IS - ヴァルキリーの弟 -   作:sata-165

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月茂と一夏が再会します。
ひとまずクラス代表決定戦あたりまで書いてから一夏のヒロインに関してアンケートを取りたいと考えています。

候補としては
箒、セシリア、鈴、ラウラ、楯無、簪、etc.....
他のキャラでも受け付ける予定ですが書きやすそうなのはこのぐらいだと思います。


第1話 クラスメートは親友以外すべて女子

「へ~、流石は国際的な国立校とあって規模がでけぇな。」

 

俺はIS学園の校門をくぐり、その馬鹿みたいな規模の施設群に目を見張る。未知の地だからと月光の視覚補助をオンにしてきたが、世界中から集まる優秀なIS操縦者を育成する学校だけあって金のかけ方が馬鹿みたいだ。

 

「俺のクラスは1年1組か。束さんの事だから一夏や箒は同じクラスなんだろうな。」

 

束さんに掛かればどんなセキュリティでも喉を鳴らして懐いてしまうからクラス分けを調節するぐらい簡単だろう。千冬さんも管理しやすいからと黙認しそうだし。

 

「久しぶりに親友に合う事になるのか……懐かしいな。」

 

両親の事故以来、俺に近づいてくる奴が減って友人以上の関係を築くことすらほとんどなかったから親友との再会に期待していた。

 

 

 

 

「う~。男子が一人って辛いな。しかも、見てるだけで話しかけてきたりしてこないし……」

 

教室に入ると頭を抱えている親友の姿があった。

 

「なに辛気臭ぇ顔してんだよ。一夏。」

 

あのまま悩んでいる一夏を観察するのも面白いだろうがSHRまであまり時間も無いので一夏に話しかける。

 

「月茂!! 久しぶりだな。」

 

「おう。久しぶり。3年ぶりか?」

 

まるで救いの天使でも見つけたかのような表情で一夏は立ち上がって俺に挨拶をしてきた。

 

「ニュースで一夏の名前聞いた時はビックリしたぞ。」

 

「うっ、俺もあんな大事になるとは……」

 

「しかし、なんで一夏はIS学園の試験場になんか行ったんだ?」

 

俺はニュースを見たときから気になっていた事を一夏に聞いてみた。男の一夏がIS学園の入試を受けるはずないし、試験の見学とかも無いので行く理由が思いつかないんだが。

 

「……試験会場で迷子になった。」

 

「くくっ、中3にもなって迷子って何やってんだよ。」

 

「し、仕方ねぇだろ。『常識的に作らない俺カッコイイ』的な感じの施設で階段すら見つからなかったんだから!!」

 

「や、やめてくれ。それ以上言うと笑いが止まらなくなりそうだ。」

 

「くっ、そういう月茂はどうなんだよっ? いきなり束さんがIS使えるって言っていたけど。」

 

俺は腹を押さえながら一夏に話をやめるように言うと、今度は俺の事を聞いてきた。

 

「ん? 俺か、俺の場合は『あの事故』の後に束さんがコレを作ってくれたから分かったんだよ。今まで隠してきたんだがな……」

 

俺はアイウェアを指しながら一夏に説明する。

 

「っつ、悪い。嫌なこと思い出させちまって。」

 

「変に気を使うなよ。俺はあのことは気にしてないから。」

 

ほんとコイツは気を使い過ぎだ。もう2年以上前の事故を気にはしてないのに。

 

「そういや月茂はそういう奴だったな。それで、そのサングラスがどうかしたのか?」

 

「俺の視力がほとんど無くなったんだが、束さんの作ったコレで視界を補助してんだよ。その時にIS適性がある事も分かったんだ。」

 

「そうだったのか。」

 

「っと、もう時間だから席に着くか。」

 

俺は時間を確認して自分の席に着く。といっても一夏の隣だが……、最前列の中央に。

 

 

 

 

「全員揃ってますね~。私はこのクラスの副担任を務めます山田真耶です。1年間よろしくお願いしますね。それじゃあSHRをはじめますよ~。」

 

チャイムが鳴り入ってきた女性は黒板の前に立つと軽く自己紹介をして、SHRを始めた。見た目を言うと、服装はサイズが合ってないのかだぼっとしていて、掛けている黒縁眼鏡も大きいのか少しずれている。印象としては突然体が縮んだのかと思うような背伸びしてるような服装に見える。

 

「……………………」

 

山田先生の元気な挨拶に対して教室は静まり返っていて、変な緊張感に包まれている。

 

「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いしますね。」

 

ちょっとうろたえている山田先生には申し訳ないが教室は静まり返ったままである。ちらりと横の親友を見ると女子の好奇の視線のせいで答える余裕はなさそうだ。それと他の女子も俺と一夏の事が気になっていてそれどころじゃないってところか? IS学園に進学するのは女子校からの進学が多いから男子が珍しいんだろう。その上世界で2人しかいないISを操縦できる男子となればその珍しさもストップ高だろう。

 

(月茂、この状況なんとかしてくれ!!)

 

(気にしないか、慣れるしかねぇよ。)

 

一夏がこちらを見て救いを求めるような視線を向けてくるが俺は軽く流す。事故の事だったり、目の事だったり、星姉の事だったりと俺の場合は好奇や畏怖の視線を集める事が多かったから、このぐらい気にすることでも無い。

 

「次は織斑君お願いします。あれ? 織斑君、織斑君。織斑一夏くんっ。」

 

「は、はいっ!?」

 

何度呼んでも反応しない一夏に山田先生が大声で一夏の名を呼ぶと、一夏は驚きからか声が裏返った。やべぇ腹痛ぇ。クラスの中からもくすくすと笑い声が起こり一夏は居心地が悪そうだ。

 

「あ、あの、お、大声だしちゃってごめんなさい。お、怒ってる? 怒ってるかな? ゴメンね、ゴメンね! でもね、あのね、自己紹介、「あ」から始まって今「お」の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ゴメンね? 自己紹介してくれるかな? だ、ダメかな?」

 

山田先生は何度もペコペコと頭を下げていた。しかも何度も頭を上げ下げするのでサイズの合っていない眼鏡がずり落ちそうになっている。横にいる一夏は余計なこと気にしてる気がする。

 

「いや、あの、そんなに謝らなくても……っていうか自己紹介しますから、先生落ち着いてください。」

 

「ほ、本当? 本当ですか? 本当ですね? や、約束ですよ。絶対ですよ!」

 

がばっと顔を上げ、一夏の手を取って熱心に詰め寄る山田先生。そんな一夏と山田先生にやり取りにクラス中の視線が集まる。やばい、笑いを押さえるのがつらい。

 

一夏は意を決したのか席を立って後ろを振り向く。もちろん注目を浴びている男子の一人である一夏の自己紹介を聞き逃さないようにとクラス中の視線が一夏に集まる。まぁ俺はそこまで興味は無いので軽くクラスの様子を見ると窓際にいる箒が横目で一夏の事を見ている。

 

「え~……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします。」

 

一夏は軽い自己紹介をすると頭を下げて、上げる。もちろんクラスのみんなが名前だけで満足するわけでもなく一夏の次の言葉を待っている。

 

(月茂なんとかしてくれ)

 

一夏が視線で俺に助けを求めてくるが面白そうなので無視をすると、今度は箒の方に視線を向けた。あ、箒が視線をそらした。薄情だな~。

 

一夏が意を決して息を大きく吸い込んだ。一体何を言うんだろうか?

 

「以上です。」

 

ガタタッ。思わずずっこける女子たち。

 

「あ、あの~」

 

教壇から一夏にかけられる声には涙声成分がだいぶ増している。そりゃあんな自己紹介なら仕方ないな。ん? そういえばさっき教室に人が入ってきた気がするが……

 

パアンッ!

 

一夏の頭部からものすごい音が響き渡る。

 

「いっ――!?」

 

一夏が頭を押さえながら、おそるおそる振り返る。その視線の先には、黒のスーツにタイトスカート、すらりとした長身、よく鍛えられているが過肉厚ではないボディライン。組んだ腕。狼を思わせる鋭い吊り目。――やっぱり監視できるように千冬さんのクラスだったのか。

 

「げぇっ、関羽!?」

 

おい、一夏。この場面でその台詞はフラグだろ。

 

パアンッ!

 

また一夏の頭部から破裂音が響く。どうでもいいが、どうやったら出席簿であんな音が響くんだ?

 

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者。」

 

トーン低めの声。一夏の様子から察するに千冬さんの仕事を知らなかったんだろうな。

 

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

 

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな。」

 

「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと……」

 

さっきまでの涙声ではなく、山田先生は若干熱っぽいくらいの声と視線で千冬さんに応えている。千冬さんは初代ブリュンヒルデだしISに関わる人間としては強くてカッコいい女性の代表だから、仕方ない……のか?

 




ちょっと中途半端なところで切れてる気もしますが千冬の登場シーンまでです。
感想や指摘、意見等ありましたら気軽に書いてください。

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