち、違います!というかなんで皆さんそんなに息が合っているのです!?このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ!耀さんの”生命の目録”だって収納可能で、それも好きな時に顕現出来るのですよ!」
「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」
「………」
逆行自然………逆行か。
自然愛好者が自然逆行者………皮肉と言うか、なんというか……。
前々から分かっていた事ではあるが、改めて形として出されると考えるものがあるな……。
「威鷹さん?どうかなさったのですか?」
「……ん?いや、何でもない。つか俺も貰えんのな」
試練クリアの”恩恵”らしいがコレ。さっきのギフトゲーム俺関係なかったし。
「まぁコミュニティ復興の前祝いとしてついでだ。気にするな」
なんだかんだで、当初の鑑定という目的以上の成果を得、六人と一匹は暖簾の下げられた店前に移動し、耀達は一礼した。
「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい」
「あら、駄目よ春日部さん。次に挑戦するときは対等の条件で挑むんだもの」
「ああ。吐いた唾を飲み込むなんて、格好付かねえからな。次は渾身の大舞台で挑むぜ」
「そん時はオレも参加するかもな」
「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ。………ところで」
白夜叉は真剣な顔で黒ウサギを見る。
「今更だが、一つだけ聞かせてくれ。おんしらは自分達のコミュニティがどういう状況にあるか、よく理解しているか?」
「ああ、名前とか旗の話か?それなら聞いたぜ」
「ならそれを取り戻すために、”魔王”と戦わねばならん事も?」
「聞いてるわよ」
「………。では、おんしらは全てを承知の上で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな?」
「そうよ。打倒魔王なんてかっこいいじゃない」
「”かっこいい”で済む話ではないのだがの………全く、若さ故の物なのか。無謀というか、勇敢というか。まぁ、魔王がどういうものかはコミュニティに帰ればわかるだろう。それでも魔王と戦う事を望むと言うのなら止めんが………そこの小僧に娘二人。おんしらは確実に死ぬぞ」
断言する白夜叉に何かが言いたげな威鷹に、一瞬言い返そうとする他の二人。
しかし、つい先ほど”
「魔王の前に様々なギフトゲームに挑んで力を付けろ。小僧はともかく、おんしら三人の力では魔王のゲームを生き残れん。嵐に巻き込まれた虫が無残に弄ばれて死ぬ様は、いつ見ても悲しい物だ」
人の
「………ご忠告ありがと。肝に銘じておくわ。次は貴女の本気のゲームに挑みに行くから、覚悟しておきなさい」
「あぁ、御助言痛み入るぜ。そん時に虫扱いした事後悔させてやるから覚えとけ」
「ふふ、望むところだ。私は三三四五外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い。………ただし、黒ウサギをチップを賭けてもらうがの!」
「嫌です!」
「つれない事言うなよぅ。私のコミュニティに所属すれば生涯を遊んで暮らせると保証するぞ?三食首輪付きの個室も用意するし」
「三食首輪付きってソレもう明らかにペット扱いですから!」
怒る黒ウサギ。笑う白夜叉。店を出た五人と一匹は無愛想な割烹着の店員に見送られ”サウザウンドアイズ”二一〇五三八〇外門支店を後にした。
白夜叉とのゲームを終え、噴水広場を超えて五人は半刻ほど歩いた後、”ノ―ネーム”の居住区画の門前に着いた。門を見上げると、旗が掲げてあった名残の様なものが見える。
「この中が我々のコミュニティでございます。しかし本拠の館は入り口からさらに歩かねばならないのでご容赦ください。この近辺はまだ戦いの名残がありますので………」
「戦いの名残?噂の魔王って素敵ネーミングな奴との戦いか?」
「はい」
「ちょうどいいわ。箱庭最悪の天災が残した傷跡、見せてもらおうかしら」
「ああ、虫を弄び無様に殺す嵐とやらの爪痕を見せてもらおうじゃねーか……」
先ほどの一件があってか飛鳥と威鷹は機嫌が悪かった。
オレを虫扱いするほどの力なんだ。そりゃあ大層な力なんだろうよ。
黒ウサギは躊躇いつつ門を開ける。
「っ、これは………!?」
目の前の風景に飛鳥と耀は息を呑み、威鷹は眼を見開き、十六夜は眼をスッと細める。
これは何かの冗談か?戦いの跡どころかただの廃墟じゃねーか、しかも………。
「………おい、黒ウサギ。魔王のギフトゲームがあったのは今から
十六夜は木造の廃墟に歩み寄り、囲いの残骸を手に取る。威鷹も同様にして落ちている物と土を拾う。
「僅か三年前でございます」
「ハッ、そりゃ面白いな。いやマジで面白いぞ。この風化しきった街並みが三年前だと?」
………これは。
「断言するぜ。どんな力がぶつかっても、こんな壊れ方はあり得ない。この木造の崩れ方なんて、膨大な時間をかけて自然崩壊したようにしか見えない」
ようにしか見えない………じゃねーよ。この砕けた鉱物の土や落ちてる釘なんかの金属だった物っぽい物からわかる酸素結合、鉱物結合の崩壊、有機物分解、金属イオンの剥脱………もう自然崩壊一択決定に決まってんだろ。
少し分子に違和感がある様に感じるが、目の前のソレは紛れもない自然界に存在する『風化』『腐食』に違いなかった。
「ラベンダのテーブルにティーセットがそのまま出ているわ。これじゃまるで、生活していた人間がふっと消えたみたいじゃない」
「………生き物の気配も全く無い。整備されなくなった人家なのに獣が寄ってこないなんて」
「………魔王とのゲームはそれほどの未知の戦いだったのでございます。彼らがこの土地を取り上げなかったのは、魔王としての力の誇示と、一種の見せしめでしょう。彼らは力を持つ者が現れると遊び心でゲームを挑み、二度と逆らえないように屈服させます。僅かに残った仲間達も皆心を折られ………コミュニティから、箱庭から去って行きました」
「………」
見た事もない大自然を初っ端に見せられ、次に非自然的なファンタジーな要素、今まで感じた事のなかった感覚に加え、挙句に自然的でありながら非自然的な事象………まったく。
頬が吊り上がるのを抑えきれない。
「マジで楽しませてくれるなオイ」
黒ウサギや飛鳥、耀の暗い雰囲気とは対照的に十六夜と威鷹の二人は不敵な笑みを浮かべていた。
主人公最強!派の皆さんのお気に入りが減る予感………TT
主人公は現時点で十六夜より弱いです。まぁ十六夜様はアレですよ、チートというか、「しゃらくせぇ」っていいながら拳を振るえば何でも解決するんですよ。ええ。
今のとこ初期の問題児達の強弱関係は
十六夜>威鷹≧耀、飛鳥
こんなとこです。
まぁ、戦闘には相性とかあるんで一概には言えないですけど……。
一応主人公も耀や飛鳥達と同様成長するんで、最終的にはどうなるか分かんないです。