鉄血の薩摩兵子 <参番組に英才教育>   作:MS-Type-GUNDAM_Frame

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面接が終わったのに終わってなかった
何を言ってるかわからねぇと思うが俺にもわからねぇ
ただテスト前だとか勉強したくないだとかそんなチャチなもんじゃねぇ
もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ・・・


収穫

「昼飯食ったら出かけるんだけどよかったらあんたも来ないか?」

 

昼食で難しい顔をしていたクーデリアに、三日月が声をかけた。

 

「おぅ、三日月。なんば話しよる?」

「クーデリアを()()に誘おうと思って」

()()か」

「うん、()()

 

誘われた当のクーデリアは目を点にして、顔で何を話しているか解らないと全力で訴えているが、三日月にはマイペースゆえに伝わらなかったようだ。

 

「まあ、とりあえず来なよ」

「うむ、(おい)も行こう」

 

結局クーデリアは半ば強引に拉致された。(※フミタンも一緒)

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

一方、三日月たちの目的地から少し離れたところでは、コーラル指令に監査結果を伝えた(嫌がらせを終えた)マクギリスたちが、荒野を見渡していた。

ガエリオはなぜこんなところに連れてこられたのか伝えられていないようで、疑問を口にする。

 

「まさに不毛の大地だな。しかしなぜこんな所に?」

「クーデリア・藍那・バーンスタインが行方をくらましている」

 

疑問の答えになっているのか判断がつかないガエリオが、先を促す。

 

「クーデリア?資料にあった「ノアキスの七月会議」のか?」

「ああ。実は地球を出る際彼女がアーブラウ政府と独自に交渉しているとの情報を耳にした」

 

貴族の頂点、セブンスターズの嫡子であるだけに世情に詳しいガエリオは、思わず目を丸くして反論してしまう。

 

「はあ?まさか圏外圏の人間が地球経済圏の一つと直接交渉を持つなどあるはずが」

 

だが、取り合っているのかいないのか、マクギリスは更に話を進める。

 

「ここで数日前戦闘が行われたという情報があってな。そしてその前日クーデリアの父ノーマン・バーンスタインはコーラルのもとを訪れている」

 

頭脳明晰なガエリオは、ここまでの情報を開示され真実の一端をつかんだ。

 

「コーラルが彼女を狙ったってことか。そうか・・・あの行方不明の一個中隊はここで」

「・・・ふっ。よし、ガエリオ、今度は少々あちらの方へ向かわせてもらうぞ」

「帰りながら事情聴取か?」

「まあそんなところだ」

 

二人はくすくすと笑うと、四輪駆動車へ再び乗り込んだ。

 

「しかし、いつも思うんだがそのお菓子はなんだ?」

「私の趣味さ。いざという時があるかもしれないと、いつも持ち歩いてしまう。」

 

理解しかねるといった顔でガエリオは運転に意識を戻した。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「あの・・・ここは?」

「桜ちゃんの畑」

 

三日月の答えになっていない答えに、ビスケットが苦笑いしながら補足を加える。

 

「うちのばあちゃんです」

 

すると、三日月たちが来たのと逆の方向から、三人走ってきた。

 

「みかづきー」

「「おにいちゃーん」」

 

うちアトラはクーデリアに少々不穏な目を向けていたが、双子はクーデリアにたたっと走り寄って近づいてくる。

 

「あー、クーデリアだー」「お野菜切れるようになった?」「なったなったー?」

「えっ、ええ、その・・・」

 

歯切れの悪いクーデリアを捨ておいて、三日月はビスケットのおばあちゃんと話を進める。

 

「桜ちゃん」

「んじゃ始めるよ。準備しな」

 

すこしして、三日月がコンバインを操縦し、トウモロコシを収穫し始めた。

ビスケットやその双子の妹、アトラやクーデリアは、籠にトウモロコシを拾っていく。

一通り収穫が終わった畑で、アトラが三日月に声をかける。

 

「クーデリアさんも連れてきたんだ?」

「?」

 

少しむくれた声を出しているのだが、三日月は気づかない。

しかし、アトラが三日月の左手に巻かれたミサンガに気づいた。

 

「あっ、それ」

「ああ。アトラが作ってくれたんでしょ?」

「うん。それお守りなの。私とおそろいで・・・」

 

先ほどとは一転、顔を赤くして俯くアトラに、三日月が笑いかける。

 

「うん。ありがとうアトラ」

 

アトラは照れて動けなくなってしまったが、三日月が首を傾げたところで我に返って作業に戻った。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「調査なんかやめてさっさとコーラルを尋問すればいい」

「しらを切られるだけさ。確かな証拠をつかまないとな」

 

車内で二人は今後の予定を話し合う。

 

「ところで今夜妹に連絡をするんだが一緒にどうだ?」

「アルミリアに?」

「お前に会えないとうるさくて仕方なくてな」

 

心なしか、いかにも煩わしいといった口調のガエリオは顔が綻んでいる。

 

「しかし親同士が決めたとはいえ許嫁が9つとはまったく・・・苦労をかけるなぁ」

「構わない。親友の妹だ」

「無理するなよ」

「無理なんてしてないさ。お義兄様」

 

車があわや横転しかけるが、マクギリスの見事な助手席からのハンドルさばきで事なきを得た。

 

「やめろ急に!」

「ふっ、動揺しすぎだろう」

「普段でもやめてくれ。鳥肌が立ちそうだ」

 

車は、着実に農園に近づいていた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

一方の農園では、クーデリアが必死にトウモロコシを茎から引き抜こうとしていた。

しかし、必死になりすぎたせいでバランスを崩してしまう。

 

「あっ・・・」

 

しかし、丁度いいタイミングで三日月が手をつかんで止める。

 

「大丈夫?」

「す、すみません・・・・その・・・あ、ありが・・・」

 

クーデリアはお礼を言おうとしたのだが、あまりにも晴れ晴れとした顔で風を全身で感じている三日月を見て、思わず声が止まってしまう。

気を取り直して、もう一度声をかけなおす。

 

「いい所ですね。汗を流して大地に触れていると頭が空っぽになってなんだかすっきりします」

「そりゃよかった」

「あっ・・・あの、もしかしてそれで私を?」

 

だが、三日月は畑のまだ収穫の終わっていない部分を見て唐突に切り出した。

 

「そのトウモロコシ、いくらだと思う?」

「一本ですか?200ギャラーくらい?」

「10キロで50ギャラー。

この辺は全部バイオ燃料の原料として買いたたかれるからね。桜ちゃんもビスケットの給料がなきゃやっていくのは厳しいんだ。

他の連中も似たり寄ったり。家族や兄弟を食わせるため、借金を返すため、食っていくために体を張って働いている」

「はぁ・・・」

 

クーデリアにとっては、初めて現実的に見ることが出来た具体的な貧困の象徴のような数字だが、クーデリアには却って実感が乏しかった。

それを知ってか知らずか、三日月は話を続ける。

 

「ヒューマンデブリって、知ってる?」

「ええ、その・・・お金でやり取りされる人たちですよね?」

「クソみたいな値段でね。

昭弘って・・・あー・・・ガチムチなヤツがいたろ?

あいつとあいつの周りにたむろってる連中がそれ。あいつらは自由になってもまともな仕事にありつけない。

まあ俺たちも似たようなもんだけど。

あんたのおかげで俺たちは首の皮一枚つながったんだ。

本当にありがとう」

 

三日月は、自身が知る最高の礼として頭を下げるが、クーデリアは複雑そうな顔をしている。

 

余談だが、CGSや火星の将来について話している二人は実に楽しそうで、クーデリアが手をつかまれた直後など、夫婦にすら見えた。

そして、それを看過できない者が遠く背後に顔を膨らませて見ている。

 

「大変だねアトラ」「三日月取られちゃうね」「取っちゃう取られちゃうー」

「二人とも、おばあちゃん呼んできてくれる?」

「「はーい!」」

 

話を終え、並んでトウモロコシの収穫を進める二人を悲しそうな、悔しそうな顔で見ていたアトラだったが、急ブレーキの音にその場にいた全員が音の方向に振り向いた。

 

「お・・・おい、お前たち大丈夫・・・」

 

倒れた双子に急いで車から降り、声をかけようとしたガエリオだったが、いきなり首を絞められ、車に体を押し付けられる。

更に、カタナを抜刀した豊久までもが駆け込んでくる。

 

「ちょっ・・・お前・・・何を・・・」

 

三日月はガエリオに取り合わず更に首を絞めるが、意識を取り戻したクッキーとクラッカーが必死に三日月を止めようとする。

更に、カタナを構えた豊久がガエリオに近づいていく。

 

「三日月!ち・・・違う!違うの三日月!」

「ようもやってくれたのう・・・」

 

だが、豊久共々全く止まる気配がない。

 

「た・・・助け・・・」

 

あわやガエリオの息の根が止まるかというところで、ビスケットのおばあちゃんが二人の頭を小突いて止めた。

 

「いいかげんにしないかこの慌て者共」

 

さらに、二人を鎮めようと双子が続ける。

 

「私たちが飛び出しちゃって・・・」

「あの車がよけてくれたの」

 

加えて、狙いすましたかのようなタイミングで車内からマクギリスが出てくる。

 

「こちらも不注意だった。謝罪しよう」

 

そしてようやくビスケットが到着するが、ビスケットは車に描かれている紋章を見て表情を引き締める。

続いて気が付いたフミタンが、クーデリアをトウモロコシ畑に隠す。

 

そんな周りを差し置いて、ビスケットのおばあちゃんは二人に説教をかましている。

 

「カッとなるとすぐこれだ。気をつけな」

「ごめん桜ちゃん」

「すまん」

「謝る相手が違うだろ。まったく・・・」

 

説教されて、二人はようやく持ち直したガエリオに謝罪する。

 

「あの・・・すいませんでした」

「すまんのう・・・」

 

だが、理不尽にさらされたガエリオはマクギリスほど大人の対応が取れない。

 

「何がすいませんだ!」

「ガエリオ!」

 

マクギリスが思わず止めようとするが、ガエリオは三日月に殴りかかった。

しかし、三日月は華麗に紙一重で躱し、腕をつかんで地に抑えつけた。

 

「すまない・・・彼を離してやってくれないか」

 

落ち着いた声で話しかけられた三日月は、素直に手を離す。

立ち上がったマクギリスは、三日月に憎々しげな目を向けながら話しかける。

 

「おい!貴様のその背中のは何だ!」

 

だが、三日月ではなくマクギリスがガエリオの疑問に答えた。

 

「「阿頼耶識システム」。人の体に埋め込むタイプの有機デバイスシステムだったか。いまだに使われていると聞いたことはあったが」

 

その回答を聞いたと途端に、ガエリオは顔色を真っ青にして車の後ろに回り込んだ。

体に、や、異物などという単語が聞こえてくるが、音から察するに吐いているようだ。

 

そんなガエリオを困ったように笑って見ながら、マクギリスは先ほど冷蔵機能付きのダッシュボードから取り出した物を双子へ渡す。

 

「怖い思いをさせてすまなかったね。こんなものしかないがお詫びのしるしに受け取ってもらえないだろうか」

「ありがとう!」「ございます!」

 

チョコレートは、火星では非常に高価なため、クッキーとクラッカーははじけるような笑顔で喜んでいる。

 

「念のため医者に診せるといい。何かあればギャラルホルン火星支部まで連絡をくれたまえ。私の名はマクギリス・ファリドだ」

 

更に、マクギリスは事情聴取まで住ませてしまおうと質問を付け加える。

 

「この付近で最近戦闘があったようなのだが何か気付いたことはないか?」

 

その質問には、ビスケットが片目で三日月に目配せをしながら答える。

 

「そういえば2~3日前ドンパチやってる音が聞こえたような・・・

けど近くに民兵の組織があるからそこの訓練かなって・・・ねっ?」

 

ちゃんと目配せに気が付いた三日月は、うん、と返事を返す。

 

「なるほど。ご協力感謝する」

 

しかし、質問が続く。

 

「君。見事な動きだったな。何かトレーニングを?」

「うん。そこのおトヨにいろいろ習ってるんだ」

 

その回答に、マクギリスは笑みを深くして笑いかける。

 

「そうか。素晴らしい戦士になるな」

 

では、何かあれば連絡をと言い残して、ガエリオの背中をさすりながら車に乗せ、そのまま走り去っていった。

 

「あいつらこの間の戦闘のこと知らないみたいだった」

「うん。いろいろあるってことかもね。ギャラルホルンも」

 

一方、マクギリスは、ガエリオに代わって運転しながら、嬉しそうに今日の成果について告げる。

 

「喜べガエリオ。決定的な証拠を見つけたかもしれんぞ」

「なあマクギリス。もしかしてダッシュボードのチョコレートって」

「それこそまさかだ、ガエリオ。

それはさておき、証拠の話だが・・・農場にいた男の証言どおりあの近くにはCGSという民兵組織が存在していたよ。

経営者が替わり社名も変更になっている。新しい名前は鉄華団。消したかったのは名前だけかそれとも・・・」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

基地へと帰ってきた三日月たちに、タカキが嬉しそうに声をかける。

 

「あっ、三日月さんあれ見てください!」

 

更に、オルガも自慢げに胸を張っている。

 

「これが鉄華団のマーク」

 

加えて、ライドも自慢げに胸を張っている。

 

「団長に頼まれて俺が考えたんだぜ」

「上手いもんだなぁ。魚か?」

「華だよ華!」

 

そんなやり取りをよそに、オルガは三日月にマークをよく見せようとする。

 

「なかなかいいだろ?」

「うん」

「ミカ。これを俺らで守っていくんだ」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

お披露目が終わり、自室へ引き上げていく三日月にクーデリアが声をかける。

 

「あの、豊久さんが着いてきたのって・・・」

「うん。今日のトウモロコシの交渉のためだよ。おトヨがいるといつもより高く買わせられるからね」

「そうですか・・・」

「それに、一応穀物の流通とかの勉強したことあるんだって」

「そうなんですか!?」

 

クーデリアにとっては謎が一つ増えた日でもあった。




マクギリスはチョコレートを常備するために車を改造済みです。

マジレスすると多分幼女は好きだったとしても手は出さないでしょう。
過去の体験的に。
むしろ本心から幸せになってほしいとさえ思っているはず。

そして交渉役豊久。
おトヨのおかげで売り上げが約3倍になります。
赤だけに。
一応武将だから領地経営の基礎くらいは知ってる・・・よね?
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