スリーは、この時がずっと来なければと思っていたのについに来てしまった。
スリーに冷たく当たるグンダダ教授の所に行かなければならないからだ。
しかも、サーシャリャーの規則を破ったので、罰を与えると言う。
ナオミは、責任を感じてスリーと一緒について行った。
あのね、ナオミは関係ないと思うんだけれど???
「あーあ、昨日早く寝ればよかったな。
ナオミ。一緒に来てくれなくてもいいのに」
「とっても気になるの。
ごめんね、一緒に来て」
「いいけどさ、一緒に罰をもらうかもしれないよ」
「その方が、精神的に健康で良さそう」
「え、そうなの?
僕には理解できないや。ま、いっか」
スリーはナオミが一緒に来ているので、少し勇気づけられた。
いよいよ教授に会う時がやって来た。
「グンダダ教授。スリーです」
「ああ。待っていたよ。
ん?、どうしてナオミがいるのかね?」
「そのけん玉は、私がスリーにお土産として渡した物で、責任が少なからずあると思うからです」
「そう思うのであれば、2人ともついて来なさい」
そう言うと教授は、地下に向かって降りて行った。
あ〜〜あ。ヤッパリナオミも罰をもらうよ。
行き違う生徒達の殆どは今朝の出来事を知っており、興味の目でスリーとナオミを見ていた。
地下に行った部屋は、スリーとナオミがまだ入ったことのないエリアだった。
そこは学園で栽培しているゲジゲジ・シイタケの部屋で、やっとそれらが見えている薄暗い地下室だった。
「さて、ここで弓矢を使ってゲジゲジ・シイタケを取ってもらう。
200個あれば明日の昼ごはん用には足りるだろう。
「教授、そんな。
僕、動いているマトに、一回だって当たったことがありません」
「私が手本を見せる。
目に惑わされないで、心の目で見るんだ」
グンダダ教授は一本の矢をつがえて、三本の矢を筈と羽の間を右手の指で一本ずつ挟み、活発に動き回っているゲジゲジ・シイタケの方を向いた。
目を閉じて精神を集中していたと思ったら、目を開けて一本めの矢を射った。
次の瞬間には2本目の矢が放たれ、そして3,4本めの矢も瞬く間に放たれていた。
全ての矢がゲジゲジ・シイタケの、ど真ん中に命中していた。
今までのグンダダ教授は、このような戦闘技術を生徒の前で見せた事はなかった。
スリーとナオミは食い入るような目で、一連の動作を目に焼き付けていた。
これって、英才教育をわざわざしてくれているのかな??
スリーは、お父さん譲りの戦闘に対しての直感が、この時を界に開花されて行くことになった。
ナオミは今までとは違う高度な技に興味を惹かれ、お母さん譲りの戦闘能力が格段に上がって行った。
ん〜〜、イジメか英才教育。どっちだろうか??
無言で弓矢を渡された2人。
スリーとナオミは教授と同じように弓矢を構えた。
一本の矢をつがえて、三本の矢を筈と羽の間を右手の指で一本ずつ挟んで、ゲジゲジ・シイタケの方を向いた。
スリーは目を閉じると、昨夜のけん玉で、何も考えないでしていた方が成功していたのを不思議と思い出していた。
スリーは少したって目を開けて、心の赴くままに矢を射った。
グンダダ教授の様に早くはなかったけれど、年の割には早く連射をした。
ナオミは目を閉じると、不思議と心が落ち着いた。
目を開けるとさっきよりはゲジゲジ・シイタケがハッキリと見えるようになっている。
スリーよりは射るのが遅かったけれど、持ち前の感の良さで3個当たっている。
「やった〜。2個当たっている」
グンダダ教授は冷たい目線でスリーに言い放った。
「2人とも全弾当たっていない。
これが戦闘だったら、外れたエルフに射殺されていおるわ。
それに、そんなに遅かったら敵に隙を与えているのと同じ事」
2人は返す言葉が無かった。
もう一度気をとりなおして4本の矢を射った。
今度は2人とも3本の矢が当たっている。
でも、1人の敵からは射殺されているし、動作もさっきとあまり変わらない。
こうして2人はは200個のゲジゲジ・シイタケを取るまで続けた。
結局2人とも、4回続けて当たる事はなかったけれど、矢を射る速さは格段に早くなっていた。
「スリーとナオミ。
今回が戦闘だったら38回確実に殺されていた。
スリー、お前のお父さんがあの世で泣いておるよ。
もうよい、行け!!」
「はい」
「はい」
打ちのめされたように、2人は答えた。
それ以上の言葉が見つからず、スリーはけん玉を受け取って、重い足取りで地上に戻って行った。
ナオミは、生まれて初めてコテンパンに打ちのめされた。しかし、彼女の何かが目覚めたみたいだった。
え、何が目覚めたの?教えて?ダメ???