インフィニット・ストラトス~鉄と榴弾~   作:3×41

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第十六話 疾走

飛行学園艦アレキサンダー司令室

 

 

アレキサンダー司令室内では千冬がラウラからの通信を受けていた。

 

「グラビティカがこちらに向かっている?本当かそれは!?」

 

ラウラからの通信によれば、思念誘導装置で操られたサラのグラビティカがこのアレキサンダーに接近してきているらしい。

千冬が情報官に言った。

 

「アレキサンダーのISはいくつ防衛にまわれる?」

 

ディスプレイを確認した情報官が答えた。

 

「現在即応できるのはアレキサンダー上空で待機しているチハ38式5機です」

 

それを聞いて千冬が通達した。

 

「チハ38機をアレキサンダーの防衛にまわらせろ。自分の命を最優先にしていい。危なくなったら逃げろ。アレキサンダー、バリアーの準備をしろ」

 

 

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飛行学園艦アレキサンダー上空

 

 

 

アレキサンダー防衛のために5機のチハ38式が5機上空にホバリングしていた。

少女の頬を夜の風がなでる。はるか眼下の海がさざめいているのが見えた。

突然その上空で待機するチハ38式からシチリア島の夜の闇が星の光も消えてさらに暗くなるのが見えた。

 

「なに、、あれ、、」

 

一機のチハ38式の少女がつぶやいた。

 

シチリアの陸地のほうから、巨大な黒い津波が突っ込んできた。

分散した重力子と、その引力にひきつれられて浮遊してきたビルや瓦礫群が夜の空をうめて高速でアレキサンダーに突っ込んでくる。

 

アレキサンダー司令室の千冬が叫んだ。

 

「アレキサンダーバリア展開!!」

 

「アレキサンダーバリア展開します!」

 

飛行学園艦アレキサンダーの巨大な艦体のまわりをバリアーの燐光が包んだ。

 

直後にアレキサンダーの上空から突っ込んできた巨大なビルがアレキサンダーのバリアに突っ込み、轟音を上げて蒸発した。

 

チハ38式5機もシールドを展開しつつ回避行動をとる。

 

と、突然1機のチハ38式の付近に高速で黒い影が現れる。

 

それはサラのグラビティカだった。

 

グラビティカが1機のチハ38式に突進しながら手の平に重力子を圧縮し、

その超質量の重力子球を強力な斥力を発生させながらチハ38式にたたきつける。

次の瞬間超質量と超斥力衝撃でチハ38式が高速で吹き飛ばされた。

 

それに反応した隣のチハ38式に重力子ライフルを発射し、戦闘機能を停止させ海面に吹き飛ばす。

 

同時にグラビティカ上方のチハ38式に加速重力場を発生させ戦闘機能を破壊する。

 

遠方のチハ38式2機がグラビティカにライフルを向けたとき、

サラのグラビティカが右手に重力子を発生させ、それの右腕を目の前で殴りつけると

高速で疾走するグラビティカの右腕の重力子が遠方の1機のチハ38式の前で炸裂しチハ38式は撃墜された。

 

その隣のチハ38式の上方にグラビティカが射出していた球型のビットが強力な重力場を発生させ、チハ38式を撃墜する。

 

 

すべてのチハ38式を一瞬で撃墜すると。

グラビティカは下方のアレキサンダーに向かって右腕をかかげた。

 

そのとき、後方からサラのグラビティカを追っていたラウラのシュバルツェア・レーゲンが超高速で接近し、

右肩のレールカノンから圧縮熱質量弾を射出した。

 

グラビティカが瞬時に反応、

サラのグラビティカはそれを察知するとグラビティカの右となりに重力場を発生させ高速の熱質量弾をそらした。

 

ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンはグラビティカに向かってさらに加速しながら力場圧縮大剣オースキーパーを抜き、

高速で疾走しながら横なぎにサラのグラビティカに切りかかる。

 

次の瞬間サラのグラビティカが超重力加速場を形成し、オースキーパーの刀身が瞬間に消失した。

 

ラウラのシュバルツェア・レーゲンが交差的にグラビティカをとおりすぎると、

サラのグラビティカは脚部に重力球を発生させ、それを強力に蹴って瞬時に加速しラウラのレーゲンを追った。

 

サラのグラビティカが高速で疾走しながら重力子ライフルを抜いてレーゲンに撃つ。

ラウラのレーゲンはそれを高速で回避サラのグラビティカに両腕を突き出してAICを発動した。

サラのグラビティカがAICの領域に入り動きを停止させる。

 

ラウラはシュバルツェア・レーゲンの両腕を突き出したままいった。

 

「シュバルツェア・レーゲンのAICはすべての運動を静止させる。例外はない」

 

と、サラのグラビティカがラウラのシュバルツェア・レーゲンに近づいてきた。

 

 

ラウラは状況がわからずとまどっていた。

 

「これは、違う!」

 

グラビティカが近づいてきているのではなくラウラのシュバルツェア・レーゲンがサラのグラビティカに近づいているのだ。

サラのグラビティカが発生させた引力に引き寄せられ、ラウラのレーゲンはサラのグラビティカに抱きしめられる格好になった。

 

「しまった!」ラウラがうめく。

 

『ラウラちゃん危ない!』

 

アレキサンダーの甲板上のアルバニ5号がそれを見て、サラのグラビティカに向けて戦車砲を撃った。

サラのグラビティカは高速で迫る戦車砲弾に手をかざすと超重力加速場が発生し砲弾を叩き潰し、消失させた。

その隙にラウラのシュヴァルツェア・レーゲンがその場を離れた。

 

 

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『教官きょうかーん』

 

司令室にアレキサンダー艦内のアルバニ6号から通信が入る。

 

「どうしたアルバニ」

 

『あのー、ちょっと気になったんですけどぉ。アレキサンダーの上空の宇宙空間に人工衛星が来てますー。あれレーザー衛星じゃないですかね?』

 

千冬がはねるように情報官に叫ぶ。

 

「なんだと!?情報官!!」

 

情報官が確認する。

 

「確認しました!衛星砲ルナティックカノンです!!エネルギー充填を終えている模様!発射されます!!」

 

「アレキサンダーのシールドを上方に集中しろ!最大出力だ!!」

 

 

 

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