インフィニット・ストラトス~鉄と榴弾~   作:3×41

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第一話 蒼の翼

IS学園都市 ICBIビル内

 

 

 

IS学園に併設されたIS学園都市にはIS研究を主とした企業がひしめきビル群を天まで群生させている。

そのIS学園都市の武装警備団体、ICBIの高層ビルの一室で男が一人PCに向かっていた。

 

キーボードをカタカタ打って、しばらくしてコーヒーをすする。

冷めてぬるくなったコーヒーのにがみが舌の上で転がる。

男はふと顔を上げて時計を見た。

 

「19時か、今日は徹夜だな」

 

男の名前はジョン=ワトラン。

AS(アーマードスーツ)機動部隊に所属している。

アーマードスーツとはIS理論を民間転用することで開発されたパワードスーツである。

多少かさばるが人間の体をすべて包み、その装甲を貫くことは用意ではない。

ジョン=ワトランが所属するAS機動1課はASによりIS学園都市で起こる凶悪犯罪に対処していた。

もっとも、ASが必要になるほどの犯罪行為が起こることはごくまれであったのだが。

 

ビー!ビー!ビー!

 

AS機動1課の事務室に警報が響く。

出動の合図である。IS学園都市においてASを必要とする事件が発生したのだろう。

ワトランは急いで立ち上がり、ICBIビルのAS格納ドッグに走った。

 

 

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IS学園都市 グレンス社

 

ISの研究開発の大手社であるグレンス社。その巨大なビルの前に一台のトレーラーが止まった。

 

(なんだあのトレーラーは?)

 

グレンス社の警備員が、そのトレーラーを見ていぶかしんだ。

大きなコンテナを積んでいる。おそらくIS関連の機器を運搬しているのだろう。

 

しかしなぜグレンス社の前で停止したのか?グレンス社へ入ろうとするわけでもないし、故障だろうか。

それならば早く修理してもらわねば、グレンス社への機材の搬入に支障をきたす。

 

警備員が巨大なトレーラーに歩みよると、そのトレーラーのコンテナがひらいた。

 

警備員が運転席に向かって叫ぶ。

 

「あのー!こまりますよ!こちらに停車されますとグレンス社の機材の搬入に支障が出ますので、速やかにどかせてください!」

 

ガシン、ガシンと音が聞こえる。

警備員が音がするコンテナのほうを見ると。

コンテナから全長2Mすこしのアームスーツが3機出てきた。

 

(これはラインポード社の無人アーマードスーツの試作機)

 

警備員がそう考えていると。警備員の3M前方の無人アーマードスーツが警備員に機関銃を搭載した右腕を掲げた。

 

ダダダダダダダダダ!!!

 

轟音とともに吐き出されたライフル弾が警備員の体に突き刺さり、警備員の体を細切れにちぎれとばす。

 

 

同時にグレンス社の警備室からマシンガンで武装した警備員が6人飛び出してきた。

 

3機の無人アーマードスーツがそちらを向く。

 

警備員がマシンガンをアーマードスーツに掃射する。

 

ガンガンガンガンとアーマードスーツの装甲に着弾する。しかし装甲を傷つけることなくすべて弾き飛ばす。

 

3機のアーマードスーツが警備員たちに向けて機関銃を装備した両腕を向けた。

 

計6つの腕の機関銃から吐き出された大口径のライフル弾が雨のように6人の警備員に掃射され、

すべての警備員の体を肉片にすると、さらにコンテナから有人アームスーツが2機出てくる。

「各員、グレンスの研究区画へ向かえ!」

男が指示をすると、それぞれ一斉にグレンス社に向かった。

 

 

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ICBIビル内AS格納ドッグ

 

「来たかワトラン、すぐにアーマードスーツを装着のち格納者に搭乗しろ」

 

ワトランがAS格納ドッグに入ると、すぐイザナギ三千子が命じた。

三千子はAS機動一課の課長でワトランと同じAS乗りである。

以前は中東で傭兵をしていたらしいが、その腕を買われてICBIにスカウトされたそうだ。

ワトランも腕のよいAS乗りだったがそれでも三千子のAS技術には到底及ばなかった。

 

ワトランは格納ドッグの壁面に設置された3M弱のアーマードスーツに駆け寄ると、

搭乗ボタンを操作する。

アーマードスーツの前部がブシューと音を立てて開きワトランが搭乗すると、

またハッチが閉じ、各種電子兵装を立ち上げ始める。

 

三千子が声を張り上げる。

 

「われわれはAS格納車でグレンス社に向かう、既にAS機動2課のAS二機が空中輸送でグレンス社上空に向かっている、

テロリストは研究棟の研究機材の強奪を目的としている模様、グレンス社の上と下からテロリストを押さえるぞ!」

 

 

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グレンス社上空

 

 

アーマードスーツを二機搭載した航空機がグレンス社上空を飛行していた。

陸上ではAS機動1課が向かっているらしい。

先にグレンス社屋上からグレンス社に侵入し、テロリストを排除しつつ、研究機材を守る。そういう任務だ。

そのとき、航空機が激しく揺れた。ついで警報。

 

「どうした!?何が起こった!?」

 

AS内から叫ぶ。

通信が返ってくる。

 

「狙撃だ!どこかから榴弾狙撃されている!」

 

AS内の男は驚いた。ただの企業テロではなく、狙撃手まで配置しているとは何という念の入りようだ。

 

「緊急事態だ!当機は不時着する!!」

 

通信が入ったとき、空のはるかかなたから、榴弾が航空機に着弾し、

航空機が傾くと、ついで爆発、さらに航空機全体が爆発し、赤い爆炎を撒き散らしながら大破した。

 

 

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AS輸送車内

 

ASを装着していたイザナギ三千子が通信する。

 

「上空のAS機動二課がやられた。分析官によると航空機が榴弾ライフルで狙撃されたそうだ。テロリストは周辺に二名以上の狙撃手を配置している模様。

各員狙撃に十分に注意しろ。志向性の榴弾を食らえばさすがにASの装甲も持たんぞ!!」

 

狙撃手だと?それはずいぶんと手の込んだことだ。おそらく狙撃手は電磁迷彩はほどこしているだろう。レーダーで発見することは困難だ。

三千子が続ける。

 

「テロリストの狙いはグレンスの研究機材だ。グレンスはIS第三世代機の研究も行っている。これが他国にもれれば世界のパワーバランスが崩れることになる。

各員それを肝に銘じてテロリストの殲滅、機材の防衛を果たせ!!」

 

 

AS輸送車がグレンス社前に到着すると。

格納庫から4機のASが飛びだして。

それぞれグレンス社に走る。

 

グレンス社前の広い庭からグレンス社内部に走っていく。

すると、グレンス社の5階あたりから何かが高速で飛び出した。

 

「何だ!?各員散開しろ!!」

三千子が叫ぶ。

四機のASが散開すると、ASが散開した場所に、巨大な黒い影が落下した。

 

ワトランがそれを確認すると、それは無人アーマードスーツだと分かった。

「あれは、ラインポードの無人ASじゃないか。まさか強奪されたのか?」

 

そのとき無人ASが前方のASに何かを投擲した。

 

ASにヒートトマホークが衝突し、赤熱した刃がASの分厚い装甲を貫いた。

ASはそのまま崩れ落ちた。

「近衛!!」

 

ワトランが無人ASに両腕の機関銃を掃射する。

 

無人ASは機関銃を受けながら両腕を掲げ、

3機のASに機関銃を掃射した。

 

「総員!!トライアングルに囲め!!打ち負けるな!!」

 

無人ASは人間を搭載するスペースが必要ないので、その分装甲が分厚い。

しかしこの無人ASを放置して進めば、前後の敵をあいてにしなければならない。

 

無人ASが吉沢が搭乗したASに機関銃を集中する。

豪雨のようなライフル弾が吉沢のASの装甲に突き刺さる。

 

そのとき、三千子のASがオーバードブーストを起動。

ASの背部のブースターからバーニアを吹き上げ、

三千子のASが高速で疾走し無人ASに突進する。

 

ワトランがそれを見て機関銃の掃射をやめる。

 

三千子は無人ASに突進したあとすぐさまサブミッションに切り替え、

無人ASの間接を極めにかかった。無人ASの腕部に両腕と足をからめ、折りにかかる。

 

すると無人ASは腕の人工筋肉をうならせ、

三千子をASごと空中に投げ飛ばした。

 

三千子のASが10M上空に打ち上げられ、空中で滞空して弧を描いて地面に落下した。

 

「課長!」ワトランが通信を入れる。

 

三千子のASが何も言わず立ち上がる。

うそだろ。ワトランは思った。いくらASの耐衝撃機能でも10Mから落下してすぐ動けるとは。

 

そのとき、グレンス社から放送がかかった。

 

『あ~、あ~。ただいまマイクのテスト中』

 

放送でう、うんとうなると男の声が続けた。

 

『親愛なるICIBの諸君。こちらはテロリストの首謀者である。動くなよ、悪いが人質をとらせてもらった』

 

無人ASは動きを止めていた。

ワトランがグレンス社のほうに向き直る。

放送が続ける。

『その無人ASを見てもらったかな。われわれがラインポード社から強奪したものなんだが、それと同じものがあと2機こちらにある。

下手に強襲しようなどと思わないことだ』

 

 

放送の向こうで男が小さく笑った。

 

『ハハハ、いいか、そのままゆっくりとグレンス社から退去しろ。なぁにわれわれもあと半日ほどでここを出て行く。君たちをあいてにしてやってもいいが、

無駄な流血はないに越したことはないだろう』

 

 

ワトランは三千子の指示を待った。

 

「やつのいったとおりにしろ。いったん撤退する」三千子から通信が入る。

 

吉沢のASが機能停止した近藤のASを担ぎグレンス社から撤退する。

 

そのとき、はるか遠方から高速で飛来した志向性の榴弾が吉沢のASに突き刺さった。

瞬間に爆音。戦車装甲も貫く榴弾が吉沢のASを粉々に爆散させた。

 

「吉沢!!」三千子が叫ぶ。

 

ついで放送。

 

『はーっはっはっはっ!!いや申し訳ない。狙撃手に狙撃をやめるように言うのを忘れていた』

 

いかれてやがる。ワトランは思った。

吉沢はASは起動不能にされたがすぐに治療すればまだ助かりそうだった。

三千子とワトランで吉沢と近藤をASごとかついで、走って退避した。

 

 

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「くそっ、ふざけてやがる。課長、どうしますか?」

ワトランが三千子にたずねる。

「・・・」

三千子は少し考えていった。

「ワトラン、これからIS学園に向かえ、織斑には私のほうから話をつけておく」

「はい、IS学園、ですか?」とワトランが驚いて言った。

 

 

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IS学園

 

 

IS学園都市からほどなく近くに位置するIS学園。

ここでは世界最強の兵器と謳われるインフィニットストラトス、通称ISの技能を学んでいるらしい。

ワトランはIS学園前につけた黒い車から降りて、IS学園校舎に向かった。

今でもグレンス社内ではテロリストが研究データの抽出を進めているだろう。

 

IS学園に入るとほどなくして一人の女性がワトランを出迎えた。

 

「IS学園にようこそ。私は本学園で教官をつとめております織斑千冬です」

おりむらちふゆと自己紹介したその女性は、女性にしては長身だとワトランは思った。ワトランが175cmなのでだいたい165cmくらいだろうか。

「どうも、ICIB・AS機動一課のジョン=ワトランです」とワトラン。

「前置きはなしにしましょう。話は三千子から聞いています。こちらへどうぞ」

千冬が廊下を案内する。

この織斑という教官とイザナギ課長はどうも知り合いらしかった。

千冬と歩いていると、千冬が一室のドアを開けた。

「こちらへどうぞ。」と千冬。

ワトランが部屋に入ると、室内の広い空間にソファとテーブルが置かれており、

そのソファのひとつに誰かが座っているのがわかった。

(小柄な子だな)

それは小柄な少女で、後ろから金髪であるのがわかった。自分と同じで日本人ではないのだろう。

彼女はソファに座ってティーカップを片手に持って紅茶を飲んでいた。

と、少女がこちらに気づいた。

 

「紹介します。彼女がIS学園のIS搭乗者の一人であるセシリア・オルコットです」

千冬が紹介する。その少女がこちらを振り向くと、青い瞳がのぞいた。

千冬が続ける。

「今回の事件においては彼女に担当させます。オルコット、ミスターワトランに同行して事件解決にあたれ」

「彼女が、ですか?」と戸惑った様子でワトラン。

そのとき金髪碧眼の少女、セシリア・オルコットが口を開いた。

「織斑教官、いったいどういうことですの?わたくし、まだ何の説明もされておりませんが」

「事態が急を要したのだ。概要は車内でミスターワトランに説明を受けろ」

千冬に言われて、セシリアはハァとため息をついた。

「わかりましたわ。明日はせっかくの休日だというのに。それじゃぁワトランさん?参りましょうか。エスコートしてくださいまして?」

 

 

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グレンス社内

 

 

研究棟中核部を占拠したテロリスト達は

研究員を人質にとり研究資材とデータの抽出を行っていた。

ある程度のデータは抽出し終えたが、閉じられた隔壁の向こうにはもっと重要な機材があることだろう。

リーダーの男が研究員の一人に歩み寄って尋ねる。

 

「なぁあんた。この隔壁のパスワードをさ、教えてくれないかな」

 

研究員の男は首を振った。

「む、無理だ。知らないんじゃない。もう隔壁は緊急モードになっていてわれわれでも開けることはできないんだ」

 

男はふーんといって腰からナイフを取り出した。

「そうか、でも本当に開ける方法がないのかなぁ。これでも教える気にならないかい?」

 

男のナイフを持った手が消える。次の瞬間研究員の男の片耳がちぎれとんだ。

次に悲鳴。

「ああああああああっ!!できない!!できないものはできない!!」

耳を押さえてうずくまる。

 

「ちっ、おい!隔壁のクラックにあとどれくらいかかる!?」

「けっこうな電子防壁ですね。あと数時間はかかります」

男に聞かれて別の男が答えた。

言われてリーダーの男は頭をかいた。

まぁいい、この任務を遂行すれば自分は英雄だ。このあとはどこかのリゾート地でいい酒といい女で楽しむとしよう。

「ボス、外部から連絡です」

「どうした」男が促す。

「はい。ICBIが人質の交換を申し出ています。」

男は鼻で笑った。

「フンッ、それでこちらに何のメリットがある」

「どうやらグレンス社が介入しているようで、主任研究員との人質交換を要求しています。変わりに隔壁のロック解除を早めるアルゴリズムを提供するといっています」

ほう、男はいって、人質のほうを向いた。

「おい!この中に主任研究員はいるか!?」

たずねると、耳を切り飛ばされてうめいていた男が言った。

「そ、それは、私だ。」

男は研究員ににじりよって社員証を確認する。

「フン、よかったな。グレンス社はお前の命をどうしても助けたいらしい」

 

 

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グレンス社前

 

テロリストのリーダーが研究員を連れてグレンス社から出てきた。

 

 

グレンス社からの正門からは

二人の女と一人の男が歩いてくる。

 

「やぁやぁ、人質の交換に応じることにしたよ。それで人質はどいつだ?」男が研究員を突き出す。

 

三千子が答える

「人質交換はこちらの二人だ。主任研究員をこちらへ」

 

主任研究員と、一人の男と一人の小柄な少女が交換される。

 

男が小さく笑った。

「そっちの男は、もしかしてICBIのものか?まぁ変な気はおこさんことだ、こちらには重機関銃のASがある」

そして小柄な少女のほうを見た。

「これは小さなおじょうさんだ」

男が続ける。

「それで?隔壁の解除データは?」

ワトランが右手のチップを掲げる。

「これだ。グレンス社によればこれで隔壁の解除時間が半分に短縮される」

男はチップを確認する。

「ふん、このデータが偽者だったら、人質の半分の命はないぞ。こい」

 

 

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男につれられてグレンス社の階段を上っていく。

 

三人が登っていくと、

途中でひとつの部屋が見えた。

 

「あら、あそこにも人質がいますのね」

少女の言葉に男が反応する。

 

「ああ、そうだ。一応リスク分割ってことでな。ICIBが突入したら、まずこっちの人質から殺すことになってる。あそこのASがな、それにしても」

男が少女に向き直る

「おじょうちゃん、その金髪碧眼、悪くないな」

男が続ける

「この任務が終わったら、一緒にこないか?悪いようにはしない」

少女は表情を変えずにいった。

「せっかくの申し出ですが、遠慮いたしますわ。その無精ひげ、おそりになったほうがよろしくてよ」

男はしばらく黙って向き直った。

「そうか、そりゃあわるかったな」

 

 

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三人が研究棟の中核部に入ると、

そこには人質の研究員と無人ASが二機、そのほか工作員とハッチの開いた有人ASが見えた。

隔壁の解除をしている男にリーダーの男がデータチップを渡した。

「どうだ、本物か?」

データを入力していた男が答える。

「ええ、本物です。あと30分で開けます」

よしよし、男がつぶやいた。

これで隔壁をあけたら中の研究機材をまとめていただく。

 

「さきほどのかたがたとあわせて人質はこれですべてですの?」

 

男がそちらのほうを向くと、たずねているのはさきほどの少女だった。

 

「ああ、そうさ」

男が向き直って少女に歩いていた。

「今だいじなところなんだ。すこし黙っててくれないか、じゃないと」

男が腰のナイフに手を伸ばした。

「そうですの、ワトランさん。もうやってしまってかまいませんわね?」

男が異変に気づいた。

ワトランと呼ばれた男が返事をする前に少女が続けた。

「ブルーティアーズ、転送しますわ」

少女の体を青い燐光が包む。

男は跳ねるように逆走し、ハッチの開いたASに駆け込んだ。

「こいつ!!IS乗りだ!!やれ!!!」

 

男がASに乗りながら叫んだ。

その瞬間、無人ASとテロリスト達が青い燐光に包まれた少女に向かって重機関銃とサブマシンガンを掃射した。

 

嵐のような銃弾の嵐が、少女のすぐ手前で静止し、地面に落ちていく、

ISのエネルギーシールドが起動したのだ。少女の体を青い全身鎧のような機体が包んでいく。

少女はISを転送しおえると、両手のビームライフルをそれぞれ無人ASに向かって発射。

 

青いビームが二つの無人ASの装甲を貫き、二つの無人ASを機能停止させた。

 

次の瞬間にその場にいた3人のテロリストに電気銃を発射。3人のテロリストを気絶させる。

 

少女はブルーティアーズのレーダーを起動。ビル下方の別室にいる無人ASを補足、

部屋の地面に向けてビームライフルを構え、引き金を引いた。

ビームライフルから青いレーザーが発射され、地面を貫通し、はるか下方の別室の天井から貫通してきた青いビームが無人ASを貫いた。

 

ワトランは驚いていた。たった一人で人質への脅威を一瞬で無力化してしまった。ISが世界最強の兵器であるという話はもしかしたら与太話ではないのかもしれない。

 

「主犯格の男がにげましたわね」

 

少女の言葉を聞いて、ワトランはあたりを見回した。

先ほど部屋にあったアタッシュケースがなくなっている。

 

「やつは研究データを持って逃走する気だ。追ってくれミス・オルコット!!」

 

「言われなくても任務は果たしますわ」

 

少女の青いISは少し浮遊すると、加速して出口から男を追った。

 

 

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ASに乗った男は研究データの入ったアタッシュケースを持って

広い部屋の階段を上っていた。

目前に大きな窓とその向こうに別のビルが見える。

ここから向こうのビルに飛び移ってその屋上の航空機で脱出する。

国境を越えれば日本もおいそれと手出しはできない。

さっきのISが追ってくれば別のそれぞれのビルに配置した三人の狙撃手の餌食になる。

 

男のASはダンダンダンダンと走って加速し、窓ガラスをやぶって隣のビルの窓に向かってとんだ。

 

 

グレンス社の巨大なビルのひとつの窓から黒い影が飛び出してきた。

 

男のASが夜の空を滑空する。

 

その真上にさきほどの青いISが併走してきた。

 

その瞬間、遠方の三つのビルの屋上から、青いISに向かって三つの志向性榴弾が疾走した。

 

ブルーティアーズのセンサーが三つの榴弾を感知、

少女は体勢を変えて三つの榴弾を交わした。

 

「いい腕ですわね」

 

そういって滞空しながらブルーティアーズの3つのビットを展開、

それぞれがはるか遠方のライフルを狙い、青いビームが射出される。

 

夜の暗い空を三つの青いビームが切り裂いて疾走し、それぞれのライフルの銃口に着弾、蒸発させた。

 

ブルーティアーズの少女はさらに右手にライフルを抜き、

空中でグルリとまわってましたのASに狙いを定めた。

 

「チェックメイトですわ」

 

そういってブルーティアーズの右腕のライフルから出力を最小限にセーブした青いビームを発射。

その青いビームは真下のASに突き刺さり、吹き飛ばす。

そのままはるか下方の地面にASごと衝突させた。

 

 

空中を滞空する青いISに通信が入る

 

『イザナギ三千子だ。よくやってくれた、ミス・オルコット』

 

「かまいませんわ。お安い御用でしてよ」

黒い空に滞空しながらセシリアが続ける。

「もう帰ってもよろしくて?そろそろ就寝いたしませんと、明日の休日に差し障りますもの」

 

 

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