浩樹達は集会が終わった後教室に戻り、椿担任と葵に一人ずつ自己紹介をすることになった。
浩樹「(『自己紹介は集会が終わった後』って先生は言ったが、それは転入生がいたからだったのか。)」
パチパチパチパチ
浩樹の前の席の生徒の自己紹介が終わり、拍手が起こった。
浩樹は拍手が鳴り止んだのを見計らって、席から立ち上がった。
浩樹「多田 浩樹です。これからよろしくお願いします。」
浩樹の名前を聞き、葵は浩樹に興味の眼差しを向けた。
葵「(あの人が鬼士と呼ばれている、多田さん………)ジーーー………」
浩樹「(な、なんか、すごい視線を感じる………)」
その後は、椿担任からの軽い連絡事項を聞き、その日は解散となった。
………………………
帰り道、浩樹は薫、里美、巧の3人と帰路についていた。
巧「いや~。まさか葵さんがウチに転校してくるなんてなぁ。」
里美「私も~。先生から聞いたときにはビックリしちゃったよ~。」
薫「葵さんって、そんなに凄い人なんですか?」
葵のことを知らない薫は、3人からどんな人物かの説明を受けた。
薫「へ~、凄い人なんですね。」
巧「転校してきたは転校してきたで、こっちは大変なんだけどな。」
薫「え?何がですか?」
浩樹「お前、まだ言ってるのか………」
巧「だってよぉ‼お前じゃあるまいし、俺なんか絶対に敵わないじゃん‼前の学校で学年トップだぞトップ‼」
浩樹「だからぁ‼それだったら勉強の方をもっと努力すれば良いじゃないか‼」
巧「え~、そりゃやだな~。俺は楽して稼ぐ主義でね☆」
浩樹「ダメだこりゃ………」
里美「私は回復系だから実戦には関係ないけど、問題はやっぱり勉強かな~」
浩樹「ん?里美って頭悪かったっけ?」
里美「そこまでじゃないけど、葵さんに敵うかどうかって聞かれると………」
浩樹「(………皆、大丈夫なのか?………)」
少し心配になる浩樹であった。
………………………
午後5時近くなると、薫はいつも通りに夕飯の料理に取りかかろうとする。
浩樹「薫、ちょっと待った。」
薫「え?どうしたのお兄ちゃん?」
浩樹「今日はお前の入学式のお祝いに、俺が料理する。」
薫「え⁉本当⁉」
薫は目を輝かせた。
薫「でも悪いよ。いつも私が作ってるのに………」
浩樹「今日ぐらい俺に作らせろ。お祝いなんだから。」
薫「お兄ちゃん///」
薫は兄に従い、おとなしく待つことにした。
………………………
浩樹「晩飯出来たぞ~」
薫「分かった~」
浩樹の声を聞き、薫が2階から降りてきた。
そして、テーブルの上の御馳走を見た瞬間、また目を輝かせた。
薫「真鯛の塩焼きに刺身⁉これどうしたの⁉」
浩樹「薫に気付かれないように、こっそり買ってきたんだ。」
薫「お兄ちゃん、ありがとう‼」
薫は、嬉しさのあまり浩樹に抱き付いた。
そして、幸福感に浸りながら食べたのだった。
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