浩樹は薫と並んで通学路を歩いていた。
二人の通う中学校は、東第一中学校で、制服は黒のブレザーである。
薫「お兄さん、入学式はちゃんと私を見ていてくださいね?」
薫はもう既に『お兄さん』という呼び方に変わっていた。
浩樹「ああ、もちろんだ。(薫のただ一人の肉親だからな俺は。しっかり見届けないと。)」
里美「あれ?もしかしてカオちゃんじゃない?」
二人で話をしていると、後ろから誰かが声をかけてきた。
浩樹と薫は、その声に瞬間的に振り向いた。
そこにいたのは........
里美「あー!やっぱりカオちゃんだー!久しぶりー!」
浩樹の幼稚園の頃からの幼馴染み、綾地 里美(あやち さとみ)だった。
里美は薫の姉のような存在で、薫のことを「カオちゃん」と呼んでいる。
身長は165cm、胸は大きい方である。
全体的に美しいという印象を与える容姿である。
里美「あ、浩樹もおはよう。」
浩樹「ついでみたいに言うな。」
里美「ごめんごめん。別にそんなつもりじゃないから、許して?」
浩樹「いや、本気で怒ってるわけじゃないから、いいよ。」
里美「そう?ならいいんだけど。」
そんな浩樹と里美のやり取りを見ていた薫が、急に浩樹の右腕に抱きついた。
浩樹「おおっ、どうした薫?」
薫「むう........」
薫が何やら里美を睨み付けている。
里美「........え、私?」
薫「........」
里美「........はあん♪」
里美が怪しい笑みを浮かべた。
浩樹「(何か、嫌な予感がする........)」
里美「むぎゅうー❤」
浩樹「おおっ⁉」
今度は里美が、浩樹の左腕に抱きついた。
薫「!!」
浩樹「あ、あの、里美........さん?」
里美「ムフフ、浩樹の腕、あったかーい........」
薫「ちょ、ちょっと里美さん!!何してるんですか⁉」
里美「えー?腕に抱きついてるだけだけどー?」
薫「お兄さんにくっつきすぎです!!離れてください!!」
里美「いいじゃないのー。カオちゃんだって浩樹の腕に抱きついてるんだからー。」
薫「いいですから離れてください!!」
里美「えー。どうしよっかなー。」
浩樹「........お前な、薫の反応を楽しむのはいいが、それに俺をダシに使うなよ。」
里美「あ、バレた?ごめんごめん。ちょっとからかってみただけだから。」
里美がゆっくりと浩樹の腕を離す。
里美「じゃあ、学校に向かいましょうか。」
浩樹「薫、そろそろ腕を離してくれないか?非常に歩きづらい。」
そんなこんなで、俺たちは三人で学校に向かった。
................
校門に着くと、制服のブレザーの胸に「1」と刻まれたバッジを付けている新入生がちらほら見えた。
浩樹「もう既に何人か集まってるな。俺達も早く行こう。」
俺達が生徒玄関まで行くと、新入生達の間でざわめきが起こった。
男子新入生A「おい見ろよ。あれ、『鬼士(きし)』なんじゃないか?」
男子新入生B「うわーマジかよ。オーラ半端ねえな。」
女子新入生A「カッコいい~❤」
鬼士とは、浩樹に付けられた二つ名である。
普段は優しい人柄だが、戦闘となると心を無にして戦うその様子から付けられた。
ちなみに、浩樹は現在二年生だが、その実力は既に四年生以上だと言われている。
里美「お~、さすが有名人だね。」
浩樹「有名人ってのも考えものだぞ。居心地が悪くてかなわん。」
薫「へ~。お兄さんて、想像以上の有名人だったんですね。」
里美「そうだよ~。カオちゃんが想像してる以上に凄いから、浩樹は。」
浩樹「あんま持ち上げんなよ。こっ恥ずかしい。」
女子新入生B「ねえねえ、浩樹さんの隣にいる女性はどなたかしら?」
女子新入生C「もしかして、彼女さんとか........?」
浩樹「(まずい。早く先に進まないと、薫や里美まで注目の的になりかねない。)二人とも、さっさと先へ進むぞ。」
俺達は人波をかき分け、何とか校舎内に入ることができた。
浩樹「一年の下駄箱はこっちだぞ。」
浩樹は薫を案内した後、自分の下駄箱へと向かった。
............
浩樹「さて、ここからはもう別行動だ。まず新入生は自分の教室のところに行かなければならん。教室へ行く道は、先導係りの人がいるからその人についていけばいいから。いいな?」
薫「........うん。分かった。じゃあ、行ってきます。」
浩樹「うん。行ってらっしゃい。」
薫は少し寂しそうに、一階にある一年生教室へと歩いていった。
浩樹「じゃ、私たちもそろそろ教室へ行くか。」
浩樹は攻撃系科、里美は回復系科の教室に行くために、二階の二年生教室へと向かった。
第一中学校には第一校舎と第二校舎がある。
第一校舎には各科の教室があり、後ろ側に中庭を挟んで第二校舎がある。
第二校舎は通常の二倍の広さのある体育館や能力研究室などがある実習棟となっている。
ガラガラ
浩樹「おはよう~」
巧「オッス、ヒロ!!」
ジェームズ「おはようございます、ヒロキ。」
香奈子「おはよう、浩樹君。」
浩樹が教室の扉を開けると、顔馴染みの友人が出迎えた。
男子の斎藤 巧(さいとう たくみ)とジェームズ ブラウン、女子でこの攻撃系科のクラス副委員長、佐藤 香奈子(さとう かなこ)である。
ちなみに、浩樹は攻撃系科二年生のクラス委員長である。
攻撃系科は女子が少なく、二年生では香奈子だけである。
浩樹は巧とは小学校からの幼馴染みで、昔はよく浩樹、巧、里美の三人で遊んでいた。
香奈子とは中学校からの友人で、ジェームズとはこの学校で初めて知り合った仲である。
巧の身長は浩樹と同じ170cmで、ジェームズは175cmである。
香奈子は身長も胸も里美と同じくらいであり、眼鏡をかけているというもあって全体的にキリッとしているような雰囲気である。
巧「そうか!今日、薫ちゃんの入学式なのか⁉」
浩樹「ああ。」
香奈子「あ、そっか。浩樹君の妹さん、一つ下なんだもんね。」
ジェームズ「ほう、ヒロキにはシスターがおられるのですか?」
浩樹「ああ。」
ジェームズ「そうだったんですか。一度お会いしてみたいですね~。」
巧「ヤバイぞ薫ちゃんは!!マジでカワイイぞ!!」
ジェームズ「そうなんですか⁉是非とも会ってみたいものですね~♪」
巧「なんなら、今日入学式が終わった後会ってみるか?」
ジェームズ「oh!!今日中に会えるんですか⁉」
巧「ああ。浩樹、入学式が終わったら............」
巧はそこで口をつぐんだ。
なぜなら、浩樹からはドス黒いオーラが溢れ出ており、香奈子からは冷たい視線を向けられていたからだ。
浩樹「............お前らには絶対に薫と会わせん。」
香奈子「うん、私もその方がいいと思う。」
ジェームズ「ええっ!!そんなあ~!!」
巧「............」
ジェームズだけは浩樹のオーラに気付かずに悶えていた。
ガラガラ
クラス中が浩樹のシスコンぶりに呆れていたとき、教室の扉が開いた。
そして、里美と同じくらいの身長の、胸のでかい女性が入ってきた。
?「もうすぐチャイムが鳴るぞー!立っている者は急いで着席しなさい!」
その声を聞いて、皆は急いで自分の席に戻っていく。
巧「やべっ!!俺も早く戻ろ!!」
俺達も急いで自分の席に腰を下ろした。
?「うむ、行動は早いな。ただし、今後は注意される前に全員着席しているようでないと困る。気を付けろ。」
クラス全員「はい!!」
椿「いい返事だ。では早速、私から自己紹介をしたいと思う。私は今年このクラスの担任となった清水 椿(しみず つばき)だ。よろしく頼む。」
正直、皆驚いていた。
女性は攻撃系の超能力を持つのは難しいとされていて、実際このクラスでも女子は香奈子だけである。
だが攻撃系科の担任ということは、この女性の超能力は攻撃系だということになるのだ。
クラス全員「よろしくお願いします!!」
その後は先生から軽い連絡事項と、『君達の自己紹介は、入学式が終わってからでいい。』という意味あり気な連絡を受けて終わった。
次回、やっとで入学式です!!
これは必ずです!!
いや~、入学式までの前フリが長くなってしまいましたねwww
読んで下さった方は、是非感想をお願いします!!