鉄血の薩摩兵子 <参番組に英才教育> 作:MS-Type-GUNDAM_Frame
今週は数行しか出てませんが。
基地のふもとで、二人の男が対峙している。
「うぉぉぉぉぉ!」
非常に体格の良い男、いわゆるガチムチ、もっと言えば昭弘が、裂帛の気合を込めてパイプを振り下ろす。
だが、対峙する赤染の男、島津豊久に軽くいなされる。
「腰の入っちょらん!腕ば絞めい!」
「ぐがぁ!」
軽く攻撃をいなされた昭弘は、返す刀で打ち込まれた一の太刀を受け止めることができず、打ち倒されてしまう。
「次!三日月!
「・・・行くよ」
三日月は、小柄な体躯を活かして下から滑り込むように懐へ入る。
だが、豊久は難なく迎撃する。
「狙いは良か!じゃっどん、まだ太刀筋の甘か!」
三日月も、同様に豊久に打ち倒されてしまう。
頭をふらふらさせながら立ち上がった昭弘が、豊久に頭を下げる。
「明日は仕事なんでな・・・この辺にしとく。恩に着るぜ・・・」
「うむ、続きはまたじゃ」
続いて、三日月も立ち上がる。
「俺ももう上がるよ・・・」
「おう」
基地の上部へふらふらと登りながら、昭弘に三日月が話しかけた。
「また一緒に仕事だな」
「ああ?仕事なんだからあたりめぇだろ」
「ああ、当たり前だな」
昭弘は何を言っているんだという顔をしているが、三日月は笑っていた。
その後、二人はシャワーを浴びることなく寝床に着き、泥のように眠った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日。
「まず低軌道ステーションまで上がり案内役の船を待ちます。その後静止軌道上でうちの船に乗り換え地球に向かいます」
元マルバの執務室では、オルガとビスケットがクーデリアたちにプランの説明をしている。
「案内役というのは?」
「通常地球への航路は全てギャラルホルンの管理下にあります。けど今回の積み荷はそのギャラルホルンに狙われているクーデリアさんなので、それら全てに引っ掛からないいわゆる裏ルートを行く必要があるんですが航路は複雑で俺たちも地球への旅は初めてです」
説明をオルガが引き継ぐ。
「そのうえこの裏ルートには民間業者間の縄張りってもんもある」
ここで、今まで黙っていたトドが口を開く。
「案内役なら安心と実績のオルクス商会がいちばんだ。会長のオルクスさんとは昔なじみだからな俺はいつでも連絡取れるぜ」
だが、ユージンは疑いの目を向ける。
「なあ。こんなヤツほんとに信用すんのか?」
トドは、提案が断られそうだと見るや少し焦って反論する。
「あっひでぇな君!仲間だろ仲間!」
だが、オルガは片目を閉じてトドを見て言う。
「な~に下手打ちゃどうなるか嫌ってほど分かってるさ。なあ?トド」
「うっ・・・おっしゃるとおりで団長さん」
トドは汗びっしょりで怪しいことこの上ないが、ゴマをすっているトドは一瞬オルガとビスケットがアイコンタクトを取ったことに気づけなかった。
「船はあるのですね?」
諍いは終わったと判断したのか、フミタンが質問を投げかける。
この質問には、慌てて振り返ったビスケットが対応した。
「方舟にCGSの船があります。この船を使うには正式に鉄華団のものにしないといけないんですけど・・・」
CGSの船、ウィル・オー・ザ・ウィスプをいかに運用するかという話を進めているオルガたちを、トドはたくらみが上手くいったと笑いながら見ていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一方、ギャラルホルン火星支部のオフィスでは、マクギリスとガエリオが部下たちが書類の整理を進める傍らで話をしていた。
「時間稼ぎのつもりだったんだろうがコーラルのヤツ驚くだろうな」
噂をすれば、ということか、ちょうど話題に上がったその時に監査対象のコーラル火星支部長が現れた。
「朝からご苦労だなファリド特務三佐。ボードウィン特務三佐。
作業の方はどうかね?いや~すまんねぇこちらの不手際でデータの整理がまるで間に合わず。
あれでは目を通すのもひと苦労だろう?」
だが、マクギリスの回答にコーラルの表情が凍り付く。
「いえ。お預かりしていた資料の精査はほぼ終了しました。監査の結果ももうじきご報告できるでしょう」
心なしか悪い顔をしているように見えるマクギリスに、ガエリオは笑いをこらえるのに必死だった。
「ところで一個中隊が出動したまま帰投していないようなのですが」
「ああ~それなら暴動の鎮圧に出ていてな」
ガエリオから見れば明らかに狼狽しているのだが、マクギリスはさらに踏み込んで質問する。
「暴動?独立運動ですか?」
「所詮は市民のガス抜きにすぎんがね。このところ多くて難儀している」
「地球でも噂は聞いていましたが鎮圧に中隊規模の戦力が必要とは・・・ご苦労お察しいたします」
「あ、ああ。では執務があるのでな、これで失礼する・・・
ところで、何か不便はないかな?滞在中何か入用なものがあれば・・・まあ些細だが何かの足しにでも」
明らかにマクギリスにすり寄ってきているが、マクギリスは決然とした面持ちで拒否する。
「それを出せばあなたを拘束しなければならなくなります。ご自重くださいコーラル・コンラッド本部長」
「そ、そうか、ではまた後程・・・」
コーラル支部長は急いで退出していったが、扉を閉めると同時に耐えられなくなったガエリオが盛大に吹き出した。
なお、ギャラルホルンのオフィスの扉は機密保持のため完全防音である。
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オフィスから少し離れた電灯の灯らない廊下で、コーラルは怒りを押さえつけられないのか頭を廊下の壁に打ち付けていた。
「若造どもが!なめおって!これも・・・これもすべてクランクのせいだ!」
正直頭が赤く腫れて威圧感どころか普段の支部長を知る人物なら吹き出しそうな顔をしているが、威圧的な(おそらく本人はそう思っている)顔で愚痴を垂れ流している。
「大体・・・あいつが勝手なことをしてしくじるから。ちっ・・・あの役立たずの愚か者が!」
書類仕事はともかくとして、モビルスーツのパイロットとしてはクランクは比べ物にならないほど有能なのだが、コーラルの頭からは不都合な事実は抹消されている。
「くそ、何か手はないのか・・・このままでは身の破滅だ・・・」
コーラルは、そのままぶつぶつと呟きながら、暗い廊下を抜けて自身の私室に向かっていった。
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昭弘が宇宙港へ書類手続きをしに行っている間に、三日月たちはバルバトスを如何にして宇宙につれていくかについて話をしていた。
「こいつは何百年も前厄祭戦のときの機体ときやがる。新しい分まだあっちの方がましだな。やれるだけのことはやるがよ」
おやっさんは難色を示しているが、三日月は確信は無さそうだが行けそうだという。
グレイズにも、モビルワーカーの阿頼耶識システムを搭載したコクピットを載せることで宇宙で使おうということらしい。
現在売却することができないのだから、正しい判断と言えるだろう。
「昭弘に乗ってもらうんでしょ?」
「ああ、奴さんなんだかんだでNo.2だからな」
いくら操縦性に定評のあるグレイズでも、いきなり乗せるよりは慣れのある阿頼耶識の方が良いだろうということで、バルバトス同様に昭弘のモビルワーカーのコクピットが移植されている。
何より、阿頼耶識で操縦するモビルスーツの強さは、先の戦闘で三日月が実証済みだ。
実は、しばらくはシノも乗りたいと言っていたが、とんでもない塗装案を出した結果おやっさんに撥ねられ、昭弘がグレイズに乗ることとなった。
「この金が無い時に何言ってやがるんだ。一番安いナノラミネートは白だぞ」
とはおやっさんの談である。
最終的に、宇宙服を着ればということでバルバトスとグレイズは宇宙へ持っていかれることとなった。
あんまりおトヨが出ませんでした。
個人的には敵艦に突入するときに大暴れすると思っています。
来週も(可能なら)同じ時間