インフィニット・ストラトス~鉄と榴弾~   作:3×41

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第十四話 エマージェンシー

地中海洋上 飛行学園艦アレキサンダー内司令室

 

 

「な、、」

千冬は目を見開いた。火を吹く怪物がゆっくりと千冬のほうを見下ろした。司令室の艦内放送から音がする。

 

『織斑教官!伏せてください!』

 

その声と同時に千冬の右側の司令室の壁が破壊され、一体にアルバニが飛び込んできた。

 

「やらせないよ!」

アルバニ1号が叫ぶ。

 

それと同時に、千冬の目の前にたちはだかったアルバニ1号が鋼の怪物に体当たりし、鋼の怪物と火の怪物を一緒に司令室の壁をやぶって司令室の外に吹き飛ばした。

 

次の瞬間火の怪物が赤熱する腕でアルバニ1号を真っ二つに融解させた。

 

「ぎゃぁー、やられたー」とアルバニ1号。

 

同時に千冬が叫ぶ。

「今だ!司令室の隔壁を閉じろ!」

 

言われて、ほうけていた情報官があわててマニピュレーターを操作する。

 

「了解!司令室の隔壁、閉鎖します!」

 

次の瞬間、司令室の四方の壁が複合装甲で作られた隔壁で閉鎖される。

 

次に千冬はアレキサンダー内に艦内放送を流した。

 

「司令室の織斑だ!非常事態発生!アレキサンダー内に怪物が侵入した!チハ38式とアルバニは脅威の排除にあたれ!これは訓練ではない!」

 

 

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同時刻、シチリアIS学園都市研究開発ビル内中央展望フロア

 

広い展望台フロアをレミーのスフィアミラージュがラウラのシュヴァルツェア・レーゲンに向かってダッシュしてきた。

 

ラウラのレーゲンは力場圧縮大剣を振りかぶり、下段気味に一閃に横なぎにした。

 

するとレミーのスフィアミラージュは上にジャンプして大剣をかわし、

そのまま体を反転させて脚部を天井につけるとスライドしてレーゲンの真上に移動すると、

炸薬ブレードを抜いて天井をけり、急降下してラウラのレーゲンにたたきつけた。

 

迫る炸薬ブレードをラウラのレーゲンは力場圧縮大剣オースキーパーを横に向け炸薬ブレードと圧縮爆風をガードした。

 

そのすきに着地したレミーのスフィアミラージュが放っていた横蹴りをバックステップでかわし、

かわしざまに振りかぶっていた力場圧縮大剣を真上から振り下ろした。

 

それをレミーのスフィアミラージュはバックステップでかわす。スフィアミラージュが後退して体勢を整えると、指向性炸薬ライフルを抜いた。

 

それを見たラウラは逡巡した。

 

(ここでライフルで戦うのはまずい。チハ38式のやつらに被害がでるかもしれない)

 

 

 

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シチリアIS学園研究開発ビルの上空120mの展望フロアで二つのISが対峙する。

 

指向性炸薬ライフルを抜いたレミーのスフィアミラージュがジリと足をする。

 

すると、ラウラのシュヴァルツェアレーゲンが右手の力場圧縮大剣を肩にかけ、

 

レミーのスフィアミラージュに向かって左手を手の平を上にして突き出した。

 

レミーが一瞬意図を図りかねて怪訝そうにする。

 

するとラウラはそのままシュバルツェア・レーゲンの四本の指をくいくいと縦に上下させた。

 

「こ、このっ・・・!!」

 

それを見たレミーはうめくようにつぶやき、

レミーのスフィアミラージュは炸薬ブレードを抜いてラウラのシュヴァルツェア・レーゲンに向かって突進した。

 

 

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ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンに突進したレミーのスフィアミラージュが突進しつつ炸薬ブレードを真横に振りかぶる。

 

ラウラのレーゲンは体を横に倒して迫る炸薬ブレードをかわし、そのまま体をひねって下からひねるように力場圧縮大剣を振り上げる。

 

レミーのスフィアミラージュはそれをバックスウェーでかわした。

 

次の瞬間、ふたつのISの周りで爆発が起きた、

 

展望フロア中に黒煙が広がる。

 

 

レミーのスフィアミラージュがチャフグレネードを爆発させたのである。

 

ラウラはすぐ左目のマアクタル・オーゲンを起動、シュバルツェア・レーゲンの左にIS反応を感知した、

 

左のISに力場圧縮大剣を振りかぶる。

 

すると、あらわれたのはチハ38式だった。爆発した瞬間、レミーのスフィアミラージュが腕のケーブルアンカーを射出して一機のチハ38式を引き寄せていたのだ。

 

次の瞬間、力場圧縮大剣を振りかぶったシュバルツェア・レーゲンの背後の空間が揺らぎ、

光学ステルス迷彩をといたレミーのスフィアミラージュがあらわれた。

 

「1手遅れたねぇっ!!!」

 

レミーのスフィアミラージュが背後を向けたラウラのシュヴァルツェア・レーゲンに向かって炸薬ブレードを振りかぶる。

 

ラウラはそれを横目でみながら言った。

 

「そのようだな。しかし問題はない」

 

ラウラはそういうと目前まで迫っていた炸薬ブレードをレーゲンの高速機動でかがみ、炸薬ブレードをかわすと

 

そのままレーゲンの脚部に力を入れた。

 

レーゲンの外骨格がバチバチとプラズマを発しながら緊張し、

 

そのままスフィアミラージュに向けて強力な回し蹴りを放った。

 

レーゲンの高速の回し蹴りががスフィアミラージュに突き刺さり、スフィアミラージュは爆発したように高速で吹き飛ばされ、展望フロアの窓に突っ込む。

 

スフィアミラージュが巨大な窓を破壊し破片を撒き散らされながら窓の外に吹き飛ばされる。

 

レミーがビルの中を見ると、

ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンがこちらに向かって熱質量圧縮ライフルを向けているのが見えた。

 

「くそっ」

 

レミーがうめくようにつぶやくのとほぼ同時に、

ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンが熱圧縮ライフルを放ち

熱圧縮質量弾がレミーのスフィアミラージュに着弾、爆発してレミーのスフィアミラージュはさらに高速で吹き飛ばされ、隣のビルの壁面に突き刺さり、機能停止した。

 

 

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高層ビルの展望フロアで

ラウラがチハ38式の少女たちにかけよった。

 

「二人とも大丈夫か?」

 

ラウラがチハ38式に乗った二人の少女に声をかける。

「ISの損害はどうだ?シールドは機能するか?」

 

少女の一人が答える。

「はい、なんとか動きます。でも戦闘機動はおそらくできないと思います」

 

「よし、では二人でビルを下りて脱出してくれ。私はこのまま上の階に向かう」

そういってラウラは2機のチハ38式を見送ると、中央階段に向かった。

 

 

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地中海洋上 飛行学園艦アレキサンダー 0102教室

 

大教室にいた少女は千冬の艦内放送を聞いて、早く避難しようとしていた。

放送によればこの飛空学園艦の中を怪物がはいかいしているというのだ。早くシェルターに向かおう。

 

そのとき、教室の廊下に面した壁から、轟音とともに鋼の怪物とアルバニ1機が壁を粉砕して転げ込んできた。

 

「きゃあああぁぁぁぁああ!!」

 

少女がすっとんきょうな悲鳴を上げる。

鋼の怪物が少女のほうに転がっていたアルバニに右手を掲げる。右手の周りにいくつも鉄のやりが出現し、高速で射出された。

 

アルバニ3号が少女の前に立ちはだかり、両腕をクロスして鉄のやりを受ける。背後の少女はすでに失神していた。

 

「おかえしだ~」

 

そういうと、アルバニ3号は鉄のやりが突き刺さった右腕を鋼の怪物のほうに掲げ、重機関銃を掃射する。

 

嵐のようにはきだされた銃弾がガンガンガンガンという音をたてて鋼の怪物のまわりに落下した。

 

「これならどうだ!」

 

アルバニ3号は車体を鋼の怪物のほうに向け大砲を発射した。

 

疾走した大砲が鋼の怪物の胸部で炸裂し、鋼の怪物はその巨体を吹き飛ばされ、教室の後ろの壁を粉砕して隣の教室に吹き飛ばされた。

 

 

 

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地中海洋上 飛行学園艦アレキサンダー内第一兵器ドック

 

 

広い兵器ドックではアルバニ5号と6号が火の怪物の位置をサーチし待ち構えていた。

 

「兵器ドックを狙ってきたわけだね、賢明な判断だ」とアルバニ6号

 

「くるよ、天井に気をつけて」アルバニ5号が警戒する。

 

すると兵器ドックの奥の天井の一部が徐々に赤熱し、真っ赤に融解して火の怪物が兵器ドックに落下してきた。

 

「うーきたきたー」

 

アルバニ6号が火の怪物の前に立ちはだかり、両腕を掲げると重機関銃を掃射しながら後退する。

 

「鬼さんこちら手のなるほうへ~」

 

アルバニ6号をおって火の怪物が走ってくる。

 

火の怪物が中央柱に来たところで、アルバニ6号の後ろから飛び出してきたアルバニ5号が目の前の火の怪物に体当たりし、

 

火の怪物を中央柱のエレベーターに押し付けた。

 

「今だ!エレベーター上げて!」アルバニ5号が通信した。

 

アルバニと火の怪物が一緒に高速でエレベーターで上昇していく。

 

エレベーターがあがりきると同時に、甲板のカタパルトが射出される。

 

アルバニと火の怪物が高速で甲板上を疾走する。

 

「あついー、とけるー、とけちゃうー!」とアルバニ5号。

 

カタパルトが疾走し、甲板の100mほどいったところで火の怪物の高熱でカタパルトが融解して停止し、

 

火の怪物とアルバニ5号がそのままの慣性で甲板上に転がった、第二エレベーターからはアルバニ6号が上がってきていた。

 

アルバニ5号の真上に火の怪物が赤熱する右腕を振りかぶった。

 

その瞬間、上空から高速で飛来したチハ38式が複合装甲ブレードを振りかぶって火の怪物に突進し、ブレードを横にないで振り上げられた火の怪物の右腕を切りとばした。

 

右腕を切り飛ばされた火の怪物はあああとうめいて数歩後退した。

 

上空から後退する火の怪物を別のチハ38式が榴弾ライフルで狙った。榴弾ライフルが発射され榴弾が火の怪物に疾走する。

 

火の怪物は左腕で体をかばうと、榴弾がその左腕に着弾し、そのまま火の怪物の体は甲板の横から吹き飛ばされ夜の空中に投げ出された。

 

 

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地中海洋上 飛行学園艦アレキサンダー内0103教室

 

 

 

鋼の怪物がアルバニの車体に鉄の槍を打ち込み、

アルバニ3号は車体に鉄の槍をうけながら重機関銃で反撃していた。

 

そのとき、教室の窓が小さくひかり、教室の外の暗い夜の空間に赤い火が動いているのが見えた。

 

甲板から吹き飛ばされた火の怪物である。

 

鋼の怪物はそれをみると、すぐ右腕を窓に向け、鉄の槍を射出して窓と壁を破壊すると、

背部から高圧ガスを噴射して教室からとびだし、アレキサンダーから空中に飛び出してそのまま疾走すると火の怪物に向かってそのままその上に覆いかぶさった。

 

 

アレキサンダーの上空から榴弾ライフルを狙っていたチハ38式が火の怪物に向かって引き金を引いた。

 

そのとき、火の怪物の上におおいかぶさった鋼の怪物に榴弾が着弾、爆発し、二人の怪物ははるか下方の暗い海に飲み込まれた。

 

 

 

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