Fate/プリズマ☆士郎ちゃん   作:ギルディア シン 呪雷

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更新遅れて申し訳ありません。

そして、先に謝っておきます。今回は、とてつもない駄文です。全然いい感じにかけませんでした。本当に申し訳ありません。


11話 姉の覚悟

【イリヤ視点】

 

『アナタハ、ミンナヲキズツケタ。』

 

誰?何を言っているの?

 

『ミンナヲキズツケタ。チガウ?』

 

………違わない。

 

『ルヴィアヤリンヲキズツケタ。ミユヲキズツケタ。ソシテ、オネエチャンヲキズツケタ。』

 

やめてッ!もう、聞きたくないッ!!

 

『ニゲルノ?マタ、サッキミタイニ。』

 

さっき……?あぁ………。

 

 

 

そう、だね………。

 

 

 

【士郎視点】

 

どうやって帰ってきたのか、自分でもよくわからなかった。いつの間にか私は家の前に立っていた。

 

「………ただいま。」

 

玄関を開けると、そこにはセラが立っていた。心配そうな顔をしている。やめてよ……。そんな表情、見たくないよ……。

 

「士郎…、大丈夫ですか?」

 

「………イリヤは?」

 

「イリヤさんは、先程玄関に倒れていました。……一体何があったのですか。」

 

イリヤは、家に帰ってきた。

 

「士郎?」

 

「……私、イリヤを守れなかった。イリヤに、辛い思い、させちゃった…!」

 

さっきあれだけ流した涙が、再び溢れてきた。

 

「貴女のせいではありません。さぁ、もうお休みになってください。」

 

「ごめんなさい、ごめんなさいッ…!!」

 

私はそのまま、泣き続けた。

 

 

 

————————————————

 

 

 

 

翌日。私は自分の部屋にいた。いつ眠ったのかすらわからない。きっとセラが私を運んでくれたんだと思う。時間は5時30分。まだ大分早い時間だった。

……朝ご飯、今日はセラだったかな?でも、いいや。私は着替えてキッチンに向かった。何もしないと、また思い出してしまうから。

 

 

 

「これは一体、どういうことですか?」

 

「えっと〜……、ごめんね?」

 

「士郎ォォォォ!!!」

 

「うわぁぁぁ!!ごめんなさぁぁい!!!」

 

案の定セラに怒られた。朝ご飯の準備が終わったから、その勢いで洗濯と庭掃除もやってしまったのだ。私はセラの怒号から逃げるように家を飛び出していった。こんな平和な生活をイリヤにもして欲しい……。

 

 

 

……………決めたよ、お父さん。

 

 

【イリヤ視点】

 

最悪の目覚めだった。昨日のことが未だ鮮明に覚えていたからだ。いっそ忘れてしまいたかった。…やっぱりダメ。忘れちゃうのは無責任すぎるよね。こんな無責任な私に、カード集めなんて務まるはずなかったんだ。

 

「お姉ちゃん……。」

 

私は小さな声で呟いた。

 

 

私は普段と変わらないように振舞っていた。いつもと同じように朝食を食べ、荷物を確認して学校へ行く。

 

「よし。準備完了。」

 

「イリヤさん…、その…、一人で大丈夫ですか?」

 

「何言ってるのセラ?大丈夫だよ。行ってきまーす。」

 

本当は早く家を出たかった。居心地が悪かったから。

 

 

「おはよう、イリヤ。」

 

家を出てすぐの所に、お姉ちゃんがいた。

 

「少し話そう?」

 

「………ごめん、なさい。」

 

私は掠れた声で呟き、逃げるようにその場を後にした。

 

「待って!イリヤ!!」

 

後ろから声が聞こえる。でも、私は振り返らずに走った。

その時、私は気がつかなかった。

 

お姉ちゃんが倒れた事に。

 

 

 

 

【士郎視点】

 

イリヤを呼び止めようとした私の視界は、突然反転した。

そして、身体の至る所に痛みを感じた。

 

(まずい……。昨日の、傷が……、ダ、メ………。)

 

「お、おい君!?大丈夫か!?だ、誰か!!救急車を呼んでくれ!!」

 

名前も知らない誰かに呼び掛けられながら、私は意識を手放した。

 

 

【イリヤ視点】

 

「ぅオーッス、イリヤ!!本日はご機嫌ハウアーユー!!」

 

「おはようタツコ……、雲が綺麗ね。」

 

うるさい奴をさらりとかわす。美遊も「うるさい」の一言で済ましていた。

 

「うーむ、なんか悪い空気だな……。」

 

「そうだね…。イリヤちゃんと美遊さん、喧嘩でもしたのかな?」

「ちょっとずつ美遊さんも打ち解けてきていたのに、一体何が……?」

 

「もつれか!?もつれた痴情が爛れているのか!?」

 

「それ、意味わかって言ってる?」

 

いつもの四人が好き勝手に言っている。実際は喧嘩でもなんでもなく、ただ合わせる顔がないだけなんだけど。

 

………本当に、どうしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

『別にいいんじゃないですかー?そもそもカード回収はあの二人に課せられた任務ですから。』

 

ルビーはいつもの調子で答えた。

 

「やめないで、とか言わないんだ?」

 

『私的にはカードとか別にどうでもいいですしー。大体あんな血生臭い事は魔法少女がやる事じゃないです!!』

 

血生臭いって……。でも、そうか……。

 

「どんなに言い繕っても、アレは紛れも無い命のやり取りだったんだね……。」

 

『それを怖いと感じるのは、まぁ当然の反応ですよ。』

 

怖い、か………。私が怖いのは、多分……。

 

『?どうしました?』

 

「ううん、えっと……、これからどうしようかなって……。」

 

『そうですね…。いっそのこと、凛さんにぶっちゃけますか?』

 

そうしようかな、と考えていた時だった。

 

「イリヤちゃん!!!」

 

「どうしたの、先生?」

 

悪い事は連鎖した。

 

「お姉さんが、朝倒れたって……。」

 

 

 

 

 

私は今全速力で病院へ向かっていた。学校は早退扱いにしてもらった。正直、今は学校なんてどうでもいい。はやくお姉ちゃんのところに行かなきゃいけない。でも、なんで?学校行くときにはまだ元気だったじゃん!それがなんで!!

 

「お姉ちゃん!!」

 

扉を突き破るくらいの勢いで病室の中に入る。

 

「イリヤさん!」

 

「セラ、お姉ちゃんは!?」

 

「落ち着いてください!今は、落ち着いています。」

 

とりあえず、良かった………。私はベッドで眠っているお姉ちゃんの顔を見た。とても静かに眠っている。でも、どこか悲しげで、苦しんでいるようにも見えた。

「んん………」

 

「士郎!!目が覚めましたか!!」

 

「セラ……?あれ……?ここは……、ッ!?」

 

「まだ起き上がってはいけません。恐らく傷が完全に癒えてなかったんでしょう。」

 

私は目覚めたお姉ちゃんに何も言う事が出来ずに、その場に立っていた。

 

「セラ…、イリヤは……?」

 

「こちらにいらっしゃいます。」

 

「ちょっとの間、二人だけにして………。」

 

お姉ちゃんの頼みを承諾し、セラは病室を出ていった。私は、お姉ちゃんのベッドの横に座った。

 

「……………………。」

 

言葉が出てこなかった。言いたいことがあるのに、言わなきゃいけないことがあるのに、何一つ口に出すことが出来ない。私はそのまま下を向いていた。そんな時だった。

 

「もう、いいんだよ。」

 

お姉ちゃんがそう言って私を抱き寄せた。ちょっと動けば解けてしまうくらい、手に力が入っていなかった。

 

「……ごめんね。」

 

「…………え?」

 

なんで、お姉ちゃんが謝るの?

 

「最初に誓ったのに…。イリヤを、守るって……。でも……。」

 

手が震えていた。私の肩が濡れるのを感じた。

 

「守れなかった……。」

 

そんなことないのに。だって、あの時、私が皆を傷つけたんだから。でも、私は何も言うことが出来なかった。口が縫い合わせられたように感じた。

 

 

「でも、もういいの。今日、全て終わらせるから。」

 

お姉ちゃんが何か言ったような気がしたが、私には聞こえなかった。でも、微かにお姉ちゃんの手に力が入ったのを感じた。そして、

 

「だから、待っててね。」

 

背後に衝撃がはしった。私の首筋に手刀がおろされたんだと、薄れゆく意識の中理解した。

 

 

 

【士郎視点】

 

『あーあー、酷いことしますねぇ。これは当分起きませんよ?』

 

ルビーがそう言った。後で謝っておかないと。

 

『それで、士郎さん。貴女はやはり行くんですね?』

 

「えぇ。」

 

それ以降、ルビーは何も言ってこなかった。

 

「セラ、入ってきて。」

 

「はい。おや?イリヤさんは眠ってしまったのですか?」

 

「うん。よっぽど心配かけちゃったんだね。私のことはいいから、もう家に帰ったら?」

 

「そういう訳には……、いえ、そうですね。では、私達はこれで失礼しますね。」

 

そう言って、セラはイリヤを連れて帰っていった。

 

 

 

 

そして私は、今夜の事を考えていた。

 

 

 

 





もっと上手に文章が書けるようにしたいです。

もっとも、それが出来ないから理系なのですが……。

今度はもう少しはやく更新したいです!

では、次回もよろしくお願いします。

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