ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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第54話『パシフィック高校です!』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第54話『パシフィック高校です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシフィック機甲部隊との対戦場所が南の島に決まり………

 

その地を訪れた大洗機甲部隊の面々は、対戦を前にビーチでのバカンスと洒落込む。

 

思い思いに楽しむ中、自動車部と整備部が水陸両用に改造したⅣ号とM3リーのテストを行おうとしているのを発見したあんこうチームとウサギさんチーム。

 

改造されたⅣ号とM3リーのテストを兼ね、とらさん分隊とハムスターさん分隊を連れて、沖合に見えていた島へと冒険に出る。

 

だが、上陸したその島は………

 

まるで軍艦島の様な廃墟の広がる………

 

旧日本軍の基地跡だった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧日本軍の基地跡の残る島………

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

廃墟の広がる島を前に、言葉を失っているあんこうチームとウサギさんチーム。

 

そして、とらさん分隊とハムスターさん分隊の面々。

 

『随分な所に迷い込んだみたいだな』

 

「!? 平賀さん!?」

 

とそこで、通信機から煌人の声が響いて来て、沙織が驚きの声を挙げる。

 

『その島は見ての通り、旧日本軍が駐留していた。第一次世界大戦が終わった後に開発が始まり、当時は最新鋭だった高層建物を幾つも建築し、漁業等を盛んにした一種の人工島だったらしい』

 

「本当に軍艦島みたいですね」

 

『だが太平洋戦争が始まると、この島も戦火に巻き込まれ、最終的には廃墟となり、今では誰も住んでは居ないし、存在自体も粗忘れ去られているそうだ』

 

「忘れられた島………か」

 

「何か、物悲しいですね………」

 

煌人の説明に、白狼と飛彗がそんな事を呟く。

 

「………少し散策してみるか」

 

とそこで、弘樹がそんな事を提案した。

 

「舩坂くん?」

 

「ちょっと………興味が湧いてな………」

 

みほがそんな弘樹の事を見やると、弘樹は廃墟の方を見やりながらそう呟く。

 

祖先の血だろうか?………

 

「賛成ー!」

 

「何だか面白そうですよね」

 

「特撮の撮影場所みたい~!」

 

そんな弘樹の提案に、あや、優季、桂利奈が無邪気に賛成を示す。

 

「けどよぉ、西住ちゃん達は戦車に乗ってるから良いけど、俺達はこの恰好で行くのか? 危なくね?」

 

そう弘樹に言う了平。

 

現在、とらさん分隊とハムスターさん分隊の面々は水着姿であり、廃墟を散策するには不適切で有った。

 

「その点は問題無い………」

 

すると、弘樹はⅣ号のフロートの中を漁り始めたかと思うと、戦闘服を取り出す。

 

「!? 何でっ!?」

 

「真田整備部長が『こんなこともあろうかと』と言って用意してくれていたんだ」

 

「あの人、どんだけ用意周到なんだよ………」

 

敏郎の用意周到さに、地市が呆れる様にそう言う。

 

「さあ、早く着替えろ」

 

既に戦闘服姿となった弘樹が、皆に向かってそう呼び掛ける。

 

一同は諦めた様に戦闘服を着込んで行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃墟の島を散策するあんこうチームとウサギさんチーム、とらさん分隊とハムスターさん分隊の面々。

 

「あ、コレ新聞じゃないですか?」

 

とそこで、勇武が新聞だったらしき紙の一部を見つける。

 

「日付は………昭和14年っ!?」

 

「Oh、戦前の物デス」

 

辛うじて判別できた日付が、昭和14年となっているのを見て、竜真とジェームズがそんな事を言い合う。

 

他にも、廃墟の彼方此方に、子供が描いたと思われる落書きが残って居たり、汚れたこけしや達磨等が転がっており、人が居たという痕跡を残していた。

 

「色んな物が落ちてるな………」

 

「多分、島が戦場になる前に慌てて避難したので、家財などはそのままだったんでしょう………」

 

白狼がそう呟くと、飛彗がそう推論を述べる。

 

やがて一同は、漁港と思わしき港湾施設に出る。

 

海や防波堤等の上に釣り船や漁船として使われていたと思われる木造の舟の残骸が散らばっている。

 

「ココも完全に廃墟ですね」

 

「何だか………物悲しい光景ですね」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

誠也と楓がそう言い合い、他の一同もそう思っているのか、沈黙で肯定する。

 

「? アレ? 舩坂先輩?」

 

「…………」

 

とそこで正義が、弘樹が一同の輪の中から離れ、1人湾内に在ったとある舟の残骸を見やっている事に気付く。

 

弘樹が見やっている舟の残骸………

 

それは、旧日本軍が使用していた上陸用舟艇………『大発動艇』、通称『大発』であった。

 

「…………」

 

ボロボロの大発の残骸をジッと見据えている弘樹。

 

その姿は声を掛けづらい空気を出している。

 

「お、オイ、地市。お前声を掛けろよ」

 

「嫌だよ、お前こそ掛けろよ」

 

現に、了平と地市がそんな弘樹に声を掛けようとして互いに尻込みしている。

 

「あ、あの!………舩坂くん!」

 

「!?」

 

すると、そんな2人に代わる様に、Ⅳ号のキューポラから姿を見せていたみほが声を掛け、弘樹は我に返る。

 

「だ、大丈夫? 何だか難しい顔してたけど………」

 

「ああ、すまない………少しボーっとしていた様だ」

 

「そ、そう………なら良いけど」

 

「今戻る」

 

みほとそう遣り取りすると、皆の元へと戻ろうと歩き出す弘樹。

 

その弘樹のバックは廃墟………

 

廃墟を背に堂々と弘樹は堂々と歩いてくる。

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

その瞬間に、みほ達の脳裏には、弘樹の背後で炎が燃え上がり、弘樹の姿がシルエットになってアップされると言う光景が思い浮かぶ。

 

「? 如何した?」

 

ボーっとしていたみほ達に、今度は弘樹が声を掛ける。

 

「あ、いや、その………」

 

「何て言うか、その………」

 

「炎の臭いが染みついてむせてきそうだったぜ」

 

みほがしどろもどろになり、地市と白狼がそう言い放つ。

 

「??」

 

ワケが分からず、弘樹は只首を傾げるだけだった。

 

「そう言えば………パシフィック機甲部隊との試合会場は、此処みたいに海を跨いで点在する島々だそうですね」

 

とそこで、清十郎が思い出した様にそう言う。

 

「うむ………海が多いこのフィールドで、パシフィックは如何動いてくるのか………」

 

それを聞いた弘樹は、今度は水平線に視線を移し、そんな事を呟く。

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

他の一同も、鉱関機甲部隊を破ったパシフィック機甲部隊の事を思い出し、内心で多かれ少なかれ戦慄を覚えていた。

 

「………そろそろ戻ろうか? 皆も心配するだろうし」

 

そこでみほが、場の空気を変える様にそう言い放つ。

 

「………そうだな。戻るか」

 

「「「「「「「「「「了解っ!」」」」」」」」」」

 

弘樹がそれに賛同すると、他の一同も賛同し、思い思いの敬礼をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洋上………

 

戦闘服を来た弘樹達は、海の上を進んでいるⅣ号とM3リーにタンクデサントし、帰路に就いて居る。

 

と、もうすぐ最初にいたビーチのある島へと辿り着こうとしていたところ………

 

「………!?」

 

キューポラから姿を見せ、海を見渡していたみほが、何かに気付いた様な表情を見せる。

 

「? 如何した? 西住くん?」

 

それに気づいた弘樹が、そう尋ねながらみほが見ている方向を見やる。

 

その方向の遠方の海面に、矢鱈と海鳥が集まっている場所が在る。

 

そして良く目を凝らすと、そこには………

 

波に揺られる様にプカプカと浮いている人影が在った!

 

「!? 人が浮かんでいるぞっ!!」

 

「ええっ!?」

 

「オイオイ、どざえもんかよ」

 

弘樹がそう声を挙げると、勇武と了平が驚きを露わにする。

 

「まだそう決まったワケじゃないよ! 助けないとっ! 麻子さんっ!!」

 

「任せろ………」

 

しかし、みほはまだ生きている可能性は有ると思い、Ⅳ号をその人影の元へと向かわせる。

 

「桂利奈ちゃん! 私達も!」

 

「あいーっ!!」

 

M3リーもその後に続く。

 

やがて、その人影の元へと辿り着くみほ達。

 

人影は、水着姿の女性だった。

 

「しっかりして下さいっ!」

 

「地市! ロープだっ!!」

 

みほがそう声を掛け、弘樹が飛び込もうとしながらロープを用意する様に地市に言う。

 

と、その瞬間!!

 

「………うん?」

 

何と!!

 

その浮かんでいた女性が、何事も無かったかの様にムクリと起き上がった。

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

驚いて声も出ないみほ達。

 

「………はいさい!」

 

そんなみほ達に向かって、沖縄の方言の挨拶をする女性。

 

「あ、あの………大丈夫、なんですか?」

 

漸く我に返ったみほが、女性に向かってそう尋ねる。

 

「ん? 何が?」

 

「いや、漂流してたんじゃ………」

 

「えっ? 漂流? 私が?」

 

みほの言葉に、女性は首を傾げるばかりだ。

 

「私は昼寝してただけだよ?」

 

「ひ、昼寝っ!?」

 

「海に浮かびながらか?………」

 

あっけらかんとそう言い放つ女性に、みほは絶句し、弘樹は呆れる様にそう言う。

 

「そっ。波に揺られてるとすっごく気持ち良くて、すぐに眠れるんだ。夢見心地も良いし」

 

「そうか………」

 

ケラケラと笑いながらそう言う女性に、弘樹は頭痛がするのを感じて頭を抱えるのだった。

 

「それにしても………面白い戦車だな」

 

するとそこで、女性は水陸両用に改造されているM3リーの方へと近づくと、海からその車体の上へと上がった。

 

「よっ、と」

 

「うわっ!?」

 

「お、大きいっ!?」

 

勇武と梓が思わずそんな声を挙げる。

 

2人の言葉通り、海中に居た時は分からなかったが、この女性………

 

身長が優に2メートルを超えている。

 

モデルも真っ青な体系である。

 

ウサギさんチームとハムスター分隊の面々は、完全にその長身に圧倒されている。

 

と、そこへ………

 

海面の一部が盛り上がったかと思うと、巨大なサメが海上へと姿を現す!!

 

「!?!?」

 

「さ、サメだぁーっ!?」

 

「うわぁっ!? 食われるぅっ!!」

 

一瞬にして阿鼻叫喚となるハムスターさん分隊ととらさん分隊の面々。

 

「待てっ!」

 

しかし、弘樹は何かに気づいた様にそう呼び掛ける。

 

「おっと! ワリィワリィ! 驚かせちまったみてぇだな!!」

 

そこでそう言う声が聞こえて来たかと思うと、サメが持ち上がり、その下からサメを抱えて立ち泳ぎをしているこれまた2メートル近い長身の男が姿を見せた。

 

如何やら、このサメは彼が仕留めた獲物らしい。

 

「サ、サメを捕ったのか?」

 

「カマボコにすると美味いんだぜ」

 

了平がビビリながらそう言うと、男は爽やかな笑みを浮かべてそう返す。

 

「! あ! アレは!?」

 

とそこで、清十郎が何かに気付いた様に声を挙げ、水平線を指差す。

 

その指差している先には………

 

「イエース! アイアームッ!!」

 

ビッグウェーブにサーフボードで波乗りしている、小麦色の肌をしたサングラスの男の姿が在った!

 

そのまま見事なサーフテクを披露する男。

 

「スッゲェ………」

 

「オーイッ! 『シイラ』ーッ!!」

 

地市が感嘆の声を挙げた瞬間、サメを抱えていた男が、サーフィンをしている男に呼び掛ける。

 

「おっ? 『ホージロー』!  また大物仕留めたじゃないかっ!!」

 

サーフィンをしていた男………『シイラ』は、みほ達の元へとやって来たかと思うと、サメを抱えている男………『ホージロー』を見てそう言う。

 

「そっちも相変わらず見事なサーフテクね」

 

そこで今度は、M3リーの上に居た女性が、シイラにそう声を掛ける。

 

「おう、何だ。『ローレライ』も居たのか」

 

シイラはその女性………『ローレライ』を見てそう言う。

 

(この人達………どこかで見た様な?………)

 

シイラ、ホージロー、ローレライの3人に見覚えを感じるみほ。

 

と、その時………

 

突然先程まで真っ青だった空に、黒い暗雲が立ち込め始めた。

 

「? 空が………」

 

梓がそう言い掛けた瞬間!!

 

まるでバケツを引っくり返した様な猛烈な雨が降り始める!!

 

「キャアッ!?」

 

「うわぁっ!?」

 

「何だこりゃあっ!?」

 

「夕立かっ!?」

 

「イタイタイタイタッ! 雨粒が痛いっ!!」

 

突然の豪雨に、大慌ての一同。

 

「キャーッ!?」

 

「何コレーッ!?」

 

「こんな凄い雨初めてーっ!?」

 

見れば、ビーチに居た面々も雨に打たれ、悲鳴を挙げている。

 

「あらあら、大変ね」

 

「こっからなら、俺達の学園艦が近い。そこで雨宿りして行け」

 

そこで、同じ様に雨粒に打たれているにも関わらず平然としているローレライとシイラがそう提案する。

 

「学園艦?」

 

「ああ、『パシフィック学園艦』だ」

 

「!? パシフィックだと!?」

 

ホージローがそう言い放ったのを聞いて、弘樹が驚きの声を挙げる。

 

(!? そうだ! この人達………パシフィック機甲部隊の隊員の人達だ!!)

 

そこでみほも、鉱関機甲部隊との試合で、パシフィック機甲部隊の中に、3人の内、ローレライとホージローの姿が在ったのを思い出す。

 

戦闘服姿でなかった為、イメージが変わっていて気付かなかったのだ。

 

「さ、案内するわ」

 

「水着とは言え、雨に打たれてたら風邪ひくぜ」

 

「ついて来て下さい」

 

そんなみほ達や弘樹達の様子に気づいているのかいないのか、ローレライ、ホージロー、シイラは、大洗機甲部隊の面々を自分達の学園艦へと案内しようとする。

 

雨足は激しさを増しており、一同は止むを得ないと考え、大人しくその後へと付いて行ったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビーチ近くの港に停泊しているパシフィック学園艦………

 

この学園艦の甲板都市は、全てがリゾート地の様な構造になっており、天気の良い日には水着姿で出歩く人達の姿もちらほらとあるらしい。

 

それが理由で、新入生の数もかなり多いらしい。

 

大洗機甲部隊の面々は、その甲板都市の一角………

 

『はいさい』と言う名の料亭へと案内された。

 

沖縄料理が専門の料理店らしく、店内は沖縄に関係する飾りが沢山あったり、琉琴の音色も聞こえてくる。

 

「いらっしゃいっ! ウチの自慢の沖縄料理! 存分に味わっていってくれよな!」

 

店の奥から店長らしき人物が出て来て、其々に席に着いて居た大洗機甲部隊の面々へメニューを手渡しながらそう言う。

 

「テビチ、ソーキそば、ヒージャーそば、ゆしどうふ、あおさの天ぷら………」

 

「本当に沖縄料理ばかりだな」

 

「あ! すいません! ゴーヤーチャンプルー、1つ!」

 

メニューの中を見た大洗機甲部隊の面々からそんな声が挙がり、取り敢えず雨が上がるまでは動けないと思い、次々に注文を始める。

 

「あ、あの………」

 

「ん? 何?」

 

そんな中、みほは近くの席に着いて居たローレライに声を掛ける。

 

「えっと、その………わ、私達、実は………」

 

「ああ、大洗の子達でしょ」

 

「!? ええっ!?」

 

正直に言おうとしたみほの言葉を遮る様にローレライがそう言い、みほは驚きの声を挙げる。

 

「し、知ってたんですか!?」

 

「なら、如何して我々を学園艦に上げたのですか!?」

 

「別にそれぐらい良いじゃない」

 

みほと優花里の言葉に、ローレライはあっけらかんとそう答える。

 

「お待ちどうさん!」

 

とそこで、完成した料理を、店長が注文した人の場所へと配膳し始める。

 

「さ、難しい話は後々!」

 

「雨が止むまでは此処でゆっくりして行って下さい」

 

早速運ばれてきた料理に手を付けているホージローとシイラが、大洗の面々に向かってそう言う。

 

「今は彼等の言う通りだね。食事を楽しもうじゃないか」

 

そこで迫信がそう言うと、大洗の面々は色々と思うところがありながらも、出された料理に手を付け始めるのだった。

 

「! 美味いっ!」

 

「スッゲェうめぇな、オイ!」

 

「沖縄料理ってこんな美味かったのかっ!!」

 

「うーまーいーぞーっ!!」

 

と、料理に手を付け始めた面々が、忽ち舌鼓を打ち始める。

 

「店主殿。もしよろしければレシピを教えて頂けないだろうか?」

 

「ええ、良いですよ」

 

美食家のゾルダートは、店長にレシピを尋ねる。

 

「…………」

 

弘樹も、注文したフーチバージューシーを黙々と食べている。

 

その時………

 

「ただいまーっ」

 

厨房の奥、店の裏口の辺りから、そう言う声が響いて来た。

 

「ああ、おかえり」

 

「おっ? 『カジキ』の奴、帰って来たみたいだな」

 

「ですね」

 

それを聞いた店長が裏口の方へと向かい。ホージローとシイラがそう声を挙げる。

 

「『カジキ』?」

 

「俺達の隊長さ」

 

白狼の声に、ホージローがそう返す。

 

そこで、店の裏口が開き、大量の魚の入った網を持った、またもや2メートルを超えているであろう男が姿を見せた。

 

「うわっ、またデカイ奴が来たな、オイ………」

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

地市がそんな事を言い、ハムスターさん分隊の低身長組も戦慄しているかの様な様子を見せる。

 

「コレ、今日の分です」

 

「ああ、いつもありがとうね」

 

そう言って男………『カジキ』は、手に持っていた大量の魚の入った網を店長に渡す。

 

「? 何だ? 妙に騒がしいですね?」

 

とそこで、店内が騒がしい事に気づいてそう言う。

 

「ああ、ローレライちゃん達がお客さんを連れて来ていてね。今度の対戦相手の大洗の人達だとか………」

 

「!? 何ですって!?」

 

それを聞いた途端、カジキは人が変わった様な顔となり、店長を押し退ける様にして店内へと入る。

 

「カ、カジキくん!?」

 

「オイ、如何した、カジキ?」

 

突如豹変したカジキに店長が驚き、ホージローも怪訝な顔をする。

 

大洗の一同も、思わず食事の手が止まり、一斉にカジキへ注目する。

 

「…………」

 

そんな大洗の一同の視線を一身に受けながらも、カジキは意に介した様子は見せず、誰かを探す様に大洗の一同を見回す。

 

「…………」

 

そしてその視線が、変わらずにフーチバージューシーを黙々と食べている弘樹を捉える。

 

「!!」

 

即座にカジキは、弘樹の元へと歩み寄る。

 

そしてその傍に立つと、弘樹を睨みつけるかの様に見下す。

 

「………何か用か?」

 

そこで弘樹は漸く食事の手を止め、カジキの事を見上げる。

 

カジキの敵意の籠った視線に微塵も反応を見せず………

 

「お前が………あの舩坂 弘の子孫か?」

 

弘樹に向かってそう尋ねるカジキ。

 

「だったら何だ?」

 

対する弘樹は素っ気ない返事を返す。

 

まるでカジキの事など、初めから眼中に無い様に………

 

すると………

 

「こんな奴があの英霊を継ぐ者だというのか………いい加減な事を言うなっ!!」

 

カジキは突然怒鳴り声を挙げ、拳をテーブルに叩き付けたっ!!

 

余りの衝撃で、テーブルの上の料理の乗った皿やどんぶりが引っくり返す。

 

「!?」

 

「何だぁっ!?」

 

「カジキッ!?」

 

「ちょっ!? 何やってるの!?」

 

突然のカジキの行動に、大洗の一同とホージロー達は慌てる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひょんな事から、対戦相手であるパシフィック機甲部隊のメンバーと出くわし………

 

その学園艦にまで案内された大洗の一同。

 

しかし、そこで出会ったパシフィック機甲部隊の歩兵部隊総隊長である『カジキ』は、弘樹に激しい敵意を向ける。

 

果たして、その理由は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

廃墟の島での探索の帰りに、海に浮かぶ長身の女性………『ローレライ』と出会うみほ達と弘樹達。
更に、長身の男性………『ホージロー』と『シイラ』も現れる。
何と!
彼等はパシフィック機甲部隊の隊員だった。

成り行きでパシフィックの学園艦にお邪魔する大洗機甲部隊の一同。
そこで出会ったパシフィック歩兵隊の隊長『カジキ』は、弘樹に激しい敵意を向けるのだった。
一体何故?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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