どうぞ。
7/2 設定を一部変更
7/3 活動報告にてアンケートを開始。
ピピピピピ
「……うぅん?」
俺は目覚ましの音で目を覚ました。視覚補助をオンにすると朝日が昇ってきたところだった。あれ? なぜ朝日が見えるんだ? そう思って周りを見るとIS学園が一望できた。俺が寝ていた場所はIS学園の中央タワーの屋上のようだ。
「……昨日何してたんだ?」
確か、千冬さんに第六アリーナの鍵を預かって、高速機動訓練をしたんだよな。最高速度で飛びまわって、エネルギーを回復させながら調整しての繰り返しで、それで疲れて寝たのか……。俺の背中に嫌な汗が流れる。こんな時間まで帰らないってのはヤバいよな。すぐに千冬さんのとこに戻るか。俺は背部スラスターの展開装甲まで作動させて全速力でアリーナのピットに戻った。
◇
「で? 月茂、貴様はこんな時間までどこで何をしていたんだ?」
全速力で走って自室の扉をそっと開けると千冬さんが仁王立ちしていた。まじでその姿が似合い過ぎている、そのまま彫像にしても違和感ないぞ。
「高速機動と調整の連続で疲れて中央タワーの屋上で寝てました。」
隠すこともできそうにないので正直に話す。
「はぁ、私はこの学園の教員だからここの生徒を守る責任がある。わかるな?」
「はい。」
「つまり、お前たち生徒に何かあると問題なんだ。それに、お前に何かあっては親友として星華に顔向けできん。」
「う……。」
星姉の名前を出されるとどうしようにもない。俺も星姉も家族、大切なものがなくなる辛さを知っている。それを味わわせたくはない。
「今回は見逃すが、今後同じような事があれば夜間のアリーナ使用許可は出せんぞ。」
「わかりました。心配掛けてすみません。」
早く慣れるためにも夜間の使用許可は貰いたい。今度からは一時間程度にしておくか。
「わかればいい。シャワーを浴びてさっさと着替えろ。」
「腹も減ったし食堂に行くか。」
千冬さんに言われた通りに着替え終わってからしばらく休憩をとり、食堂へ行く準備をする。千冬さんは職員用の食堂へ行くためにさっき出ていった。仕方ないんだろうが、職員用の寮から一年生用の食堂までは少し距離がある。
「ふぅ~、メニューの種類が多いな。何にすっかな……」
IS学園が国際的な学校であるためか、食堂のメニューも和食から洋食、中華、トルコ料理、など多岐にわたっていて、それぞれのバリエーションもありメニューは豊富だ。無難に和食にするかな。
「かいたん、隣いい~?」
朝食を受け取って席に着くと布仏が声をかけてきた。後ろの女子は布仏が俺に話しかけた事に驚いてるようだが、何がおかしいんだ?
「別に構わねぇよ。」
「あ、私もいいかな?」
後ろの女子も布仏に続くように訊いてきたが断る理由もないので快諾した。
「ちょっと失礼かもしれないけど、名前を聞いていいか? クラスメートなのは覚えてるんだが、いろいろあったから名前まで覚えきれてないんだ。」
「名前は相川 清香よ。ハンドボール部所属で趣味はスポーツ観戦とジョギング。ついでに本音のルームメイトよ。」
「相川か。わざわざ自己紹介サンキュ。俺の事は知ってるだろうから代わりと言ったらなんだが、訊きたい事があれば、答えられる範囲で答えるよ。一応言っておくが星姉の居場所は知らないからな。」
名前を聞いたら自己紹介してくれたので礼を言う。
「じゃ~あ~、かいたんの目は~、どのくらい見えてるの~?」
「ちょっ、本音その話は……」
「いや、相川。別に気にしないでくれ。俺も変に気を使われたくないからな。」
気にしてない事で気を使われたくはない。
「あ、ごめんなさい。」
「謝られるほどの事じゃないが、……視力のことだったな。右目は全盲で左目は光を感じるだけ、簡単にいえば目を瞑っているような感じだ。」
悪いことしたわけでもないのに謝らせたみたいで、気不味くなったので目のことを説明する。
「それって、ほとんど見えてないいてことでしょ? 大丈夫なの?」
「自己紹介の時も言ったけど視覚補助があるからな。」
「それって~かいたんのIS~?」
俺が月光に触れながら言うと布仏が聞いてきた。見た目と違って鋭いな。
「ああ、俺の相棒の月光だ。お披露目は来週になるかな、慣れるまでは一人で訓練するから。」
「それって専用機ってこと!? いつから持ってるの!?」
「星姉がいなくなって少ししてからだな。星姉の――」
相川が興奮した様子で訊いてきたので説明をしていると
「名前で呼ぶなっ!」
近くの席から箒の声が聞こえた。見ると一夏が居心地悪そうにしていた。なにかあったのか?
「なあ、箒と一夏に何があったか知ってるか?」
「私は織斑くんと篠ノ之さんが同室らしいって聞いたけど……」
「おりむ~が~部屋を~追い出されてたよ~」
ふむ、一夏と箒が同室で一夏が部屋から追い出された。……一夏が馬鹿をやったのか?
「っと、話はこのぐらいにして食わないとな。もう時間無いし。」
時間を確認すると、あまり話してる時間もなかったので食事を進める。
「甲斐谷くんっていっぱい食べるんだね。」
「わ~、かいたん大食い~。」
「普段はもう少し少ないんだがな、昨日は訓練漬けだったし、夜が少なかったからな。」
俺は食いながら説明をする。メニューは丼一杯の白米に焼き鮭、卵焼き、味噌汁、ひじきの煮物に漬物。どれもいい味付けだ。
「そういえば、昨日は甲斐谷くんの事見なかったけど、訓練って何をしてるの? それと甲斐谷くんの部屋ってどこなの?」
「私も~、気になる~。かいたんの部屋に突撃~。」
「昨日は第六アリーナを借りて高速機動訓練と微調整の連続でそのまま疲れて中央タワーの屋上で寝ちまった。それと、部屋は織斑先生と同室だ、来るなら相応の覚悟がいるぞ。」
ちょっと恥ずいが、事実を述べる。
「織斑先生の部屋……確かに行くなら覚悟が必要ね。」
「私も~、止めておく~。」
「じゃ、飯も食ったし、行くか。」
俺は食器類をお盆に乗せて、席を立つ。
「ごちそうざまでした。どれも美味しかったです。」
食器返却口に行って軽く礼をする。美味しい物を作った人には敬意を払わなくては。
「あ、甲斐谷くんまってよ。」
「かいたん、待って~。」
休み時間になると昨日とは違って、積極的に女子が俺と一夏に話しかけてきた。俺は星姉に関わる話だけは答えをはぐらかして、『料理は何が得意なの?』やら『昨日は何を食べた?』などと言った割とどうでもいい質問だけ答えた。料理は特に得意というのがないと言うと歓声が上がったのは何故だ? そんなことを考えていると
パアンッ
毎度おなじみの破裂音が隣から響いてきた。無論、そこにいるのは千冬さんと頭を抱える一夏だ。
「休み時間は終わりだ。散れ。」
千冬さんの一言でさっきまで集まっていた女子は蜘蛛の子を散らすように散って行く。蜘蛛の子ってそんなに散るのか? 一度見てみたいな。
「ところで織斑、お前のISだが準備まで時間がかかる。」
「へ?」
「予備機がない。だから、少し待て。学園で専用機を用意するそうだ。」
「???」
一夏は訳が分からないと言った顔をしている。まだ基礎知識すら覚えてないのか。しかし学園で用意するのか。貴重なデータが取れるのと管理するためか。
「せ、専用機!? 一年の、しかもこの時期に!?」
「つまりそれって政府からの支援が出てるってことで……」
「ああ~。いいなぁ……。私も早く専用機欲しいなぁ。」
「あれ? 甲斐谷くんはどうなるの?」
一夏を羨むような声が教室中から上がる。当の一夏は意味が分かってないようだ。
「甲斐谷のなら既に頭につけているだろう。あれが甲斐谷の専用機だ。」
「ええっ!? あのサングラスってISだったの!?」
「でも確かに、それなら視覚補助してるっていうのも納得かも……」
千冬さんが月光の事を説明したことでさらに混乱が広がる。
「なんだ月茂も専用機ってヤツを持ってるのか。ところで専用機って何?」
「世界にあるISは467機でコアは篠ノ之束博士しか作れない。博士は現在失踪中でコアは作ってないからコアの数は467。それを世界中で分けているから一人が一つのコアを持つことになる専用機はすごいってことだ。」
面倒だが教科書の内容を要約して話す。
「わかったか? 本来なら、IS専用機は国家あるいは企業に所属する人間にしか与えられない。が、お前の場合は状況が状況なので、データ収集を目的として専用機が用意されることになった。理解できたか?」
「な、なんとか……。」
一夏も一応は理解できたようだな。
「あの、先生。篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか……?」
一人の女子がおずおずと質問する。
「そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ。」
千冬さんがさらっと重要事項を漏らす。いいのか? 束さんはISを一人で設計・開発した人物として知られている。実際のところは星姉と千冬さんの協力あってこそらしいが、現在では束さん一人で行っている。俺もISの設計は出来るが、理論からとなると無理だな。
「ええええーっ! す、すごい! このクラスに有名人の身内が三人もいる!」
「ねえねえっ、篠ノ之博士ってどんな人!? やっぱり天才なの!?」
あの人を天才なんて言葉でくくれる気がしないのだが……
「篠ノ之さんも天才だったりするの!? 今度ISの操縦教えてよっ。」
授業が始まったというのに箒の周りに集まりだす女子。箒はそういうの嫌いだし、だいいちあの件から束さんとの仲は悪かったはずだから……
「あの人は関係ない!」
箒の怒声に群がっていた女子と隣の一夏は目を丸くしている。やっぱり関係は元には戻らないか……
「……大声を出してすまない。だが、私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない。」
それだけ言うと、箒は視線を窓の外に向ける。
「さて、授業を始めるぞ。山田先生、号令を。」
「は、はいっ!」
山田先生も箒の事を気にしてたようだが千冬さんに促されて授業を開始した。
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活動報告で一夏のヒロインについてアンケートをしています。