カミテン~遊戯王TFへ転生してハーレム目指す――でも~   作:ニョニュム

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短いです。


コナミとボクっ娘とドローパン

 当然かもしれないがデュエルアカデミアは決闘(デュエル)の勉強に力を注いでいる学園である。しかし、同時に国語や数学といった普通の教科も教えている。むしろ、決闘の授業よりしっかりと行なわれている。何故ならデュエルアカデミア創設者の方針で、常識を知らない者が決闘者を名乗るとは片腹痛い、と言うことだ。

 

 実際、デュエルアカデミアを卒業してプロデュエリストになる生徒の数は限られている。大抵の生徒は普通のサラリーマンとして働く。そしてデュエルアカデミア卒業といことで会社の営業決闘を任される生徒がいる訳だが、常識を知らず、営業先に敬意を払えないような人物では営業決闘そのものを拒否されてしまう。それではいくら決闘の腕が良くても意味が無い。そういった事態を減らす為に、デュエルアカデミアでは普通教科に力を入れているのだ。

 

 そんな事情を知らないコナミとしては勝手なイメージで決闘の授業しかやっていないと思っていたので、普通の授業は焼き回しに似た苦痛の時間だ。いい加減飽きていたが、だからと言って授業をサボろうと発想が浮かび上がってこないのはコナミの良い所かもしれない。

 

 今日も退屈な授業を半日終えて、昼食を食べる為に食堂へ向かったのだが、少し出遅れた事もあり、食券売り場には長蛇の列が出来ていた。仕方ないので食券売り場に比べたらまだ並んでいる生徒が少ない売店の方へ向かう。十代に負けたこともあって、懐のDPが寂しくなっているコナミはそれなりの価格でお腹が膨れるドローパンを2つ購入。

 

 十代にも負けないデッキ構成を考える為に、人気の無い場所で食事をしたかったコナミは昼食の喧騒が届かないデッキテラスへ向かう。

 

 

「あれ? こんな所でどうしたんだ?」

 

「うっ、なんでコナミがここにいるのよ」

 

 

 学園の喧騒が届かないデッキテラスへ到着したコナミは日当たりの良いベンチが無いか周囲を見渡して、丁度良さそうなベンチに座る一人の少女を見つけて、声を掛ける。コナミに声を掛けられた少女――――青葉あげはは振り向いてコナミの姿を認めると表情をしかめてそんな事を言う。

 

 

「まあ、ちょっとこの前、決闘で負けたんだ。次は負けない為に静かな所でデッキ構成を考えながら昼を食べようと思って」

 

 

 あげはへ見せ付けるように二つのドローパンを持ち上げてプラプラさせるコナミ。

 

 

「えっ、コナミに勝つ決闘者――――って、何で隣に座るのよ! ベンチなら他にもあるでしょ!」

 

「まあ、いいだろ。本当は静かに食べるつもりだったけど、一人で食べるより人と一緒に食べる方がご飯は美味しいからな」

 

「アンタのはご飯じゃなくてドローパンでしょ。もう、勝手にしなさいよ」

 

 

 自然な流れで自分と同じベンチへ座るコナミへ顔を若干赤らめたあげはは柔和に笑うコナミの表情にそっぽを向く。大きな黄色のヘアバンドと緑色の髪を揺らしながら顔を背けるあげはに苦笑して、コナミはあげはが持っているドローパンに気付く。

 

 

「お、お揃いだな」

 

「う、うるさいわね! こんなのでお揃いなんて言ってたら、学生の何人がお揃いなのよ!」

 

 

 マイペースなコナミの会話にう~、と唸りながら返事をするあげは。これ以上何か言われる前に、と手際良く自分の持っていたドローパンの袋を開ける。いつもならちょっとした期待を胸にして、パンに挟まれた具を確認するあげはだが、コナミがいる手前、黄金のタマゴパンに期待している姿は見せられないので、特に確認せずそのまま一口。

 

 

「……………………」

 

「どうかしたか?」

 

 

 ドローパンを一口して硬直するあげはの様子にドローパン特有のゲテモノでも当たったのか、と首を傾げるコナミ。

 

 

「か、辛っ!」

 

 

 プルプルと身体を振るわせたあげははドローパンをベンチへ置くと紙パックの牛乳を飲み始める。瞳に涙を浮かべて牛乳で口直ししているあげはの姿に何の具だったのか気になったコナミはドローパンを手にとって中身を確認する。ドローパンの具は激辛カレーだった。

 

 

「なんだ、別に普通の具だろ。この前買った時に二つともおにぎりパンだったオレに謝れ。まあ、鮭と梅干でちょうど良かったけど」

 

「う、うるさいわね。何の話よ! 辛いモノはちょっと苦手なの! それもこれもアンタのせいなんだから!」

 

 

 脈略の無いコナミの会話に涙目のあげはが叫ぶ。コナミへ食い意地が張った自分を見られたくない為に中身を確認しなかったのがいけなかった。そんなあげはの心境を知る由もないコナミは理不尽な怒りをぶつけられてえぇー、と不貞腐れて、自分のドローパンを開ける。

 

 ――――瞬間。コナミとあげはは開けられたドローパンが輝いているのを見付けた。

 

 

「あ、黄金のタマゴパンか」

 

「黄金――――ッ!」

 

 

 その現象に何度か黄金のタマゴパンを当てた事のあるコナミは何事もなかったかのように呟き、遠目ではなく近くで初めて見たあげはは一瞬息を呑み、コナミの視線に気付いて、プイッとそっぽを向く。

 

 

「それじゃあ、いただき――――」

 

 

 ます、と言い切る前に、チラチラとこちらを気にしているあげはに気付く。

 

 

「欲しいのか?」

 

「べ、別に欲しくないわよ!」

 

 

 コナミの質問に即答するあげは。しかし、あげは自身は気付いていないかも知れないが、あげはの視線は無意識の内に黄金のタマゴパンへ注がれている。その視線に気付いているコナミとしてはそんな物欲しそうな表情を浮かべられたら食べ難くて仕方ない。かと言って、あげはの性格だと手渡した所で素直に受け取る筈が無い。ん~、と悩んだコナミは一つの方法を思い付いて、行動に移す。

 

 

「今日はカレーパンの気分だから、コレ貰うな。その代わりにやるよ」

 

「あ、ボクのカレーパン! ――――って、それ食べたらボクと……」

 

 

 あげはが止めるよりも早く、激辛カレーパンを口に放り込むコナミ。コナミの暴挙に叫んだあげはは同時に起きた出来事に気付いて、顔を赤らめる。

 

 

「ん? いらないのか?」

 

「う、うるさい、馬鹿!」

 

 

 あげはとの間接キス的なことを果たしたのに気付いていないコナミは首を傾げ、あげはは顔を真っ赤にしながら差し出された黄金のタマゴパンを引っ手繰る。顔を真っ赤にしたあげはの様子にそこまで怒らせてしまったか、と一人で戦慄しているコナミ。

 

 あげはは黄金のタマゴパンを一口食べて、その美味しさに顔を緩める。そして、心配そうな表情でこちらを見ているコナミに気付く。あげははコナミと自分の手にある黄金のタマゴパンを見比べると黄金のタマゴパンをコナミから遠ざける。

 

 

「こ、これはボクのだからあげないんだから!」

 

「いや、それは別にいいよ……」

 

 

 あげはの反応に怒っていないことを理解したコナミはほっと一息つく。

 

 

「けど……ありがと」

 

 

 本当に小さな、隣に座っているコナミにも聞こえないくらいの大きさで呟いたあげはの言葉が確かにコナミの耳へ届く。チラッとあげはを見てみれば、頬を赤く染めながら一心不乱に黄金のタマゴパンを食べている。

 

 そんなあげはの様子に小さく笑みをこぼし、コナミは二つ目のドローパンを開ける。

 

 

 ――――――その中身は激辛カレーパンだった。

 




ヒロインに萌えれればデュエルは別にいいよね。←おい。

タイトルでツァンだと思った人は残念。ツァンも好きだけど作者の中でTFで最強のツンデレはあげは。――――異論は認める。
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