転生者のOO 作:物だよ
「患者が目を覚ましたぞ」
あれから二年がたった。それでも目を覚まさないニールのことを半場諦めかけていたが教授からそれを聞くと俺はすぐさま医務室へ向かった。扉を開けるとそこには回復したニールの姿があった。入ってきた俺の姿を見て目を見開いた。
「お前、もしかしてマサユキか?」
その言葉を無視してニールに抱きつく。
「良かった・・・・・・このまま起きないかと思った・・・・・・」
「マサユキ・・・・・・」
俺達は少しの間、お互いに話さず体を預けあった。
落ち着いた後に俺はニールに自分のことを全て話した。
「へえ・・・・・・まさかそんな秘密があったお前にあったなんてな」
「・・・・・・怒らないのか?」
「何をだ?」
「その・・・・・・家族のことだ」
俺は未来を知っていた。そのことを幼少期にニールに伝えていたら家族は死ななかったかもしれない。俺はこのことを伝えた時に殴られるんじゃないか、最悪殺されるんじゃないかと思っていた。ニールは家族を大事に思っていたから。
「ああ、それか・・・・・・別になにも思わないわけじゃない」
「なら・・・・・・」
「だがな、あの頃に言われても俺は自分がテロに遭うなんて信じられなかったと思うのさ。自分の周りは平和で家族は元気でお前や他のやつと一緒に成長していくんだと・・・・・・お前のことは信じられても子供心にそんなものは自分とは無縁で大丈夫だってな」
「ニール・・・・・・」
「それにお前だって子供だった。いや、精神的には大人だったかも知れないが回りはお前を子供だと思うだろう。大人に言ったとしても所詮子供の戯言、最悪の場合KPSAの耳に入って殺されてたかも知れないしな」
「・・・・・・」
「だからな、お前がそれを心配する必要はないんだ。俺は、お前やライルが平和に暮らしていけたらそれでいいんだ」
といっても、お前は平和とは程遠いこっちに入って着ちまったんだがな。そういって悲しそうな顔に笑みを浮かばせながら俺に顔を向けてくる。だが気を取り直し今後のことをどうするのかを聞いてきた。もちろん俺はニールを再び戦場に出したくはなかったのだが・・・・・・
「俺はまだ戦うぞ」
と、言われてしまう。
「だけどニール、俺はお前に死んで欲しくない」
「お前がそう思うように俺もお前に死んで欲しくねえんだ。それに俺が行かなかったらライルがマイスターになっちまうんだろ?」
確かにこのままニールがマイスターに戻らなければライルがマイスターになるだろう。ライルは最後まで生きてるから大丈夫だ!死ぬことはない!・・・・・・なんてことは決して断言できない。俺という異分子がいるんだ。その所為で最後まで生きている人たちだって死んでしまうかもしれない。死んでいる人が生きているように。
「俺はお前がマイスターに戻ってしまうほうがライルが死んでしまうように思うんだ」
「何?それはどういうことなんだ?」
「別にこれはお前に死んで欲しくないからそういっているわけじゃないことを念頭において聞いてくれ」
俺が思うにライルはこのままマイスターにならずともこれからの連邦の施政に疑念を持ち反連邦組織カタロンに入るだろう。そしてそのままカタロンに入っていたらいずれMSで戦う時がくるだろう。しかしカタロンにあるのは非太陽炉搭載MSである。太陽炉搭載MSとの性能の違いなどはニールが良く知っているだろう。それによしんばMSに乗ることがなくても反連邦組織に属するのだ。見つかって殺されてしまう可能性は十分にある。
「確かにあいつならそれに入るかもな・・・・・・俺がそれに反対すると尚更入りそうだ」
「だからこのままソレスタルビーイングに入れてしまったほうが危険かも知れないが安全だと思うんだ。もちろん俺が彼を死なせないように援護する。それにお前は目を負傷している・・・・・・これからの戦いは激しくなるだろう。そんな中に十全でないお前を送るわけにはいかない」
「・・・・・・そうかもな」
「なら・・・・・・」
「ああ、マイスターに復帰するのは諦めるさ」
「良かった・・・・・・」
これでニールは戦うことはない。しかしニールはそれでも俺は戦うことはやめないと言って来たのだ。
「まだ片方の目があるんだ。戦えないわけじゃない。それになマサユキ、これは俺達が始めたことなんだ。だからこそ俺だけ生きてるのに退場するわけにはいかない。あいつらだけに任せるわけにもいけねえんだ」
それを聞いてこれは無理だと思った。もし無理やりとめてもこいつは勝手に出て行ってしまうだろうと。
「・・・・・・」
「わかってくれたか?」
このままではニールは俺の元を去ってしまう。そうなるとこれからは本当に死んでしまうかもしれない。本来なら死んでいるのだ。これからどうなるかなんて誰にも分からない。だからこそ自分のそばにいて欲しい。しかしニールは最後まで戦いたがっている。その理由も分かる。できれば尊重したい。・・・・・・そうか!
「ああ・・・・・・」
「そうか、それで」
「だけど頼みたいことがあるんだ」
「・・・・・・何だ?」
「ソレスタルビーイングじゃなくて俺と一緒に戦って欲しい」
「お前と一緒に?」
「歪んだ世界・・・・・・いや、いまだとこれから歪む世界か。俺はそれを元に戻そうと思っている。俺はさ、この世界で暮らしていくうちに世界の様々な人と知り合いになった。そうした人たちがもしかしたら捕まってしまうかもしれない」
「俺達の、いやイオリアの計画を乗っ取ったイノベイドの手駒の治安維持部隊とかいうやつにか・・・・・・」
「そう。だから俺はソレスタルビーイングに協力することにしたんだ。そうすれば黒幕であるイノベイドも早く倒せるはず」
「それは・・・・・・そうだな」
「けど俺の組織は圧倒的に人員不足なんだ!」
リーダー兼戦闘員、俺。救護班、絹江さん。そしてオペレーター、救護班、整備主任、作戦考案、その他etc、我らがエイフマン教授である。教授の負担深刻である。まああまりにも負担がひどいからヨハンが助手になり多少ましにはなったのだが・・・・・・
「これからのことを考えるともう一人メインで戦ってくれる人が欲しいんだ。頼む!ニール、俺と一緒に戦ってくれ!」
そうして俺は土下座をした。本当は戦って欲しくない。けど意見は尊重したい。傍にいてほしい。それらを解決する案がこれだ。仲間になってくれれば俺がニールを守ることができるし、ニールは最後まで戦うことできる。そして少し問題になっていた人員不足も解決できる。完璧な案だ・・・・・・
「・・・・・・くくっ、いいさ。お前の仲間になるよ」
「本当!?」
そうして俺は勢い良く顔を上げる
「むしろ俺はそう頼もうと思ってたんだぜ?できれば俺もソレスタルビーングで戦いたいがあいつらと一緒に戦うのは無理だろう。俺の機体はライルが乗るしな」
「ああ、一応も4機のガンダムは開発されているけどそれぞれの搭乗者は決まっている」
ついでに言うとすでにクルーも決まっていた。なぜそこまで知っているかというと今後はソレスタルビーイングと協力していくために正式な同盟を組んだのだ。そのために向こうの情報も技術的なことはともかくある程度のことは知れるようになった。
「さっきの口ぶりからすると予備の機体があるんだろ?」
「ああ、まだ開発中だが・・・・・・」
「その機体に乗るさ。何、どんな機体でも相手を狙い撃って見せるさ」
そういって手で銃の形を作り俺に撃つ真似をする。
「・・・・・・ふっ、わかった。じゃあ回復したら機体を見に行こうか」
現状ニールは完全に動けるようになったというわけではない。これから数ヶ月はリハビリをしなければいけないだろう。
「そうするか・・・・・・ふー、さすがに起きてすぐに長話はきついか・・・・・・少し疲れちまったよ」
そういってニールは横になった。
「ああ、ゆっくり休んでくれ」
俺も部屋から出ることにする。
「マサユキ」
「ん?」
「ありがとな、助けてくれて」
「・・・・・・友達を助けるのは当たり前だろ?」
そう言って俺は部屋を出て行った。
「何だと!俺は向こうじゃ死んだことになってんのかよ!」
後日、自分が死人になってることにひと悶着あったのだがまあ何とか説明したら納得していただけた。
もっと上手く話しを書けるようになりたいと思う今日この頃です・・・・・・お久しぶりです。何でこんな雑なんだよ!もっと説得の仕方あっただろ!もうちょっと上手く書いて・・・・・・話の粗が目立つ・・・・・・などいいたい事があるかもしれませんが本当に申し訳ありません。作者の限界でございます。何度も言っていますがもっと上手く書きたいと自分自身思っているんですが小説書いてる暇も書く勉強する暇もない。だけど時折唐突に書きてえ!ってなる。そんな感じで今日も書いております。
さてこれにて完全にファーストシーズン終わりです。年内に終わらせることができてよかった・・・・・・ここまでお読みくださった方、評価をしてくれた方、感想を下さった方、まことにありがとうございます。これからも暇があれば書きたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。