ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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第46話『初めてのデートです!』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第46話『初めてのデートです!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗町・アクアワールド茨城県大洗水族館前………

 

「わあ~~っ! ココが大洗水族館なんだ~!」

 

大洗水族館の前に立った私服姿のみほが、大洗水族館の建物を眺めながらそう声を挙げる。

 

「小官も来るのは初めてだな………」

 

その隣に立っていた、とんびコート姿で鳥打帽を被った弘樹が、みほと同じ様に大洗水族館の建物を眺めながらそう言う。

 

「舩坂くん! 早く行こう!」

 

逸る気持ちを抑えられない様子のみほが、入り口の方へと少し踏み出しながらそう言う。

 

「慌てるな、西住くん。水族館は逃げたりしないぞ」

 

そんなみほにそう言いながら、弘樹も入り口の方へと足を進めるのだった。

 

何故、弘樹とみほが大洗水族館へと来ているのか?

 

事の起こりは、昨日まで遡る………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯江が商店街の福引で、大洗水族館のペアチケットを手に入れたが、当の本人は既に行った事があるとの事で………

 

偶然出会った弘樹とみほにチケットを譲渡。

 

何か言いたげなみほの様子に気づかず、弘樹は友人達に要る者が居ないか、翌日に聞いてみようとした。

 

そしてその翌日………

 

大洗機甲部隊の訓練が終わった後にて………

 

 

 

 

 

大洗女子学園・戦車格納庫内………

 

「皆、少し良いか?」

 

訓練が終わり、解散しようとしていたあんこうチームの面々と、とらさん分隊を中心とした歩兵部隊の一部を、弘樹が呼び止める。

 

「ほえっ?」

 

「んだよ、弘樹?」

 

沙織と地市が声を挙げる中、あんこうチームの面々ととらさん分隊を中心とした歩兵部隊の一部が足を止め、弘樹の方を振り返る。

 

「実は昨日、湯江からこんな物を貰ったんだが………」

 

そう言って、懐から大洗水族館のペアチケットを取り出す弘樹。

 

「コレは?………」

 

「大洗水族館のペアチケットですね………」

 

そのチケットを見ながら、華と飛彗がそう言う。

 

「ああ。商店街の福引で当てたそうなんだが、アイツは既に行った事があるらしくてね。誰か要る人に渡してやってくれって頼まれたんだ」

 

「ペアチケット………」

 

チケットがペア用であると言うのを聞いた沙織が、みほの事を見やる。

 

「…………」

 

みほは、弘樹の斜め後ろで、何か思う所が有る様な表情でそのチケットを見やっていた。

 

(! 地市くん! コレはチャンスだよっ!!)

 

すると沙織は何かを思い付き、地市に小声で話し掛ける。

 

(ああ、確かに!)

 

地市の方も、沙織が何を言わんとしているか察し、小声でそう返す。

 

「? 如何かしたか?」

 

と、そんな沙織と地市の姿を見た弘樹がそう声を掛ける。

 

「! う、ううん! な、何でも無いよ!」

 

「お、おう!」

 

沙織と地市は、慌てて取り繕う様に誤魔化す。

 

「それでチケットだけど! 悪いけど、私達はちょっと都合が悪いんだ! だよね!? 華、ゆかりん、麻子」

 

更に続けて、沙織はそう言いながら、華、優花里、麻子へと呼び掛ける。

 

「え、ええ、そうなんです………」

 

「そ、そうなんですよぉ!!」

 

「うむ………」

 

華と優花里は若干動揺を露わにしているが、麻子はいつも通りのポーカーフェイスで返事を返す。

 

「あ、みぽりん! ちょっと良いかな!! 華達も来てっ!!」

 

「えっ!? ちょ!?………」

 

とそこで、沙織がそう言いながら、みほの手を取って弘樹から離れる様に戦車格納庫の奥の方へと向かい、華達もそれに続く。

 

「ど、如何したの、沙織さん?」

 

突然腕を掴まれて引っ張って行かれた事に戸惑いを隠せない様子のみほ。

 

「みぽりん! コレはチャンスだよ!」

 

沙織は、弘樹に聞こえない様にしながらも、若干興奮している様子でみほにそう言う。

 

「チャンス?」

 

「あのペアチケットで舩坂くんと一緒に水族館へ行くんだよ! デートだよ、デートッ!!」

 

イマイチ状況が掴めていないみほに、沙織が更にそう言う。

 

「え、えええっ!? デ、デ、デートッ!? うぐっ!?………」

 

「しー! 静かに!!」

 

思わず大声を出しそうになったみほの口を押さえる沙織。

 

「プハッ! ささ、沙織さん! デ、デートって………」

 

「舩坂くんの事、好きなんでしょ? だったら、やっぱりデートだよ!」

 

「す、すすす、好きなんて! ふ、舩坂くんの事、その………信頼してるって言うか………」

 

「つまり、好きなんでしょ?」

 

「あ、あううう………」

 

見ている方が恥ずかしくなるぐらい、みほは顔を真っ赤にしてあうあうと言葉にならない様子を見せる。

 

一昔前のアニメや漫画なら、頭から煙が上がっているだろう。

 

「西住殿! この秋山 優花里! 最初はデートと聞いて戸惑いましたが、良く考えれば西住殿と舩坂殿ならばお似合いです! 是非ともコレを機会に絆を深めて下さい!!」

 

更にそこで、優花里の援護が入る。

 

「ゆ、優花里さんまで………」

 

みほは如何して良いか分からず困惑する。

 

「落ち着け、お前等。当の本人が戸惑っているぞ」

 

とそこで、1人いつもと同じ調子の麻子が、沙織達を諌める。

 

「麻子さん………」

 

「まあ、デート云々は置いておいて、ちょっとした気分転換だと思え。最近ボーッとしている事が多いのは事実だろう」

 

「そ、それは………」

 

正論を含んだ麻子の言葉に、みほは言葉に詰まる。

 

「麻子さんの言う通りですよ。そんなに難しく考える事はありませんよ」

 

華もみほに向かって微笑みながらそう言う。

 

「ま、兎に角! 一緒に行こうって言ってみなよ! 先ずはそれから! 当たって砕けろだよっ!!」

 

「いや、砕けたら駄目だろう………」

 

発破を掛ける沙織と、その発破の掛け方にツッコミを入れる麻子。

 

「西住殿! ファイトです!!」

 

優花里も激励を送る。

 

「皆………」

 

そんなあんこうチームの面々を見やると、みほは何かを考え込む様に俯く。

 

「………うん………私………頑張ってみる!」

 

やがて、決意を固めた様な表情を見せると、拳を握った両手をグッと構えて顔を上げ、そう宣言する様に言った。

 

「みほさん………」

 

「その意気だよ、みぽりん!」

 

「西住殿………」

 

「頑張れよ………」

 

華、沙織、優花里、麻子は、そんなみほの事を温かい目で見やる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、弘樹の方は………

 

(西住くん達は何を話しているんだ?)

 

突如沙織達に連れて行かれたみほの事を見やりながらそう思う弘樹。

 

時折何やらみほが大きなリアクションを取る様子を見せているが、会話内容は聞こえて来ない。

 

「(まあ、良い。女同士の会話を盗み聞きするのも失礼だ)さて、武部くん達は如何やら都合が悪い様だが、他に誰か予定の空いてる者は………」

 

やがてそう思いやると、再びペアチケットの貰い手が居ないかを問い質し始める。

 

「オイ、弘樹。自分で使おうとは思わねえのか?」

 

とそこで、そんな弘樹に地市がそう言い放つ。

 

「? 湯江はもう行ったと言っただろう」

 

地市に向かってそう返す弘樹。

 

如何やら、湯江と兄妹で行けと思ったらしい。

 

「いやいやいや! 違うだろ! もっと誘うべき奴が居るだろうが!!」

 

「もっと誘うべき者?………」

 

地市がツッコミを入れると、弘樹は顎に手を当てて考え込む様な様子を見せる。

 

(テメェはラノベのラブコメ主人公か!? リア充爆発しろっ!!)

 

そんな弘樹の姿を見て、了平が血涙を流しながら心の中で呪詛する。

 

「了平。人を呪わば穴二つですよ」

 

その了平にツッコミを入れる楓。

 

「マジで思いつかねえのか?」

 

「全く心当たりが無いが………」

 

「ハア~~、お前って奴は………」

 

心当たりが無いと言う弘樹に、地市は溜息を吐いて呆れる。

 

「? 何なんだ?」

 

と、弘樹が首を傾げると………

 

「お待たせ~っ!!」

 

女同士の会話が終わったらしき沙織達が戻って来る。

 

「ああ、武部くん。話は終わったのかい?」

 

「ええ。それでね、みぽりんが舩坂くんに話が有るんだって!」

 

弘樹がそう尋ねると、沙織が若干早口でそう答える。

 

「ふ、舩坂くん………」

 

幾分か緊張した様子のみほが、おずおずと弘樹の前に出る。

 

「西住くん、小官に話とは? 何だか妙に緊張している様に見えるが………」

 

「え、えっと、その………」

 

口籠るみほ。

 

「??」

 

弘樹はそんなみほの姿を見て首を傾げる。

 

(みぽりん! ファイトッ!!)

 

(弘樹の奴………戦闘に関する事は察しが良いってのに、如何してこういう事にはニブチンなんだ)

 

そんなみほと弘樹を見て、沙織と地市が心の中でそう思う。

 

「そ、その! 良かったら、そのチケットで私と一緒に大洗水族館に行かないっ!?」

 

と、遂にみほは、意を決してそう言い放った。

 

((((((((((言ったーーーーーーーーーっ!!))))))))))

 

沙織達は心の中でそんな叫びを挙げる。

 

「西住くんと………小官でか?」

 

しかし、当の弘樹はあまり乗り気でない様子である。

 

「だ、駄目かな?」

 

「いや、小官の様な無骨者と言ってもつまらないだろう。秋山くん辺りの方が良いんじゃないのか?」

 

(あの、馬鹿野郎!)

 

(舩坂さんらしいと言えますが………)

 

そんな弘樹の姿を見て、地市が辟易し、楓がそんな感想を漏らす。

 

「そ、そんなこと無いよ! きっと楽しいと思うよ!」

 

「いやあ、しかし………」

 

決意を決めたからか、食い下がるみほだが、やはり弘樹は乗り気にならない。

 

「ううう………(如何しよう………如何しよう)」

 

段々とみほの心に焦りにも似た感情が生まれて来る。

 

「まあ、取り敢えず、このチケットは君に譲るから、小官以外の誰かを誘って………」

 

とそこで、弘樹がそう言いながらチケットを差し出してきた瞬間!

 

「! 大洗機甲部隊! あんこうチーム随伴歩兵分隊! とらさん分隊・分隊長! 舩坂 弘樹!!」

 

「!! ハッ!!」

 

突如みほは大洗機甲部隊総隊長モードとなって弘樹に呼び掛け、弘樹も即座に歩兵隊員モードとなる。

 

「大洗機甲部隊総隊長として命令します! そのチケットを使って、私と一緒に大洗水族館へ行きなさい!!」

 

「ハッ! 了解しましたっ!!」

 

みほがそう命令を下すと、弘樹はお馴染みのヤマト式敬礼をしてそう返事を返す。

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

その後、弘樹とみほを含め、その場に居た全員が沈黙し、辺りが一瞬にして静まり返った………

 

「………ッ!!」

 

直後、ボンッ!!と言う様な音が聞こえそうなくらいに一瞬で顔を真っ赤にしたみほが、弘樹に背を向けて、逃げる様に走り出す。

 

「!? ちょっ! みぽりんっ!!」

 

「西住殿ーっ!!」

 

「みほさん!」

 

「やれやれ………」

 

沙織達が慌ててその後を追って行く。

 

「………何だったんだ、今のは?」

 

そこで我に返った弘樹が、みほ達が消えて行った方向を見ながらそう呟く。

 

「いやはや、青春だね………」

 

とそこで、突然迫信が姿を現す。

 

「! 生徒会長!」

 

迫信の姿を見た弘樹が、即座に姿勢を正してヤマト式敬礼をする。

 

「舩坂くん、ココは1つ彼女の言うとおりにしてやってはどうかね?」

 

その弘樹に向かって、迫信が扇子で口元を隠しながらそう言う。

 

「は、はあ………どの道、命令には従う積りでしたし、生徒会長がそう仰られるのでしたら………しかし、西住くんも物好きだな」

 

弘樹は戸惑いを露わにしながらも、そう返す。

 

(やれやれ………こりゃ先が思いやられるぜ………)

 

(リア充、爆発しろ)

 

(西住さん………頑張って下さい)

 

そして、そんな弘樹を見て、地市、了平、楓は内心でそう思いやるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

弘樹の前から走り去ったみほはと言うと………

 

「命令って言っちゃった………」

 

テンパって命令と言ってしまった事に自己嫌悪し、格納庫の外で膝を抱えて沈んでいた。

 

「だ、大丈夫だよ! 一応は誘えたんだし!」

 

「そうですよ! 後は当日に水族館にさえ行けば何とかなります!」

 

「作戦はコレからであります! 西住殿!」

 

そんなみほを励ます様に、沙織、華、優花里がそう言う。

 

「お前もお前だが、アイツの方もアイツの方だな………よっぽど女っ気の無い人生を送ってたんだな………」

 

一方の麻子は、弘樹に向かってそう毒を吐く。

 

「ま、まあ、舩坂殿の人生は歩兵道一筋だったそうですし………」

 

「舩坂さん、真面目そうですからね………」

 

「私だったら信じられないなぁ。生まれてからずっと異性とあんまり関わらない人生なんて………」

 

優花里、華、沙織もそれに反応する。

 

「兎に角、みぽりん! 一応誘う事には成功したんだし! 後はみぽりん次第だよ!!」

 

沙織が再び、みほをそう言って励ます。

 

「………そうだよね………後は私が如何にかしないと行けないんだよね………」

 

と、その一言で、みほの雰囲気が変わる。

 

「うん! 私………頑張ってみる!」

 

再び決意を決めた様な表情を見せ、みほは立ち上がった。

 

「ガンバ! みぽりん!」

 

「頑張って下さい」

 

「西住殿! 陰ながら無事を祈っております!!」

 

「戦場に行くんじゃないんだぞ」

 

そんなみほに向かって、沙織、華、優花里、麻子はそう言い放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその翌日の日曜日………

 

タイミング良く、大洗学園艦は大洗の街へ寄港。

 

弘樹とみほは早速、大洗水族館へと訪れた………

 

と言うワケである。

 

「えっと、このチケットで………」

 

「ハイ、ありがとうございます。ようこそ、大洗水族館へ」

 

みほがペアチケットを出入り口の係員に手渡し、弘樹と共に入場する。

 

休日とあって、館内はそれなりに混雑している様子を見せている。

 

「最初のコーナーは、出会いの海ゾーンか………」

 

何時の間にかパンフレットを手にしていた弘樹が、館内の案内図を見ながらそう呟く。

 

「じゃあ、早速………!? キャッ!?」

 

とそこで、みほが他の入館客とぶつかり、弘樹の方へと倒れ込んで来る。

 

「おっと!」

 

それを難なく受け止める弘樹。

 

「あ、すみません。大丈夫でしたか?」

 

「あ、ハイ。大丈夫です」

 

ぶつかった客が謝罪して来ると、みほは大丈夫だと返す。

 

「良かった。どうもすみませんでした」

 

客は再度頭を下げると、館内の奥の方へと歩いて行く。

 

「ビックリした~」

 

「休日だからな。混雑するのも当然だろう。気を付けるんだぞ、西住くん」

 

「うん、ありがとう、舩坂く………」

 

と、弘樹に礼を言おうとしたみほが固まる。

 

今更ながら、自分が弘樹に受け止められている事に気付いた様子だ。

 

「? 如何した?」

 

「!! う、ううん! な、何でも無いよっ!!」

 

そこで慌てて弘樹から離れるみほ。

 

「? そうか?」

 

怪訝に思いつつも、深くは追及しない弘樹。

 

「さ、さあ! 行こう!!」

 

「うむ………」

 

そして、未だに若干頬を染めているみほと、何時もと同じ仏頂面気味の弘樹は、最初のコーナーである『出会いの海ゾーン』へと向かう。

 

「行ったね………」

 

「初っ端からラブコメみたいなイベント見せつけてくれたじゃねえか」

 

と、そんな2人を尾けている、複数の影が有った………

 

沙織、華、優花里と地市、飛彗、白狼のメンバーである。

 

「あの、沙織さん。やっぱり帰った方が良いのでは………」

 

「そうですよ。他人のデートの様子を覗き見するなんて、趣味が悪いですよ」

 

華と飛彗が、この行動を率先して行っている沙織と地市にそう注意する様に言うが………

 

「何言ってるの! みぽりん結構ドジなとこあるから心配じゃん!」

 

「それに、こんな面白い事、見逃せるかよ。あの超合金並みの堅物で知られる弘樹が、西住総隊長とデートだなんてよ!」

 

沙織は純粋にみほが心配で付いて来ていた様だが、地市は完全に面白半分でそう返す。

 

「って言うか、何で俺まで巻き込まれてるんだ?」

 

「すみません、神狩殿………大空殿は、綿貫殿を止めていてくれているので、手が放せなくて………」

 

「いや、それで何で俺が呼ばれるんだよ?」

 

1人呼ばれたのが不思議だと言う顔をしている白狼に、優花里が申し訳無さそうにそう言うが、白狼は納得が行かない様子である。

 

『それで僕を巻き添えにする君も君だと思うけどね、白狼』

 

とそこで、弘樹とみほを尾けている面子全員が付けていたマイク付きインカムの内、白狼の物から煌人の声が聞こえて来る。

 

『沙織、2人は『出会いの海の大水槽』の前まで進んだぞ』

 

更に続けて、今度は沙織の物に麻子の声が聞こえて来る。

 

「了解。麻子」

 

「しっかし、平賀のお蔭で助かるなぁ、オイ」

 

沙織がマイクを掴んでそう返信すると、地市がそう呟く。

 

現在煌人と麻子の2人は、大洗水族館の駐車場に止めてある指揮車に居る。

 

煌人が持ち込んでいる私物のノートPCで、大洗水族館の監視カメラの映像をハッキングし、2人の様子を沙織達に伝えているのである。

 

麻子はその手伝いである。

 

『全く………僕の情報収集能力はこんな事の為にあるんじゃないぞ』

 

『とか言いながらやってるんだな』

 

愚痴る様に言う煌人に、麻子がそうツッコミを入れる。

 

『まあ、暇だったからね。君こそ良く手伝ってるね』

 

『お前と同じ理由だ』

 

煌人と麻子の間で、若干毒が入ったトークが飛ぶ。

 

「よし! それじゃあ、私達も行こうっ!」

 

「おうよっ!」

 

そこで、沙織と地市がチケットを買い求めに走る。

 

「もう、沙織さんったら………」

 

「放って置くと心配ですね。仕方ない………付き合いましょう」

 

その後を、そんな会話をしながら華と飛彗が………

 

「神狩殿! 早くっ!」

 

「ハアア~~~、メンドクセェ………」

 

そして最後に、優花里が露骨に面倒臭い様子を露わにしている白狼を引っ張る様にして、チケットを買い求めに走るのだった。

 

「ママ~。あのお兄ちゃん達とお姉ちゃん達、何やってるの~」

 

「シッ! 見ちゃ行けません!」

 

その様子は、他の来訪客からは若干奇異に見られていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

遂に弘樹とみほがデート。
場所は大洗水族館です。
いや~、この作品、ラブコメでもあるんで、いつかはこの2人のデートを書きたいと思っていたんですよ。
若干、ギャラリーが居ますが(笑)
次回は2人のラブコメの様子をじっくりとご覧ください。
特別ゲストも登場しますので、お楽しみに。

さて、いよいよアンツィオ戦が上映開始されましたね。
自分は今日見に行く予定です。
アニメ版のアンチョビは大分愉快なキャラの様で、レーシングカーの様に動き回っていたイタリア戦車と合わせてとても楽しみにしています。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

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