ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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第136話『ウェスタン戦車戦です!』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第136話『ウェスタン戦車戦です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西部劇の街並みのセットにて、西部機甲部隊にゲリラ戦を挑んだ大洗機甲部隊………

 

その遭遇戦の最中………

 

カバさんチームが、ブチのジャンボ………

 

カメさんチームとアリクイさんチームが、シロミのイージーエイト………

 

ウサギさんチームとレオポンさんチームが、ノーラのシャーマン・カリオペ………

 

そしてあんこうチームとサンショウウオさんチームが、クロエのヘルキャットにミケのスチュワートと対峙するのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第7回戦の試合会場………

 

和製西部劇の撮影所・西部の街並みのセットが在るエリア………

 

「撃てっ!!」

 

エルヴィンの号令でⅢ突の主砲が火を噴く。

 

だが、放たれた砲弾は、ジャンボの正面装甲に命中したかと思うと、火花を散らして明後日の方向に弾かれる。

 

「チッ! 駄目か!!」

 

「次弾装填!」

 

左衛門佐が舌打ちをする中、カエサルが次弾の装填を終える。

 

「おりょう! 左旋回しながら後退すると見せかけて右旋回しながら後退!」

 

「ぜよっ!」

 

エルヴィンはすぐさまそう指示を飛ばし、おりょうが注文通りにⅢ突を動かす。

 

直後に、ジャンボの砲弾が、Ⅲ突が左旋回したままだったら直撃していたであろう場所に叩き込まれた。

 

「見事ですわね。けれども………」

 

「次弾、装填完了」

 

ブチがそう言いながら、装填手からの次弾装填完了の報告を聞くと共に第2射を見舞う!

 

放たれた砲弾は、Ⅲ突の眼前に着弾し、Ⅲ突の車体が一瞬浮き上がる!

 

「「うわぁっ!?」」

 

「クッ! おりょう!! 側面に回り込めっ!!」

 

「おうぜよっ!!」

 

カエサルと左衛門佐が悲鳴を挙げる中、エルヴィンはそう指示し、おりょうはⅢ突をジャンボの側面へ向かわせる。

 

「自分達が突撃砲だと言うのをお忘れで?」

 

だが、ブチがそう言うと、ジャンボは車体と砲塔を旋回させてⅢ突に狙いを定める。

 

「! 駄目だ! 離脱っ!!」

 

「クッ!!」

 

それを見たエルヴィンが、即座に回り込むのを止めて離脱する様に指示。

 

直後に、Ⅲ突の上面スレスレを、ジャンボの砲弾が掠めてる。

 

「駄目だ! やはり突撃砲で機動戦は無理だっ!!」

 

「一旦退いて待ち伏せしたら如何だ?」

 

「駄目だ! 周りは敵だらけだ! 何処へ退くと言うんだ!?」

 

カエサルと左衛門佐の問いにそう返すエルヴィン。

 

その言葉通り、周辺では西部歩兵部隊とペンギンさん+ワニさん分隊とマンボウさん分隊の隊員が銃撃戦を展開しており、カモさんチームのルノーB1bisも数輌のM4A3に追い掛け回されていた。

 

 

 

 

 

そんな歩兵部隊の様子はと言うと………

 

「ぬおおおおおおおっ!!」

 

咆哮と共に、刀を片手に西部歩兵の1人へと斬り掛かって行く月人。

 

「!? うおわっ!?」

 

斬り掛かられた西部歩兵は、咄嗟にサーベルを抜いて、月人の斬撃を受け止める。

 

「甘いわぁっ!!」

 

だが、その瞬間!!

 

月人は空いていたもう一方の手で、西部歩兵の腹に掌底を打ち込んだ!

 

「!? ゲボッ!?」

 

「ぬおおおおおおおっ!!」

 

そしてそのまま、気合の雄叫びと共に西部歩兵を片腕で頭上まで掲げ挙げる!

 

「ぬうんっ!!」

 

その後、地面に向かって叩き付ける様に投げ捨てた!

 

「ガハッ!?」

 

西部歩兵は一瞬痙攣した様な動きをしたかと思うと、ガクリと気絶し、戦死と判定される。

 

「成程! シャイニングフィンガーとはこういうものか!!」

 

その様を見て、1人納得が行った様な顔をしている月人だった。

 

 

 

 

 

「駆けよ、シュトゥルム! その名の如くっ!!」

 

「「「「「うわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」」」」」

 

馬上からのモーゼルC96の馬賊撃ちで、西部歩兵を次々に屠って行くゾルダート。

 

「クソッ! 騎馬部隊! 取り囲めっ!!」

 

するとそこで、西部歩兵部隊の騎兵達が、サーベルを片手にゾルダートを取り囲む。

 

「うおおっ!」

 

「フッ………」

 

1人が擦れ違い様に斬り掛かったが、ゾルダートは涼しい顔で身を低くしてかわしたかと思うと、その体勢のまま、通り過ぎた西部騎兵の背を撃ち抜いた!

 

「ぐはっ!?」

 

背中に衝撃を受けた西部騎兵は落馬し、戦死と判定される。

 

「このぉっ!」

 

続け様に、別の西部騎兵が斬り掛かったが………

 

「甘いっ!」

 

ゾルダートはそう言い、斬り掛かって来た西部騎兵のサーベルの柄に銃弾を撃ち込んだ!

 

「うわっ!?」

 

衝撃でサーベルを手放してしまう西部騎兵。

 

するとゾルダートは、モーゼルC96をホルスターに納め、弾かれて宙に舞ったサーベルを逆手に持つ様にキャッチする。

 

「あっ!?」

 

「覚悟して頂くっ!!」

 

そして呆気に取られていた西部騎兵の無防備な腹に、横薙ぎの一閃を叩き込んだ!

 

「ぐはっ!?」

 

斬られた腹を抑え込んで落馬する西部騎兵。

 

そのまま戦死判定を受ける。

 

「ええい! 戦車部隊っ!! 構わないから俺達ごと撃てぇっ!!」

 

「分かったわっ!!」

 

すると、腹を決めたかの様な表情を見せた西部騎兵の1人がそう叫び、1輌のM4A3が、西部騎兵達に取り囲まれているゾルダートに主砲を向ける。

 

「! 味方ごと撃つ積りか!?」

 

表情が険しくなるゾルダートだが、取り囲んでいる西部騎兵達が邪魔で離脱出来ない。

 

「うおおおおおっ! やらせるかあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

すると、そのM4A3に向かって、陸王に乗った弦一朗が突っ込んで行く!

 

「それはコッチの台詞だっ!!」

 

だがそこで、別のM4A3が、ゾルダートを狙うM4A3を守る様に陣取り、弦一郎に主砲を向けた!

 

「何のぉっ! 気合だああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!」

 

しかし、弦一朗は止まるどころか、更に速度を上げて、立ちはだかったM4A3に突っ込んで行くっ!!

 

「馬鹿め! 木端微塵になれっ!!」

 

そんな弦一朗に狙いを定めたM4A3の砲手が、引き金を引こうとする。

 

その瞬間!!

 

発砲音がしたかと思うと、照準器が何も見えなくなった。

 

「!? 照準器が!?」

 

「悪いね………狙い撃たせてもらったよ」

 

砲手が驚きの声を挙げる中、建物のセットの上でボーイズ対戦車ライフルを構えていた圭一郎がそう言い放つ。

 

如何やら、照準器をピンポイントで破壊した様である。

 

「ナイス援護だぜ、ダチ公!! うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」

 

そこげ弦一朗は、一気にM4A3に突撃し、バイクをウイリーさせ、前輪を正面装甲に掛けたかと思うと………

 

そのままM4A3をジャンプ台にして、バイクごと跳躍した!

 

「なっ!?」

 

「飛んだっ!?」

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

ジャンプ台にされたM4A3の乗員が驚きの声を挙げる中、弦一朗は火炎瓶をゾルダートを狙っていたM4A3に向かって投擲した!

 

エンジン部に叩き付けられた火炎瓶が割れ、派手に炎上したかと思うと、エンジンが爆発!

 

ゾルダートを狙っていたM4A3から白旗が上がる!

 

「なっ!?」

 

「しまったっ!?」

 

その光景に、ゾルダートを取り囲んでいた西部騎兵達が一瞬動きを止めると………

 

次々と発砲音がして、銃弾が西部騎兵達の頭に命中!

 

「「「「「!?………」」」」」

 

悲鳴を挙げる間も落馬し、戦死と判定された。

 

「…………」

 

その狙撃の主であるシメオンは、丁度圭一郎が居る建物の反対側に当たる建物の2階から、すぐに音も無く移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、Ⅲ突の方では………

 

「確かに、この状況では皆を巻き込めんな………」

 

「…………」

 

次弾を抱えたままのカエサルがそう言うが、エルヴィンは先程の弦一朗の戦いを見てから、何かを考えている様子だった。

 

「? エルヴィン?」

 

それに気づいたカエサルが声を掛けた瞬間………

 

至近弾がⅢ突を襲い、衝撃でまたも一瞬車体が持ち上がった!

 

「!? うおわっ!?」

 

「申し訳ありませんが、何時までも貴方のお相手をしてあげる時間はありませんの。決着を付けさせてもらいますわ」

 

丁寧な口調ながらも、引き締まった表情でそう言い放つブチ。

 

「クソッ!」

 

思わず悪態を吐くエルヴィンだったが、その時………

 

「何愚図愚図をやってるのよ!」

 

他の戦車部隊の相手をしていたカモさんチームのルノーB1bisが、隙を衝いて抜け出して来たのか、Ⅲ突の隣に現れる。

 

「! カモさんチーム!」

 

「装甲が厚いんだったら、近づいて撃てば良いだけの事でしょう! ゴモヨ! 突撃よっ!!」

 

「りょ、了解っ!!」

 

エルヴィンが声を挙げるとルノーB1bisは、全速力でジャンボに向かって突っ込んで行った!

 

「!? 待て! 無謀だっ!!」

 

「風紀委員の意地! 見せてやるわぁっ!!」

 

左衛門佐がそう叫ぶが、熱くなっているみどり子の耳には届かない。

 

「コレでも喰らいなさいっ!!」

 

突撃中に、牽制とばかりに主砲と副砲を同時に放つ。

 

だが、そのどちらも、ジャンボに当たると明後日の方向へ跳ね返された。

 

「自分達の戦車の性能は良く把握して於く事をお勧めしますわ………撃て!」

 

その光景に呆れた様に呟くと、ブチは容赦無く、突っ込んで来ていたルノーB1bisに主砲を叩き込んだ!

 

しかも、運が悪い事に車体正面の脆い主砲部分に命中してしまう。

 

「「「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」

 

着弾の衝撃でルノーB1bisは横にスピンし、建物のセットに突っ込んだ!!

 

崩れたセットが、ルノーB1bisの車体の上に降り注いだかと思うと、砲塔上部から白旗が上がる。

 

「先ず1輌………Ⅲ突の方も………」

 

と、ブチがそう言って、砲塔をⅢ突の方へと向けた瞬間………

 

Ⅲ突が全速力で、ジャンボ目掛けて突っ込んで来た!

 

「自棄になりましたの? それは余りお勧め出来る手段ではありませんね………」

 

しかし、ブチは冷静な様子を崩さず、そんなⅢ突の姿に呆れた様な様子を見せる。

 

「装填完了!」

 

そこで装填手が、次弾の装填を終えた。

 

「コレで終わりですわ」

 

そう呟いて、ペリスコープ越しにⅢ突の姿を見据えるブチ。

 

と、その瞬間!!

 

Ⅲ突は突如方向を変えた!!

 

「!? 何処へ!?………」

 

突然の方向転換にブチは驚きながらもその向かう先を確認する。

 

Ⅲ突が向かった先………

 

それは撃破され、建物のセットの瓦礫に半分埋もれているカモさんチームのルノーB1bisだった。

 

「カモさんチーム! しっかりと車内で踏ん張ってろっ!!」

 

「ちょっ!? 何する気よっ!?」

 

突然のエルヴィンの通信に戸惑いながらも、言われた通りに車内で踏ん張るカモさんチーム。

 

「おりょうっ! 思いっきり行けっ!!」

 

「南無阿弥陀仏ぜよっ!!」

 

エルヴィンは続けておりょうにそう言ったかと思うと、Ⅲ突は遂に最高スピードに達する。

 

そのまま、瓦礫に埋もれているルノーB1bisの車体後部へ接触!

 

………したかと思われた瞬間!!

 

何とⅢ突は、ルノーB1bisをジャンプ台にして、宙に舞った!

 

「なっ!?」

 

ブチが驚愕を露わにする中、Ⅲ突は前方を下にしながら、ジャンボの真上を差し掛かる。

 

「左衛門佐ぁっ!!」

 

「定めなき浮世にて候へば、一日先は知らざる事に候………」

 

エルヴィンの声が響く中、左衛門佐は真田 幸村が最後に送った書状に書かれていた言葉を口にし、引き金を引いた!

 

真下を向いたⅢ突から砲弾が放たれ、ジャンボの後部車体上面………エンジンルームを直撃する!!

 

ジャンボのエンジンが爆発すると共に、砲塔上部から白旗が上がった!

 

直後にⅢ突は逆さまになった状態で地面に叩き付けられ、底部から白旗を上げた。

 

「相討ちか………」

 

「だが一矢は報いた………口惜しさは残るが、後は皆に任せよう」

 

カエサルがそう言うと、エルヴィンはやり切った顔でトレードマークの軍帽を被り直す。

 

「………突撃砲でトップアタックするなんて………普通思いつきませんわ」

 

先程とは違う意味で呆れながら、ブチは引っ繰り返ったⅢ突の姿を見やって居たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

西部劇の街並みのセットの近くにて………

 

「撃てっ!」

 

「発射ぁっ!」

 

梓とナカジマの掛け声で、M3リーの主砲と副砲、ポルシェティーガーの主砲が火を噴く。

 

M3リーの主砲と副砲は外れたが、ポルシェティーガーの砲弾はシャーマン・カリオペの護衛に付いて居たM4A3の車体正面に命中。

 

易々と装甲を突き破ったと判定され、命中したM4A3から白旗が上がる。

 

「撃て撃てっ! 戦車に近寄らせるなぁっ!!」

 

ハムスターさん分隊とおおかみさん分隊の面々は、岩や僅かな稜線を機銃陣地として、ヴィッカース重機関銃とブローニングM1919重機関銃を数丁設置し、西部歩兵達を近寄らせない様に弾幕を張っている。

 

「クソッ! 凄い弾幕だ!!」

 

「ノーラさん! カリオペで一気に蹴散らして下さい!!」

 

「そうしたいんですけど………ココでカリオペを使ってしまっては、本隊の援護が出来なくなってしまいますわ」

 

その弾幕に晒されている西部歩兵達から、シャーマン・カリオペのノーラにそう要請が飛ぶが、本隊の援護が出来なくなる為、ノーラはカリオペの使用を躊躇する。

 

と、直後に護衛に居たもう1輌のM4A3に砲弾が命中し、撃破されたと判定され、白旗を上げる。

 

「また命中!」

 

「流石、主砲は本家ティーガーと同じなだけはあるねぇ」

 

ホシノがそう声を挙げると、ナカジマがそう言う。

 

「チイッ! ポルシェとは言え、ティーガーか!!」

 

「ノーラさん! このままじゃマズイですよ!!」

 

「………仕方ありませんわね」

 

西部歩兵達から悲鳴の様な声が挙がる中、ノーラが止むを得ず、カリオペを使おうとする。

 

「………アラ?」

 

しかしそこで、ペリスコープ越しに何かを発見した様な表情を見せる。

 

「フフフ………良いタイミングですわ」

 

そしてそう言って微笑むのだった。

 

「護衛戦車の残りはチャーフィーだけ。上手く主砲の75ミリを当てられれば………レオポンさんチーム、私達がチャーフィーを排除しますから、カリオペを狙って下さい」

 

「りょうか~い」

 

梓がそう通信を送ると、ナカジマから間延びした返事が返って来る。

 

「あゆみ、良く狙って」

 

「任せて」

 

あゆみが、主砲の75ミリ砲でチャーフィーに狙いを定める。

 

「………!!」

 

だがそこで、何かに気付いた様子を見せた紗希が、梓のパンツァージャケットの袖を引っ張った。

 

「!? 紗希!?………!! 反転180度っ!!」

 

「!! アイーッ!!」

 

一瞬首を傾げた梓だったが、すぐにそう指示が飛び、桂利奈がM3リーを180度反転させる!

 

直後に、M3リーの正面装甲に収束手榴弾が当たり、跳ね返って宙に舞ったかと思うと爆発!

 

「「「「「きゃああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」

 

衝撃が車体を襲うが、幸い離れて爆発した事と正面装甲を向けていた事で、ダメージは軽微であり、撃破判定は下らなかった。

 

「!? 背後に敵っ!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

飛彗がそう声を挙げると、ハムスターさん分隊とおおかみさん分隊の面々は一斉に後ろを振り返る。

 

「! オリバーッ!!」

 

そしてジェームズが驚きの声を挙げる。

 

そこに居たのは、銃床を切り詰めたウィンチェスターM1887を片手に携えているオリバーだった。

 

「チイッ! 背後に回られたかっ!!」

 

と、ヴィッカース重機関銃が備え付けられていた機関銃陣地に居た大洗歩兵達が、背後に現れたオリバーの方にヴィッカース重機関銃を向け、発砲する!

 

だが!!

 

「!!」

 

オリバーはバッと駆け出したかと思うと、稲妻の様に左右へ激しく揺れてダッシュし、ヴィッカース重機関銃から放たれた銃弾をかわす。

 

「な、何っ!?」

 

「何だよ、あの動きっ!?」

 

「アイツ人間かっ!?」

 

機関銃から放たれる銃弾を全て避けると言う、俄かには信じがたいオリバーの動きに度胆を抜かれる大洗歩兵達。

 

「フッ………」

 

そしてオリバーは、そのまま機関銃陣地の中へと跳び込む!

 

「!?」

 

「コイツッ!!」

 

機関銃陣地に居た大洗歩兵達は拳銃を抜いて応戦しようとしたが………

 

「遅いっ!!」

 

オリバーは銃床を切り詰めたウィンチェスターM1887を、ターミネーターの様に片手でスピンコックさせて次々に発砲!

 

「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!?」」」」」

 

一瞬で機関銃陣地に居た大洗歩兵達を全滅させた!

 

「ハッ!!」

 

そして機関銃陣地から跳び出すと、リロードを行いながらまたも高速で走り回る!

 

「速いっ!」

 

「駄目だ! 狙えないっ!!」

 

そのスピードの前に、大洗歩兵達は狙いを付けられない。

 

「弾幕が途切れたぞ!!」

 

「今だ! 攻め込めぇーっ!!」

 

「「「「「「「「「「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」

 

と、オリバーに気を取られた事で、弾幕が途切れてしまい、ノーラ達の護衛の西部歩兵達が突撃を掛けて来る。

 

「あちゃ~、こりゃマズイねぇ」

 

「こうなったら、先にカリオペだけでも!………」

 

ナカジマが呑気そうに言うと、梓はカリオペだけでも排除しようと言うが………

 

「果敢ですわね………ですが、こういうのは如何ですか?」

 

ノーラがそう言い放った瞬間!

 

装着されていたカリオペが外れた!

 

「!? ええっ!?」

 

「嘘~っ!?」

 

「カリオペを………捨てたっ!?」

 

あやと優季が驚きの声を挙げ、梓もノーラの思わぬ行動に一瞬呆気を取られる。

 

「さて………行きますわよ」

 

と、ノーラはそう言い放つと、カリオペを捨て、M4A3となった状態で機動戦を仕掛けてくる!

 

「! 速いっ!」

 

「しまったっ!? カリオペを捨てたのは、機動力を上げる為だったんだ!?」

 

桂利奈がそう声を挙げると、梓がカリオペを捨てた意味を察する。

 

その瞬間に、ノーラのM4A3が発砲する。

 

「!?」

 

「危ないっ!!」

 

梓は固まってしまうが、そこでポルシェティーガーが間に割って入り、ノーラのM4A3の砲弾を装甲で弾く!

 

「ボーッとしないで!!」

 

「! ゴメンナサイッ!」

 

「チャーフィーも来たよっ!!」

 

珍しく大声を出すナカジマに、梓が謝って居ると、ツチヤがそう報告を挙げる。

 

その報告通りに、残っていた護衛戦車のチャーフィーも、ノーラのM4A3に追従して機動戦を仕掛けて来る!

 

「マズイね………そろそろエンジンがヤバイし、機動戦になったら何分持つか分からないよ」

 

苦い顔をしてそう言うナカジマ。

 

只でさえ快晴で気温が高い荒野を移動し続けていたせいで、ポルシェティーガーのエンジンには相当の負荷が掛かっており、ココへ来て機動戦となれば、エンジンが持たない可能性があった。

 

「やるしかないよ。向こうはコッチの都合何て御構い無しだしね」

 

「まあ、そうだね~」

 

そこでスズキがそう言うと、ナカジマは何時も通りの口調でそう返す。

 

「となると、問題はあの歩兵………」

 

梓はそう呟き、ペリスコープ越しに高速で走り回るオリバーの姿をを見やる。

 

「澤サン。オリバーは僕に任せて下サイ」

 

するとそこで、ジェームズがそう進言して来る。

 

「!………分かった! お願いしますっ!!」

 

梓は一瞬逡巡したが、すぐにそう返す。

 

「了解デス!」

 

「モンローくん! 紗希が頑張ってだって!!」

 

ジェームズが返事を返した瞬間、あやがそう通信を送って来た。

 

「…………」

 

副砲装填手席の紗希は、不安そうな表情で返事を待っている。

 

「センキュー、紗希サン。必ず勝ちマス!」

 

「!………」

 

だが、ジェームズからそう返事が返って来ると、笑顔を浮かべた。

 

「………行きマス!」

 

ブレン軽機関銃Mark 2を構えたジェームズが、オリバーの方に向かって駆け出す。

 

「来たか! ジェームズッ!!」

 

「オリバーッ!!」

 

両者はそのまま、互いに睨み合いながら走り抜けて行くのだった。

 

「良し! 私達も行くよ!! パンツァー・フォーッ!!」

 

「梓ちゃん、西住総隊長みた~い」

 

それを見て、自分達もノーラのM4A3とチャーフィーに当たろうと、パンツァー・フォーの号令を出す梓の姿を見て、優希がそんな事を言う。

 

「ポルシェティーガーが厄介なのは当然ですけど………貴方達は如何でしょうね? ウサギさん」

 

そんなウサギさんチームのM3リーの姿を見ながら、ノーラは不敵に笑ってそう言い放つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

ブチのジャンボと対峙するカバさんチームのⅢ突。
しかし、突撃砲と戦車では機動戦での有利不利が大きかった。
だが、弦一郎の戦い方とカモさんチームの犠牲で………
どうには相討ちに持ち込んだのだった。

一方………
ノーラのカリオペと戦っていたウサギさんチーム達の元には………
オリバーが乱入。
ノーラもカリオペを捨てて機動戦を挑んで来る。
果たして、こちらの勝負の行方は?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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