来週から講義が再開される~
ということで多分更新速度が遅くなります。
以上近況報告でした。では、本編どうぞ。
「やっぱりハヅキ社製のがいいなぁ。」
「え? そう? ハヅキのってデザインだけって感じしない?」
「そのデザインがいいの!」
「私は性能的に見てミューレイのがいいかなぁ。特にスムーズモデル。」
「あー、あれねー。モノはいいけど、高いじゃん。」
月曜日の朝。食堂であった一夏と一緒に教室に来たら、女子たちが手にカタログを持って意見を交換していた。そういえば、もう持っている俺には関係ないけどISスーツの申し込みが開始されんだったな。
どうでもいいけど、最近、よく一夏と食堂で会うな。開いてる時間が限られているからか?
「そういえば織斑君と甲斐谷君のISスーツってどこのやつなの? 見たことない型だけど。」
「あー。特注品だって。男のスーツが無いから、どっかのラボが作ったらしいよ。えーと、もとはイングリッド社のストレートアームモデルって聞いてる。」
「俺のも一夏と同じ特注で、村牧技研製だ。まあ俺の場合は所属先だからな。」
束さんの電波ジャックの次の日に呼ばれたと思ったら採寸されて、2日後にはスーツが届いた時には仕事の速さにビビったな。
「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知する事によって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、ISはそこで必要な動きを行います。また、このスーツは耐久性にも優れ、一般的な小口径拳銃の銃弾程度なら完全に受け止める事が出来ます。あ、衝撃は消えませんのであしからず。」
すらすらと説明しながら山田先生が教室に入ってきた。そういや、性能が本物か気になって、借りた改造エアガンをぶっ放しても傷が付いてなかったな、めちゃくちゃ痛かったが。
「諸君、おはよう。」
「お、おはようございます!」
千冬さんの登場でざわついていた教室が静かになった。すごい制圧力だな。
「今日からは本格的な実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業になるので各人気を引き締めるように。各人のISスーツが届くまでは学校指定のものを使うので忘れないようにな。忘れたものは代わりに学校指定の水着で訓練を受けてもらう。それもないものは、まあ下着で構わんだろう。」
いや、例年ならともかく、男がいるんだから構いましょうよ。
「では山田先生、ホームルームを。」
「は、はいっ。」
連絡事項を伝え終わった千冬さんが教壇から降りながら山田先生に声をかける。
「ええとですね、今日はなんと転校生を紹介します! しかも二名です!」
楯無さんが言っていたやつだな。しかし、あの後IS関連のニュースを調べたが、大きなニュースが無かったんだよな。どこかの企業が経営不振だとか、どこかの第三世代機が
「え……」
「「「ええええええっ!?」」」
山田先生の衝撃発言で教室が揺れた。この反応からすると布仏は話しを広げてなかったのか? それともあの時寝てたのか?
「失礼します。」
「…………」
クラスに入ってきた二人の転校生を見てざわめきが止まった。なるほど、会長があんな顔していた理由が分かった。
入ってきた二人のうち一人が―――男だったから。
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れな事も多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします。」
転校生の一人、デュノアはにこやかな笑顔でそう言うと軽く一礼する。随分と丁寧な挨拶だが、不思議とイヤな感じがしないのは何故だ?
「お、男……?」
「はい。こちらに僕と同じ境遇の方々が居ると聞いて転入を――」
人懐っこそうな顔、中世的な顔立ち、細身で華奢な様子の体躯、背中のあたりまである長い濃い金髪……なんか女っぽいな。
少なくとも俺は、こんな男はみた事が……あるな。中学時代の一番の友人が、筋肉がつきにくい体質で、女顔で、それを気にして軍関係の事を趣味にしてる奴が。
ってか、あんまジロジロ見るのは止めるか、俺の場合ガン付けてるって思われやすいからな。
「きゃ……」
「はい?」
「きゃああああーーーっ!」
クラスから黄色い声が上がる。つか、うるせえ。
「男子! 三人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「美形! 守ってあげたくなる系の!」
「甲斐谷君のワイルド系もいいけどこっちもいいわ!」
俺ってワイルド系なのか。
「地球に生まれてよかった~~!」
いや、地球に生まれてって何基準だよ。
「あー、騒ぐな。静かにしろ。」
面倒くさそうにぼやく千冬さん。反応自体が鬱陶しいとかそんなとこだろうな。
「み、皆さんお静かに。まだ自己紹介が終わってませんから。」
山田先生の言葉にクラスの視線はもう一人の転校生へと向けられる。
こっちは女子だがその容姿は、女子の中でも低い身長、伸ばしっぱなしといった様子の銀髪、左目に付けた黒い眼帯、色は赤いが冷めきった様子の右目……とても、一般的とはいえない風貌だ。
「………………」
当の本人は下らないといった様子でクラスを一瞥すると、すぐに千冬さんに視線を向ける。
「……挨拶をしろ、ラウラ。」
ラウラ? 苗字……じゃないよな? ひとまずラウラ(仮)と呼ぶか。
「はい、教官。」
いきなり佇まいを直すと千冬さんに敬礼する転校生。ドイツの候補生ってことはドイツ式なのか?
「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私の事は織斑先生と呼べ。」
「了解しました。」
そう答えるとラウラ(仮)は手を下して体の真横につけると、踵を合わせて背筋を伸ばす。訓練して体に刻みこまれた動きだな。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」
「………………」
クラスメイトの沈黙。続く言葉を待っているんだがボーデヴィッヒは口を閉ざしている。
この空気に
「あ、あの、以上……ですか?」
「以上だ。」
山田先生の問いに即答するボーデヴィッヒ。あーあ、空気が固まっちまったな。そういえば来月には臨海学校があるんだっけな~。
バシンッ!
俺が空気の悪さに現実逃避していると、横から乾いた音が聞こえてきた。
そちらに目を向けると、平手を振り抜いた様子のボーデヴィッヒと、叩かれたせいか頬を赤くして呆けている一夏がいた。
「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか。」
一夏が馬鹿やったのかと思ったが、どうやら違うようだ。しかし、『弟であることを認めない』と言われてもどうしようもねえだろ。
「いきなり何しやがる!」
「ふん……」
ボーデヴィッヒは鼻を鳴らすと、一夏を無視して空いてる席に着いた。
「あー……ゴホンゴホン! ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」
パンパンと手を叩いて千冬さんが行動を促す。いろいろと気になる事はあるが今は置いておくか。
やっと本作品のヒロインのシャルさんが登場しました。この辺から少し原作と展開を変えていくつもりです。