人類最後のマスターと劣等生(更新停止中)   作:レアシイ

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2話

「ここが第一高校かぁ」

 

藤丸は大きな正門の前に立ち今日から通う高校を眺めていた、しかしその表情は期待に満ちた物ではなく

 

「早く来すぎた……」

 

朝食の時にわざと早い時間を伝えたエミヤ(オカン)へのイライラだった。そしてその原因は藤丸の手の中にあった。コミューター(個室の電車のようなもの)で学校に向かう途中彼は時計に気づき予定より早い時間に学校に着くことに気づいたのだ。そしてポケットには

 

『マスターへ、君がこの手紙を読んでいる頃には既に学校に向かっている途中だろう。だが君の事だのんびり準備をしているに決まっているので少々早く家を出て貰うことにした。でなければ君は家で遅刻するーと騒ぐことになるだろうからね。そもそも高校は中学校と違い義務教育では無いのだ遅刻が過ぎれば退学も有り得る、君はその辺りをもう少し自覚して──────』(この後いかに高校生活が自分の将来の為に大事か手紙に長々と書かれている)

 

(俺は子供じゃないっての!)

 

思春期の藤丸としては有難いが自分で出来ると証明したかった

 

(まぁ良いか、取り敢えず場所をチェックしてと……)

 

出来れば入学式がある講堂の近くで時間を潰したかった、変に迷っても困るし

 

「あの子二科生なのにこんなに早く来て…」

 

「どうせ補欠なのに何故」

 

周りから嘲りとも憐憫ともとれる声が聞こえる。第一高校は成績優秀者を一科生、成績が下の生徒を二科生としている一科生には制服の胸に八花弁のエンブレムがあるが藤丸には無かった。だが藤丸はそんな事は気にしない何故なら普段から自分より何万倍も上の人物達からありとあらゆる事を学んでいるのだ今更陰口如きではそのメンタルに傷をつけることは出来ない

 

「やっと見つけた…」

 

校内をマップ通りに歩いたが敷地が中々広く辿り着くのに一苦労だった。この辺りで時間を潰したいがベンチは一つしか無い上そのベンチには先客がいた、胸にエンブレムが無く自分と同じ二科生だと分かる

 

「すいません、ここ座ってもいいですか?」

 

ぶっちゃけこれ以上歩きたくない藤丸はその二科生の男子に話しかけた

 

「ああ、構わない」

 

そう言うとその男子生徒は隣を少し開けてくれた

 

「ありがとうございます」

 

藤丸はそこに座り端末型のディスプレイで電子書籍を読む、今読んでいるのはギリシャ神話だ家にいるサーヴァントではヘラクレスやメディア、メドゥーサの出身の物語だ

 

「それは、ギリシャ神話か?」

 

暫く読んでいると横から声を掛けられた、顔を上げると隣にいた男子生徒がこちらを見ていた

 

「ええそうですけど、どうかしました?」

 

「いや、中々珍しい物を読んでいるなと思ってな」

 

今の時代神話の様な昔の魔術や怪物は全て魔法による物だと解明された。それをわざわざ読むのはせいぜい古式魔法を研究している物好きな学者位だろう

 

「それと敬語は要らないぞ、俺は一年生だ」

 

「あ、そうだったんだ。じゃあ同じクラスになるかもね、俺は藤丸立香、立香って呼んでくれ」

 

「俺は司波達也だ。達也って呼んでくれ」

 

「よろしく、達也」

 

「ああ、よろしく立香」

 

その後達也とは色々話した。達也は昔の魔術には懐疑的だった。俺は魔法では無い別の力はあると言っていたが信じてはいないだろう。達也の読んでいた本を見せてもらったが何かの論文らしく何が書いてあるのかチンプンカンプンだった

 

「あなたが、司波達也君?」

 

二人共本を読むのを再開していると達也が女の人に声を掛けられていた。まぁ俺には関係無さそうなので放っておく今いい所なのだ。

 

「達也、さっきの人知り合い?」

 

「いや、初対面だ、だがこの学校の生徒会長らしい、名前は七草真由美(さえぐさまゆみ)

 

「へー、達也って有名人なんだね」

 

「別にそんなつもりは無いんだけどな、後そろそろ時間だ入っておくとしよう」

 

「そうだね」

 

立ち上がって講堂に向かう、本がいい所だったけど……先生の話とかつまんなかったらこっそり読めばいいや

 

「うわぁ」

 

「これはまた………」

 

講堂に入った藤丸と達也が見たのは二科生と一科生がくっきり分かれ座っている様子だった。しかも二科生が後ろ

高校では二科生が後ろとは決められてはいないが……

 

(真に差別意識が強いのは差別されてる方か……)

 

会って間もない二人だが考えてる事は同じだった

 

「ここ、空いてますか?」

 

余計な波風は立てる必要は無いので後ろの方に座ると達也の隣に女の子がきた、さっきからやたら女の子が集まってくるな…

 

「ああ、空いてるぞ」

 

「そうですかありがとうございます、皆ーここ空いてるって!」

 

そう言うと三人の女の子が出てきて横に座った

 

「君達中学校からの知り合いなの?」

 

達也がなんとなく居心地悪そうにしてたので話題を振ってみる

 

「いえ、さっきそこであったばかりなんです。私講堂の場所が分からなくて掲示板の前で困ってたら皆が声を掛けてくれて…」

 

「まあ、私達も場所分からなかったから聞こうと思って話しかけたんだけどねー」

 

「端末を使えば場所は分かるんじゃないのか?」

 

そう言う達也の顔にはせめてそれ位は覚えといた方が……という考えが滲み出ていた。うん、俺も思った

 

「私は家に忘れて来ちゃった」

 

「仮想型の端末は禁止って書いてありましたから……」

 

「そ、そうなんだ」

 

家に忘れてくるってどうよ?

 

「あ、そう言えば自己紹介してなかったね。私は千葉エリカ。エリカって読んでね」

 

「私は柴田美月って言います!よろしくお願いします!」

 

エリカの方は気楽に柴田さんの方はやや緊張気味に名前を言った。同じクラスになったと決まったわけでは無いのだが………

 

「俺は司波達也だ、よろしく」

 

「俺は藤丸立香、立香って呼んでくれ」

 

「達也に立香ね、よろしく!」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

なんかお見合いみたいになったなと思っているとブザーが鳴ったどうやら入学式が始まる様だ

 

 

 

 

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