白銀の弾丸の友情論   作:八又ノ大蛇

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二弾~我輩入試を受ける~

 

 テッテレンー。

 今日は待ちに待った雄英高校の入試試験。しかし、我輩の体調はそんな晴れ舞台と言うのにあまり、宜しくないのだ。原因は我が友人の横暴のせいに他ならない。

 普通未成年を夜中連れまわすか?

 

 いや、まぁ、楽しかったのだがね。ボーリング、ビリヤード、ゲーセンなんか色々回ったなー。無論全て我輩が勝利を納めているから、気分的には清々しい。

 あれ?……今、冷静になって振り返れば、もしかしたら後半我輩が友人を連れまわしていたかも……?

 

 いや、気のせいだ。うん、そうに違いない。その筈だ。

 

「おい、お前」

「ん?何かな?」

「皆移動しているけどお前行かなくていいのか?」

「おっと、本当だ」

 

 赤い髪がツンツンした少年が前を指差して教えてくれてた。どうも考え事をしていると昔から周りが見えない癖がある。殺意とかなら直ぐに気づけるが、そうでないものは疎くてね。

 変な悪目立ちをしないですんでよかった。

 

「赤髪ツンツン君、教えてれて感謝するよ」

「おっ、おう?赤髪……ツンツン……君?俺は【切島・鋭児朗】って言うぜ」

「そうかい、我輩は【討呂撃・射塁】である、赤髪ツンツン君」

「…………名前聞き取れなかったか?」

「いや、しっかり聞いたよ【切島・鋭児朗】だろ?赤髪ツンツン君」

「……おぅ……」

 

 切島・鋭児朗君が萎れた花のように項垂れている。何故だろ?名前はしっかり覚えたよ?記憶力は良いからね。本であだ名を付けるとコミュニケーションが弾むと書いてあったから、実践してみたのだが。失敗か?

 それとも、あだ名が気に入らなかったのか?しかし、結構いいあだ名だと思うのだが。それでないとすると…………まさか!

 

「すまないが……君を"友人"と呼ぶことは出来ないんだ」

「はっ?」

「友人は我輩にとって、とても大切な"友人"なんだ。だから君のことを友人とは呼べないのだ。それ以外なら何とでも呼ぼう」

「えっ……?」

「我輩のことは好きに呼べばいい。下僕でもとぶネズミでも、しかし友人は友人しか呼ばないと決めているのだ!」

「……全然訳がわかないが……。お前の熱意はよくわかったぜ!」

 

 そうか、熱意伝はわったか。内容も伝わって欲しかったが、良かった。我輩の友人は棺さんただ一人。それを他の人も友人と呼んでは棺さんをかるんじることになる。

 それに、友人は一人だけ。これは我輩自身が決めた、曲げるわけには決していかない、信条。複数友人を作ればもしもの時に対応しきれない。

 

 我輩からするとホイホイと、友人をつくるなど狂気の沙汰だ。人質に捕らわれたり、身代金を要求されたり、病気にかかったり、したときに誰を助ければいいのかわかなくなる。

 

 例えばヴィランに人質に友人Aと友人Bを取られたとしよう。その時に片方が友人Aを殺せば友人Bは助けてやると言ったらどうする。どちらも大切な友人、これでは判断出来ない。

 

 だから我輩は本当に大切に思う友人を一人だけ。

 

「スゲー!」

「ほぅ……」

 

 筆記試験を終え次に移った会場は、街といってもいいほどに大きい実技試験会場だった。

 

 これは、凄い。いったい予算がどこから出てくるのだろうか。十階建てのビルや、補整された道、住めるんじゃないかと思えるぐらい完成された街だ。これを作るとなると相当資金が必要だろう。本当圧巻だよ。

 

 我輩の個性で作ろと思えば作れないこともないが、メッチャ疲れるだろな。それにここが試験会場ということは戸々で能力テスト的なことをするのだろ。そうなれば、建造物は無論破壊されることになる。この学校の資金面が気になるな。

 

 まぁ、だからと言って気遣いする気はない。ジャンジャン壊していこう。あっ、勘違いしないでくれ、建物を壊す気はない必要ならそうすることもやむ無しと言うだけだよ。我輩は友人と違って常識人だからね。

 

 

 やたらテンションの高いボイスヒーローの【プレゼント・マイク】さんの解説でこの実技試験が説明された。

 

 街の中にいる三種類の仮想ヴィラン機械を個性を使って倒せとのこと。それぞれポイントがAタイプ1ポイント、Bタイプ2ポイント、Cタイプ3ポイント。

 でも倒してもポイントの入らないDタイプもいるらしい。あと妨害は駄目とのこと、これ残念。足を引っ張ってやろうと思ったのに。

 

 さて、諸君ならこれを聞いたとき我輩が何を思ったか分かっただろ?

 

 えっ!マジでヤッタァー!である。

 相手が機械なら我輩負ける気が全くしない。寧ろ負けたら我輩の個性全否定である。【機械支配】が機械に負ける?そんなことあったら我輩恥ずかしくて入試試験のこと友人に話せない。

 

《ハイ、スタートー!!!》

 

 おっ、そうか。

 何故か皆、固まっているが開始の合図があったのだ。始めていいのだろ。

 

 我輩は足に力を込め華麗に先陣をきらせてもらおう。後ろから《どうしたぁ!実践じゃカウントなんかねぇーぞ!!走れ走れ!!匙は投げられてっんぞ!!!》って聞こえる。どうしたのだろ?皆、難聴なんだろうか?あまり、大きな音を聞きすぎるのは良くないぞ?

 

「【機械式・四弾《捜索》】」

 

 我輩の個性【機械支配】で先ずは、敵の位置を把握する。相手が機械ならば見つけ出すのは容易い。我輩を発信源としある程度の大きさで熱を持たずに動く物を電磁波を飛ばし探索する。

 あまりにも遠くなら届かなくなるが、街一つ分なら余裕だ。

 

 そして、機械式とは我輩が勝手につけた呼び名で全て機械でやるから機械式。~弾は二が攻撃系、三が防御系、四が補助系と全部で六弾まである。

 別けて考えた方が使い勝手がいいかなぁ、と思いそのように命名した。

 

「発見【機械式・一弾《支配》】」

 

 見つけたあれは、3ポイントのヤツだな。幸先がいい。

 壁をつたいロボの後ろに回り込み、手で軽くタッチする。すると、ロボはギギッと我輩に向けて振り上げていた手を力なく下ろし、行動を停止する。

 

 これぞ、我が個性。《支配》だ。

 機械であればいかに強力なプロテクトがかかっていようが関係なく支配下に置くことが出来る。

 壊しても良かったが、この試験は先生方に見られている。なら、少々派手めにパフォーマンスをした方が良いだろ。

 

「よし、《ヤレ》」

 

 隣のロボを指し命令する。忠実な我がロボ君は隣ロボに思いっきり殴りかかる。さって、ドントン支配していこう。手札は多いに越したことはない。

 

 移動しながら、他の受験者に壊されそうなったら自爆するように命令するのも忘れないぞ。

 

「【機械式・四弾《繋げ》】」

 

 腕を右に振りビルの壁に細い棒状の鉄を等間隔に出現させる。棒を踏み台し他のロボの多い場所に移動する。下では遅れてきた受験者達がそれぞれロボを探し回っている。残念、悪いがそこはあらかた支配済みだ。

 

 さっ、程々に頑張ろうか。

 

 

 




 主人公は少しズレた感性をしています。
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