side 葵
2学期の1日目、布良 葵は教室の隅の方にある自席で本を読んでいた。
読んでいる本のジャンルは恋愛ものである。
イケメンで男らしい男子が、美人で可愛い女子を助けたことから始まる物語である。
葵「(………現実にもいるのかしら。こんな男子が………)」
雄大「へえ。君が昨日転入してきたっていう、あの噂の布良 葵ちゃんか~」
side 葵 end
浩樹は巧みと一緒に教室に入った。
教室の中は、一部騒がしい所があった。
葵の席の周りを、男子3人と香奈子が囲っている。
浩樹「ん?なんだ?」
雄大「だからよお、俺達は昨日始業式に出れなくて、葵さんに挨拶できなかったから今しようとしただけだろ」
浩樹「あれは………」
香奈子と口論してるらしき男子は、校内でも有名な不良である日野 雄大である。
香奈子「出れなかったんじゃなくて、出なかったんでしょう!それに挨拶しようとしただけって、男子がいきなり初対面の女子の腕を掴んでどこかに連れていこうなんて、完全なセクハラじゃない!」
雄大「あ~あ、これだから頭のお固い副委員長様は。人の話を聞かないいんじゃ会話のしようがねえじゃねえか」
男子1「ねえ雄大さん、こいつやっちゃいませんか?」
男子2「クラスメイトの言葉を信用してくれないような副委員長は、はっきりいっていりませんよ」
雄大「それもいいな~、じゃあちょっくら付き合ってもらいましょうか。副委員長様!!」
男子3人が香奈子を囲み、雄大が拳を高く上げ、そのまま降り下ろす。
香奈子「!!」
しかし、その拳が香奈子に届くことはなかった。
雄大「なっ⁉」
葵が雄大の拳を受け止めたのである。
香奈子「いい加減にしてちょうだい。女子に手を挙げるなんて、男子のすることじゃないわ。」
雄大「てんめえ………」
男子3人が今度は葵を囲む。
雄大「女だと思って手加減してもらえるなんて甘っちょろいこと考えてねえよな?いい気になってんじゃねえぞ!!」
今度は全力のパンチだった。
しかし、それもまた、葵に届くことはなかった。
浩樹「いい加減にしねえか。教室のド真ん中でやかましいんだよ。」
雄大「⁉お前は!!」
浩樹が雄大の手首を掴み、捻っている。
浩樹「お前、男子がどうのこうのって女子に言われて恥ずかしくないのか?」
雄大「これはこれは、天才鬼士浩樹様ではないですか」
雄大が浩樹の手を乱暴に振り払う。
雄大「おい、今日は帰るぞ。」
固まっていた男子2人もハッと我にかえった。
雄大「覚えていろよ。今度会ったときはぶっ殺してやるからな!!」
男子3人組が教室から出ていく中、教室の中はしばらく沈黙状態だった。
そんな中、葵は浩樹の横顔をジッと見つめていた。
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