幻想支配の幻想入り   作:カガヤ

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祝!とある魔術の禁書目録3期制作決定o(^∇^)o



第126話 「追跡封じ」

嫌な予感というのは、早々に当たりやすいものだ。

元春を探してうろうろしていると、すぐに見つかった。

しかも、明らかに学園都市で浮いている格好をした神父少年も一緒だ。

このまま見なかったことにしたかったけど、どうせ指令が来るだろうからそれは無意味だな。

 

「おい、そこのマジカル不良少年共。こんな所で何をしてるんだ?」

「っ!? なんだ君か」

「よう、ユウキ。不良少年はいいけど、マジカルは余計だにゃ~」

 

声をかけられ一瞬身構えた2人だったが、相手が俺と知り揃ってため息をついた。

 

「競技サボって何してんだよ。お前がいればもっと楽だったのに元春」

「いやぁ~悪い悪い。ちょーっとハズせない大事な大事な用ができちまってにゃあ。おっ? カミやんまで登場とは探す手間が省けたぜい」

「お前ら、こんな所で何やってるんだ?」

 

背後から当麻もやってきて、数秒前に俺がこいつらに言ったセリフをそのまま吐いた。

これで役者は揃ったわけだ。

あまりにもタイミングが不気味すぎるけど、これも運命かな。

嫌な運命だけど。

 

「で、今回の厄介事は? できればそちら側の問題は学園都市の外でやってほしいんだけど。もちろん、俺や当麻を巻き込まないでな」

 

ただでさえ常時の学園都市ですら厄介ごとで溢れているというのに、警備が甘くなる今時期なら尚更だ。

 

「まぁそういうなってユウやん。むしろ今時期だからこそここがちょうどいいんだぜい? 色々な問題が交差しているからにゃ~」

 

元春はわざとらしく言ったが、その真意は何となくわかる。

科学側の総本山な学園都市内部なら、魔術的な問題が起きてもステイル達、魔術側は大きく動けず対応が限定されてくるからな。

まぁ、その分のしわ寄せは俺達に来るんだけどな。

 

「?? なぁ、本当にいったい何があったんだ?」

 

話が全く読めていない当麻は?マークを頭に浮かべているけど、俺だって実際何が起きたかはまだ聞いていない。

 

「実は……」

 

元春とステイルの話はこうだ。

警備の甘い学園都市の隙をついて、2人の魔術師が侵入した。

魔術師の名は、リドヴィア=ロレンツェッティ。

そして、彼女が雇った魔術側の運び屋、オリアナ=トムソン。

彼女達は学園都市内部で教会から持ち出されたトンデモナイ礼装の取引を行うらしい。

その礼装が、刺突杭剣(スタブソード) と言って、火織のような聖人用の礼装で、学園都市風に言えば、レベル5達を問答無用で殺せる核兵器みたいなものだそうだ。

それがあれば各魔術側陣営の戦力バランスが崩れて、戦争の引き金になりかねない。

で、それを阻止するために学園都市に住む当麻の友人という立場でステイルがやってきたというわけだ。

聖人用兵器な為、火織は使えないしな。

ま、ステイル的にはそれすら建前で、インデックスがいるここで自分が知らない所でドンパチされるのが嫌なんだろうな。

当麻はステイルの友人として、元春は案内役としているなら、俺の出番はないかもなーと思っていたけど、話をしているうちに指令が入り、彼らに協力する事になった。

こういう流れになるのは分かってた。

だから、自分から飛び込んだんだしな。

 

「でも、そんな大事ならインデックスの力も借りた方がいいんじゃないか?」

「「「ダメだ」」」

 

当麻がそういうと、俺達3人の声が重なった。

元春とステイルは、俺も同じことを言ったので少し驚いている。

 

「インデックスの力は借りれない。学園都市で何か魔術的な事件があると、必ずインデックスが関わっている。そうあちこちに認識されると、イギリス清教としても学園都市としても、もちろんインデックス個人にしても大問題になる。だろ?」

「おおまかにいえばその通りだぜい。実際、ここ数か月で魔術絡みの事件が学園都市で頻発して、そこにインデックスの名前が出てくるという認識は広まってるからにゃー」

 

元春にそういわれ、当麻もハッとした顔をした。

思い出すだけでもここ数か月で色々起こりすぎたからなぁ。

うん、思い出すのはやめよう。

 

「じゃあ今回はインデックスの力を借りない、だけじゃなくて」

「そう。インデックスに事件そのものを感知させないようにしないとダメだにゃー」

「あ、つまりそれって……」

 

当麻はそこまで聞いて嫌な予感がしたようで、ステイルがタバコを一吹きして吐き捨ているように言った。

 

「上条当麻、それが今回君に与えられた最重要任務だ」

「要は食べ物でも与えまくって大人しくさせて、魔術のマの字も感じさせないようにいいだけですたい」

「がんばれがんばれー」

「あぁ……そうですか、そうですか、上条さんはインデックスさんの財布係ですか……くっそ、不幸だぁ~!」

 

こうして俺達はそれぞれ行動に移った。

ひとまず当麻はインデックスに合流して競技に戻ってもらい、俺達で魔術師たちの痕跡を探る事になった。

とはいえ、相手は魔術師で、しかも、追跡封じの異名を持つプロの運び屋。

純100%科学な俺のやれる事は限られてくる。

 

「で、その魔術師達と取引相手の情報は?」

「あるようであまりないね。リドヴィアは自分の事よりも布教へ命をかける狂信的なローマ正教徒だが、魔術の腕はそう突出したものはない。魔術師としての実力はアニェーゼ達の方が厄介なくらいさ」

 

だから運び屋を雇ったのか、ということはオリアナの方は相当な手練れか。

 

「オリアナの方は運び屋としてこれまで数々の仕事をこなしてきた。当然俺達イギリス清教ともかちあってきたが、毎回まんまと逃げられるというわけだ。逃げるためには人道的にも魔術的にも手段を選ばない。これで大体理解できるか?」

「それだけでイヤというほどわかる……が、オリアナの魔術としての腕は? どんな魔術を使うんだ?」

 

オリアナがどんな魔術を使うかは、直接会った時に幻想支配を使えばすぐにわかるが、向こうから不意打ちを受ける可能性もあるから先に知っておきたい。

が、元春とステイルは苦虫を潰したような顔でお互い見合っている。

 

「あーオリアナの魔術については、実はよくわかってないんですたい」

「はぁ!? イギリス清教とも何度かやりあったんだろう!? なら何か情報あるだろ!?」

「何度もと言っても、直接的にやりあった事などごくわずかだ。彼女は戦闘屋じゃなく運び屋といっただろう」

「色々な魔術を使う。分かっているのはこれくらいだにゃー」

「つかえねぇ……」

 

これはもう直接会って自分の目で視るしかないか。

 

「ただ、その追跡封じの異名は伊達じゃないって事は忘れるな」

「元春、俺にだって異名はいくつかあるの、知ってるだろう?」

「それもそうだにゃー」

 

それからしばらくステイルは魔術的な痕跡探しを、俺と元春は学園都市内で取引に使われやすい場所を割り出すことにした。

元春曰く、オリアナは認識阻害系の魔術を使って姿をくらましているだろうと言った。

たとえ誰かが彼女を目撃して話をしたとしても、その目撃者の記憶からは彼女は消えている、と言った感じになるそうだ。

まぁ、学園都市を適当に回って怪しい女を見なかったか、なんて聞いて回るわけじゃないけどな。

 

――ピピピッ

 

その時、元春の携帯に当麻から連絡が入った。

 

「どうもーカミやん……」

 

元春はいつものように軽い調子で電話に出ていたが、すぐに表情が一変した。

 

「カミやん、今どこにいる?」

 

どうやら当麻が目標に接触したようだな。

全く、こっちは苦労して探していたというのにあのフラグメーカーは。

さっそく当麻の携帯を検索さして、地図に表示させる。

 

「おい、ユウ……」

「当麻の携帯ならもう追跡してる。いくぞ、元春」

「はっ、流石はユウやん。仕事が早いぜい」

 

こういう時こそ、ハッキングとか盗聴とか裏ワザを活用する時だよな。

 

 

それからステイルと共に、とある大通りで当麻に合流。

当麻がであったというのは、運び屋の方らしい。

当麻が指差した先には、つなぎを着た金髪の女性が大きな看板のようなものを持って、遠くを走っているのが見えた。

女性はすぐに角を曲がって見えなくなったので、幻想支配は使えなかった。

なるほど、塗装業者にでも偽装して多少の違和感をなくしているということか。

俺達は急いで追いかけたが、俺は違和感があった。

 

「妙だな」

「あぁ」

 

その違和感は、元春とステイルも感じているようだが、今はとにかく後を追うことを優先した。

つなぎ女、オリアナは自律走行バスの整備場へ逃げ込んだようだ。

 

「いるのか?」

「奥に気配がする」

 

一歩足を踏み入れようとして、その足を止めた。

建物の中は薄暗く、バスが何台も停められていて、隠れるにも、罠をしかけるにも持ってこいと言った場所だ。

元春とステイルを見ると、2人共頷いた。

これから俺が何をするか分かっているみたいだ。

 

「当麻く~ん?」

「はいっ!? いきなり何気色悪い声出してるんだユウキ?」

「お先にどうぞ~♪」

 

俺達の後ろで息を整えていた当麻を無理やり前に出して、建物内へと足を踏み入れさせた。

途端に、轟音と共に青白い炎が襲いかかってきた。

 

「うわぁ!?」

「当麻、右手を出せ!」

 

――パキーンっ!

 

当麻の幻想殺しによって、炎は打ち消された。

 

「あ、危なかった……って、ユウキさ~ん!? これを見越して俺を先に入れたな!?」

「だって~俺、相手視えないとどうしようもないし~」

「適材適所。うん、なかなかのチームワークだ。ほら、次がくるぞ上条当麻」

 

ステイルが指差した先から、黒い物体が高速で飛んでくるのが見えた。

 

「ステイルはここに残ってルーンのカードを張り付けて待機だ。ユウキ、俺達で追うぞ。カミやんは……聞くまでもないな」

「僕としてはここに残ってくれた方が安全なんだけどね。もちろん僕が、だけど」

 

当麻が抗議するけど、ステイルは気にせずルーンのカードを張り付けていった。

 

「当麻は切り込み隊長だろ。がんばれがんばれー」

「またかよ!」

「安心しろ。病院送り程度で済ませるようにはフォローするから!」

「病院送りは確定かよ! あとで覚えてろよ~!」

 

そう叫びつつも当麻は次々襲いかかる罠をどうにか幻想殺しで対処していった。

フォローするといっても、現状武器も何もない俺じゃできることはあまりない。

体操服の中に拳銃仕込むわけにもいかないしな。

どうにか罠を潜り抜け、建物を抜けた所で、アスファルトがめくり上がり巨大な津波が現れた。

あまりの迫力に当麻の足が止まった。

 

「当麻、これも魔術だ! 構わずぶん殴れ!」

「……くっそぉ~!」

 

当麻が右手で殴ると津波はあっという間に崩れ落ちた。

俺と元春はその合間を走り抜けて、オリアナを追った。

だが、気配を追った先に俺達が目にしたのは。

 

「やられた」

 

割れた窓ガラス、外れたマンホールの蓋、開けられたドア。

どれもこれもオリアナの逃走ルート、に思わせるためにわざと残された痕跡だ。

これではどれからオリアナが逃げ出して、どこへ向かったかを特定するのは難しい。

古臭い手でアナログだが、学園都市内ではあまりお目にかからない手段だな。

と、近くの壁に文字が書かれた付箋紙を見つけた。

恐らくこれがオリアナの礼装なのだろう。

念のため幻想支配を使ったが、何も反応がない。

もう、これはただの紙切れにすぎなかった。

 

「追跡封じのオリアナ=トムソンか……おもしれぇ、逃げ切れると思っているのか」

 

お前が追跡封じの異名を持つ魔術師なら、こっちは追跡者の異名を持つ無能力者だ。

科学と魔術の追跡劇の始まりだ

 

 

続く

 




あくまでもユウキ視点のみなので展開早かったり飛んだりしてます。

いやぁ~それにしても3期長いこと待たせてくれますなぁ。
来年の夏か秋には放映されるかな。
で、2018年とあるプロジェクト始動というからには、とある科学の超電磁砲や……まさか一方通行もアニメ化くる?
というか3,4クールで旧作全部終わらしてくださいな。
あ、となるとバードウェイの話はどうするんだろ?
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