IS - ヴァルキリーの弟 -   作:sata-165

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更新が遅くなってしまってスミマセンでした。
試験はひとまず終わったのですが、忙しかったのと暑さとだるさで執筆が遅くなって書けませんでした。




第16話 昼休みと放課後

「待ってたわよっ!」

 

食堂に着くなりラーメンの乗ったトレーを持って仁王立ちする鈴がいた。

 

「鈴。とりあえず食券が買えないからそこをどいてくれ。」

 

「それに早く食わないと麺が伸びるぞ。」

 

俺も一夏に続いて鈴を注意する。

 

「う、うるさいわね。わかってるわよ。アンタ達を待ってたんでしょうが! なんでもっと早く来ないのよ!」

 

鈴がどいたので俺らは食券を買っておばちゃんに食券を渡す。ちなみにメニューは一夏が日替わり定食で、箒はきつねうどん、セシリアは洋食ランチ、俺はカツ丼だ。

 

「それにしても久しぶりだな。ちょうど丸一年ぶりになるのか。元気にしてたか?」

 

「げ、元気にしてたわよ。アンタこそ、たまには怪我病気しなさいよ。」

 

「どんな要望だよ、そりゃ。」

 

「そういや一夏は病気になったことないな。あれか? ナントカは風邪を引かないって。」

 

「ナントカってなんだよ!? 俺は体に気を使ってるからだよ。それに月茂も風邪ひいたことないだろっ!」

 

「丈夫さは俺の取り柄だからな。」

 

「相変わらずアンタらは仲がいいんだか悪いんだか分からないわね。」

 

鈴が呆れたように呟く。普通にからかってるだけだから仲が悪いように見えるとは思えないんだが?

 

「あー、ゴホンゴホン!」

 

「ンンンッ! 一夏さん、月茂さん? 注文の品、出来ましてよ?」

 

箒とセシリアのわざとらしい大きな咳払いによって会話が中断される。程よく火が通った卵が食欲をそそるな。

 

「向こうのテーブルが空いてるな。行こうぜ。」

 

一夏の言葉に従って十人近い人間が移動する。

 

「鈴、いつ日本に帰ってきたんだ? おばさん元気か? いつ代表候補生になったんだ?」

 

「質問ばっかしないでよ。アンタ達こそ、なにIS動かしてんのよ。ニュース見たときビックリしたじゃない。月茂なんか篠ノ之博士が発表してるし。」

 

久しぶりに会ったからか、一夏が矢継ぎ早に質問する。

 

「一夏、そろそろどういう関係か説明してほしいのだが。」

 

「そうですわ! 一夏さん、まさかこちらの方と付き合ってらっしゃるの!?」

 

箒とセシリアが少し棘のある声で聞いてきた。周りの女子もそのあたりが気になるようだ。俺は話に加わる気は無いので大人しくカツ丼を食べる。

 

「べ、べべ、別にあたしは付き合ってる訳じゃ……」

 

「そうだぞ。なんでそんな話になるんだ。ただの幼馴染だよ。」

 

「…………」

 

「? 何睨んでるんだ?」

 

お前が“ただの”幼馴染なんて言うからだろ。

 

「何でもないわよ!!」

 

鈴がそっぽを向いてしまったのを見て一夏は首を傾げている。なんで気付かんかね?

 

「幼馴染……?」

 

箒はその単語に引っ掛かったのか一夏に聞き返してきた。そういや箒と鈴は面識なかったな。

 

「あ~、えっとだな。箒が引っ越していったのが小四の終わりだろ? 鈴が転校してきたのが小五の頭で、月茂は中学上がる時に引っ越したから二人と面識があるんだ。で、中二の終わりに鈴が国に帰ったんだよ。」

 

「で、こっちが箒。ほら前に話したろ? 小学校からの幼馴染で俺の通っていた剣術道場の娘。」

 

「ふうん、そうなんだ。」

 

鈴は箒を値踏みするようにじろじろと見る。対する箒も負けじと睨みつけるように鈴を見る。

 

「初めまして。これからよろしくね。」

 

「ああ。こちらこそ。」

 

笑顔で握手をする二人。何故か後ろには龍と虎が見えるが……気にしない方が賢明だな。

 

「ンンンッ! わたくしの存在を忘れてもらっては困りますわ。中国代表候補生、凰鈴音さん?」

 

「……誰?」

 

鈴は初めてセシリアの存在に気付いたかのような態度を取る。いや、実際に眼中になかったのかもしれないな。

 

「なっ!? わ、わたくしはイギリス代表候補生、セシリア・オルコットでしてよ!? まさかご存じないの?」

 

「うん。あたし他の国とか興味ないし。」

 

「な、な、なっ……!?」

 

思考が追い付いていないのか言葉をつまらせているが、怒りから顔を真っ赤にするセシリア。

 

「い、い、言っておきますけど、わたくしあなたのような方には負けませんわ!」

 

「そ。でも戦ったらあたしが勝つよ。悪いけど強いもん。」

 

相変わらずの自信家だな。

 

「じゃ、俺は先に戻ってるぞ。」

 

空になった食器類を片付け立ち上がりながら告げる。

 

「ん? もう行くのか?」

 

「ああ、ちょっと済ませておきたいことがあるからな。」

 

放課後にあまり時間が取れそうにないので午前中に出た課題を済ませておきたいからな。

 

         ◇

 

「ふぅ……今日はいろいろあったな……」

 

時間が取れなかったので夕食後に走りこみと槍の鍛錬をした帰りなので、今の時間は八時過ぎ。時間が取れなかった理由は料理部部長に事情を話して入部した後に差し入れのシュークリームを持って生徒会室にも顛末を説明に行ったからだ。

料理部は週一で活動があって基本的に自由参加らしい。そんなんでいいのかとも思ったが部活と言うより同好会と言った感じだし問題ないのか。

それと生徒会の役職は庶務になった。理由は空席が副会長と庶務だけで兼任する形の人間に副会長をやらせるわけにはいかないからだそうだ。余談だが会計は布仏の姉の虚先輩という方で、書記は布仏だった。

 

バンッ  バタン

 

今日の出来事を振り返りながら寮の廊下を歩いていると10mほど先の扉が突然開け放たれて、誰かが出てくると思いっきり閉めた。

 

「鈴か? そんな荷物持ってどうしたんだ?」

 

出てきた人物はボストンバックを抱えた鈴だった。

 

「つっ、月茂!?」

 

「飲み物奢るから話聞かせてくれ。」

 

「わかったわよ。」

 

鈴の瞳に涙が溜まっていたので放っておくわけにもいかないと思い声をかける。

 

         ◇

 

「……なるほどな。」

 

他人に聞かれたくないだろうから寮の屋上に上がり、設置された自販機で二人分の飲み物を買って話を聞いた。鈴の話を要約すると、一夏が鈴との約束を勘違いして覚えてたらしい。約束の内容に関しては黙っていたが鈴の反応からすると恋愛関係の約束なんだろう。

 

「アンタからあの馬鹿に謝るように言いなさいよっ!」

 

「悪いがパスだ。喧嘩ってのは当人同士で納得しないと仲直りも何もないだろ。」

 

「うっ……」

 

「とはいっても共通の友人として仲違いしたまんまってのもアレだから、手助けぐらいならしてやるよ。……そうだな。確か鈴はクラス代表だったよな?」

 

「それがどうかしたの?」

 

「来月の頭にクラス対抗戦があったろ? それで賭けでもしたらどうだ? まあ、それまでに謝ってきたりしなかったらだけど……」

 

「なるほどね。確かにいい考えかもね。」

 

「そうと決まれば使用許可取っておくから明日模擬戦するぞ。」

 

「え!? アンタ一組でしょ? 敵のあたしの手助けみたいなことしていいの?」

 

「仲直りの手助けはするって言ったろ? それにけしかけたのは俺だしな。」

 

「ありがと。少し気が楽になったわ。」

 

「気にすんな、俺が勝手に世話焼いただけだ。」

 

鈴は少し落ち着いた様子で屋上を後にした。まったく、まだ一ヶ月も経っていないのに一夏は面倒事ばっかだな。

 




なんか鈴と月茂が試合することになってしまいました。
それと月茂が料理部と生徒会に正式に入りました。



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