インフィニット・ストラトス~鉄と榴弾~   作:3×41

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第十七話 Break in the heart

『教官きょうかーん』

 

司令室にアレキサンダー艦内のアルバニ6号から通信が入る。

 

「どうしたアルバニ」

 

『あのー、ちょっと気になったんですけどぉ。アレキサンダーの上空の宇宙空間に人工衛星が来てますー。あれレーザー衛星じゃないですかね?』

 

千冬がはねるように情報官に叫ぶ。

 

「なんだと!?情報官!!」

 

情報官が確認する。

 

「確認しました!衛星砲ルナティックカノンです!!エネルギー充填を終えている模様!発射されます!!」

 

「アレキサンダーのシールドを上方に集中しろ!最大出力だ!!」

 

 

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通信を聞いていたラウラのシュバルツェア・レーゲンが反応する。

アレキサンダーが今からバリアーを展開するのはまず間に合わない。

 

「くそっ」

 

レーゲンがブースターを最大出力にしてアレキサンダーの上空へ疾走する。

そこからラウラは上空に向けてレーゲンの両腕を突き出し、

AICを最大出力で展開した、その直後、宇宙空間の巨大衛星砲から巨大なレーザーの柱が降ってきた。

 

巨大なアレキサンダーの艦体の上空で

ラウラのシュバルツェア・レーゲンのAICが最大出力で巨大レーザーの照射を停止させる。

 

「あぁぁっくああぁぁぁっ」

 

ラウラは両腕をかかげたまま声をしぼりだした。

 

 

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シチリアIS学園都市からアレキサンダーへ高速飛行していた

ブルーティアーズのセシリアはアレキサンダー上空から降り注ぐ巨大なレーザーの柱が

アレキサンダーの上空のラウラのシュバルツェア・レーゲンの上空で防がれているのが見えた。

 

 

 

アレキサンダー司令室内で情報官が叫ぶ。

 

「ルナティックカノン、シュバルツェア・レーゲンが防ぎました!!」

 

さらにディスプレイを確認して報告する。

 

「ルナティックカノン!第二射のエネルギー充填を開始しています!!」

 

 

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飛行学園艦アレキサンダーの上空で両腕を上空にかかげていたシュバルツェア・レーゲンに

サラのグラビティカが超高速で接近してきた。

 

超高速で疾走するサラのグラビティカが体を重力子で包み込む、

するとグラビティカが黒い巨大な重力球に包まれ、そのままの超質量でシュヴァルツェア・レーゲンに体当たりした。

 

「がぁっ!!!」

 

ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンが超高速で吹き飛ばされる。

サラのグラビティカが巨大重力球を解除し、

脚部に発生させた重力球を斥力で強力にけりつけさらにレーゲンを追った。

 

 

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黒い空を高速で疾走し3km先のアレキサンダーにむかうブルーティアーズに千冬から通信が入る。

 

『オルコット!そこからレーゲンとグラビティカが見えるか!?グングニルを使え!』

 

ブルーティアーズのセシリアがこたえる。

 

「グングニルですか?それではサラさんの命が保障できませんわ!」

 

『やむおえん!このままではラウラがやられる。そうなればどのみちこっちは全滅だ!』

 

「し、しかし・・・」セシリアが逡巡する。

 

通信の向こうで千冬が言った。

 

『セシリア、お前は何のためにISに乗っているんだ。感傷にひたるためにISに乗ったのか』

 

セシリアは唇をひきむすんだ。どちらにしても選択肢はないようだった。

それにサラが目覚めたとき、崩壊したアレキサンダーを見たら彼女はどう思うのだ。

 

セシリアははるかかなたのアレキサンダーをみすえていった。

「・・・わかりました。ノヴァル・フォン・グングニル、展開いたしますわ!」

 

セシリアがそういうと、ブルーティアーズの加速をとめ、

アレキサンダー上空に向けてビームライフルを構える、

それと同時に背部の4つのビットをすべて展開し、

ビームライフルの先端に4つのビットを配置し、エネルギーを充填する。

5つの銃口が共振し強力にエネルギーを圧縮する。

セシリアのブルーティアーズがかまえるその銃口は3km先のグラビティカを狙った。

 

 

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高速で吹き飛ばされたラウラのシュバルツェア・レーゲンにサラのグラビティカが迫る、

レーゲンの上空を高速で並走するサラのグラビティカは右腕を振りかぶり、右手の掌に圧縮された重力球をシュヴァルツェア・レーゲンの体にたたきつける。

超質量と超斥力衝撃でさらに吹き飛ばされるレーゲンに左手に圧縮した重力球をさらにたたきつけた。

 

衝撃でラウラのレーゲンはさらに高速で吹き飛ばされる。

 

サラのグラビティカは脚部に巨大重力球を形成し、斥力を発生させながらそれを両足でけりつけさらに加速した。

ラウラのシュバルツェア・レーゲンの真上に加速、高速で併走すると、

グラビティカの両腕を高く掲げ、両腕の先に巨大な重力球を形成する。

 

 

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その3kmかなたのブルーティアーズのセシリアが叫んだ。

 

「ノヴァル・フォン・グングニル、発射!!」

 

セシリアのブルーティアーズの4つのビットを展開したライフルから

蒼い超高圧エネルギービームが発射される。

 

ブルーティアーズから飛行学園艦アレキサンダーの間の闇を

超高圧の青いビームが超高速できりさいて疾走する。

 

3km先の両腕を高く掲げ、巨大な重力球をラウラのシュヴァルツェア・レーゲンに叩きつけようとしていた

サラのグラビティカの胴部に超高圧の青いビームエネルギーが超高速で着弾した。

 

「う、っぶぁっ!!」サラの口から空気がはきだされる。

 

超高圧の青いレーザーがサラのグラビティカを真横に吹き飛ばす、そのエネルギーでサラの頭部のカチューシャは破壊され、

グラビティカは向かいの陸地に高速でつっこみ、地面を切り裂いてきりもんで停止した。

 

 

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飛空学園艦アレキサンダー内司令室

 

 

「やったか・・・!」千冬がつぶやくようにいった。

 

司令室の情報官が叫ぶ

 

「ルナティックカノン!第二射来ます!」

 

千冬が反応しすぐ指令を出す。

「アレキサンダーのバリアを上空に集中展開しろ!とめられなくてもレーザーを曲げてそらせ!」

それでビームがもしそれても飛行艦アレキサンダーは半壊するだろう。

艦内には脱出警報が響いていた。

 

 

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ラウラのシュバルツェア・レーゲンが倒れたサラのグラビティカのそばにおりた。

そこから学園艦アレキサンダーの上空が強く輝くのが見えた。まもなくルナティックカノンが発射される。

 

「う、うぅ、ラウラさん?」サラがうめくようにいった。

 

ラウラがグラビティカのサラのほうを向いた。

 

「サラ?思念誘導装置はとまったか?」

 

「あぁ、どうやらとんでもないことをしてしまったようだね」

 

「今はいい。お前はあやつられていたんだ、それより・・・」

 

ラウラはアレキサンダーのほうを向いた。

「アレキサンダーが、教官が・・・」

 

そういってアレキサンダーを見つめた。

 

そのラウラの隣でサラがうめくようにいった。

「それは・・・私が止める・・・」

 

サラはそういうとグラビティカの背部の6つのビットをすべて射出、

アレキサンダーのほうに右手を掲げると、

ビットが高速でアレキサンダーのほうに飛行していく。

6つの丸いビットが海上で一点を中心にランダムに回転しはじめた。

 

「何をするつもりだサラ?」

 

サラが海上に掲げたグラビティカの右手の掌を閉じる。

 

すると海上で高速回転していた6つのビットが超高圧の重力子を凝縮させはじめた。

 

すると重力子を圧縮しさらに圧縮されたビットのまわりに超重力場が形成され、

アレキサンダーの艦体の横に巨大な黒い柱があらわれた。

 

超加速重力場の柱である。超加速された重力場が光も逃さない。

その黒い柱はすべての光を飲み込み、波打って天までのびている。

 

 

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宇宙空間、衛星砲ルナティックカノン

 

 

宇宙空間でエネルギー充填を完了した衛星砲が強く輝いている。

エネルギーを充填し強く輝くその衛星の半身を

地球から伸びた巨大な黒い超重力柱がこそぎとった。

 

半身を失ったルナティックカノンはバランスを失い

地球に向かって落下しはじめた。

 

 

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飛行学園艦アレキサンダーの上空をルナティックカノンが大気圏に突入した

半分を消失した巨大な衛星砲は真っ赤にそまると、エネルギーをあたりに放出して爆発した。

強い光が、夜のやみをはらいアレキサンダーの上空を真っ白に照らした。

 

 

爆発がやんだとき、

黒い海の上にアレキサンダーが浮遊し、あたりは強い静寂がただよっていた。

 

「終わった、、のか、、?」司令室で千冬がつぶやく。

 

司令室の情報官がいう

 

「現在確認している脅威、すべて消失しました」

 

千冬は体の力が抜けてイスにすわりこんだ。

 

 

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「サラさん、ラウラさん」

 

セシリアがシュバルツェア・レーゲンとグラビティカのそばにおりたとき、

サラは気を失ったように目を閉じていた。

 

ラウラはセシリアを見ていった。

「どうやら、アレキサンダーは無事なようだ」

 

「ええ、あなたも無事でよかったですわ。サラさんは・・・」

 

セシリアはそういってサラの顔を見た。サラは目を閉じたまま答えなかった。

 

 

 

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