幻想支配の幻想入り   作:カガヤ

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お待たせしました!
どうにか書けました……
まだ7月中旬なのにずーっと暑くて体調が悪かったです。
チルノが欲しい。もしくはレティが欲しい。


第123話 「VS最強コンビ」

なんとか咲夜とレミリアを退けた俺と鈴仙。

しかし、次に来るコンビは一筋縄ではいかない。

なにせ霊夢と紫という人妖最強コンビといってもいいコンビが来るからだ。

文と妹紅は俺たちに合掌すると、すたこらさっさと永遠亭に戻ってしまった。

霊夢に姿が見られるととばっちりを受けるから、と言っていたけどそこまで見境ないわけじゃないと思うけどな。

 

「で、何か対策はあるの?」

「ない」

「即答!? いや、さっきみたいに必勝の策とかないわけ!?」

 

文と妹紅が慌てて去ったのを見て、鈴仙が冷や汗を流しながら対策を聞いてくるけど、ないものはない。

そもそもさっきも必勝ってわけじゃなく、臨機応変に対処しただけだしな。

 

「弾幕ごっこであの2人を同時に相手にするってのは、自殺行為に他ならないな。普通に戦うのならばいくらかやりようあるけど」

「そんな2人を今てゐが1人で相手してるってことよね?」

 

兎達は直接手を出さずに、てゐのサポートに徹しているだろうかなぁ。

実質1対2だな。

 

「………」

「だから無言で合掌しない! 私も心の中で合掌しちゃったけど!」

 

したのか。

 

「あっ、やってきたみたいよ。とにかくさっきみたいな挑発はもうしないでね」

「挑発って?」

 

はて、咲夜たちに挑発したつもりはないんだけどな。

俺が挑発するのは、ものすごくえげつないものだし。

 

「私の事、あ、相棒って呼んで挑発したでしょ」

「えっ? なんでそれが挑発になるんだ? それに鈴仙が相棒なのは間違いないだろ?」

 

そういうと鈴仙は、軽く咳払いして顔をそむけたが、すぐに呆れ顔になった。

何だか少し頬が赤いような? たくさん動いたから暑くなったかな?

 

「と・に・か・く! 余計なことは言わない! いいわね!?」

「お、おう」

 

あまりの剣幕で迫る鈴仙に、俺はうなづくことしかできなかった。

 

 

 

魔理沙とアリスという予想外の邪魔が入ったけど、やっと迷いの竹林にたどり着いた。

と、思ったら今度は落とし穴やら、空飛ぶトリモチやら、網やらわけの分からないトラップに襲われた。

さらに先に進むとウサミミの少女が妨害してきた。

紫並みに胡散臭い雰囲気を醸し出している彼女は、当の紫曰くこの竹林のボス兎らしい。

弾幕ごっこで軽く蹴散らしたら、いつの間にか消えていた。

ユウキさんの事をじんも……尋ねようと思ったのに。

 

「はぁ~なんなのよこの竹林は」

「トラップに兎に、相変わらず色々あるわねこの竹林は」

「何面白そうに笑ってるのよ。ここの事知ってるなら少しは役に立ちなさいよ」

 

不本意ながら同行している紫はさっきからこの調子だ。

最初は今回の異変に危機感を感じていたのに、どうも慧音からユウキさんの事を聞いてから様子がおかしい。

緊張感も危機感もあるようだけど、どうも薄れている気がする。

かくいう私もこの異変の犯人の所にユウキさんがいると知って、どこか調子が狂うというか緊張感が薄れてきてる気がする。

まさか今回の異変、もうすでに解決しちゃってるんじゃないかしら? とね。

それでも博麗の巫女として事情を聞かなきゃいけないし、退治もしなきゃいけない。

魔理沙や兎達の妨害で時間を無駄にした。

紫の結界で夜が明けるのを防いだせいであまり実感がわかないけど、結構な時間がたっているはず。

急がないと!

 

と、思っていのに……

 

「やっほー」

「なんでこんな事になってるのよ!?」

 

やっと永遠亭が見えてきたと思ったら、目の前に呑気な顔をしたユウキさんが現れた。

しかも、横にはさっきの兎とはまた違ったウサミミをした女の子がいる。

ウサミミ女は私とユウキさんの顔を交互に見比べため息をついている。

ユウキさんとどういう関係なのかしら、じゃなくて!

 

「ユウキさん、全然帰ってこないから心配してきてみれば、何をしているのかしら?」

「なんかデジャヴを感じるな。まぁ、いいか。実は永遠亭のお手伝いをしていてさ、これはその一環だ。色々聞きたいことあるだろうけど、あとでまとめて話すよ」

 

どうやらユウキさんはこの異変に関わっている所か、なぜか用心棒として雇われているって事ね。

隣で紫がやっぱり、と言いそうな顔をしている。

こうなるってわかってたのかしら?

 

「なるほどなるほど、細かい話は後で聞くわ。とりあえず今聞きたい事が2つあるのだけど、その服見慣れないけどどうしたのかしら?」

 

今のユウキさんはレミリアからもらった洋服とは全く違う見慣れない服を着ている。

人里にもあんな服はなく、しいて言えば幻想郷に来た時に着ていた服に似ているわね。

 

「あ、これか? この前やった人形劇のお礼にってアリスが作ってくれたんだよ」

 

あぁ、そんな話をアリスと前にしていたわね。

そういえば、彼が戻ってこなくなった日ってアリスに呼ばれて出かけたのよね。

なんでそれがこんな所で用心棒をする話になってるのかしら。

 

「パチュリーと魔理沙も手伝ってくれてさ。結構動きやすいんだこの服」

 

ユウキさんはどこか嬉しそうな顔をして服を見せるように一回りした。

それを見て、私も紫も少し驚いた。

あんなユウキさんはあまり見たことがない。

アリスがパチュリーと作った服でユウキさんがあんな顔をするようになった。

それは私にしても喜ぶべきことだし、安心もしたのだけど……どこか面白くない。

 

「そう。それはもういいわ。じゃあ最後に、横にいるウサミミの彼女は一体……ダレ?」

「れ、霊夢笑顔が怖いわよ?」

 

知らないわよ。ただこればかりはどうしても今すぐに確認したい事。

これは私の勘だけど、ただの知り合いにしては、ユウキさんとウサミミ女の距離感は近すぎる。

 

「あーまたその質問か、なんで咲夜もレミリアもそこが気になるかな」

 

ん? なんで咲夜とレミリアの名前が出てくるのかしら?

 

「彼女は鈴仙・優曇華院・イナバと言って、永遠亭に住んでいて、俺のあ……」

 

そこまで言いかけた時、ウサミミ女がユウキさんの事を軽く睨んだ。

ユウキさんは苦笑いを浮かべてたけど、なんなのかしら?

 

「鈴仙は、俺の友達だ」

「「はいっ!?」」

 

笑顔でそう言い切るユウキさんに驚いたけど、なんでウサミミ女まで驚いてるのよ。

 

「えっ? まずかったか、鈴仙?」

「い、いえ、まずくはないし、嬉しかったけど、でも……あぁ~もうこれじゃさっきの二の舞じゃない! ほらぁ!」

 

悲痛な顔で私を指差すウサミミ女。

全く、人の顔を指差して失礼ねぇ。

 

「れ、霊夢ちゃ~ん? 顔が鬼のようにこわいわよぉ~?」

 

アハハハッ、紫ったら何を言ってるのかしら?

鬼って萃香じゃあるまいし、アハハハハッ♪

 

「うん、友達ね、友達。なんだーただの友達かー、た・だ・の!」

「?? 霊夢? どうしたんだよさっき来た咲夜達と言い、何か俺変な事言ったかな?」

「もう、ユウキは黙ってて!」

 

若干涙目でウサミミ女は叫ぶけど、なんでそんなにおびえているのかしら?

それにしてもユウキ、ねぇ。私の知らない間にもうそんなに親しげに呼ばれる間柄の友達ができたのね。

そして、察したわ。咲夜とレミリアも私達より先にここへきて、今と似た状況になったわけね。

えぇ、えぇ、そうでしょうね。あの2人もこうなるわよね。

だって、付き合いの長い私達の前でいきなりパッと出てきた女が、あっさりとユウキさんの友達になってるんですものねぇ。

しかも、ウサミミも似合ってて可愛いし、私よりも胸大きいし、ねぇ?

 

「霊夢? おーい、大丈夫か?」

「えぇ、私は大丈夫よ。だからユウキサン? 少シ、頭冷ヤソウカ?」

「やっぱりこうなるんじゃない!?」

 

さぁ、楽しい楽しい弾幕ごっこの始まりよ♪

 

 

 

咲夜やレミリアが怒ってた理由は分からないけど、霊夢はわかる。

やっぱり直接連絡取ればよかったなぁ。

でも、電話がないし、永遠亭から出れなかったから仕方ないか。

そりゃ怒るよな。

異変解決に来たら、しばらく連絡せずに外泊していた俺がいるんだものな。

霊夢は心配性だからな。

 

「1人で納得した顔してるけど、あんた絶対わかってないでしょ!?」

 

霊夢の激しい札弾幕をどうにかかわしつつ、涙目で鈴仙が叫んできた。

そりゃ弾幕ごっこ初心者の鈴仙には、咲夜とレミリアの2人の弾幕よりも濃い霊夢の弾幕は怖いものがあるよな。

それに紫も静観せずに参戦してきそうだし。

俺1人だと霊夢の攻撃受けてもいいんだけど、鈴仙もいるからな、反撃するか。

 

「鈴仙、右だ!」

「わかったわ!」

 

紫が加わる前に霊夢を囲んで動きを封じよう、と思ったのだけど。

 

「はぁい♪」

「ちっ、お前が俺にくるのか」

 

紫がスキマを使って俺の前にワープしてきた。

霊夢も、俺ではなく鈴仙をターゲットに選んだようだ。

鈴仙と分断されてしまった。

ただでさえ1対1なら分が悪すぎるっていうのに。

 

「あなたと弾幕ごっこは2回目ね」

「1回目はあれ弾幕ごっこって言えるのか?」

「懐かしいわねぇ。あの頃とは少しは変わったわね、あなた」

「そりゃあな、幻想郷に存在する力にも慣れたしな!」

 

スペルカードを温存して通常弾幕で応戦しているけど、紫は涼しい顔してかわしている。

様子をうかがっているのか、俺をなめているのか、反撃らしい反撃はしてきていない。

弾幕ごっこの隙に殺す事は考えていないみたいだな。

どっちにしても今のうちに落とさなきゃ。

 

「そう、なら今度は手加減いらないわね 【境符・二次元と三次元の境界】」

「うおっ!?」

 

隙を見て鈴仙の方へ行こうとしていた俺の行く手を遮るように、いくつもの光が走った。

これは俺が生まれて初めて目にしたスペルカードだ。

でも、あの時とは密度も速度も段違いだ。

光は地面や竹を走っているかと思えば、そのまま空中にまで走り出した。

動きは直線的だけど、数が多く弾速も速いからよけるのが精いっぱいだ。

 

「相変わらずの動体視力に反応速度。いえ、あの時よりもさらに速いですわね」

「今更監察か? しょっちゅう俺の事見ていたくせに」

「あら人聞きの悪いこと言わないでくださいな。たまにしか見ていませんでしたわ」

「見ていることは否定しないんだな」

 

余裕を出しているように見せかけているが、実際に余裕はないのは紫にはお見通しだろう。

このままじゃ鈴仙の援護に行けない。

チラリと紫の背後に目を向けると、鈴仙の弾幕と霊夢の弾幕が飛び交っている。

まだ落ちてはいないようだ。

しかし、このままじゃ向こうもこっちもらちが明かない。

何かいいスペカはと考えて、そこでふと思いついた事があった。

スペカなしで通常弾幕のみとはいえ、このままでは鈴仙の力は時間切れで使えなくなる。

ならばいっそのこと……

 

「1枚攻略されてしまいましたわ。やはり一度見せたスペカでは芸がなかったわね」

 

ちょうど紫のスペカが時間切れで消えた。

やるなら今しかない。

 

「今だ! 【幻符・幻想支配モード紫】!」

「ふふっ、やはり私の力を使うのね」

 

幻想支配で紫の力を使う。

ここまでは紫も予想していた、のはこっちも予想できた。

けど、ここから先はどうかな?

 

「こい! 【式符・藍&橙】!」

「えっ?」

「はっ!」

「はい!」

 

頭にイメージした2枚のスペカ。

それは式神である藍と、藍の式神である橙を召喚するものだ。

一気に2枚も使ってしまったけど、これでいい。

 

「まさか、君に使われるとはね」

「えへへっ、よろしくお願いしますね、ユウキさん」

「2人共、頼りにしてるよ」

 

いきなり俺に呼ばれたのに、藍も橙も驚きもせずに従ってくれた。

それどころか少し喜んでないか?

 

「ちょっと、それは反則じゃないかしら!?」

「紫様はスペルカードとして私や橙を使うことがよくありますからね。ユウキ君がそうしても全く反則じゃありませんよ」

「そういう事です!」

「2人共、従ってくれるのは嬉しいけど、やけにノリノリだな?」

 

少しは抵抗感出すと思っていたのに、かえってこっちが驚きだ。

 

「ふふっ、何、君に使われるのなら悪くはないというだけさ。それに紫様に日頃の鬱憤を晴らすいい機会だらかね」

「紫様、覚悟―!」

 

反逆の式神……

 

「ふっ、ふふふっ、いいわよ、そっちがその気なら藍達ごとやっちゃうだけよ!」

「いくぞ、藍、橙!」

「「はいっ!」」

 

藍に目を向けると、わずかに頷いてくれた。

俺の意図が通じてるようでよかった。

 

「それっ!」

 

橙が身体を丸めて高速で回転しながら紫へと向かう。

紫はヒラリとかわすが、藍が続けて弾幕をばら撒きながら回転攻撃を繰り出した。

2人は時には同時に、時には交互に紫に向けて攻撃を仕掛ける。

俺は、その合間を縫って、紫の脇を突破した。

 

「あっ!?」

「じゃあな!」

 

俺の狙いはこれ。最初から紫を落とす事は考えていない。

鈴仙と合流して2人で相手しないと、先にこっちがやられる。

これは大前提だ。

 

「鈴仙!」

「遅い~!」

 

霊夢の札に当たりそうな鈴仙の手を取り、スキマを使い回避する。

今は紫の力を使っているのでこういうこともできる。

 

「ユウキさん……紫ったら何をしてるのよ」

「悪いな霊夢。1対2だ」

 

これでも有利になったとは思っていない。

けど、霊夢にとっては、少しは不利になったと思ってほしかったがそうはいかないようだ。

霊夢はニヤリと余裕の笑みを浮かべている。

あ、霊夢の周りに陰陽玉が浮かび上がってる。

これすごく嫌な予感する。

 

「これは好都合ね。ちょうど霊力も溜まったし、2人纏めて落ちなさい! 【夢想天生】!」

「やっぱりかー!?」

 

間が悪いというかなんというか、霊夢はとっておきのスペルカードの準備を終えたところだったようだ。

霊夢の姿がぼやけて、周りに浮かぶ陰陽玉から今までにないほどの速度で弾幕が飛んできた。

 

「避けるぞ!」

「うん!」

 

鈴仙もあのスペカの恐ろしさが分かるようで、一目散に動いた。

夢想天生、以前西行妖に使おうとしていたのとは違い弾幕ごっこ用だが、性能はあまり変わっていない。

こっちの攻撃は一切通じず、逆に霊夢の弾幕はこっちをどこまでも追いかけてくる究極奥義だ。

これの攻略法はただ一つ、時間切れまでよけてよけてよけまくるだけだ。

スキマを使って回避でもいいけど、それだとこっちが先に時間切れになる。

 

「ユウキ、あれどうするのよ!」

「とにかく無茶苦茶に動いてかわすしかない!」

「そうはいきませんわよ?」

「げっ!? 紫!?」

 

いつの間にか紫が俺たちの頭上にいた。

藍と橙は向こうで伸びている。

まぁ、こうなるとは思ってたけどね、それでも思っていたよりも2人は時間を稼いでくれた。

 

「特別サービス♪ 【紫奥義・弾幕結界】」

 

紫は、藍と橙をぶつけられたのがよほど気に食わなかったのか、若干額に青筋を浮かばせて自分の奥義を放ってきた。

これは、ダメだな。

 

――ピチュン!

 

 

「で、一体全体どういうわけなの?」

「話してもいいけど、それより先に異変解決した方がいいんじゃないか?」

 

俺と鈴仙を負かした霊夢は先に進まずに、俺たちに詰め寄ってきた。

 

「やけに素直に通すわね。そっちのウサギも何も言わないし」

「私の名前は鈴仙・優曇華院・イナバよ! 弾幕ごっこに負けたのだもの。素直に通すしかないでしょ?」

「それは、そうだけど……」

 

霊夢は何だか腑に落ちないようだ。

気持ちは何となくわかる。

 

「用心棒は引き受けたが、負けた以上は邪魔する気ないよ。ただ、異変に関しては俺も簡単にしか聞いてないから詳しい話は永遠亭にいる八意永琳って人に聞いてくれ」

「はぁ、分かったわ。でも、2人共一緒に来てもらうわよ。逃がさないんだから。後でじっくり話を聞かせてもらうわよ!」

「別にどこに逃げるっていうんだよ。てかなんで勝者なのにそんなに余裕がないんだよ、霊夢は」

 

負けたらここで異変が解決するまで待っていようかと思っていたけど、勝者がついて来いっていうなら従うしかない。

 

「「……はぁ」」

 

なぜか霊夢、それに鈴仙までも同時に深いため息をついた。

それを見て紫はおかしそうに笑う。

本当になんだっていうんだ?

 

 

 

続く




はい、流石に霊夢と紫には勝てませんでしたー
まぁ、紫には一杯食わせられましたが。
あと1、2話で永夜抄は終わりです。
で、その次の過去編は少し長くなります。
大覇星祭+イタリア編の予定です。
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