IS - ヴァルキリーの弟 -   作:sata-165

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投稿が遅れてすみません。あんまり忙しかったわけではですが、話が思ったように書けなくてこんなにかかってしまいました。

遅れましたが第24話どうぞ


第24話 金髪のルームメイト

「月茂、シャルル、一緒に飯食わないか?」

 

「ん? 学食か?」

 

「いや、屋上で……天気もいいしちょうどいいだろ?」

 

「えっと……僕も一緒でいいのかな?」

 

「気にすんなって、飯は大勢で食った方が上手いだろ?」

 

「遠慮する必要はねえよ。じゃあ、俺は購買でパンでも買ってくっかな。シャルルはどうする?」

 

屋上で食べるとなると飯を持っていかないといけないからな。

 

「まだ、施設の位置が把握しきれていないから、迷惑じゃなければ一緒に行っていいかな?」

 

「迷惑だなんて思わねえよ。じゃあ、一夏。屋上で待っててくれ。」

 

「おう。じゃあ、またな。」

 

俺はシャルルを連れて購買へ向かうために一夏と別れる。

 

         ◇

 

ガチャ

 

「すまん、一夏。購買が混んでて遅れた。」

 

「待たせちゃってゴメンね、一夏。」

 

屋上の扉を開けて、待っているであろう一夏に軽く謝罪する。正確に言うと購買、というより女子に捕まらないように道を選んでたんだが、たいして変わらんだろ。

 

「一夏! なんで月茂たちまで来るんだっ!」

 

「なんで、って……さっきも言ったけど大勢で食った方が上手いだろ? それにシャルルは転校して来たばっかで勝手が分からないだろうし、それなら月茂も誘わないと変だろ?」

 

屋上に並んでいる丸テーブルの一つに一夏がいたのだが、なぜか箒とセシリア、鈴がいて、箒が一夏を問い詰めていた。……オーケー、だいたいの状況は把握できた。

 

「どうやら邪魔しちまったみたいだな。俺は他のとこで食うからごゆっくり。」

 

俺がすべき行動は退散だな。ここにいても針のむしろだ。

 

「ちょっと待て、月茂! どこに行くんだ? 一緒に食えばいいだろ。」

 

一夏はこの場の険悪な空気に気付いていないのか、さも当然と言ったように一緒に食うように言ってきた。コイツはホント大物だな。

 

「ええと……本当に僕が同席してよかったのかな?」

 

一夏達の座る一つ横のテーブルに腰掛けるとシャルルが遠慮がちに聞いてきた。

 

「まあ、居づらい気持ちは分かるが気にしないでいいと思うぞ。」

 

正直、女子3人の迫力がすごい。不良グループの親玉相手にもビビりはしねえが、あの雰囲気は恐怖を感じる。

 

「ところでさ、一夏っていつもあんな感じなの?」

 

シャルルは俺の隣に座ると、小声で一夏の方を指しながら訊いてきた。その方向には一夏に自分の作ってきた弁当を勧める3人の女子と、その意図を全く介さない様子の一夏がいた。

 

「ああ、いい奴ではあるんだが……昔からあんな感じだな。」

 

人の機微に疎い、というわけじゃないが、何故だか恋愛感情には疎いんだよな。

 

         ◇

 

「甲斐谷、部屋の調整が済んだから荷物をまとめて移動しろ。」

 

午後の授業も終わり素振りをしようと部屋に槍を取りに来たら、千冬さんが部屋に入ってきて、鍵を渡された。

 

「わかりました。短い間でしたがお世話になりました。」

 

「卒業まではまだ時間がある。礼はその時にしろ。」

 

俺が軽く礼を言うが、予想通りというか軽く流されて、千冬さんは用が済んだといった様子で部屋から出ていった。

 

「さて、ちゃっちゃと整理して素振りだけでもするか。」

 

素振りだけは毎日やってるし、サボるとなんか落ち着かねえからな。

 

「1024……1025……1026……」

 

私物をまとめた段ボール一箱を持ち、部屋を探す。ここの寮は広いから部屋探すのも手間だな。

 

「……1027。ここか。」

 

コンコンコンコン

 

目的の部屋を見つけたのでノックをするが、中からの返答は無い。

 

ガチャ

 

「失礼しま~す。」

 

鍵がかかっていたので渡された鍵を使い、挨拶をしながら中に入る。

 

「なんだ、誰もいねえのか。」

 

中に入ってみたが、人はいないし、特に荷物なども無い。

 

コンコンコンコン

 

「へいへい、今開けますよ。って、シャルルか。」

 

ノックされたのでドアを開けると荷物を抱えたシャルルがいた。

 

「あ、ここって月茂の部屋だったんだ。」

 

「いや、俺も移動して来たばっかなんだが……、シャルルもこの部屋なのか?」

 

「うん。改めてよろしくね。」

 

「おう。何か困った事があったら相談してくれ。やれる範囲でなら力を貸すから。」

 

荷物を置いたシャルルと握手をする。しかし、手が小さいな。

 

「おっと、時間が無くなっちまうから、またな。」

 

「あ、どこか行くなら僕も一緒に行っていいかな?」

 

槍を担いで部屋を出ようとしたところで呼びとめられた。

 

「別にいいが、トレーニングルームで槍の素振りするだけだし、なんも面白くもねえぞ?」

 

「転校して来たばっかりだから施設の場所とかにも慣れておきたいからね。」

 

なるほど。それなら場馴れしてる奴がいた方がいいか。ここの広さからすると、ヘタしたら迷子になりかねんからな。

 

「何か準備とかは必要か? なんなら待ってるが……」

 

「大丈夫だよ。それよりも、早く行かないと時間が無いんでしょ?」

 

「そうか。じゃ、行きがてら案内でもするか。」

 

俺はとりあえず、トレーニングルームまでの通り道にある施設を案内することにした。

 

         ◇

 

「ふぅ……飯ぐらい落ち着いて食いたかったな。」

 

軽く素振りを行った後、汗だけ拭いて軽く施設の案内、食堂で一緒に飯を食った。だが、男性操縦者の転校生とあって質問攻めにあったんで、頃合いを見て抜けてきた。

 

「僕のせいで迷惑かけちゃってゴメンね。」

 

「いや、シャルルが気にする必要はねえよ。それに、ここに来た時は同じようなもんだったしな。そういや、ベッドとか決めてなかったがどうする?」

 

シャルルが申し訳なさそうに謝ってきたので、さっさと話を切り替える。どうもシャルルは変に気を使うきらいがあるみたいだな。

 

「僕はどっちでも構わないから月茂が決めてよ。」

 

「そうか、なら通路側にするか。」

 

朝錬とかするから、早朝や夜中に部屋から出ることもあるし、迷惑かけたくないからな。

 

「じゃ、荷物の整理でもしちまうか。」

 

「そうだね。このままじゃ邪魔になるもんね。」

 

部屋が広いといっても通路の幅を圧迫しちまうし邪魔になるから荷解きをすることにした。

 

「……こんなもんか。茶ぁ淹れるけどシャルルも飲むか?」

 

「うん。もらおうかな。」

 

俺は整理した荷物の中から茶筒を取りだして備え付けのミニキッチンへと向かう。

 

「ほい。口に合うかは分からねえけど、どうぞ。」

 

「うん。いただきます。」

 

入れた緑茶をシャルルに手渡す。紅茶と緑茶だと味がだいぶ違うし、文化的なものは相性とかあるからな。

 

「紅茶とはずいぶん違うんだね、不思議な感じ。でも美味しいよ。」

 

「気に入ったならなによりだ。確か、紅茶と原料は同じらしいけど……、発酵具合だか、何かの違いで違うらしいな。」

 

シャルルの感想に安心しながら、テレビで聞いた覚えのある豆知識を添える。

 

「へえ~、そうなんだ。同じ材料なのにこんなにも違うなんて不思議だね。抹茶は緑茶とは違うの?」

 

「抹茶は緑茶の一種を粉末にしたものだな。菓子作りにも使うから俺も持ってるけど。」

 

そう言いながら缶入りの抹茶を見せる。

 

「月茂って、お菓子作りするの?」

 

「昔から甘いもんが好きだが、最近じゃ男が入れない店も多いからな。最近じゃ、だいたいは自分で作るようになったな。」

 

昔はケーキぐらいしか作らなかったが、今じゃ焼き菓子ならレシピがあれば作れる。

 

「ふ~ん、そうなんだ。僕も一度食べてみたいな。」

 

「じゃあ、明日にでも何か作っておくか。」

 

「そんな気を使わなくっていいよ。ついでで作ってくれればいいから。」

 

「まあ、遠慮すんな。最近差し入れしてなかったから丁度いいしな。」

 

最近は筋トレや訓練続きで生徒会の方に顔だしてないからな。差し入れだけでもしておくか。

 

「そうなんだ。そういえば、一夏は放課後にISの特訓をしているって聞いたけど、月茂も一緒なの?」

 

「いや、俺は一緒にはやってないぞ。それがどうかしたのか?」

 

俺の場合は一夏と違って訓練時間は取れていたし、遅れはあんまないから最近じゃ筋トレや格闘の訓練ばっかだったな。

 

「うん。月茂と一夏に何かお礼がしたいから、一緒に特訓に参加しようと思ったんだけど……」

 

「なら、俺も参加すっかな。最近じゃISを使ってなかったし、丁度いいからな。明日にでも一夏に話しとくか。」

 

放課後にISの訓練ってなると、素振りは早朝にでもやればいいか。ランニングとダッシュもあるが、1時間ぐらい早く起きれば問題ないな。

 

「んじゃ、今日のとこはそろそろ寝るか。」

 

「そうだね。おやすみ。」

 

「おう、おやすみ。」

 

明日からは忙しくなりそうだな。




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本当遅れてすみません。
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