IS - ヴァルキリーの弟 -   作:sata-165

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第4話です。英国淑女セシリア・オルコットの登場です。
基本的には原作沿いになってしまって困ってます。



第4話 英国国家代表候補生

「ちょっと、よろしくて?」

 

「へ?」

 

「ん?」

 

二時間目の休み時間俺が一夏と話していると突然声をかけられた。話しかけてきた相手はわずかにロールのかかった髪と白い肌、白人特有の透き通った目をしていた。耳についている青いイヤーカフスが気になったので月光でよく見てみると待機状態のISだった。情報は

 

登録操縦者:セシリア・オルコット

ISネーム:ブルー・ティアーズ

世代:第3世代型

戦闘タイプ:中距離射撃型

特殊装備あり

 

セシリア・オルコット

国籍:イギリス

国家代表候補生

入試主席。実技試験にて唯一試験官に勝利。両親は他界。オルコット家の現当主。

 

流石は代表候補生と言ったところか? 俺は月光が分析した情報と学園の登録データを見ながらそんなことを考えていると

 

「訊いてます? お返事は?」

 

「あ、ああ。訊いてるけど……どういう要件だ?」

 

「すまんな。調べごとしてたから訊いてない。」

 

一夏はごまかすような返答だったが、俺は目の前の人物について調べてたから素直に謝った。だが、目の前の女子は俺達の態度が気に入らなかったらしく、わざとらしく声をあげた。

 

「まあ! なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度と言うものがあるんではないかしら? 挙句わたくしの話を訊いてないなんて。」

 

「………………」

 

いや、だから謝ったじゃん。コイツはマリー・アントワネットの生まれ変わりか何かか? 確かにISの登場から調子づくようになった女性も多いが、生まれがいいからかさらに助長してる気がする。隣の一夏も顔には出てないが不機嫌そうだ。

 

「悪いな。俺、君が誰だか知らないし。」

 

「セシリア・オルコット。オルコット家の現当主でイギリスの国家代表候補生だろ?」

 

一夏がまた逆鱗に触れそうになったので俺がフォローを入れる。

 

「知ってるのか?」

 

「当然ですわ。わたくしの名を知らない方が恥ですのよ。」

 

さっき調べたって言うとまたキレそうなので黙っておくか。

 

「あ、質問にいいか?」

 

「ふん。下々のものの要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ。」

 

「国家代表候補生って、何?」

 

ガタタッ

 

教室で聞き耳を立ててたらしき女生徒達がずっこけた。いや、一夏よ。それぐらい名前で推測しようぜ。

 

「あ、あ、あ……」

 

「『あ』?」

 

「あなたっ本気でおっしゃってますの!?」

 

オルコットは青筋を立てそうな剣幕だ。これ以上余計な事を言う前に説明しておくか。

 

「一――」

 

「おう、知らん。」

 

俺が説明してやろうと思った矢先、一夏が余計な事を言ってしまった。オルコットは怒りが一周したのか、頭を押さえながらぶつぶつ言っている。

 

「信じられない。信じられませんわ。極東の島国というのは、こうまでして未開の地なのかしら。常識ですわよ、常識。テレビがないのかしら……」

 

最新技術のIS生まれたのも極東の島国だがな。……ってか子午線通っているからってイギリス中心で極東って呼ばれてもな。

 

「で? 国家代表候補生って?」

 

「国家代表IS操縦者の候補生として選出された人間だ。国からその実力が認められてるIS操縦者だ。単語から少しは考えろ馬鹿。」

 

「あ~言われてみれば。ってかまた馬鹿って言ったな!」

 

仕方ないので俺が説明した。こいつはISのこと何も分かってないんだな。

 

「そう! エリートなのですわ!」

 

オルコットは復活すると一夏を指さした。

 

「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」

 

「そうか。それはラッキーだ。」

 

「出来れば他の所で運を使いたかったな。」

 

「……貴方達はわたくしを馬鹿にしてますの?」

 

おっと心の声が漏れてたか。面倒だから流したいし注意せねば。

 

「男でISを使える稀有な存在と聞いてましたからもう少し知的な方だと思ってましたけど期待外れですわね。そちらの方は少しは違うようですが。」

 

一夏を見ながら言うと最後に俺の方をちらっと見てきた。一夏と比べればましって認識か……なんか不満だな。

 

「俺に何か期待されても困るんだが。」

 

一夏はふて腐れたように答える。本人は望んでないようだし仕方ないか

 

「ふん。まぁでも? わたくしは優秀ですから、あなた方のような人間にも優しくしてあげますわよ。」

 

これが優しさと言うのか? 辞書で調べておくか。

 

「ISのことでわからないことがあれば、まぁ……泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから。」

 

唯一、という言葉をイヤに強調しているな。

 

「入試って、あれか? ISを動かして戦うってやつ?」

 

「へ~、そんな入試するのか。」

 

「それ以外に入試などありませんわ。ところであなたは何故入試の内容を知らないんですの?」

 

「俺は入試を受けてないからな。」

 

俺の場合勝手に入れられたからな。

 

「あれ? 俺も倒したぞ、教官。」

 

「は……?」

 

一夏の言葉に言葉を詰まらせるオルコット。オルコットのデータも唯一勝利って書いてあったが、どういうことだ?

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが?」

 

「女子ではってオチじゃないのか?」

 

「一夏の場合イレギュラーだからノーカンなんだろ。」

 

一夏が余計な事を言ったので慌ててフォローを入れるがフォローになってないな。オルコットが額に青筋浮かべてるように見える。

 

「つ、つまり、わたくしだけではないと……?」

 

「いや、知らないけど」

 

俺はもう何も言わない。一夏よ、安らかに。

 

「あなた! あなたも教官を倒したって言うの!?」

 

「うん。まぁ、たぶん。」

 

「たぶん!? たぶんってどういう意味かしら!?」

 

オルコットは一夏の態度が気に入らないのかどんどんヒートアップしていく。

 

「え~と、落ちつけよ。な?」

 

「こ、これが落ち着いていられ――」

 

キーンコーンカーンコーン

 

オルコットの台詞は三時間目開始のチャイムによって遮られた。

 

「っ……! またあとで来ますわ! 逃げないことね! よくって!」

 

オルコットは捲し立てるように言うと去って行った。

 

「面倒なのに目を付けられたな。」

 

「おい月茂。お前も何か言えよ。」

 

「お前が余計な事言うからだ。程よく流せばいいのに神経逆なでするような真似しやがって。」

 

俺の一言で一夏は黙ってしまった。少しは自覚してたようだな。

 




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