カミテン~遊戯王TFへ転生してハーレム目指す――でも~ 作:ニョニュム
電気の取り扱いには充分注意しましょう
最近、デュエルアカデミアにはある噂が流れている。その噂というのはデュエルアカデミア最強を誇るカイザー亮とそんなカイザー亮に並び立つ才能と実力を持つ天才――行方不明だった天上院吹雪がアカデミアの近くに存在する森の中で発見された、というモノだ。
天上院吹雪は命に別状が無いものの、目を覚ます事が無い。現代の科学では解明出来ない何かでずっと眠り続けている。
そんな内容の噂を何処からともなく耳にしたセキヒトは小さく口元を歪める。
ダークネスに乗っ取られ、闇のゲームを挑んできた天上院吹雪を打ち負かしたのはセキヒトである。魂の抜けた吹雪の身体をアカデミア近くの森まで運んだのは勿論、セキヒトだ。これは別にセキヒトの良心でアケデミアの近くまで運んだ訳じゃない。闇のゲームが起こるなんて想像もしていなかったセキヒトは火山へ向かう姿をたくさんの生徒に目撃されている。目を覚まさない天上院吹雪とセキヒトに少しでも関係性を見出してもらっては困るのだ。
何故なら――――カイザー亮へ勝利する為に、カイザー亮の周りを少しずつ崩していく必要がある。それにセキヒトへ勝利した遊戯十代を初めとした原作キャラクター達には何が何でもリベンジして勝利を捥ぎ取る、その為なら周りの人間を巻き込んだ所で構わない。
「どっちにしろ、この力がどういうものなのか確認しないと始まらないけどな……」
そう呟いたセキヒトはデッキホルダーの中から一枚のカードを取り出す。一見、どこにでも存在するカードに見えるがよく観察してみればカードに描かれているイラストが異常である事に気付く。カード名は天上院吹雪。イラストには苦痛に顔を歪めた吹雪の表情が描かれていた。
これが闇のゲームにおいて勝ち抜いたセキヒトの戦利品であり、セキヒトが手に入れた敗者の魂をカードに封じる闇のゲームにおいて決着の証となる魂の封じられたカード。闇のゲームはやろうと思えばいくらでも出来る。理屈ではなく、本能で闇のゲームを行なう方法を理解したのだ。
そして普通のカードにおけるレベル表示されている部分に大きな四つのハートマークが描かれている。当初、このハートマークに何の意味があるのか、判らなかったセキヒトであるが、ある点に気付いてハートマークの意図に気付いた。ハートマークは時間が経つ事に少しずつ空白のハートマークから赤色に染まったハートマークへ変化している。これはタッグフォースにおける好感度の表示。敗北してカードへ魂を捕らえた人物のセキヒトに対する強制好感度上昇。これがハーレムを願ったセキヒトが手に入れた闇のゲームなのだ。
なによりこのカードの使用方法をなんとなく理解出来るのだ。ハートマークが全て赤色に染まるまでおよそ一週間。そしてハートマークが四つ溜まった状態でカードに封印された魂を解放すれば、魂を解放された相手はセキヒトの言いなり人形へ堕ちてしまう。他にも色々と遊べるような仕組みなのだが、とりあえず簡単な所ではこのような力を手に入れた。
今の所、実験する相手が男性である吹雪しかいないので楽しみは激減である。色々と魂の封じられたカードで試してみたい事があるのだが、吹雪相手ではやる気が起きない。相手が女子生徒であれば色々と頑張る事が出来る。しかし、実際はカイザー亮や遊戯十代といった原作キャラクターと無関係な一般生徒を巻き込むつもりは無い。
小さく息を吐いたセキヒト。万が一にも魂の封印されたカードを見られる訳にはいかないので人気の無い校舎裏で観察していたカードをしまった直後、普段なら人気の無い校舎裏に二つの人影が姿を現した。
その事に驚きつつ、二つの人影を観察するセキヒト。その人物が誰なのか、セキヒトにはすぐさま判別する事が出来た。
彼女達の名前は枕田ジュンコ・浜口ももえ。天上院明日香の取巻きであり、同時にお互いに相手の事を心配する友人――親友同士と言ってもいい。ペアで行動していても不思議では無いが、校舎裏を訪れた理由が判らない。
ずんずんセキヒトの立っている方向へ歩いてくるので、セキヒトは道を空けるように退く。しかし、ジュンコ達はセキヒトの前で立ち止まる。
「俺に何か用ですか?」
明らかに自分へ用事があるジュンコ達へ白々しく尋ねるセキヒト。相手がセキヒトへ用事がある事は簡単に判る。しかし、学園生活においてジュンコ達との関わり合いが皆無なセキヒトは二人の用件を予想出来ない。
「しらばっくれても無駄よ。明日香さんのお兄さん、吹雪さんについて話があるの」
「? 一体、何の話ですか?」
「無駄です。私達はすでに貴方が吹雪様が見付かった森の近くから出てきた所を目撃している証言を確認していますわ」
ジュンコの追求に内心で驚きつつ、知らないフリをしたセキヒトへももえから厳しい指摘が入る。二人の表情を伺い、セキヒトは小さく溜息を吐く。誰にも見られないようにしていたが迂闊だった。
「…………どうして俺だと判ったんだ?」
「ッ!」
セキヒトの言葉に息を呑むジュンコ。そんな不可解な反応をするジュンコへ怪訝そうな表情を浮かべるセキヒト。驚いているジュンコの反応が理解出来ない。セキヒトが犯人だと判っているからこそ、声を掛けて来た筈なのに自白したらそれに驚くとは不自然だ。これではまるで――――。
「いえ、判りませんでしたわ。貴方が自分で証言するまで」
「ちッ、カマを掛けたってやつか……」
セキヒトの予想を肯定するようなももえの台詞を聞いたセキヒトは眉間に皺を寄せる。
「だが、どうして俺へカマを掛けた? その理由が知りたいな」
「それなら簡単な事ですわ。一つは目を覚まさない吹雪様の腕にはデュエルディスクが装備されていた事。これから推測されるのは吹雪様が倒れる前、決闘をしていた可能性がある事。そして、もう一つはデュエルアカデミアの双璧と異名を持つ吹雪様ほどの決闘者を倒せるほどの実力者である事」
「なるほど、それは光栄だな。だが、お世辞にもデュエルアカデミアにおける俺の決闘者ランクは高くなかった筈だ」
それは事実である。実力はトップクラスのセキヒトも戦績だけで言えばカイザー亮に相当負け越している為に総合的な評価は中の上から上の下という扱いだ。
「そうよ、だから上位の生徒から順番に声を掛けていったのよ」
「それはまあ、友達想いな事だな……」
ジュンコの言葉にセキヒトは小さく笑う。本当に明日香は尊い親友を二人も持っている。セキヒトへ辿り着くまで大勢の生徒にジュンコとももえが妙な奴等だ、と思われただろう。他人に変な視線を向けられてでも親友である明日香の為に何かしたい。その心と行動力、なにより絆は素直に感嘆する。
しかし、二人は無策で飛び込み過ぎた。二人をこのまま帰す訳にはいかなくなったセキヒト。なにより相手は“女子生徒”だ。闇のゲームにおいてこれだけ良い実験材料は無い。
「それで? 俺が犯人だとしてどうするつもりだ? 俺が証言しただけでそんな証拠は何処にもないぞ?」
「えぇ、だから洗い浚い吐いてもらうわよ。決闘でね」
「いいだろう、LPハンデはいらない。その代わりにフィールドとLPは共有してもらうぞ。二人まとめてかかってこい!」
セキヒトの言葉を引き金に三人がデュエルディスクを構える。そしてセキヒトを中心に闇のフィールドが広がった。
「勝ちますわよ、ジュンコさん!」
「当然! それじゃあ――――」
「「「決闘!」」」
明日香の為に立ち上がった二人と自分の意志で闇のゲームを発動されたセキヒトの決闘が始まった。
◇
「私のターン、ドロー!」
最初に選ばれたのはジュンコ。自分のターンだと確認したジュンコは躊躇いを見せず、カードを手札に加える。変則決闘である今回、最初のターンは全員攻撃する事が出来ない。LPを共有はまだしもフィールドの共有を認めたのは不味い判断だったかもしれない。ようやく見付けた犯人を前にして高ぶっていた気分が段々と冷静になってきたジュンコはその事実に気付くがもう遅い。賽は投げられたのだ。後はももえと協力して全力を出し切るだけ。
「私は手札からハーピィ・レディ1を召喚!」
ハーピィ・レディ1☆4風 ATK/1300→1600DEF/1400
効果・このカードのカード名は“ハーピィ・レディ”として扱う。このカードがフィールド上に存在する限り、風属性モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
ジュンコの宣言と共にフィールドへ現れる一人の美女。しかし、その四肢は鳥類を思わせる鉤爪と美しい緑色の羽を持っている。自らの主人であるジュンコを守るように立ち塞がり、コナミへ威嚇している。
「どうしたの、ハーピィ? 珍しくやる気じゃない。まあ、いいわ。私はカードを1枚伏せてターンエンド」
いつもは澄ました態度のハーピィがコナミに対して異様な敵対心を見せている事に驚くジュンコ。しかし、ハーピィの警戒は無理も無い。痛みを伴っていないのでジュンコ達はこの決闘が闇のゲームだと気付いていない。ハーピィが主人を守ろうとして、その原因を排除しようとするのは当然の事だ。
だが、この決闘の危険性を理解していないジュンコはハーピィの警戒をやる気と判断して、嬉しそうな笑顔を見せながらセキヒトへターンを譲る。
「俺のターン、ドロー!」
新たなカードを手札に加え、小さく笑うセキヒト。デッキが随分と言う事を聞くようになった。出だしとしてはほぼ最高の手札である。
「俺は手札から裏側守備表示でモンスターを召喚。そして、カードを1枚伏せてターンエンド」
しかし、動き出すにはまだ早い。まだ闇のゲームだと気付いていない二人を一瞬にして闇へ飲み込む。今はその準備をしている最中だ。
「それでは私のターン、ドローですわ」
二対一という不利な状況で動きを見せないセキヒトの事を不審に思いつつ、自分のターンが回ってきたももえがカードを手札へ加え、フィールドを確認する。
(今回の決闘で重要となるのは変則決闘におけるジュンコさんとLP・フィールドの共有ですわね)
このルールはお互いのデッキがシナジーしている場合、とんでもない可能性を秘めるルールであるが、ジュンコとももえではお世辞にもシナジーしているデッキと言えない。
(ですが……、同時にフィールドを共有していると言う事はジュンコさんが伏せたカードも使用出来るという事ですわ!)
「私はジュンコさんの伏せたトラップを発動します! ゴッドバードアタック! このカードは自分フィールド上の鳥獣族モンスター1体をリリースし、フィールド上のカード2枚を選択して発動できる。選択したカードを破壊します。私はハーピィさんをリリースして、コナ――――」
「俺はコナミでは無い! セキヒトさんだ!」
「セ、セキヒトさんのカードを2枚破壊しますわ!」
よく判らない訂正を受けたももえは気を改めて宣言する。ももえの宣言に従い、ジュンコを守ろうとしていたハーピィは空へ飛び上がり喜びを表すと自爆覚悟でセキヒトのフィールドへ急降下していく。
「くッ!」
ハーピィによる自爆覚悟の特攻により大きな土煙がセキヒトのフィールドを覆う。土煙が晴れた頃、セキヒトのフィールドはがら空きとなっていた。
「ちょ、ちょっとももえ! なんで私のハーピィを!」
「ジュンコさん、これは変則と言ってもタッグ決闘ですわ。明日香さんの為にも二人で力を合わせてセキヒトさんを倒すんです」
自分の考えていたコンボを親友に行なわれたジュンコは驚き、ももえを見る。言い聞かせるようなももえの言葉にジュンコも理解する。ジュンコとももえのデッキにシナジーしているカードは少ない。だが、親友である二人は伏せたカードやプレイ内容から次に相手がどんな戦略を組み立てているのか、容易に想像出来る。お互いがお互いの戦略を理解して、運用する。性格が違えど、お互いの考え方やプレイ傾向などを理解している親友だからこそ行なえる離れ業である。
そして、無人となったフィールドにももえを妨害するものは無い。
「私は手札からデス・ウォンバットを召喚します!」
デス・ウォンバット☆3地 ATK/1600DEF/300
効果・このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、 コントローラーへのカードの効果によるダメージを0にする。
フィールドに現れた一匹のねずみ。その愛くるしい姿とは裏腹に纏っている雰囲気が何処か邪悪である。
「私は手札から黒蛇病を発動します。このカードは自分のスタンバイフェイズ毎にお互いのライフに200ポイントダメージを与える。2ターン目以後自分のスタンバイフェイズ毎にダメージは倍になります。ですが、私はウォンバットちゃんが守ってくれるのでダメージは受けません。そしてカードを2枚伏せてターンエンドです」
「わ、私のターン、ドロー!」
満面の笑みでターンをジュンコへ譲るももえ。その笑みに隠された黒い空気にびびりながら、ジュンコはカードを引く。
(なるほど、そういう事ね。やっぱりももえは黒いわね)
ももえの伏せたカードを確認して、苦笑するジュンコ。親友であるからこそ、ももえの思惑を理解出来て、だからこそももえの強かさに戦慄を覚える。次の瞬間、お互いのフィールドへ黒い蛇の影が出現して、お互いのプレイヤーへ襲い掛かる。
「ぐッ」
ダークネス赤人LP4000→3800
黒い蛇の影が身体に巻きつき、身体を締める。セキヒトはその苦痛に声を洩らす。本来ならお互いに傷付く筈の効果であるが、ジュンコ達の方へ向かった黒い蛇の影はデス・ウォンバットにより食い殺された為にダメージが発生しない。
「そして私はももえの伏せたトラップ発動、リビングデッドの呼び声! 墓地に眠るハーピィ・レディ1を復活させる!」
再びフィールドへ舞い戻ったハーピィ・レディ1。自爆特攻を行なう勇敢さと強さを持ったハーピィが再びセキヒトに立ち塞がる。
「私は手札からフィールド魔法、ハーピィの狩場を発動。このカードは“ハーピィ・レディ”または“ハーピィ・レディ三姉妹”がフィールド上に召喚・特殊召喚された時、フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を破壊する。フィールド上に表側表示で存在する鳥獣族モンスターは攻撃力と守備力が200ポイントアップするわ!」
ハーピィ・レディ1 ATK/1600→1800
「……さすがにカードの効果ぐらい理解しているんだな」
「当たり前でしょ! アンタ達、オシリス・レッドと一緒にするんじゃないわよ!」
ハーピィの狩場は強力な効果な分、発動するタイミングを間違えると自爆してしまう事がある。強力なカードを使うだけの実力をジュンコは持ち合わせている。感心した様子で呟くセキヒトに馬鹿にされたと感じたジュンコが地団駄を踏みながら叫ぶ。
「もういいわ、私はハーピィ・レディ1とデス・ウォンバットでアンタを攻撃!」
「ッ!」
ダークネス赤人LP3800→400
ハーピィ・レディ1の鉤爪とデス・ウォンバットの体当たりがセキヒトのLPを大きく削る。闇のゲームにおいて発生する激痛に耐え、相手を見据えるセキヒト。
「そして私はももえの伏せた光の護封剣を発動! 相手フィールド上のモンスターを全て表側表示にする。このカードは発動後、相手のターンで数えて3ターンの間フィールド上に残り続ける。このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上のモンスターは攻撃宣言できない! これでアンタは終わりよ! 私はカードを1枚伏せてターンエンド」
セキヒトのフィールドへ突き刺さる光の剣。そして待ち受けている黒い蛇の影。絶体絶命の状況でセキヒトは本当に楽しそうに笑った。勝利を確信している二人の表情を見て、本当に楽しそうに。
確かにセキヒトは追い詰められている。残されたターンはこの1ターンだけだが、攻撃は光の剣によって封じられている。だが、この圧倒的不利な状況を引っくり返してこそ、勝利を確信しているジュンコ達へ絶望の表情を浮かび上がらせる事が出来るのだ。
「俺のターン」
デッキへ添えた手に黒い闇の力が収束する。相手へ絶望を与える為に闇がデッキを蹂躙し、強引に従わせる。
(――――このターンで全てを蹂躙する!)
「――――ドロー!」
闇の力でデッキを従わせ、思い通りのカードを引いたセキヒトはそのまま動き出す。
「俺は手札から死者蘇生を発動! 墓地に眠る電池メン-単三型を蘇生して攻撃表示で特殊召喚!」
電池メン-単三型☆3光 ATK/0→1000DEF/0
効果・自分フィールド上の“電池メン-単三型”が全て攻撃表示だった場合、“電池メン-単三型”1体につきこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。自分フィールド上の“電池メン-単三型”が全て守備表示だった場合、“電池メン-単三型”1体につきこのカードの守備力は1000ポイントアップする。
光の剣を掻い潜るようにセキヒトのフィールドへ舞い戻る一体の電池戦士。小さくも勇ましいその姿。しかし、それだけでこの状況を引っくり返すことなど出来ない。
「無駄な抵抗は止めなさいよ!」
「そう慌てるな。俺は地獄の暴走召喚を発動する。このカードは相手フィールド上に表側表示でモンスターが存在し、自分フィールド上に攻撃力1500以下のモンスター1体が特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。その特殊召喚したモンスターと同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から全て攻撃表示で特殊召喚する。相手は相手自身のフィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、そのモンスターと同名モンスターを相手自身の手札・デッキ・墓地から全て特殊召喚する。当然、俺が召喚するのは電池メン-単三型! 現れろ、電池戦士達!」
セキヒトに従いフィールドへ並ぶ三体の電池戦士。お互いに自身の電気を供給し合う事により小さな電池戦士は大きな力を得る。
電池メン-単三型 ATK/1000→3000
「くッ、私が選択するのはデス・ウォンバット! 私のデッキにはデス・ウォンバットがいないから召喚は無しよ!」
眉間に皺を寄せるジュンコ。無条件にモンスターを揃える事が出来るチャンスだったが、タイミングが悪すぎる。もし、この場で欲を出してハーピィ・レディ1をフィールドへ揃えた場合、ハーピィの狩場の効果によって自爆していた。
そこまで計算してセキヒトは地獄の暴走召喚を発動させたのだ。チャンスを棒に振るしかないジュンコは立ち並んだ電池戦士を見据えて舌を巻く。
(悔しいけど、やっぱり明日香さんを追い詰めた実力は本物な訳ね。だけど、攻撃力3000のモンスターを並べた所で攻撃出来なければ意味が無いわ。ロウソクの炎だって、消える前は大きく燃え上がる。それと一緒よ)
大丈夫、と言い聞かせるジュンコを前にセキヒトは1枚のカードを発動させる。
「俺は手札から
三体の電池戦士が力を合わせ、強大な電力を収束させていく。圧倒的な電流と電圧を前にして肌へビリビリとした衝撃が襲う。
――――そして見ていられないほどの光を放ちながら暴力的な電気がジュンコ達のフィールドへ放たれた。
全てを破壊する電気の力にハーピィ・レディ1とデス・ウォンバットが蹂躙され、破壊される。その衝撃は留まる事を知らず、フィールドへ存在する全てのカードを破壊した。
「そ、そんな……」
「負け……ですわね」
圧倒的な電気に蹂躙され荒れ果てた荒野となったフィールド。そして、目の前に立ち並ぶ三体の電池戦士。勝利を確信していた二人は信じられないモノを見るような表情を浮かべて落胆の声を出す。
「電池戦士で総攻撃!」
枕田ジュンコ・浜口ももえペアLP8000→-1000
フィールドを荒野へ変えた圧倒的な電気が二人を蹂躙する。
「い、痛い! なんなのよ、これ!」
「ど、どうなっているんですの?」
「…………この闇のゲームに負けた相手はカードに魂を封印される。まあ、聞いていないだろうがな」
闇のゲームの制裁を受けた二人は身体に奔る激痛から逃げるように気絶して地面へ倒れ伏す。気絶した二人の身体から魂が切り離され、カードへ魂が封印される。
二枚のカードへ追加されるジュンコとももえのイラストを確認したセキヒトは小さく笑う。
「やっぱり、こいつ等は三人揃っていないとな……」
その対象は何度か敗北した事もある天上院明日香。
「あぁ、良い事を思いついた」
そう呟き、二人のカードをデッキホルダーへ入れるセキヒト。そして校舎裏から立ち去っていく。
セキヒトによる“光崩し”が始まった。
主人公は洗脳する力を手に入れた。キリッ