エルフの惑星カーン   作:坂本ヒツジ

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エルフの子スリー

 スリーはお母さんが飼っている、オキナサイ・イモムシに起こされた。

 喋りながら顔中を舐め回し、起きるまで止めない、プヨプヨしているイモムシだ。ちょっと気持ち悪い。

 

「起きろ〜〜、起きろ〜〜」

 

 たまらずに飛び起きたのに、スリーの顔はすでにベトベトになっていた。

 仕方ないのでスリーは顔を洗いに洗面所に行って、何度も洗った。

 スリーが毎朝顔を洗わないから 、お母さんが目覚ましと兼用で使っている。

 

 スリーは痩せているけれども、運動神経はずば抜けていい。よくあるパターンだ。

 顔は幼さが残っているが、目鼻がはっきりとしていて、お母さん似だ。

 口は歯が入れ替わる時期で、笑うと歯がない所があるので愛嬌のある顔になる。髪の毛は白に近い金髪を短く切っている。この手の顔は、間違いなく将来は女泣かせの顔かな?

 

 お母さんは、2人の子供がいるとは思われないぐらいに若くて美人で色白。そして背も高く、プロポーションも抜群で、スリーサイズは××××××だ。

 

 さらに魔法の力は強く、魔法学院で魔法の研究もしている。その成果は誰もが認めており、森中のエルフ達から尊敬と畏敬の念を持たれていた。

 

「スリー起きたわね。

 13歳の誕生日おめでとう」

「ありがとう、お母さん。

 お母さん。そろそろオキナサイ・イモムシもう止めてくれないかな?

 僕もう13歳だよ」

「そうだね。

 オキナサイ・イモムシより先に起きればいいと思うんだよね、母さんは」

 

 そう言うと、お母さんのマリネラは優しくスリーをハグしてくれた。

みんなもハグされたい?え、そりゃー誰だってそう思うよ。こんなに若くて美人でプロポーション抜群なんだから。

え、読者様は、女だから関係ないってか。そりゃ失礼をしました。

 

 お父さんのグランは7年前に、ダークエルフとの戦いで戦争を仕掛けたダークエルフのクーダダンク王と刺し違えて戦死していた。波阿弥陀。アーメン。高天の原。

 エルフの間では、英雄として尊敬されている。

 俺もそうなりたいね。え、お前には無理だって。

 ん〜〜、そうかも、小説売れないし。

 

「スリー、朝ごはん用に地下に行って、ゲジゲジ・シイタケを取って来て」

「え〜〜、また僕が。

 ニンフルに行かせてよ」

「ニンフルは今勉強中よ。

 スリーもお勉強をすれば取りに行かなくてもいいわ」

「え〜、朝からヤダよ!」

「だったら、取ってきて」

「分かったよ、行けばいいんでしょう。

 何個いるのお母さん?」

「そうね。20個ぐらいあれば足りるわ」

「そんなに」

「あなたの為よ。頑張ってきて」

 

 スリーは渋々地下に降りて行った。

 暗くて、ジメジメしていて嫌〜〜な所だ。

お母さんに言われたって行きたくない所だけど、勉強がもっと嫌いなスリー、仕方ないね。

 

 スリーは、やっと見えている壁で動き回るゲジゲジ・シイタケに右手で狙いを定めて呪文を唱えた。

結構難しそうだよ。

 

「トマッテクレナイ・デモトマレ!」

 

 ゲジゲジ・シイタケは、シイタケなのにエルフの気配を感じて動き回る。

 素早いので、手で取るのは大変だ。

これって、網を使ったら?

 

「やっぱり一回では当たらないや。

 これでどうだ」

 

 今度は右手と左手で別に狙いを定めた。

 お、少しは工夫をしてるんだね。

 

「トマッテクレナイ・デモトマレ」

「トマッテクレナイ・デモトマレ」

 

 一個のゲジゲジ・シイタケの動きがやっと止まった。

 すかさずスリナリルはカゴに入れた。

やったね。でも、まだ一個だよ。頑張れよー。

 

「やっと一個取れた。

 まだ19個もあるよ」

 

 ゲジゲジ・シイタケはエルフが好きな食材だ。

俺は嫌いだけど・・・?

 

 甘くて少しだけ弾力があり、食べ応えがあるので、どの家庭でも地下で栽培をしている。

 見かけはゲジゲジによく似ていて、足の様なもので壁を動き回っている。

ちょっと、キモイ生き物だよな。

 

 やっと20個になったスリーは、肩で息をしていた。

 

「ハア〜、ハア〜、ハア〜。

 朝から疲れたよ」

 

 朝から運動して、お腹が空きすぎて力が入らない。

 疲れた体で、やっとお母さんの所にきた。

若いのに、これくらいでどうするの?

 

「お母さん、これでいい?

 ハアー、もう疲れたよ」

「そうね、足りるわ。お疲れ様。

 それと鼻水焼きのお皿を食卓に並べて。

 もうすぐ朝ごはんよ」

「え〜〜、あれ使うの。

 噂では、本当に鼻水を入れてるって話だよ」

「単なる噂よ。

 本当だとしても高温で焼いてあるから大丈夫。

 鼻水焼きは、丈夫で色鮮やか。

 今日はスリーとニンフルの誕生日だから、高価な食器を使いたいのよ」

 

 スリーは鼻水を入れながら焼いているお皿を想像して、オエって吐く真似をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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