ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース 作:宇宙刑事ブルーノア
ラストの方に劇場版に絡んだ小話が掲載されています。
見たくない方はお手数ですが読み飛ばして下さい。
『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』
第118話『サバイバル・ウォーです!(パート2)』
次なる対戦相手は西部学園………
ガンショップで出会ったジャンゴ、レオパルド、オセロットに加え………
煌人が極秘ルートで入手した西部学園の試合の様子を写した映像に出て来た人間重機関車『ピューマ』………
またもや超人的な歩兵達が所属している事に戦慄を覚える大洗機甲部隊。
当然、戦車も強力な物を揃えて来ている筈である………
そこで、大洗機甲部隊は………
空教官の厚意により、東富士演習場の一部をお借りし、宿営地を築いての強化合宿を行う事とした。
ハンネスや六郎達の一航専、護の呉造船工業学校も演習に励んでいる中………
大洗機甲部隊の面々は、漸く宿営地の設営を終えようとしていた………
東富士演習場の一角………
「よし! コレで終わりだ!!」
「あ~、やっと終わったぜ~」
全員分のテントを張り終えた大洗歩兵部隊の面々がそう声を挙げる。
「出来た!」
「「「「「「「「「「やった~っ!!」」」」」」」」」」
一方、大洗戦車チームの面々も、全員がテントの設営を終えていた。
「………結局ツェルトバーンのテントにしたのか」
「良いじゃねえか! こう言うのも青春だぜっ!!」
弘樹は、ツェルトバーンを使ったテントだらけの大洗戦車チーム側の宿営地を見て呟くが、弦一朗がそう言う。
「おお、出来た様だな」
「綺麗に出来てますね」
「やっと私の準備体操も終わったぞ」
「杏ったら、ずっとそればっかじゃない」
とそこで、そう言う台詞と共に、水着姿の桃、柚子、杏、蛍が姿を見せる。
「会長、今まで準備体操してたんだ」
「意外と念入りですね」
「って言うか、まだやってない?」
「みたいですね」
まだ準備体操を続けている杏の姿を見て、沙織と華がそう言い合う。
「よ~し! 水遊びにレッツラゴーッ!!」
とそこで、杏は浮き輪を携え、川へと向かう。
「レッツラゴー?」
「レッツラゴーって?」
「さあ?………」
「でも何か可愛い! レッツラゴーだって!」
「レッツラゴー!」
「「「「「レッツラゴーッ!!」」」」」
と、それに梓達、1年生チームが続いて行く。
「待てっ! 我々は合宿に来ているんだぞ!」
早速遊び始めようとした面々に向かって、弘樹がそう注意をするが………
「まあまあ、舩坂くん。良いじゃないか」
そう言いながら、いつもの様に、口元を扇子で隠した迫信が、弘樹の傍に現れる。
「! 会長閣下!」
迫信の姿を確認すると、弘樹は姿勢を正してヤマト式敬礼をする。
「先日の試合ではコレまでに無い大苦戦だったんだ。多少なりと士気の落ちている者も居る。先ずは気分をリフレッシュさせてからでも遅くはないだろう」
「ハア………会長閣下がそう仰るのなら………」
迫信にそう言われ、弘樹は返す言葉を無くす。
「それそれっ!」
「わあっ! 冷たい~!」
「気持ち良いですね~」
「ヒヤッホォォォウッ! 最高だぜぇぇぇぇっ!!」
と、そこでそう言う声が聞こえて来たので、川の方を見やると、水着姿で水の掛け合いをしているみほ、沙織、華、優花里の姿が、弘樹の目に入る。
他にも、何時ぞやの機雷型ボールでバレーをやっているバレー部チーム。
水鉄砲の撃ち合いをしている歴女チーム。
浮き輪を使ってウォータースライダーごっこをしている生徒会チーム。
息止め競争をやっている梓、あゆみ、優希、あや、桂利奈。
そして、川の流れに身を任せて流れている麻子と紗希の姿も在った。
「………少し気を入れ過ぎたか」
そんな一同の姿を見て、弘樹はそう反省すると、歩兵部隊の宿営地へと戻って行くのだった。
「折り畳み傘、ろうそく、ライター、発煙筒にスペースブランケット、非常食っと。それから………」
「そど子~」
「やっぱり幾ら何でも持って来過ぎだってぇ………」
やけに本格的な自分達のテントの中で、その小柄な身体に背負うには不釣り合いなゴツイリュックの中から、次々と荷物を取り出しているみどり子に、モヨ子と希美がそうツッコミを入れる。
「何言ってるの! もし遭難した時は私達風紀委員が皆を助ける義務が有るのよ!!」
「此処キャンプ場だよぉ………」
「それも自衛隊が使ってる………」
「万が一と言う事が有るでしょう! 貴方達ももっと風紀委員として………」
過剰なまでの心配をするみどり子に呆れる2人だったが、みどり子は頑として自分の意見を曲げず、逆に2人に向かって説教を始めようとする。
と、その時………
固定が甘かったのか、テントの張り綱を結んでいたペグの1本が抜け、みどり子達の居るテントが崩れた!
「!? キャアッ!?」
「な、何ぃっ!?」
「わああ~っ!? 助けて~っ!!」
突然の事態に何が起こったのか分からず、混乱する風紀委員チーム。
崩れたテントが、モゴモゴと蠢く。
とそこで、誰かが崩れたテントを持ち上げる。
「プアハッ!」
「た、助かった~………」
「あう~………」
それで露わになった出口から、風紀委員チームは脱出に成功する。
「やれやれ、何をやっているんだ………」
「全くだ」
「大丈夫かい? 希美ちゃん」
そこで、崩れたテントを持ち上げていた人物、紫朗と十河、それに鋼賀がそう声を掛ける。
「あ、鎧さん………」
「神威さんも………」
「ゲッ!? 上田 紫朗!?」
希美が鋼賀、モヨ子が十河を見てそう言うと、みどり子も紫朗の姿を確認してそう声を挙げる。
「そう嫌そうな顔をされると流石に傷つくな………」
そんなみどり子の様を見て、紫朗は溜息を吐きながらそう言う。
「ペグの固定が甘かったみたいだな。初歩的なミスだ」
「うぐっ!?」
「大体何だ、その荷物は? 我々は雪山に来ているのではない。少々特殊だがキャンプ場に来てるんだ。嵩張る荷物は正直言って邪魔でしかないぞ」
「うぐぐぐぐ!!………」
紫朗からの指摘に、みどり子は顔を真っ赤にして頬を膨らませるのだった。
「あの2人は放っといて………すぐに張り直すぞ」
とそこで、十河がそう言って、テントの張り直しに掛かろうとする。
「ありがとうございます、神威さん」
「気にするな(ふふふ………ついているな………女子学園の風紀委員に借りを作る機会に恵まれるとは)」
モヨ子にそう返しながら、またも内心で野心を燃やしている十河。
が、ペグを打とうとハンマーを振り下ろした瞬間………
狙いがズレ、ペグを押さえていた自分の手を思いっきり打ってしまう。
「ッ~~~~~~~っ!?」
声にならない悲鳴を挙げ、打った方の手を押さえて地面の上を転がって悶える十河。
「か、神威さ~んっ!?」
「神威さん。インドア派が無理しないで下さいよ」
「ど、どうもです………」
モヨ子が慌てて駆け寄る中、手際良くテントを張り直して行く鋼賀と、そんな鋼賀にお礼を言う希美だった。
一方、アリクイさんチームのテントでは………
「アウトドアでもインドア~」
「私達がやる事と言えば………」
「やっぱりコレっちゃね~」
折角のアウトドアだと言うのに、テントの中に引き籠って輪になり、携帯ゲーム機で遊んでいるネット戦車ゲームチーム。
とそこで、メールの着信音がテント内に鳴り響く。
「? ねこにゃーの携帯じゃないナリか?」
「あ、ホントだ………」
ももがーから指摘され、鳴っていたのが自分の携帯である事に気付くねこにゃー。
「あ! 六郎さんからだ!」
と、メールの送り主が六郎である事を確認したねこにゃーが嬉しそうに笑う。
『ねこにゃー殿。
お元気でしょうか?
そちらはもう合宿に入られたのですか?
私の方は相も変わらず厳しい訓練に身を置いて居ます。
しかし、大洗の為………
延いては貴女の為になると思えば、コレもまた試練だと乗り切れます。
尽きまして、宜しければ、今度の休日にまたWOPを一緒にプレイ致しましょう。
何時ものサーバーの何時ものステージでお待ちしています。
貴方の為ならば、阿修羅すら凌駕してみましょう。
では、訓練の続きがありますので、コレで失礼致します。
坂井 六郎より』
「えへへへへ………」
送られてきたメールの内容を見て、顔が蕩け出すねこにゃー。
その顔のまま、メールの返事を書き始める。
「「…………」」
一方、ももがーとぴよたんは、そんなねこにゃーに羨望にも似た眼差しを送っている。
「よし、送信っと………? アレ? 如何したの? ももがーさん? ぴよたんさん?」
と、書き終えたメールを送信し、漸くももがーとぴよたんの様子に気付くねこにゃー。
「「リア充、爆発しろナリッ(っちゃっ!!)」」
そこで2人は、ねこにゃーに向かってシンクロしてそう言い放つ。
「え、えええっ!?」
友人2人からの思わぬ言葉に、ねこにゃーは困惑するしかなかったのだった………
こちらは、レオポンさんチームのテント………
もとい、野外整備用のテント式格納庫………
「如何だい? 調子は?」
「ちょいとご機嫌斜めみたいかな~」
「な~に、明日の演習までには直して見せるさ」
「ホント、退屈させてくれない戦車だよね~、ウチの子は」
早速、ポルシェティーガーの整備を行っている自動車部チーム。
「失礼するよ」
「どうも~、お邪魔します~」
とそこで、ポルシェティーガー出入り用のテント入り口が開いて、敏郎と藤兵衛を中心に、機材を携えた数人の整備部メンバーが入って来る。
「やあ、敏郎。待ってたよ」
「やはり調子が良くない様だな。すぐに取り掛かる」
ナカジマがそう言うと、敏郎はポルシェティーガーの不調を見抜いていた様で、すぐに作業の手伝いに入る。
「OH! ジャマ! ジャマー!」
するとそこで、そう言う挨拶と共に、速人がテント内に入って来た。
「あ、速人くん」
「何、その挨拶?」
その姿を見たホシノが声を掛け、スズキが挨拶にツッコミを入れる。
「コレ今、陸の町で流行ってるんですよ。つまらないですか? 寒いですか? 引きましたか? 痛かったですかぁ?」
いつもの様に、早口気味で捲し立てる様に言葉を続ける速人。
「今度はもっと良いのを仕入れて来ますね、ホシミさん」
「ホシノだよ。いい加減覚えてよね」
「ああ~、流石に腹が据わってるだけあって返す言葉も手厳しい」
「そっちは相変わらずだね。何か用?」
「いや~、折角大自然の中に来たのですから、開放的な気分を味わいながら一緒にドライブでもとお誘いに来たのですが………如何やら、それどころではない様ですねぇ」
そう言って、速人は整備員達が軽くバラし始めているポルシェティーガーの姿を見やる。
「ゴメンね、折角のお誘いだけど、この子を明日までには動ける様にしないといけないから」
「いやはや。旧ドイツ軍が末期に作り出した戦車は性能こそ優れてはいたものの、故障率の高さがネックでしたからね~」
「特にこの子の場合、本来は試作車両で、エンジンからして特殊だからねぇ」
ホシノと速人の会話に、ナカジマがそう口を挟む。
「分かりましたぁ! では、私もお手伝いしましょう!」
「えっ? 良いの?」
「貴女が自分の道を選んだ様に、私も私の道を選んだだけです」
「良い台詞だけど、今この場面で言う?」
カッコ良く決める速人だったが、ツチヤからそんなツッコミが飛ぶのだった。
そして、サンショウウオさんチームのテントの近くでは………
「出来た―っ!! キャンプファイヤーの組み木! かーんせーいっ!!」
「やったーっ!!」
キャンプファイヤー用の組み木を完成させた聖子と満理奈がそう声を挙げる。
「聖子ちゃん、まだ昼間だよ」
「気が早過ぎます」
とそこで、伊代と優から、聖子にそうツッコミが飛ぶ。
「え~っ!? だって、キャンプって言ったら、キャンプファイヤーじゃない! それに、炎をバックにライブをやるって、すっごく盛り上がると思うんだけど、如何かな?」
そう問い質してくる聖子。
如何やら、キャンプファイヤーを舞台に、野外ライブをする積りの様だ。
「良いね、ロックだね」
「炎のステージ………素晴らしいですわ!」
「預言書に記された通り、燃ゆる仮面劇《マスカレード》になり………認めたくはないが、そうであると信じられていた(文字通り、燃えるステージになりそうですね)」
郁恵と早苗、それに今日子は、聖子のファイヤーライブステージ(仮)に賛同を示す。
「ほ、炎をバックって………」
「ちょ、ちょっと怖いかも………」
「むーりぃー」
しかし、明菜、静香、さゆりは反対する。
「ええ~、絶対に良いって。ねえ、唯ちゃん」
聖子はそう言い、唯に向かってそう話を振る。
「えっ? いや~、その~………」
唯は何と答えて良いモノかと困惑する。
「ホラ、聖子。皆困ってますよ」
そんな唯の姿を見かねたかの様に、優が聖子にそう言い放つ。
「ぶう~~………」
そう言われて、ぶ~たれた顔をする聖子。
「そんな顔をしても駄目です。伊代も何か言ってやって下さい」
「えっ? う~ん、そうだね~………」
優にそう言われて、何か考える様な素振りを見せる伊代。
「私は、炎をバックにするのは、私達より舩坂さんの方が似合うと思うけど………」
そして、そんな言葉が伊代の口から出る。
「舩坂さんの………」
「バックで炎………」
するとそこで、サンショウウオさんチームの全員がプラウダ&ツァーリ戦での事を思い出す。
燃え盛る炎を背に、堂々と歩いてくる弘樹の姿が、全員の脳裏に過った瞬間………
「「「「「「「「「「ゲホッ! ゴホッ! ガホッ!」」」」」」」」」」
サンショウウオさんチームの全員が………
むせる
「や、やっぱり止めようかなぁ~………」
「流石に炎と硝煙の臭いが漂って来そうなライブは………」
「ありえませんわ………」
「ゲホッ! ゴホッ! ガホッ!」
途端に、聖子、郁恵、早苗はファイヤーライブステージ(仮)は無いと思い始める。
今日子に至ってはまだむせていた。
「流石舩坂さんだね」
「何か違う気もしますが………」
そんな聖子達の姿を見て、伊代がそう言い、優がツッコミを入れるのだった。
その頃………
歩兵部隊の宿営地の一角で………
「………ん?」
「如何した? 弘樹?」
「今何か………小官の与り知らぬところで、何か言われた様な気がする」
「どうせ対戦校の連中が悪口でも言ってるんだろ。それぐらい日常茶飯事だろ」
「………そうだな」
弘樹とシメオンが、そんな会話を交わしていたのだった。
つづく
オマケ(劇場版ネタ・注意)
劇場版を見た後、思いついた妄想シーン
「ハア………ハア………ハア………」
荒い息と共に、顔中に汗を浮かべているみほ。
彼女がキューポラから姿を見せているⅣ号は既にボロボロであり、何とか動いている状態である。
そのみほとⅣ号の眼前からは………
大学選抜チームの戦車部隊である、超重戦車T-28を先頭に、M26パーシングとM24軽戦車チャーフィーの大軍が進軍して来ている。
周辺には、多数の随伴歩兵達の姿も在る。
「…………」
その最後尾には、大学選抜チームの総隊長であり、戦車道・島田流の後継者であり、飛び級で大学に進学している少女『愛里寿』の乗るセンチュリオンの姿が在る。
「み、みほ………」
「みほちゃん………」
みほの後方では、撃破されたティーガーⅠのキューポラに力無く寄り掛かる様に姿を見せているまほと、そのティーガーⅠに凭れ掛かるようにして戦死判定を受けている都草の姿が在った。
「終わりね………」
「まあ、良く頑張ったわね………」
「流石は西住流と言ったところかしら………」
パーソナルマークの入ったパーシングに乗る大学選抜チームの『メグミ』、『アズミ』、『ルリ』が、みほとⅣ号の姿を見てそう言い放つ。
「………砲撃準備」
と、愛里寿がそう言うと、T-28が砲撃態勢に入る。
「負けられない………必ず勝って………私達の学校を………取り戻すんだ………」
祈るかの様にそう呟くみほ。
だが、それで状況が変わるワケではなかった………
「撃てっ!!」
愛里寿の号令が響いた瞬間、無慈悲にもT-28が発砲する。
「!!」
だが、次の瞬間!!
砲弾とⅣ号の間に………
九七式中戦車・チハ(旧砲塔)が割り込んだ!!
「!? 絹代さんっ!?」
それが西 絹代の車両である事にみほが気付いた瞬間!!
チハはT-28の砲弾の直撃を浴び、余りの衝撃で、横回転しながら宙に舞い、Ⅳ号とみほの頭上を飛び越えて行った!!
そのまま地面に叩き付けられ、部品がバラバラになって引っ繰り返るチハ。
「グハッ!………さ、流石に効いたわね………」
そのチハの中から、絹代が這い出る様に脱出する。
「チッ! トンだ邪魔が!」
「気にするんじゃないわ」
「ちょっと試合が終わるのが遅くなっただけよ」
しかし、メグミ、アズミ、ルリがそう言い合っていた間に、T-28は次弾の装填を終えていた。
「!?」
今度こそ駄目かとみほが身構える。
だが………
「………守り切ったわ………後はお願い………」
絹代はその光景を見ながら、そう呟いていた。
そして彼女は呼んだ………
最強の歩兵の名を………
「舩坂 弘樹」
その瞬間!!
突如T-28の真下の地面が大爆発!!
余りの爆発で、T-28の車体が完全に浮かび上がり、履帯と転輪・駆動輪が全て弾け飛んだ!!
「!? なっ!?」
「ええっ!?」
「何事っ!?」
「!?」
メグミ、アズミ、ルリ、そして愛里寿が驚愕する中、浮かび上がっていたT-28が逆さまになって落下し、地面に叩き付けられると白旗を上げる。
爆心地では、まだ激しい炎が燃え盛り、黒煙が立ち上っている。
「!??!」
その瞬間、愛里寿の身体がゾクリと震えた!
(な、何っ!? この感じ!?)
計り知れない恐怖が、全身を駆け巡る。
「! 撤退っ! 全部隊、直ちにこの場から撤退っ!!」
そして反射的に、彼女はそう命令を下していた。
「隊長っ!?」
「撤退って!?」
「如何されたのですか!?」
突然の撤退命令に、メグミ、アズミ、ルリ、大学選抜チームは戸惑う。
その次の瞬間!!
炎の中から、2発のパンツァーファウストが飛び出して来て、パーシング2両を直撃!
パーシング2両から白旗が上がったかと思うと、続いて収束手榴弾3発が、弧を描きながら投擲されて来て、チャーフィー3両に命中して爆発!!
チャーフィー3両から白旗が上がると、今度は12.7ミリと思われる銃弾が、薙ぎ払う様に掃射されて来た!!
「「「「「「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!?」」」」」」」」」」
戦車部隊の周りに展開していた大学選抜チームの随伴歩兵達が、文字通り薙ぎ払われて行く!
「て、敵かっ!?」
「ど、何処に居るんだっ!?」
大学選抜チームの間に混乱と動揺が広がる中、更に今度は、2本の刺突爆雷が投槍の様に飛んで来て、パーシングとチャーフィーを直撃!
立て続けに、二式擲弾器からの対戦車擲弾、バズーカからのロケット弾、九七式自動砲の20ミリ弾の攻撃が襲来!
アッと言う間に、10両の戦車が白旗を上げ、多数の歩兵が戦死判定を受けた。
「…………」
愛里寿が愕然とする中………
炎の中に、1つの影が浮かんだ!
「「「「!?」」」」
再び驚愕するメグミ、アズミ、ルリ、愛里寿。
その影の正体は………
「…………」
パンツァーファウスト、九七式自動砲、ブローニングM2重機関銃、グロスフスMG42機関銃、四式自動小銃、トンプソン・サブマシンガン、etc………
全身にコレでもかと言うくらいに武装を携え、右肩を血の様に赤く染めた歩兵………
『舩坂 弘樹』だった。
「!? 舩坂 弘樹!?」
「あ、アレが………『大洗の鬼神』」
「『触れ得ざる者』………」
「『アンガウルからやって来た亡霊』………」
弘樹の姿を見た、メグミ、アズミ、ルリ、愛里寿が戦慄を覚える。
「…………」
そんな中、弘樹は淡々と何時もの様に、四式自動小銃を構える。
「フフフ………そうだ、舩坂 弘樹。それでこそ倒す意義がある………貴様を倒し、私こそが真のパーフェクトソルジャーだと証明してみせる!」
そして只1人………
その弘樹の姿に闘志を燃え上がらせている、大学選抜チームの歩兵隊長………
『イプシロン』だった。
劇場版 ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース
ザ・ラストアンガウルソルジャー
心せよ………
貴様達が相手をするのは………
カオスを体現する、あの男だ………
新話、投稿させていただきました。
原作のサバイバル・ウォーの時点では参戦していなかった3チームとオリジナルのサンショウウオさんチームの様子を書いてみました。
如何だったでしょう?
そして劇場版、見て来ました。
最高でした!
これぞ俺達のガルパンだと言う映画でした!
んで、テンションが上がったもんですから、また劇場版絡めた小話を入れちゃいました。
未視聴の方、申し訳ありません。
また今日も見に行ってきます。
尚、感想で劇場版について触れる際には、他の方への御配慮をお願い致します。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。