ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター42『最終兵器・島田兄妹です!』

『劇場版 ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース ~炎のさだめ~』

 

チャプター42『最終兵器・島田兄妹です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メガフロート艦上・某所………

 

「やれやれ………舩坂 弘樹に恨みが有ると言うから雇い入れたが………とんだ期待外れだったな」

 

モニターに映る、戦死判定にされて積み上げられたラスプーチン達の姿を見て、ロッチナは冷たく吐き捨てる。

 

「いや、寧ろ舩坂 弘樹の戦闘力を褒めるべきかな………フフフ」

 

しかし続いてそう言うと、一転して楽しげな笑みを浮かべた。

 

「『あのお方』が求めるだけの事はある………」

 

ロッチナがそう言うと、モニターの映像がみほ達の元へと戻る弘樹の姿に切り替わる。

 

「戦え、舩坂 弘樹………お前が『異能者』であるなら、この戦い………切り抜けられる筈だ」

 

ロッチナはそう言って、ニヤリと笑うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

バミューダ3姉妹と対峙したみほ達は………

 

「コレ以上の醜態は見せられない!」

 

「何より総司令の為にも!」

 

「西住 みほ………お前を倒す!」

 

鬼気迫ると言った表情で、ハッチから身を曝しているメグミ、アズミ、ルミ。

 

すると、彼女達の乗るパーシングが、縦一列に並んだ。

 

「!?」

 

「何アレ?」

 

その様子に、みほと砲手に専念する杏に代わって車長兼通信手をしていた蛍が顔色を変える。

 

「アズミ! ルミ! ヤツに『バミューダアタック』を仕掛けるわよっ!!」

 

「了解っ!」

 

「おうっ!」

 

メグミが呼び掛けると、アズミとルミが返事を返し、バミューダ3姉妹のパーシングはそのまま、ヘッツァーに突撃して行く!

 

「! 会長っ!!」

 

「!!」

 

みほが慌てて叫ぶと、杏は反射的に発砲する。

 

しかし、ヘッツァーの撃った砲弾が躱されると、バミューダ3姉妹のパーシングは一旦ヘッツァーの脇を通り過ぎ、背後で一斉に旋回!

 

そのまま陣形を横隊へと変える。

 

「小山っ!! 河嶋っ!!」

 

「! ハイッ!!」

 

「そ、装填完了っ!!」

 

珍しく杏が焦った様子で叫ぶと、柚子はすぐにヘッツァーを旋回させ、桃も次弾を素早く装填する。

 

そして旋回を終えると同時にヘッツァーは再び発砲!

 

だが、狙った横隊中央に位置取っていたメグミ車には躱される。

 

すると、メグミ車の左右に居たアズミ車とルミ車がそのまま広がる様に移動!

 

そのまま一気に、トライアングルを描く様な陣形を執って、ヘッツァーを包囲した!

 

「!? しまっ………」

 

た、と言い切る前に、バミューダ3姉妹のパーシングは一斉に発砲!

 

3方向、至近距離から砲撃を受けたヘッツァーは、白旗を上げる。

 

「クッ! やられたっ!!」

 

「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ! もう終わりだああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!」

 

杏が悔しげな声を漏らすと、桃の絶望に満ちた悲鳴が挙がる。

 

「凄い連携です!」

 

「アレを仕掛けられたらマズイ………麻子さん! 敵の動きに注意して下さいっ!!」

 

「厳しいな………」

 

優花里が思わず感嘆の声を挙げる中、みほは麻子にそう指示するが、珍しく麻子は苦い表情で冷や汗を流していた。

 

「! ヘッツァーがっ!?」

 

「何処を見てやがるっ!!」

 

「!? うおっ!?」

 

一瞬ヘッツァーがやられた事に気を取られた俊に、星叫がBARを発砲するが、何とか躱す。

 

「そうりゃあっ!!」

 

「!? うわあっ!?」

 

泰亭が投げた、モーニングスターの棘付き鉄球を、間一髪で躱す了平。

 

棘付き鉄球は、了平が居た場所の石畳を粉々にした。

 

「ほう? ワシの鉄球を躱すとは中々やるではないか。名うての戦士と見た」

 

「えっ? いや、俺は………」

 

「良かろう! ワシのこの手で捻り潰してくれるわぁっ!!」

 

了平の言葉も聞かず、泰亭は了平に向かって行く。

 

「ヒイイイッ! お助けぇーっ!!」

 

それに対し恥も無く背を向け、逃げ出す了平だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方………

 

「………!」

 

「フフフ………」

 

熾龍の居合いを、十束剣を模した右手の宝剣で受け止めるメグミ隊の歩兵隊長。

 

するとその瞬間に、空いていた左手で、何かを放る様に熾龍に向かって振った。

 

その手の中から、黒い塵のような物がばら撒かれる。

 

「………!」

 

瞬時にその黒い塵の正体が、『火薬』であると見抜いた熾龍は、大きくバックステップする。

 

「フッ………」

 

その瞬間に、メグミ隊の歩兵隊長が左手で指パッチンをしたかと思うと………

 

指に填めていたヤスリが擦れて火花が散り、ばら撒かれた火薬が爆発!

 

炎が熾龍の前髪を焦がした!

 

「………良い反応をしているな」

 

爆発で発生した黒煙の中から、優雅に歩いて出て来るメグミ隊の歩兵隊長。

 

「卿からは、そう………『強さ』を貰おうか」

 

「………ワケの分からん事を」

 

意味の分からない事を言うメグミ隊の歩兵隊長にそう返し、再度居合いで斬り掛かる熾龍。

 

「フッ………」

 

するとメグミ隊の歩兵隊長は、再度左手から先程より大量の火薬をばら撒く。

 

そして、ヤスリを付けた指を弾いて火花を散らそうとしたが………

 

「………!!」

 

それよりも早く、熾龍は火薬の粉煙の前で静止したかと思うと居合いを繰り出した!

 

その風圧で、火薬が吹き飛ばされる!

 

「うわっ!? 何だっ!?」

 

「目に入った!」

 

吹き飛ばされた火薬は、メグミの随伴歩兵部隊の方に向かった。

 

「むっ!」

 

驚くメグミ隊の歩兵隊長だが、指パッチンを止められず、そのまま火花を散らす。

 

火薬に火が着き、メグミの随伴歩兵部隊を爆発が襲った!

 

「「「「「「「「「「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」

 

ボーリングのピンの様に四方八方に飛び散るメグミの随伴歩兵部隊。

 

当然全員が戦死判定である。

 

「………ドジな奴め」

 

熾龍はメグミ隊の歩兵隊長を小馬鹿にする。

 

すると………

 

「………う~~ううう………あんまりだ………」

 

そう呟き、小刻みに震え始めるメグミ隊の歩兵隊長。

 

「………?」

 

熾龍が何だと思った次の瞬間!

 

「HEEEEYYYY! アぁぁぁンマリだぁぁアぁーーーーーーーーーっ!!」

 

突如としてダダッ子のように思い切り泣き喚き始めた!

 

「!?」

 

流石の熾龍も、この行動には困惑し、思わず立ち竦んでしまう。

 

「AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!! おおおおおおれェェェェェのォォォォォ部下ァァァァァァがァァァァァ~~~~!!!」

 

そんな熾龍の困惑も知らず、更に泣き叫ぶメグミ隊の歩兵隊長。

 

怒り狂われるより却って不気味な姿である。

 

(な、何だコイツは………ふ、普通では無い………)

 

表情にこそ見せていないが、熾龍は内心で激しく動揺する。

 

(とっとと片付けてしまわねば………)

 

不気味さに駆られ、早急に決着を着けてしまおうと、忍び足で泣き叫ぶメグミ隊の歩兵隊長に近づく熾龍。

 

すると………

 

「………!!」

 

突如、メグミ隊の歩兵隊長がピタリと静かになった。

 

「!?」

 

今度は何だと身構える熾龍。

 

メグミ隊の歩兵隊長はゆっくりと立ち上がったかと思うと………

 

「フーー、スッとした。我は元々荒っぽい性格でな。激昂しそうになると泣き喚いて頭を冷静にする事にしているのだ」

 

メグミ隊の歩兵隊長は、先程まで泣き喚いた事が嘘の様にスッキリとした表情でそう語る。

 

「………!?」

 

「では………仕切り直しと行こうか」

 

ドン引きする熾龍に対し、メグミ隊の歩兵隊長………『ヒロシ』はそう言い放つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に別の場所では………

 

「大学選抜チームの戦闘力はァァァァァァァアアア! 世界一ィィィィーーーーッ!!」

 

「ギャアアッ!」

 

「ぐええっ!?」

 

非常にハイな様子で、両手に持ったBARから銃弾を乱射し、次々に大洗連合歩兵を薙ぎ倒して行く大学選抜歩兵『兼続』

 

「このっ!」

 

楓がその兼続に向かってウィンチェスターM1912で散弾を見舞う。

 

「何のぉっ! 俺は無敵いいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーっ!!」

 

しかし何と!!

 

兼続はジャンプしたかと思うと、身体の彼方此方をあり得ない方向に曲げ、散弾の僅かな隙間の中を潜って躱す!

 

「!? ええっ!?」

 

「何て奇天烈な動きしやがる………」

 

楓が仰天の声を挙げ、秀人が呆れる。

 

「俺は無敵の主人公ぉっ!! やられはせんっ!!」

 

そんな2人に向かって、今度は武器をトンプソンM1短機関銃に持ち替え、突撃しながら乱射をお見舞いして来る兼続。

 

「うわっ!?」

 

「あぶねっ!?」

 

「ハハハハハハッ!!」

 

高笑いと共に銃弾を見舞うその姿は、正に狂人のそれである。

 

「コイツ、超こえぇっ!!」

 

「良く分からないところが凄く怖いっ!!」

 

そんな兼続の姿に恐怖を覚える大洗連合歩兵部隊員達だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんこうチームVSバミューダ3姉妹………

 

(あの方の声、新三郎に似てますね………)

 

照準器越しに兼続の姿を確認し、轟音響く戦車内に居てもハッキリと聞こえて来る声が実家の奉公人に似ている事を感じる華。

 

「また来るぞっ!」

 

「!!」

 

とそこで、麻子から声が挙がり、華は反射的にトリガーを引いた!

 

Ⅳ号の主砲が火を噴き、バミューダ3姉妹のパーシングへ向かう。

 

しかし、バミューダ3姉妹は一斉に左へ移動して回避。

 

そのまま梯形陣を取り、一斉に発砲して来る。

 

「クウッ!」

 

麻子が短く声を漏らしながらも、Ⅳ号をスラロームさせてバミューダ3姉妹の砲撃を回避する。

 

そのまま一旦バミューダ3姉妹から距離を取ろうとするが、バミューダ3姉妹は3輌のフォーメーションを維持したまま追撃して来る。

 

「やはり凄い連携です………」

 

「あんなにピッタリくっ付かれてたら崩しようがないよぉ! まるでバカップルみたいじゃんっ!!」

 

「お前がそれを言うのか………」

 

優花里が冷や汗を流しながら呟き、沙織の喩えに、麻子が呆れた様子を見せる。

 

「あの連携攻撃を破るには………」

 

そしてみほは、バミューダ3姉妹が先程カメさんチームを倒した際に見せた技………

 

『バミューダアタック』の攻略法を、必死に考えていた。

 

すると………

 

『西住総隊長! 俺に考えが有るっ!!』

 

「!!」

 

「地市くんっ!?」

 

地市がそう通信を送って来て、みほと沙織は驚きを露わにする。

 

『頼む! やらせてくれっ!!』

 

「………分かりました。許可します!」

 

『サンキューッ!』

 

みほは地市を信じて許可を出す。

 

そして地市はパンツァーシュレックを担いだ。

 

「対戦車兵が動いてるわ」

 

「なら、先に叩き潰すまでよ」

 

「もう1度バミューダアタックだ!」

 

その姿を確認したメグミ、アズミ、ルミは車内へ引っ込むと、地市に対してもバミューダアタックを仕掛ける態勢に入った。

 

「オイ、ソイツをくれっ!」

 

「一体何をする積りなんですか、石上さん」

 

傍に居た逞巳から吸着地雷を受け取る地市。

 

「へへ、ああいう3で纏まって来る敵への対処方なら、圭一郎の奴から学んでるんだよ」

 

と、地市は逞巳にそう返したかと思うと、向かって来るバミューダ3姉妹のパーシングに向かって突撃した!

 

「!? 地市っ!?」

 

「アイツ、気でも狂ったのかっ!?」

 

その姿を見た楓と了平が思わず声を挙げる。

 

「蜂の巣よっ!!」

 

と、先頭に陣取っていたメグミ車が、同軸機銃を突っ込んで来る地市に見舞う。

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

だが、地市は弾丸の中を走り抜け、メグミ車の眼前で跳躍した!

 

「!?」

 

すぐさまメグミ車の主砲が、跳躍した地市へと向けられるが………

 

「そこだぁっ!!」

 

何と地市は、その上がった砲身に足を掛け、ジャンプ台代わりにして跳躍。

 

メグミ車を飛び越えて行った。

 

「!? ああっ!? 私を踏み台にしたぁっ!?」

 

思わず、車内で上を見上げながらそんな台詞を口走るメグミ。

 

「このぉっ!?」

 

「!!」

 

すぐさま後続のアズミ車が発砲したが、地市は空中で屈んで躱すと、アズミ車にパンツァーシュレックを放った!

 

200ミリ以上の装甲も貫通するパンツァーシュレックのロケット弾が直撃し、アズミ車は大きな爆発の後に白旗を上げる!

 

「もう1輌居るぞっ!!」

 

だがそこで、最後尾に居たルミ車が、地市に向かって発砲する。

 

「!!」

 

それと同時に地市も吸着地雷をルミ車目掛けて投擲した!

 

「! ぐああああっ!!」

 

ルミ車から放たれた榴弾が直撃し、ブッ飛ばされる地市。

 

しかし、ルミ車にも地市が投げた吸着地雷が張り付き、爆発!

 

地市が地面の上に転がったのと同時に、ルミ車からも白旗が上がる。

 

「アズミ! ルミ! クッ! 私だけでもっ!!」

 

アズミとルミがやられた事に苦い顔をしながらも、メグミ車は玉砕上等であんこうチームのⅣ号に最後の突撃を掛ける!

 

「!!」

 

それを確認したみほが、Ⅳ号の主砲を指向させたが………

 

直後に、メグミ車のエンジン部が爆発!

 

「!!」

 

みほが驚く中、メグミ車はドンドンと勢いを失って減速し………

 

やがてⅣ号の目の前でピタリと止まったかと思うと、白旗を上げた。

 

「地市!………」

 

撃破した者………戻って来た弘樹が、二式擲弾器を装着した四式自動小銃を片手に、地面に倒れていた地市に駆け寄る。

 

「よう、遅かったな………手柄は頂いたぜ」

 

戦死判定を告げるブザーが鳴る中、地市は弘樹にそう軽口を放つ。

 

「………見事だったぞ」

 

弘樹はただ、短くそう返した。

 

「部隊長3名を撃破か………コレで流れが………」

 

『西住総隊長………聞こえますか?』

 

と、迫信がそう言った瞬間、通信回線に声が響く。

 

「! 聖子さん!? 如何したんですか!?」

 

それが聖子の声である事に気づいたみほが、すぐに応答する。

 

『申し訳ありません………サンショウウオさんチーム、撃破されました………補給地点と防衛メンバーも………全滅です』

 

「!?」

 

「嘘っ!?」

 

「まさかっ!?」

 

「そんなっ!?」

 

「何があったんだ………?」

 

聖子から齎された驚くべき報告に、あんこうチームの面々は騒然となった。

 

『コチラはアンチョビ! 西住! 聞こえるかっ!?』

 

すると今度は、アンチョビからの切羽詰った様子の声が響き渡った。

 

「! アンチョビさん! 如何したんですかっ!?」

 

『如何したもこうしたもない! 昭和村エリアとワールドランドのウェスタンランド、ラーテゾーン、ゾンビエリアに居た連中が………全滅した!!』

 

「「「「「!?」」」」」

 

またもや驚愕すべき報告に、あんこうチームは最早言葉を失った。

 

先程まで損害を出しつつも健闘して生き残っていた大洗連合部隊。

 

それが一瞬にして全滅したと言うのだ。

 

驚くなと言う方が無理である。

 

『敵は今、黒森峰とグロリアーナ&ブリティッシュの連中と交戦中だ!!』

 

「! アンチョビさん! 敵は! 敵は何ものなんですかっ!?」

 

そこでみほが逸早く我に返り、敵の正体をアンチョビに問い質す。

 

『敵は………敵は………島田 愛里寿のセンチュリオンとイプシロンだ』

 

「!?」

 

「まさかっ!? 戦車1輌と随伴歩兵1人で我々の部隊を全てっ!?」

 

優花里が有りえないと否定の声を挙げる。

 

『信じられんだろうが、事実だ! アイツ等だけで我々の部隊を全滅させやがった!………!? ぬあっ!?』

 

「アンチョビさん!? 如何しました?」

 

『………今、黒森峰とグロリアーナ&ブリティッシュもやられた。これで本当に全滅だ。オマケに、コッチに気づいたらしい。狙われている』

 

「! アンチョビさん! 逃げて下さいっ!!」

 

みほが慌ててアンチョビに呼び掛ける。

 

『………西住。奴等はお前と舩坂 弘樹を待っている。我々の事は気にするな。お前が生き残り、島田兄妹を倒せば我々の勝ちだ………』

 

しかしアンチョビは、まるで悟りを開いたかの様な穏やかな口調でみほへそう返す。

 

「! アンチョビさんっ!?」

 

『お前の健闘と幸運を祈る………』

 

そしてその言葉の直後に、衝撃音が響き、無線にノイズが走ったかと思うと何も聞こえなくなる。

 

「CV33………通信途絶」

 

沙織が通信機を弄っていた手を止め、そう呟く。

 

「「「「…………」」」」

 

みほ達は目の前の現実が信じられず、言葉が出なかった。

 

「………西住総司令。行きましょう」

 

するとそこで、弘樹がそう声を掛けた。

 

「! 弘樹くん………」

 

「恐らく奴等は我々を待っています………今こそ決着を着ける時です」

 

「! うんっ!!」

 

そう言う弘樹に、みほは表情を引き締めて返事を返した。

 

「皆さん! 此処をお願いします! 私達はボコ友達作戦の最終フェイズに突入しますっ!!」

 

「お任せ下さいっ!!」

 

「頼みます! 西住総司令っ!!」

 

みほの言葉に、大洗連合歩兵メンバーは勇ましい返事を返す。

 

「弘樹くん!」

 

「!!」

 

その言葉を背で聞きながら、みほは弘樹をⅣ号にタンクデサントさせて離脱。

 

いよいよ………

 

宿命の対決が開始されようとしていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

バミューダ3姉妹との対決。
必殺のバミューダアタックを、地市が見事に破って見せました。
バミューダアタックの元ネタは恐らくジェットストリームアタックなので、同じ方法で破ろうと前々から思ってまして。
歩兵が居るこの作品ならではの手ですね。

しかし………
遂に島田兄妹が動き出しました。
一瞬にして大洗連合部隊が全滅する程の実力。
遂に弘樹とみほ達でのラストバトルに突入します。

少々唐突感もあるでしょうが、コレ以上引き延ばすとグダると思い、次回からラストバトルに突入させて頂く事にしました。
御了承下さい。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

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