ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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第47話『大洗水族館でドキドキです!』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第47話『大洗水族館でドキドキです!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひょんな事から、大洗水族館のペアチケットを手に入れた弘樹とみほは………

 

それを使ってデートをする事となった。

 

勿論、堅物な弘樹と基本ドジっ子なみほのデートに、沙織達や地市達は興味津々。

 

各々にパートナーを組み、2人のデートをコッソリと監視するのだった。

 

果たして、弘樹とみほは無事にデートする事が出来るのであろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗水族館・出会いの海ゾーン………

 

最初の見所である、『出会いの海の大水槽』の前へとやって来た弘樹とみほ。

 

丁度今、水槽の中に登場するダイバーが魚達を紹介してくれる、水中対話ショー『アクアウォッチング』が行われていた。

 

『皆さん~! こんにちは~っ!!』

 

「「「「「「「「「「こんにちは~っ!!」」」」」」」」」」

 

出会いの海の大水槽の前に陣取っていた観客達の中で、子供達が全員元気良く、ダイバーに返事を返す。

 

『は~い、ありがとうございま~す。今日も元気な子供達がいっぱいで嬉しいです。それじゃあ、早速お魚を紹介して行きましょう』

 

ダイバーはそう言うと、水中カメラを手に、出会いの海の大水槽内の魚達を撮影する。

 

そして、水槽横のモニターにその映像が映し出されているのを確認しながら魚達を紹介・解説して行く。

 

『さて! ではココで1つ、クイズを出してみたいと思います。コチラのこの魚………』

 

とそこで、ダイバーはそう言い、1匹のサメの様な魚を映し出す。

 

『コチラのお魚、名前は『シノノメサカタザメ』と言うんですが、サメの様にも、エイの様にも見えますね。さて、このシノノメサカタザメ………サメか、エイか、どっちでしょうか?』

 

「え~っ? どっちだろう~?」

 

「サメって付いてるからサメじゃな~い?」

 

「違うよ~。エイだよ~」

 

ダイバーからのクイズに、子供達は頭を悩ませる。

 

「う~ん………サメ、かなぁ?」

 

「いや、アレはエイだな」

 

みほと弘樹も、其々に答えを予想する。

 

『それでは正解を発表したいと思います。正解は………エイです!』

 

「「「「「「「「「「ええ~~~~~っ!?」」」」」」」」」」

 

ダイバーが答えを発表すると、子供達から驚きの声が挙がる。

 

『そうなんですよね~。このシノノメサカタザメ。名前にサメと付いていまずが、実はエイの仲間なんです。良く見て下さい』

 

するとそこでダイバーは、シノノメサカタザメの腹側を映し出す。

 

『ご覧の通り、シノノメサカタザメは鰓孔………つまり、えらが下側にあります。サメは横に有るのが普通なので、エイの仲間と言う事です』

 

「そうなんだ~」

 

「成程~」

 

子供達からそんな声が挙がる。

 

「凄いね、舩坂くん。当たったよ」

 

「何、名前を言っておいて態々聞いてきていたから、恐らく違うのだろうと予想しただけさ」

 

弘樹に尊敬の眼差しを送るみほだったが、弘樹は只の感だと謙遜する。

 

「うふふ………」

 

「フッ………」

 

そんな弘樹を見て、みほが笑うと、弘樹も微笑を零す。

 

「良い雰囲気だね~」

 

「結構上手くやってるみたいじゃねえか」

 

と、観客達の中に交じって、コッソリとその様子を見ている沙織と地市がそう言い合う。

 

「流石は舩坂殿。見事な洞察力です」

 

「お前も大概だな………」

 

弘樹とみほに尊敬の念を抱いている優花里がそう呟くのを聞いて、白狼が呆れた様にそう言う。

 

「華さん、見て下さい、あの魚。綺麗ですよ」

 

「まあ、ホント………綺麗ですね~」

 

そして、コッチもコッチで良い雰囲気を作り出している飛彗と華だった。

 

「あ! 次のコーナーに向かうみたいだよ!」

 

「追うぞっ!!」

 

とそこで、ショーが終わったのを確認した弘樹とみほが、次のコーナーへと向かうのを沙織と地市が目撃し、自分達も気づかれない様に次のコーナーへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗水族館・暗黒の海ゾーン………

 

次のコーナーは深海魚を中心とした深海の生物を紹介するコーナーであり、深海をイメージして、コーナー全体が暗くなっている。

 

「な、何だか雰囲気あるね………」

 

「ああ、そうだな………」

 

急に暗くなった事で戸惑っているみほと、それに気づかずにクラゲの水槽を見やっている弘樹。

 

「? アレ? 何だろう、あの水槽?」

 

とそこでみほが、真っ暗になっている小さな水槽を発見し、怪訝に思って近寄って見る。

 

「?」

 

近寄っても真っ暗で何も見えなかったので、更に水槽を覗き込む様にするみほ。

 

「西住くん、如何した?」

 

弘樹もそんなみほの傍に立つ。

 

すると………

 

突如水槽内の電灯が点灯し、グロテスクな深海魚の姿が露わになった!

 

「!? キャアアッ!?」

 

みほは悲鳴を挙げながら、弘樹に抱き付く。

 

「深海魚か。まるでお化け屋敷の様な演出だな」

 

しかし弘樹の方は至って冷静な様子でそう言い放つ。

 

「ハアア~~~、ビックリした………」

 

そんな弘樹の態度で落ち着きを取り戻したのか、みほは大きく息を吐きながらそう言う。

 

「………あ」

 

そしてそこで、自分が今弘樹にガッチリと抱き付いている事に気づく。

 

「!?!? ゴゴゴゴ、ゴメンナサイッ!」

 

ボンッと言う音が聞こえそうな様子で顔を真っ赤にしたみほが、慌てて弘樹から離れてしどろもどろする。

 

「………フフ」

 

と、そんなみほの姿を見て、弘樹は笑いを零した。

 

「ど、如何したの?」

 

「いやあ………試合の時はあんなに凛として勇ましい様子を見せてる君が、今小官の目の前でしどろもどろしているのを見たら、何だか可笑しくてな。ハハハ」

 

笑いながらそう言う弘樹。

 

「ふええっ!? 舩坂くん! それ如何言う意味!?」

 

「言葉通りの意味さ。さて、次のコーナーへ行くか………」

 

抗議の様な声を挙げるみほだったが、弘樹ははぐらかして次のコーナーへと向かおうとする。

 

「ああ! ま、待ってよ~! 舩坂く~ん!!」

 

そんな弘樹を慌てて追い掛けるみほだった。

 

「私も、試合の時の西住殿と、普段の西住殿はギャップが大きいと思う時があります」

 

「ある意味、ラクビー部の面々と一緒だな」

 

そんな2人の様子を見て、優花里と白狼がそう言い合う。

 

「クラゲって、こんなに美しい物だったんですね」

 

「色が変わるなんて、初めて知りましたよ」

 

そして、相変わらず良い雰囲気になっている華と飛彗。

 

「うわあ~、コレがリュウグウノツカイ?」

 

「スッゲェ迫力だなぁ、オイ」

 

更に、沙織と地市までもが、本来の目的を見失い始め、リュウグウノツカイの剥製を見て燥ぎ出していた。

 

『オイ、沙織。自分で言った目的を見失ってるぞ』

 

『2人は既に次のコーナーへ向かってるぞ』

 

とそこで、駐車場の指揮車に居る麻子と煌人からそうツッコミが入る。

 

「わ、分かってるよ! ちょっと寄り道しただけだよ!」

 

「折角チケット買って入館したんだからよぉ。少しぐらい楽しんだって良いじゃねえかよ」

 

沙織と地市はそう返し、華達と共に再び弘樹とみほの後を追って行った。

 

『やれやれ………』

 

『何だか馬鹿らしくなって来たよ………』

 

そんな沙織達の様子に、麻子と煌人は愚痴る等にそう呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗水族館・ミュージアムゾーン………

 

弘樹とみほは、世界の海ゾーンでサメやマンボウ、世界の魚を観賞した後、この第4のコーナーまで来ていた。

 

展示物を見たり、触ったり、或いは体験した後、コーナー内に在ったコーヒーショップ『マーメイドギャレー』で一息を入れている。

 

「ふう~~」

 

「疲れたのか? 西住くん」

 

カフェオレを一口飲んだ後、大きく息を吐くみほの姿を見て、茶を啜っていた弘樹がそう尋ねる。

 

「ううん、そうじゃないけど。水族館とか来たの初めてだから、ちょっと圧倒されちゃって………」

 

「そうなのか?」

 

「うん、家じゃいつも戦車の事ばかりだったから………お母さんも戦車道の指導ばかりで、家族で出かけた事なんてあんまり無かったし………」

 

そう言いながら、何処か遠い目をして海を眺めるみほ。

 

「西住くん………」

 

何と声を掛けて良いか分からず、言葉に詰まる弘樹。

 

「あ、でもね! お父さんは凄く優しかったんだ! 稽古をサボらせて、コッソリと遊びに連れてってくれたりしたんだ」

 

しかしみほはすぐにそう言葉を続ける。

 

「そうか………良い父親だな」

 

その言葉に安心した様に、再び茶を啜る弘樹。

 

「うん、ちょっと変わってるところがあるけど、優しくて素敵なお父さんなんだ。私が大洗へ引っ越したいって言った時も、お母さんに内緒で手続きを全部済ませてくれたの」

 

慕っているのか、笑顔を浮かべて父の事を語り出すみほ。

 

「そうか………」

 

今度はそれを聞いている弘樹の方が僅かに遠い目をする。

 

「! あ! ゴ、ゴメン! 舩坂くんのお父さんとお母さんは………」

 

とみほはそこで、弘樹の両親が既に亡くなっているのを思い出し、慌てて謝罪する。

 

「気にするな。言っただろう。小官はもう現実を受け止めている。嘆いたところで、何かが変わるワケではない………」

 

しかし弘樹はすぐに何時もの仏頂面になり、三度茶を啜りながらそう返す。

 

「………強いね、舩坂くん」

 

「そう言う生き方しか出来なかっただけさ………」

 

「ねえ………舩坂くんのお父さんとお母さんの事、聞いても良いかな?」

 

「構わないが………余り面白い話じゃないと思うぞ」

 

2人はそのまま語らいを始めるのだった。

 

「西住殿………楽しそうであります」

 

「そろそろ帰りたいぜ………」

 

そんなみほを離れた席から見守っている優花里と、いい加減に帰りたいと思っている白狼。

 

因みに、沙織と地市、華と飛彗はと言うと………

 

「あ、コレ、可愛い~」

 

「なあ、沙織。コレ如何かな?」

 

沙織と地市は、ミュージアムゾーン内にあるショップ『ガレオス』で、ショッピングに夢中になっていた。

 

「シェフのオリジナルカレーと包み焼きピザ、フライドポテトにアメリカンドッグ、シャークナゲットとマンボウコロッケを下さい」

 

「か、畏まりました………」

 

(やっぱり食べるなぁ、華さん………)

 

華はマーメイドギャレーのメニューを次々に頼み、付き合っている飛彗も流石に唖然としている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗水族館・駐車場………

 

「当初の目的を見失っているな、アイツ等………」

 

ノートパソコンに映っているハッキングした監視カメラの映像内の沙織達の様子を見て、麻子がそう呟く。

 

「コレならば最初から合同デートにでもした方が良かったんじゃないのか?」

 

そこへ、両手に紅茶の入ったカップを持った煌人が現れる。

 

「給湯設備が在ったのか? この車には?」

 

「改造して取り付けたのさ。元々この車は僕の私物だからな」

 

麻子にそう答えながら、彼女の分の紅茶をテーブルの上に置く煌人。

 

「そうか………ならベッドも在ったりするか?」

 

「仮眠用のだが、一応在るぞ」

 

煌人はそう答えると、仮眠用の簡易ベッドを展開させる。

 

「ちょっと借りるぞ。朝早くから付き合わされて、もう限界だ………」

 

麻子は何時の間にか紅茶を飲むと、そのまま簡易ベッドに倒れ込む様に横になり、一瞬の間の後、寝息を立て始める。

 

「やれやれ……人の所で随分と寛いでくれるじゃないか………」

 

煌人は愚痴る様にそう言いながらも、毛布を麻子の身体に掛けてやり、自分は再びノートPCの映像を見やり始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、一息を入れた弘樹とみほは、水族館巡りを再開。

 

世界の海ゾーン2で、エトピリカやラッコ、ゴマフアザラシなど北の海で暮らす海獣達を見物した後、展望デッキで大洗の海と那珂川の様子を眺めた。

 

その後、キッズランドを経由して、森と川ゾーンで淡水魚を見物。

 

更にそのまま、出会いのデッキへと進もうとしたが………

 

「舩坂くん、ちょっとゴメン。此処で待っててもらえる?」

 

「ああ、分かった」

 

突如みほがそう言ったかと思うと、弘樹を残してその場から去って行った。

 

「西住殿? 如何したのでありましょう?」

 

「便所じゃねえのか?」

 

覗いていた優花里が首を傾げると、白狼が身もふたも無くそう言い放つ。

 

「か、神狩くん! もう少し言い方ってのがあるでしょう!」

 

そんな白狼に、沙織がそうツッコミを入れる。

 

「知るかよ、そんな事………」

 

「白狼、もう少しデリカシーをですね………」

 

白狼の言い方に少々もめつつも、陰でみほが戻るのを待つ。

 

しかし………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後………

 

「…………」

 

怪訝な顔をしながら、腕時計を見やる弘樹。

 

流石に幾ら何でも遅過ぎると感じている様だ。

 

「女のトイレってのはこんなに掛かるのか?」

 

「白狼、また………」

 

「確かに、ちょっと遅過ぎるねぇ」

 

白狼の言い方を注意しようとした飛彗だったが、それよりも先に、沙織も帰りが遅いみほの事を怪訝に思い始める。

 

「あの………ひょっとして………迷子になったのでは?」

 

するとそこで、華がそんな事を言う。

 

「まさか」

 

「いや、でもみぽりん、ちょっとドジなところがあるから………有り得るかも」

 

地市は否定するが、みほを良く知る沙織は強ち否定出来ない。

 

「ええっ!? に、西住殿が迷子に!? どどどどどど、如何しましょう~っ!?」

 

「落ち着け。お前が慌てても何にもならねえだろうが………アインシュタイン、監視カメラで西住総隊長を発見出来ないか?」

 

途端に狼狽する優花里に、白狼がツッコミを入れ、指揮車の煌人に尋ねる。

 

『いや。駄目だ。ちょうど混み合って来たみたいでな。人が増えてる』

 

『監視カメラの映像から探すのは難しいな』

 

しかし、指揮者の煌人と麻子からはそう言う返事が返って来る。

 

「そうか………」

 

「如何しよう………探しに行ったら、私達の事がバレちゃうし………」

 

「でも! このままじゃ………」

 

沙織が頭を悩ませ、優花里が相変わらず焦っている様子でそう言う。

 

「あ! 舩坂さんが動きましたよ」

 

するとそこで、弘樹を見ていた華が、弘樹が動き出した事を告げる。

 

「流石に遅いと思って探しに行くみたいだな」

 

「無事に会える事を祈るしかありませんね………」

 

そんな弘樹を遠巻きに見ながら、地市と飛彗がそう言い合うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗水族館・展望デッキ………

 

「………此処にも居ないか」

 

順路を逆走し、みほの姿を探す弘樹だったが、未だに発見できていない。

 

(係員に頼んで呼び出してもらうか………いや、流石にそれは西住くんに失礼か………)

 

子供の迷子の様に、係員に呼び出しを掛けてもらおうかと一瞬考えるがすぐに止める。

 

「! そうだ! 1回戦の試合の時に、確か西住くんの携帯電話の番号を………」

 

とそこで、1回戦でサンダース&カーネル機甲部隊との戦いの時に、成り行きで全員の携帯番号を交換していた事を思い出し、すぐに携帯電話を取り出す。

 

と、その時………

 

「ちょっとぐらい良いじゃんかよ~」

 

「そうそう! ちょっと付き合ってって言ってんじゃん」

 

ガラの悪い男達数人が、誰かを取り囲んで絡んでいた。

 

「い、いや………助けて!」

 

その囲まれている人物が助けを求める声を挙げる。

 

「! 西住くんっ!?」

 

「おわっ!? 何だテメェッ!?」

 

と、その声がみほのモノだと思った弘樹は、ガラの悪い男達を掻き分ける。

 

「? 誰?」

 

しかし、そこに居たのはみほではなく、脇の露出した青いセーラー服の様な服装をした、銀髪碧眼の小柄な少女姿だった。

 

(! 西住くんではない………しかし、良く似た声をしている)

 

その少女の声が、みほと良く似ていると感じる弘樹。

 

「オイ、テメェ! 引っ込んでろっ!」

 

「俺達は今からこの娘と………」

 

とそこで、ガラの悪い男達が弘樹に追い返そうとするが………

 

「…………」

 

弘樹は無言で傍に居たガラの悪い男の顔面に裏拳を入れた。

 

「ゲボアッ!?」

 

汚い悲鳴と共に床に倒れるガラの悪い男の1人。

 

「なっ!?」

 

「テメェッ!!」

 

「人違いだったが、こういう状況を見逃すほど程、小官は薄情ではない」

 

イキナリ仲間の1人をやられ、狼狽するガラの悪い男達にそう言い放つ弘樹。

 

「んだとぉっ!」

 

「コノヤロウ! すかしやがって!!」

 

ガラの悪い男達は弘樹に遅い掛かろうとするが………

 

「!? オ、オイ、待てっ!? コイツ………舩坂 弘樹だ!!」

 

とそこで、ガラの悪い男の1人がそう声を挙げた。

 

「!? 舩坂って………大洗機甲部隊の!?」

 

途端に、他のガラの悪い男達も顔を真っ青にして弘樹を見やる。

 

「………如何する?」

 

そんなガラの悪い男達に向かって、弘樹は仏頂面で空手の構えを取ってそう言い放つ。

 

「「「「「すいませんでしたーっ!!」」」」」

 

ガラの悪い男達は即座に弘樹に向かって頭を下げたかと思うと、倒れていた仲間を引き摺る様にして逃げ出した。

 

「やれやれ………」

 

「舩坂 弘樹………大洗機甲部隊のあんこうチーム随伴歩兵分隊、とらさん分隊の分隊長………」

 

そんなガラの悪い男達の姿に、弘樹が呆れた様子を見せると、銀髪の少女が弘樹を見ながらそう言う。

 

「………詳しいな。君は一体?」

 

自分の事を詳しく知る少女に、弘樹は怪訝な顔をしながらそう尋ねる。

 

「私は『イオナ』。『千早 群像』のパートナー。ねえ、貴方。群像を知らない?」

 

そんな弘樹に向かって少女………『イオナ』は、感情が余り感じられない口調でそう尋ねる。

 

「千早………群像だと………」

 

と、『千早 群像』と言う名に覚えがあるのか、弘樹は僅かに目を見開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

「ア、アレ? コッチじゃなかったっけ?」

 

迷子になっていたみほは、未だに大洗水族館の館内を彷徨っていた。

 

「如何しよう? 舩坂くん、心配してるよね………」

 

オロオロとした様子で、如何すれば良いのか悩むみほ。

 

「あ! そうだ! 確か試合の時に、舩坂くんの番号を………」

 

そこで、みほも携帯に弘樹の番号を登録していた事を思い出し、電話を掛けようとする。

 

と………

 

「イオナ! ココに居たのか!」

 

そう言う声が聞こえて来たかと思うと、みほの肩を後ろから掴む者が現れる。

 

「!? ふえっ!?」

 

突然の事に、みほは驚いて飛び退く様にその人物から距離を取る。

 

「あ、すまない………連れと良く似た声だったから間違えてしまった。申し訳無い」

 

肩を掴んだ人物………黒のショートボブにスーツ姿の少々中性的な顔立ちをした青年が謝罪する。

 

「い、いえ! ちょっとビックリしただけですから、気にしないで下さい」

 

「助かる………ところで、ちょっと聞きたいんだが、青いセーラー服の様な服装をした、銀髪碧眼の小柄な少女を見なかったか?」

 

みほも謝る中、青年はみほにそう尋ねる。

 

「いえ、見てませんけど………と言うより、私も迷子になってしまっていて」

 

「そうなのか?」

 

と、みほと青年がそう会話していると………

 

「群像ーっ!」

 

「此処に居たのか、西住くん」

 

そう言う声が聞こえて来て、イオナと弘樹が、其々青年とみほの元へと現れる。

 

「! イオナ! 探したぞ!」

 

「ゴメン、群像」

 

青年に向かって頭を下げるイオナ。

 

「舩坂くん! 良かった~………」

 

「やれやれ、まあ無事で何よりだ」

 

みほは弘樹の姿を見て安堵の息を吐き、弘樹はみほが無事なのを確認してそう言う。

 

「………君が『千早 群像』か」

 

とそこで、弘樹は青年………『千早 群像』を見てそう言う。

 

「君は………舩坂 弘樹か」

 

群像も、弘樹の事を見やり、そう言う。

 

「? 舩坂くん? 知り合いなの?」

 

そんな弘樹の姿に、みほが首を傾げてそう尋ねる。

 

「いや、そう言うワケじゃないが………彼はちょっとした有名人でな」

 

「それは君の方もだろう………」

 

弘樹がそう答えると、群像はフッと笑ってそう口を挟むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

大洗水族館でデート(?)を満喫する弘樹とみほ。
そんな様子を監視していた沙織達も、何時の間にかイチャつきだす。
自分で言うのもなんですが、今回はラブコメ一色でしたね。

そして前回言っていた特別ゲスト………
『蒼き鋼のアルペジオ』から、『千早 群像』と『イオナ』に出演していただきました。
イオナとみほの中の人繋がりです、ハイ。
因みに私、アニメの方しか見てません。
この群像とイオナは、アルペジオの本人ではなく、ガルパンの世界の群像とイオナ………
所謂平行世界の同一人物だと思って下さい。
ちょっと絡む程度ですが、楽しんでいただければ幸いです。

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