ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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第177話『Gエリアの決戦です!』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第177話『Gエリアの決戦です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦車道・歩兵道全国大会、決勝リーグ・準決勝の試合会場………

 

大洗町に似た港町を模した演習場………

 

「みぽりん! もうすぐG地点だよっ!!」

 

「分かりました!」

 

地図を見ていた沙織がそう言うのを聞いて、みほはハッチを開け、キューポラから姿を晒し、後方を見やる。

 

そこには、自分達のⅣ号を追跡して来るフラッグ車であるダージリンのチャーチルと、その後方から砂煙と共に追従しているアールグレイを筆頭としたブリティッシュ騎兵部隊の姿が在った。

 

(騎兵部隊が着いて来てる………想定外だけど、ココまで来たらやるしかないか………)

 

チャーチルに護衛部隊が残っているのを見て苦い顔を浮かべるが、すぐに切り替えて、正面に向き直る。

 

眼前には、ゴルフ場への入り口が在った。

 

「このまま行きます! 突入して下さいっ!!」

 

「分かった」

 

みほが指示を飛ばすと、麻子がⅣ号の速度を上げる。

 

そしてそのまま、入り口を塞いでいたフェンスを踏み潰し、ゴルフ場内へと突入した!

 

「敵はゴルフ場内へ進入しました」

 

「如何やら、あそこが決戦の場の様ね………このまま前進。Ⅳ号に続きなさい」

 

オレンジペコがそう言うと、ダージリンは不敵に笑ってそう言い放ち、ブリティッシュ騎兵部隊と共にⅣ号を追ってゴルフ場へと侵入するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴルフ場内………

 

芝生に履帯の後を残しながら進んでいたⅣ号が、とあるホールで停まり、後方に信地旋回する。

 

追っていたダージリンのチャーチルは、Ⅳ号からある程度の距離を取って停まったかと思うと、その周辺にブリティッシュ騎兵が展開する。

 

「………御機嫌よう」

 

とそこで、チャーチルのハッチが開き、そう言う挨拶と共にダージリンが姿を現す。

 

「ダージリンさん………」

 

「まさかココまでやられるとは………無傷で勝てるとは思っていませんでしたけど、正直想定外でしたわ」

 

緊張の色が濃くなるみほに対し、ダージリンはやはり不敵に笑ってそう言い放つ。

 

「ですが、この勝負にもいい加減決着を付ける時が来たようですわね」

 

「…………」

 

とそこで、チャーチルの主砲がⅣ号に向けられ、アールグレイを初めとしたブリティッシュ騎兵達も、ガモン手榴弾を握ったり、ライフルグレネードを構えたりする。

 

「…………」

 

みほはその様子を見据えながら、機銃架のMG34を構える。

 

「…………」

 

そこで、アールグレイが腰のフルーレ………愛剣『エトワール』を抜き、頭上に掲げる様に構える。

 

「…………」

 

そしてそれを振り降ろす様にⅣ号へと向けたかと思うと………

 

「「「「「「「「「「ハイヤーッ!!」」」」」」」」」」

 

ブリティッシュ騎兵達が、一斉にⅣ号目掛けて突撃を開始した!!

 

「! 沙織さん! 華さん! 機銃っ!!」

 

「りょ、了解っ!!」

 

「了解しましたっ!!」

 

みほは即座にそう叫び、沙織が車体機銃、華が同軸機銃の引き金に指を掛ける!

 

「!!」

 

みほも機銃架のMG34の引き金に指を掛け、イザ発砲しようとした瞬間!!

 

突撃したブリティッシュ騎兵達の先頭集団に、横から無数の銃弾と手榴弾が飛んで来たっ!!

 

「「「「「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」

 

銃弾を浴びたり、手榴弾の爆発での破片を浴びたブリティッシュ騎兵達が次々に落馬し、戦死判定となる。

 

乗って居た馬達も嘶いて立ち往生したり、主と共に地面に倒れたりする。

 

「「「「「!?」」」」」

 

先頭集団がやられた事で、後続のブリティッシュ騎兵達は進軍を阻まれ、止まってしまう!

 

その途端!!

 

「突撃ーっ!!」

 

「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」」

 

銃弾や手榴弾が飛んで来た方向から、着剣した小銃や軍刀等を構えたハムスターさん分隊の隊員達が一斉に突撃して来た!

 

「!? 大洗の歩兵だとっ!?」

 

「何時の間にっ!?」

 

ブリティッシュ騎兵達が戸惑っている間に、ハムスターさん分隊の隊員達は一斉にその中へと雪崩れ込む。

 

「ええいっ!!」

 

「とおおっ!!」

 

「ぐわっ!?」

 

着剣した小銃を持ったハムスターさん分隊の隊員数名が、1人のブリティッシュ騎兵を取り囲んだかと思うと、一斉に突きを繰り出して串刺しにする。

 

「ええいっ!!」

 

「うおおっ!?」

 

更に清十郎が、果敢にも馬上のブリティッシュ騎兵に跳び掛かり、そのまま一緒に落馬する!

 

「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」

 

オーウェン・マシンカービンを持った竜真と、M2サブマシンガンを持ったジェームズが、空に向かって発砲しながらブリティッシュ騎兵達の中を走り回る。

 

味方も入り乱れている為、フレンドリーファイヤの可能性があるので、馬の至近距離で銃撃音を鳴らし、馬を怯えさせる作戦の様だ!

 

「おうわっ!?」

 

「クッ! どう! どうっ!!」

 

効果は大であり、一部のブリティッシュ騎兵の馬達が怯えた様に暴れる。

 

「わあああっ!!」

 

「クウッ! 離れろっ!!」

 

そして勇武は、無謀にも馬の足にしがみ付き、馬が暴れるのも物共せずに動きを封じる。

 

「!!………」

 

と、そこでアールグレイが、入り乱れてるブリティッシュ騎兵達とハムスターさん分隊の面々を避けて、大回りでⅣ号の元へと向かおうとする。

 

だが………

 

「トアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

気合の雄叫びと共に横の茂みの中から飛び出して来た、シュトゥルムに跨った弘樹が、右手に握っていた英霊を横薙ぎに振るって来る!

 

「!?」

 

アールグレイは驚きながらも、片手で手綱を握り締めたまま、ボクシングのスウェーの様に上体を仰け反らせて回避。

 

そのまま弘樹が通り過ぎて行くと、手綱を思いっきり引っ張って上体を起こすと同時に、愛馬を反転させ、弘樹の方に向き直る。

 

「…………」

 

対する弘樹も、既に静止してアールグレイの方に向き直っていた。

 

「…………」

 

そこでアールグレイは、エトワールを目の前で立てる様に構える。

 

「…………」

 

対する弘樹は、英霊を握った右腕を肩よりも高く上げ、水平にして構える。

 

「「…………」」

 

両者は一瞬睨み合った後………

 

「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」」

 

気合の雄叫びと共に激突した!

 

「弘樹くん………移動します!!」

 

「分かった」

 

みほは一瞬だけ弘樹の姿を見やった後、Ⅳ号を移動させた。

 

「追いなさい」

 

「しかし! 騎兵の護衛無しとなっては………」

 

「こうなってしまった以上、騎兵の援護は望めないわ………なら後は、意地と意地をぶつけ合うまでよ」

 

追撃の命を下すダージリンに、オレンジペコが意見するが、ダージリンは即座に却下する。

 

チャーチルは交戦状態に入った騎兵達を残し、Ⅳ号を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

「撃てっ!!」

 

「は、発射ぁっ!!」

 

聖子とねこにゃーの叫びが木霊すると、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)と三式の主砲が火を噴く!

 

共にクルセイダーに着弾し、白旗を上げさせる。

 

「このっ!!」

 

「やってくれましたわねっ!!」

 

とそこで、その撃破されたクルセイダーの陰から、残る2両のクルセイダーが飛び出して来て、三式とクロムウェル(サンショウウオさんチーム)に向かって発砲する!

 

しかし、三式へ放った砲弾は外れ、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)への砲弾は命中したものの、装甲を貫けずに明後日の方向へと弾かれた。

 

「しまった!」

 

「ならば接近戦だ!!」

 

クルセイダー2両は、接近して砲撃を見舞おうと、三式とクロムウェル(サンショウウオさんチーム)に突撃する。

 

「来るよ!」

 

「行くにゃっ!!」

 

と、それに呼応するかの様に、三式とクロムウェル(サンショウウオさんチーム)も突撃する………

 

かと思わせて、両者は互いに逆方向にハンドルを切り、左右に広がる様にしてクルセイダー2両の突撃を回避する!

 

「「えっ?………」」

 

クルセイダーの車長達が思わず間抜けた声を挙げた瞬間………

 

彼女達のクルセイダーは、そのまま建物へと突っ込んだ!

 

「「キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」」

 

クルセイダー車長達の悲鳴が木霊する。

 

更にその直後!

 

片方のクルセイダーに砲弾が直撃!!

 

爆炎が上がったかと思うと、クルセイダーの上部に白旗が飛び出る。

 

「命中! 次弾装填急げっ!!」

 

その砲弾を撃ったZiS-3 76mm野砲に付いて居た紫朗が、同砲に付いて居る大洗砲兵達にそう指示を飛ばす。

 

「マズイッ!!」

 

残った最後のクルセイダーが、慌ててバックして、崩れた建物の瓦礫の中から抜け出す。

 

「「………あ」」

 

だが、そこで目にしたのは………

 

そのクルセイダーに向かって既に狙いを定めている三式とクロムウェル(サンショウウオさんチーム)の姿だった。

 

「撃てっ!!」

 

「発射ぁっ!!」

 

再び聖子とねこにゃーの指示が響き渡り、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)と三式が発砲!

 

両者の砲弾は、クルセイダーに吸い込まれる様に命中!

 

爆発の後、クルセイダーは横転し、側面部から白旗を上げた!

 

「良し! コレで………! 伏せろっ!!」

 

紫朗が何かを言おうとした途中で叫んだかと思うと、その紫朗が付いて居たZiS-3 76mm野砲に榴弾が直撃!

 

爆発と共にZiS-3 76mm野砲はバラバラになった!

 

「! 上田さん!!」

 

「すまない………如何やらココまでの様だ」

 

聖子が叫ぶと、爆煙が晴れた中から倒れ伏せ、戦死判定となっていた紫朗がそう言ってきた。

 

「良し! コレでもう歩兵の中に、対戦車火力を持つ奴は居ないな」

 

榴弾を撃ったクロムウェル(ニルギリ)の車内で、ニルギリが僅かに安心した様子を見せる。

 

その言葉通り、紫朗を撃破した事で、キツネさん分隊とタコさん分隊の対戦車火力は全滅しており、残る大洗歩兵達も、ブリティッシュ騎兵達に攪乱され、満足に戦車の援護が出来ずに居た。

 

「けど、2対1と言う事には変わりない………やはりクロムウェルを先に潰すべきか」

 

ニルギリは、自分も同じ戦車に搭乗している為、その性能を完全に把握しているクロムウェルの方が脅威度が高いと判断し、サンショウウオさんチームのクロムウェルから先に潰そうと考える。

 

「敵はコッチを先に潰しに来るだろうね」

 

「………さもあろううね。同等魔導アーマーに乗って宿ると告ぐ事象は、約束の地のセイン=ノウは「かの者」に筒抜け・サンダーブレイドだろう。その門が開かれた時、真実の人間の物語に命を賭す(訳:でしょうね。同じ戦車に乗って居ると言う事は、コチラの性能は相手に筒抜けです)」

 

次弾を装填しながら郁恵がそう言うと、今日子もそう同意して来る。

 

「聖子! そろそろ足回りが悲鳴挙げてきてるぞ!」

 

とそこで、唯からそう報告が挙がる。

 

強化した事で負担の増したクロムウェル(サンショウウオさんチーム)の足回りに限界が来始めている様だ。

 

「長期戦になったら負ける………仕掛けるしかないか」

 

聖子はそう思案するが、決着を着ける為にはまだ1手足りない………

 

本能的にそう感じていた。

 

すると、そこで!

 

「唯、代わりなさい」

 

里歌が通信手用のインカムを外しながら、唯にそう言う。

 

「! 近藤っ!?」

 

「里歌さんっ!?」

 

「何の為に通信手として乗り込んだと思ってるの? 足回りの負担を考えながら最適な動きをするなんて芸当、貴方じゃ無理でしょう」

 

驚く唯と聖子を余所に、里歌はそう告げる。

 

「けど、この状況で操縦士を入れ替えている暇は………」

 

「僕達が時間を稼ぎます!」

 

郁恵がそう指摘した瞬間、三式がクロムウェル(サンショウウオさんチーム)を庇う様に位置取り、停止した。

 

「! アリクイさんチーム!」

 

「アイツに勝てる可能性が有るのはサンショウウオさんチームだけです! 僕達の事は気にしないで! 早くっ!!」

 

「やるちゃよ~っ!!」

 

「此処が死に場所なりっ!!」

 

聖子が驚きの声を挙げる中、ねこにゃー、ぴよたん、ももがーからは勇ましい声が挙がる。

 

「? 動きを止めた?………何を考えているか分からないけど、チャンスだ! 攻撃せよっ!!」

 

ニルギリは動きを止めた三式とクロムウェル(サンショウウオさんチーム)を訝しむものの、絶好のチャンスだと思い指示を飛ばすと、クロムウェル(ニルギリ)の主砲が火を噴く!

 

放たれた砲弾は、盾となっていた三式の右前部履帯に命中!

 

履帯が千切れ、駆動輪が弾け飛ぶ!

 

「撃てっ!!」

 

しかし、ねこにゃーは構わずに砲撃を指示。

 

三式が発砲するが、砲弾はクロムウェルの砲塔正面に当たり、明後日の方向へ弾き飛ばされる。

 

そこで次弾装填を終えたクロムウェル(ニルギリ)が再び発砲!

 

砲弾は三式の砲塔左側面を削る様に通り過ぎ、装甲が僅かに抉れて、アリクイさんチームのマークが掻き消される!

 

「まだまだ!」

 

「ありったけ撃つっちゃっ!!」

 

「意地の見せどころなり!!」

 

ねこにゃーが叫び、ぴよたんが食い入る様に照準器を覗き込み、操縦が不可能になった為、装填手に回ったももがーも吠える!

 

「! 里歌さん! 唯ちゃん! 急いでっ!!」

 

「分かってるってっ!!」

 

「急かさないでっ!!」

 

それを見た聖子が悲鳴の様に叫ぶ中、唯と里歌は狭い車内で四苦八苦しながら席を入れ替わろうとする。

 

その瞬間に三式がまた発砲するが、やはり砲弾はクロムウェル(ニルギリ)の装甲で弾かれてしまう。

 

そして、3度目となるクロムウェル(ニルギリ)からの砲撃が、三式の主砲の下部を掠める様に外れる。

 

「! 駐退復座機がやられたぴよ!」

 

「!!」

 

だがその1撃は運悪く、三式最大の弱点である砲塔外に向き出しとなっていた駐退復座機を破壊していた。

 

クロムウェル(ニルギリ)の主砲が、ゆっくりと三式を捉える。

 

「………後は頼みました」

 

ねこにゃーがそう言った瞬間に、クロムウェル(ニルギリ)が発砲!

 

砲弾は三式の砲塔基部を捉えて命中。

 

爆発が起こり、一瞬の間の後………

 

三式の上部から、無情な白旗が立ち上った。

 

「良し! 次は向こうのクロムウェルよ!!」

 

三式の撃破を確認したニルギリがそう叫び、クロムウェル(ニルギリ)が三式を避ける様に移動。

 

その背後に隠れていたクロムウェル(サンショウウオさんチーム)を捉える。

 

まだクロムウェル(サンショウウオさんチーム)は動かない………

 

「貰ったわっ!!」

 

勝利を確信したニルギリの言葉と共に、クロムウェル(ニルギリ)が発砲!

 

徹甲弾が一直線に、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)へと向かう!

 

と、その瞬間!!

 

クロムウェル(サンショウウオさんチーム)が僅かに信地旋回を行ったかと思うと、昼飯の角度で、クロムウェル(ニルギリ)の砲弾を弾き飛ばした!

 

「なっ!?………! 後退っ!!」

 

驚きながらも、すぐに後退の指示を飛ばすニルギリ。

 

直後にクロムウェル(サンショウウオさんチーム)が発砲!

 

砲弾がクロムウェル(ニルギリ)の目の前に着弾して、アスファルトを爆ぜさせるっ!!

 

そしてその直後に、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)は急発進し、一気にクロムウェル(ニルギリ)との距離を詰めている!

 

「次弾装填急いで!」

 

「ハ、ハイ!………完了です!!」

 

「撃てっ!!」

 

装填手を急かして次弾を装填させると、即座に発砲させるニルギリ。

 

だが、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)は走行を続けながら、命中する瞬間に僅かに角度を付けて、砲弾を弾き飛ばす!

 

「!? 動きが変わったっ!?」

 

「間に合ったわね………」

 

クロムウェル(サンショウウオさんチーム)の動きが変わった事を感じたニルギリがそう叫んだ瞬間に、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)の操縦席に付いて居た里歌がそう呟く。

 

如何やら、危機一髪のところで入れ替わりが済んだ様である。

 

「それで聖子。ココから如何するの?」

 

「…………」

 

里歌がそう尋ねると、聖子は思案顔で黙り込む。

 

「! ねえ、里歌さん! こういう事って出来る!?」

 

そこで、何かを思いついた様な顔となり、その思い付きを里歌に話す。

 

「ええっ!?」

 

「オイオイ、マジかよ………」

 

「アビスだと伝わっている!(訳:危険です!)」

 

聖子の策を聞いた郁恵、唯、今日子が驚愕の声を挙げる。

 

「………確かに、やれなくはないけど………下手したら、コッチがやられるわよ」

 

里歌も渋い顔でそう言うが………

 

「大丈夫! きっとやれるよ!!」

 

聖子は自信満々の顔でそう返して来た。

 

「………その根拠は?」

 

「アイドル戦車乗りとしての勘!!」

 

「はああ~~~~~………」

 

当然の様に聖子がそう言い返すのを聞いて、里歌は深く溜息を吐く。

 

「………まあ、良いわ。どの道、もう後が無いからね」

 

しかし、すぐに気を取り直してそう言う。

 

「確かに面白いかもね………こんな大事な場面でそんな戦術なんてさ」

 

「博打は嫌いじゃねえぜ!」

 

「宿命のカケベオルブ……………『贖罪』を背負いました(訳:その賭け………乗りました)」

 

郁恵、唯、今日子からも賛同の声が挙がる。

 

「良し! やろうっ!!」

 

「行くわよ………」

 

聖子が声を挙げると、里歌がそう言ってクロムウェル(サンショウウオさんチーム)を更に加速させた!

 

「! 敵、速力を上げました!」

 

「一か八かの突撃!? けど、近づくって事は、自分達の装甲を貫かれる可能性も上がるのよ! 目標! 敵戦車の砲塔基部!」

 

更に速度を上げて突撃して来るクロムウェル(サンショウウオさんチーム)の姿を見て、ニルギリはそう言い放ち、砲手に指示を飛ばす。

 

「落ち着いて狙って………的は向こうから近づいて来てるわ」

 

「ハイ!」

 

ニルギリの指示に従い、しっかりとクロムウェル(サンショウウオさんチーム)の砲塔基部に狙いを定める砲手。

 

「! 今だっ!!」

 

そして照準が定まり、絶好のタイミングで、引き金を引いた!

 

クロムウェル(ニルギリ)の主砲が火を噴き、徹甲弾が吐き出される。

 

既に回避出来る距離では無い………

 

サンショウウオさんチーム、敗れたか!?………

 

………と、思われた瞬間!!

 

「今だっ!!」

 

「超信地旋回っ!!」

 

聖子が叫ぶと、里歌は左右の履帯を同速度で互いに反対に回転させる事によって、移動する事なく車体の向きを変える行動………

 

第2次世界大戦中の戦車では限られた物でしか出来ない『超信地旋回』を行った!

 

すると、何と!!

 

クロムウェル(サンショウウオさんチーム)は突撃していた慣性によって、独楽の様に回転しながらクロムウェル(ニルギリ)と向かう!

 

「なっ!?」

 

ニルギリが驚きの声を挙げた瞬間、クロムウェル(ニルギリ)が撃った砲弾が、回転によって弾かれる!

 

「! 次弾装………! い、いや! 退避っ! 全速退避っ!!」

 

「ま、間に合いませんっ!!」

 

すぐに次弾装填を行わせようとしたが、回避が先だと気付いてニルギリが叫んだが、その一瞬の躊躇が命取りだった。

 

「行けっーっ!! ベーゴマアタアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーックッ!!」

 

聖子の叫びと共に、高速で回転するクロムウェル(サンショウウオさんチーム)が、クロムウェル(ニルギリ)に激突する!!

 

「「「「「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」」」」」

 

ニルギリと乗員の悲鳴が挙がる中、クロムウェル(ニルギリ)は大きく吹っ飛ばされ、民家に突っ込む!

 

が、まだ白旗は上がらなかった………

 

「! 耐えた! すぐに反撃をっ!!………」

 

白旗が上がらなかったのを確認したニルギリは、すぐさま反撃に移ろうとしたが………

 

「停止ーっ!!」

 

「ぐうっ!!」

 

里歌が聖子の声と共に操縦桿を力一杯引くと、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)は左右両方の履帯を千切らせながらも、急停止!

 

その主砲は、既に民家の壁にめり込んだクロムウェル(ニルギリ)に合わされている。

 

「!?」

 

「貰ったぁっ!!」

 

ニルギリが驚愕の表情を浮かべた瞬間に、今日子は引き金を引き、クロムウェル(サンショウウオさんチーム)が発砲!

 

放たれた砲弾は、クロムウェル(ニルギリ)のエンジン部を直撃!

 

一際大きな爆発がクロムウェル(ニルギリ)を包み込んだかと思うと、それが段々と晴れて行き………

 

やがてクロムウェル(ニルギリ)の上部から、白旗が上がった!!

 

「! やったーっ!!」

 

クロムウェル(ニルギリ)の白旗を確認した聖子が、歓声を挙げる。

 

「やれやれ………もう此れっ切りにして欲しいわね」

 

「でも、ウチの大将はこうでなくっちゃな」

 

呆れる様に言う里歌に、唯がそう返す。

 

「それにしても、聖子ちゃん。ベーゴマアタックはないよ」

 

郁恵も、聖子にそうツッコミを入れる。

 

「ええ~っ!? ガメラアタックとどっちにするか迷ったんだよっ!?」

 

「敢えて形容するならば、「それ」もイン・クァガ・ル・ヴォロスなんだった………というわけだかと………そう聞いているのだがね?(訳:それも如何なんですか?)」

 

聖子がぶーたれるて言うと、今日子もそうツッコミを入れて来る。

 

そんな中………

 

この準決勝の試合にも、遂に………

 

決着の時が訪れようとしていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

いよいよGエリアに到着し、決戦を挑むみほ。
弘樹達も間に合い、ダージリンとは1対1。
後はお互いの気迫と執念が物を言う勝負です。

一方、サンショウオさんチームも、アリクイさんチームの犠牲で、同戦車同士の対決に勝利。
里歌を通信手にしたのはこの動きを変えると言う戦法の伏線だったのです。
決勝戦でもこの戦法は炸裂する予定ですので、お楽しみに。

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