鉄血の薩摩兵子 <参番組に英才教育> 作:MS-Type-GUNDAM_Frame
じわじわ入れていきたいと思います
「ははは、あの師匠にしてあの弟子ありといったところかな」
高級そうなホテルの一室で、白い連獅子のような髪の盛られた金の仮面を装着した男が笑っていた。みれば、その床は慌ただしく人が通ったように絨毯の毛並みが乱れており、後で支配人が眉根を曇らせることだろう。
「彼が、厄災戦前から続くオセアニア連邦の・・・日本だったかな?」
ホテルの外からは、ざわざわと人の騒ぐ声が聞こえてくる。雑踏が何かを見て騒いでいるのだが、男は全く意に介さず裏の出口へと向かう。
「力がすべてだった戦国時代から連綿と続く兵法の専門家一族」
裏口では猫が残飯を漁っていたが、出てきた男に驚いて一鳴きしどこかへ消えていった。男は、ドルトのVIP専用宇宙港へ歩き出す。
「あれが、島津中務少輔豊久。伝説のサムライと同じ名前を持つ男か」
果たして、男の脱いだ仮面の下からは金色の髪が溢れた。
◇◇◇◇◇◇
ドルトの行政府前では、クーデリアが労働者たちに囲まれていた。もっとも敵対されているわけではなく、感謝の意を示されているのだが、身に覚えが無いとなればそれも不気味だろう。
実際、クーデリアもオルガの方へ困惑した顔を向けていた。
オルガの頭の中では、もはやだれかが故意に武器を送り、ドルトの抗議運動を一掃しようとしていると解が出つつあった。そのために、先ほどビスケットとアトラを連れて帰ってきた三日月を護衛に着かせている。だが・・・
「トヨさんはなんであんなとこにいるんだ?」
「なんか言うことがあるって言ってたぜ?」
豊久は、一番先頭のモビルワーカーへとのっしのっしと歩いて近づいていた。あまりの堂々とした歩きっぷりに、誰も止めようともしない。
「聞けぇ!」
その声は、拡声器が無くても群衆を沈黙させるほどに大きかった。
「お
群衆と、加えて行政府に構えるギャラルホルンの兵士たちにも動揺が走る。だが、豊久は徹底して
「ではお
先ほどまでよりも、明らかに空気が緊迫している。そして、ギャラルホルンの兵士たちには豊久の言わんとすることが分かってしまった。だが、迫力に飲まれてかどうしても動けない。だって、
「ではお
遂には、労働者たちの目にギラギラとした光が宿った。そして次の瞬間・・・破裂音と共に豊久がさっと動き、肩から血が噴き出た。それで倒れても、豊久はさらに大きな声で叫ぶ。
「よかか!
銃を持て!
「撃てぇ!」
展開していたギャラルホルンの部隊を、モビルワーカーの、突撃銃の、拳銃の弾が襲う。弾薬は、人の事など全く気にせずに道筋にあった全てを貫いた。その衝撃で、ギャラルホルンも火が付いたように戦闘準備を始めたが、あまりにも遅すぎた。行政府前に仕込んであった火薬も爆ぜ、モビルワーカーを率いるギャラルホルン治安維持部隊は全滅した。
「良か」
豊久は、鉄華団の面々に急いで裏路地へ運び出されながらへにゃりと笑った。
「こいであ奴らは最後の一兵まで戦おうぞ。簡単にはやられん」
「まったく、肝が冷えたぜ。お嬢様は?ああ、三日月が・・・肩に担いでるな」
「おいおい、クーデリアさん顔真っ赤じゃねぇか。やるな三日月。アトラもいんのによ!」
「ああ、すげぇよミカは」
一行は颯爽と虐殺跡と化した大通りを後にした。茫然としたフミタンはオルガに引きずられている。その後、あまりの緊急事態に封鎖要員まで駆り出されたのか宇宙港の封鎖は解除され、皆でイサリビへ戻った。だが・・・
「おいおい、やっぱり囲まれてんのかよ」
宙域は、ギャラルホルンの戦艦に囲まれており、凄まじい数のモビルスーツがコロニーを包囲していた。
「一応、ミカのバルバトス出せるようにしとけ。ブルワーズから奪ったアレは行けるか?」
「出せるそうです!」
「よし、昭弘はドックに行かせろ・・・なんだ?」
「コロニーの内部からです・・・映像だします」
『やあ君たち、特に赤い鎧を着た君。さっきはありがとう』
「それは・・・モビルスーツか?」
『ああ。君たちのアドバイス通り停止用の細工は外させてもらったよ。これで最後の一人まで戦える』
「・・・そうか」
『
「こっちからも三機モビルスーツを出す。上手くいくように祈ってるぜ」
『ああ。君たちもね』
通信は切れ、五機ほどのモビルスーツがイサリビの周囲へ現れた。丁度モビルスーツへ乗り込んだ三日月たちも発進する。
◇◇◇◇◇◇
「これ全部首落とせばいいの?」
『そうだな、俺は潰すことにするぜ』
『お前ら言うようになったじゃねぇか!俺の流星号の初陣にピッタリだぜ!まあちょっと数が多いけどな!』
「そう?じゃあ俺が先駆け行くね」
そういうが早いが、バルバトスはすさまじい加速で先に出た五機のモビルスーツを振り切り、上段から振り下ろした太刀で首からコクピットまでを一気に袈裟にした。続いて、昭弘の乗ったガンダムグシオンリベイクが加速しながら、四本の腕で構えた銃でバルバトス近くのモビルスーツの動きを止め、流星号(グレイズ)がアックスを構えて突撃しコクピットへ一撃を叩き込む。たまらずモビルスーツが引いて戦線の穴が広がったところへ、イサリビが突貫する。
今回の戦いで特筆すべきことは、やはりバルバトスの暴れっぷりだろう。以前よりも格段に速くなっている。それは阿頼耶識インターフェースの改良とバルバトスのオーバーホールの相乗効果だった。次々にグレイズの首を落とし、コクピットをひしゃげさせていく。
だが、一機のシュバルベ・グレイズが三日月の一太刀を止めた。接触回線で声が響く。
『これが・・・お前たちと同じ力・・・阿頼耶識システムか・・・』
「お前、あの時決闘に来た奴の仲間か?」
だが、声は答えずに背中を返し、退却していった。
「変なの・・・あ、オルガ・・・うん、イサリビに戻るね」
攻撃を受け止めたにも関わらず退却したシュバルベ・グレイズを見て、ギャラルホルンの兵士には恐怖心が芽生えた。一方的な虐殺のはずだったのに、今はこうして相手を猟奇的に潰し続ける敵に相対している。次から次へと恐怖はLCS回線を通して伝搬し、遂には外へ大きな穴が開いた。
『良くやってくれた・・・ミカ。あんたらも、ありがとうな』
撤退するドルトの作業用モビルスーツに礼を言ったオルガを映して、通信は切れた。
◇◇◇◇◇◇
この度の事件は、ギャラルホルンの統治時代に入ってから最大の武装蜂起事件となった。ドルトの労働者たちは蜂起したその九割が死亡し、残りもほぼ全員が取り調べの後死刑となった。しかし、ドルトコロニーはこのような大規模な反乱がおこるような労働環境に国際的に非難が集まり、大幅な雇用規約の見直しが行われた。
「以上が、この事件の概要だ。ガエリオ」
「そうか。それで、アインの調子は?」
「見合いをしないとアルミリアに言われているとは思ったが、ガエリオ、お前まさかそういう・・・」
「ちがう!単純にあんな実験に参加させたことの拒否感からだ」
「我らが英雄、アグニカ・カイエルの真実を聞いてもか?」
「それでも、俺たちは今の人間だ。お前ほど合理的にはなれん」
「まあ、そういうところもお前らしい」
「ああ。やっと目を見るようになったじゃないかマクギリス・・・ファリド公の方がよかったか?」
「分かって言っているだろう?・・・隠し事は無しだ」
「ああ。全てはギャラルホルンの変革のために・・・な」
スキル:狂奔
ランク:EX
人々を戦へ走らせる戦国大名の才覚。兵士を戦争に浸らせ、凄まじいまでの士気を発揮させるが全員に狂化状態が付与され、スキルの持ち主の戦闘指示以外では意思疎通が出来なくなる。カリスマを持つ相手の軍勢に対する時兵士のステータスが上昇する。
ガエリオのギャラルホルン改革計画・ホワイトバージョン
今明かせる変更点
・計画の内容を開示したうえでアインに阿頼耶識手術を実験的に施している(首にコネクタ型)
・ガエリオが味方
鉄華団の前に現れた謎の男
CV:櫻井さん