インフィニット・ストラトス~鉄と榴弾~   作:3×41

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第七話 訓練にて

翌日

 

柔らかい光を浴びてセシリアは目を覚ました。

きれいな木目の天井が目に映り、小さい波の音が聞こえる。

セシリアはベッドから降りて窓から外に出ると、まだ薄暗いコバルトブルーの海をのぞいた。

セシリアたちはシチリアIS学園のそばの水上コテージに宿をとっていた。

水から伸びる柱の上に木製のコテージがいくつも並んでいる。

 

目覚めたセシリアに同室の同級生が声をかける。

「セシリアさんおはよう。せっかくだからバルコニーに朝食を準備しましょう」

 

バルコニーで朝食をとりながら同級生が話す。

「昨日は楽しかったわね。今日はシチリアIS学園で共同授業だっけ」

とテーブルに座って同級生が言った。

 

「そうですわね。シチリアIS学園と合同で、午前は授業で、午後はISの機動訓練でしたわね」

とセシリア。

 

「そっかー。私たちもシチリアの学生にまけてらんないねー」

同級生の少女が言いながら目玉焼きののったトーストをもぐもぐ食べる。

セシリアもそうですわねと同意して朝食のサンドイッチを口に運んだ。

 

今日から数日間、シチリアIS学園で授業を受けることになっている。

 

 

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シチリアIS学園03教室。

 

「つまりISコアとの同調による特殊演算で、高度な光学迷彩を搭載することが可能になったわけだ。エネルギーは食うがな」

 

千冬が黒板に図解しながらいくつかのISに搭載された光学迷彩について解説していく。

 

生徒側のセシリアが手を上げる。

「では光学迷彩を搭載したISと戦闘になった場合どのように対処すればよいのでしょうか」

「見えないんじゃぁ対処のしようがないのでは」とシチリア学園の生徒。

「きょうかーん僕たちにも光学迷彩機能を搭載してくださーい」と教室の後ろのアルバニ。

 

「ふむ」

教壇の千冬が生徒側を振り返る。

「なぜアルバニが教室にいるんだ」

 

「え?いやーそのー」

教室の後ろに一台鎮座していた自律思考戦車がこたえる。

「みんながどうしても授業の内容を同期してほしいっていうもんで、僕たちだって経験をもっとつむべきかなーと」とアルバニ3号。

 

「はぁ・・・まぁいい」こめかみをおさえて千冬が続ける。アルバニを出席簿で叩いたところで何の教訓にもなるまい。

「ではこの場合の対処について意見のあるものはいるか?ハリー=アウシェンビッツはどうだ」

千冬にあてられてハリーが少し考える。

「光学迷彩ですか。そうですねー」

ハリーは考えて、何か思いついた様子で続けた。

「そういえばレミーさんがISで中東ゲリラの対処に当たったときの話なんですが」

「そういえばそんなことがあったね」とサラ。

ハリーがレミーの話をはじめる。

「どうも敵側のバックがIS乗りを雇ったようで、そのISが光学迷彩機能のロシア製標準ISバジェットだったそうです。

そのときはほかの兵力をあらかた無力化して、ちょうどそのときにバジェットに遭遇したそうなんですが、センサー類が一切きかなかったそうなので」

千冬がうなずく。

「そうだ。通常兵器の光学迷彩と異なりISの光学迷彩は高度でアクティブセンサーもパッシブセンサーもキャンセルする」

ハリーが続ける。

「そのようです。そのときは地上戦だったので大体の位置を特定するとそこに細かい熱源を撒いて、その熱源の動きをセンサーで追ってバジェットの位置を特定して撃破したという話を聞きました」

 

「そうか、悪くないな。」と千冬。

「ボーデヴィッヒの専用ISシュバルツェア=レーゲンのマアクタル=オーゲンのような特殊レーダーがあれば話は別だが、

基本的にISの光学迷彩はレーダーで捕らえることができない。しかしまわりの物質の動きによって実体を捕らえることは可能だ。

また光学迷彩はエネルギーを食うので攻撃のほうにまわるエネルギーが少ない場合もある。相手の攻撃をさばいてから位置を特定する、という手段も悪い手ではない」

千冬が手元の本をめくる。

「では次に遠距離兵器の基礎理論Ⅳに移る」

 

生徒たちがその話をまとめ、ノートに書く。

アルバニ3号はほかのアルバニ達と通信をとっているらしくせわしなく両手を動かしていた。

 

 

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昼休み。

セシリアはラウラたちとシチリア学園の食堂でテーブルを囲んでいた。

 

「襲われた?」驚いてセシリアがラウラに聞き返す。

 

「いや、正確にはそのような兆候があった、ということだ。」とラウラ。

「昨日の夜シチリアIS学園都市でのことなんだが・・・」

ラウラが続ける。

「夜に街道を歩いていたんだが、それで曲がり角に入ったときなんだが、

ちょうど人気がないときだったな。右側のビルの壁面が急に赤く染まりだしたんだ」

「赤く染まるって、色が変わったってこと?」隣の女生徒がたずねた。

ラウラが首を振る。

「いや、色が変わるというより、鉄が赤熱するような感じだったな。すぐにレーゲンを転送して上昇して、まわりをレーダーで索敵したんだが」

ラウラが不思議そうな表情をして続ける。

「器具の反応は何もなかったし、まばらに一般的な所持品しか持たない人体反応があるだけだった」

セシリアが考え込むようにして言う。

「そうですか。しかし一応織斑教官に話しておいたほうがいいでしょうね」

「それなら既に話しておいた。ところで教官は午後からシチリアIS学園都市に向かうらしい。

なんでも無人ISの試運転に立ち会うらしいな」

その後隣の女生徒が言った。

「午後はISの格闘訓練だねー。私格闘があんまり得意じゃないからなー。ラウラさん何かコツはない?」

その後はISの近接機動について話ながら昼の時間は過ぎていった。

 

 

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午後 シチリアIS学園

 

午後のIS格闘機動はシチリアIS学園が面する海上に設営されている

コンクリートのグラウンド上で行われるようだった。

広い円状のグラウンドの周りを青く光る海が囲んでいる。

 

洋上のグラウンド上ではユーロガイツⅡやチハ38式が入り混じってペアを組んでいた。

 

セシリアの近くではユーロガイツⅡとチハ38式がブースターを切ってISの拳を押収している。

 

セシリアはブルーティアーズの出力を1/3に設定してハリー=アウシェンビッツのユーロガイツⅡを相手にしていた。

 

 

ハリーのユーロガイツが走ってきて右腕を繰り出す。

セシリアが首をひねってかわすとハリーはそのままの勢いで後ろ回し蹴りを放った。

 

セシリアは身をかがめてユーロガイツの左足をかわすと、そのまま左にグルリとまわって左後ろ回し蹴りを放った。

 

ハリーのユーロガイツはそれを左腕で受けると少し浮き上がってたたらを踏んだ。

 

「セシリアさんは遠距離特化だと思っていましたが、やはり近接格闘まで動けるんですね」とハリー。

 

セシリアが小さく笑った。

「おほめにあずかり光栄ですわ。ISの戦闘はオールレンジですから。近接戦闘だってかるんじることはできませんわね」

 

 

「そうですね。サラさんもそのようなことをおっしゃっていました」

ハリーがかまえをといてセシリアの視線を促す。

セシリアがそちらを見るとサラのグラビティカが3機のユーロガイツⅡに囲まれているのが見えた。

ハリーがセシリアに話す。

「シチリアIS学園には常態的に運用している専用ISはサラさんのグラビティカしかないので、

ああやって数機の標準ISと出力を1/5にして訓練してるんですよ」

「1/5でユーロガイツⅡ3機を相手にするんですの?」

セシリアが驚いてサラのほうを見た。

 

 

 

3機のユーロガイツⅡに囲まれた

黒い全身鎧のような専用ISグラビティカをまとったサラが両腕を上げる。

 

「それじゃぁいいよ。先に来ていい」

 

サラが言うと三方向のユーロガイツⅡが一斉にグラビティカに向かって走ってきた。

ユーロガイツⅡがそれぞれ拳を振りかぶる。

三方向から拳が放たれると、サラのグラビティカは両足に力を入れ後ろに跳躍した。

 

グラビティカが縦長の黒い弧を描いて1機のユーロガイツの後ろに着地すると、

すぐ右腕を振りかぶり前方のユーロガイツの背後に放つ。

そのユーロガイツはしゃがんですれすれでグラビティカの拳をかわすと

そのまま後ろ足を蹴りだした。

 

グラビティカはそれをスウェーで交わし、

しゃがんで体を回転させ、左足を水平に放った。

 

グラビティカの下段回し蹴りがユーロガイツの両足をはらいユーロガイツが横向きに浮いた。

グラビティカはさらに回転してしたからかかとを蹴り上げた。

 

横向きに浮いたユーロガイツの胴をグラビティカの左足が下から突き刺さり、

ユーロガイツを上空に吹き飛ばした。

 

その瞬間サラの左から別のユーロガイツが殴りかかってきた。

次の瞬間、ユーロガイツの目前のグラビティカが消えた。

空中にとんだグラビティカが上から右足を真下に振り下ろす。

振り下ろされた右足がユーロガイツをとらえ地面にたたきつけられる。

 

グラビティカが反作用で浮き上がり、地面に降りたときもう一機のユーロガイツが向かってきた。

グラビティカはユーロガイツから突き出された右腕を交わし、ましたにもぐりこむと、

右腕を真下にふりかぶり、その腕をユーロガイツの腹部に突き上げる。

 

グラビティカの黒い右腕がユーロガイツの腹部に突き刺さりユーロガイツの重い機体を少し上方に浮かせた。

さらにグラビティカは背部に6つ半球埋め込まれたビットを起動。

背部の六つのビットのすぐ後ろから極小の斥力球が発生しグラビティカが瞬時に加速する。

 

グラビティカは加速しながら体を横にむけ、そのまま上に浮いたユーロガイツに体ごとうちつけた。

グラビティカの運動エネルギーをまともに食らったユーロガイツはそのまま後ろに吹き飛び、

グラウンドから海上に飛び出すと海の上を4、5回はねてそのまま海の中に沈んだ。

 

「ふぅ、こんなもんかな」とサラ。

 

「サラさん鉄山功は反則ですよ・・・」近くにいた女生徒が言った。

「あの子気絶してるんじゃないかな」別のユーロガイツに搭乗した女生徒が海に沈んだユーロガイツのほうに飛行していった。

 

「ごめんごめん、でも私のグラビティカだって出力をできるだけおさえてるんだからおあいこだろう」

とサラ。

「じゃぁ次の人たちお願いするよ」

 

 

「は、ハードなトレーニングをなさってるんですのね」それを見てセシリアがつぶやいた。

 

 

 

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シチリアIS学園都市

 

 

千冬は無人ISの試験運転に立ち会うために、

昼からシチリアIS学園都市に出向き。

あるビルの研究区域にいた。

 

白衣を来た研究者が千冬のほうに歩いてきた。

「本日はようこそおいでくださいました織斑さん」

男が小さく会釈をするので千冬も会釈を返した。

「まさか試運転にモンドグロッソ優勝者に立ち会っていただけるとは光栄ですよ」と研究者。

「いえ、それで、今回の試運転するISというのは」

千冬は行って、巨大な研究室の中央を見た。

 

巨大な研究室の中央には

 

3つのISが設置されており、中央のISはひときわ大きかった。

 

「あの中央の黒いISは?」千冬がたずねる。

黒いISは両腕が丸太のように太くなっており、両肩に巨大砲を一門ずつ装備しているようだった。

「ああ、あのISですね、お目が高い」研究員が続ける。

「あれはC2Sと呼んでいます。その隣の二つのISが見えますでしょう?」

男が促して続ける。

「あれは中央のC2Sに官制されます。無人ISの基本的な弱点であるアルゴリズムの脆弱性を補強するのが目的です。

そしてあの二つの無人ISはそれぞれ一つのISコアを使用しており、中央のコアツーストラトス、C2Sは二つのISコアを使っています」

二つのISコア?千冬は少し目を見開いた。

「二つのISコアを直列励起することで従来とは比べ物にならない出力が出せると試算されています。そしてこれが成功すれば二つだけでなく、三つ、四つと使用するコアを増やし、また新たな人工コアを代用することまでできるようになるかもしれません」

千冬がアゴに手をやって考える。

「なるほど、理論としてはありえるかもしれません、しかし」

言葉を切って千冬が続ける。

「ISコアの多重励起は人間でも成功例がありません。それを無人でやるのは容易ではないと思うのですが」

男が答える。

「その点については強固にセキュリティをしいています。」

男が合図をすると。

周りの女生徒3人がユーロガイツⅡを装着した。

 

「それでは試験運転を開始する。コアを起動しろ!」

男が合図をすると

近くの研究員がマニピュレーターを操作した。

 

3つのISに動力が供給され、三つの大小の黒いISの目が赤く輝いた。

 

右側のISが右腕を持ち上げる。

 

「起動した!実験は成功だ!!」

千冬の隣の研究員が声を上げた。しかしそれは尚早だった。

 

「えっ」

ユーロガイツⅡの少女がつぶやいたとき、小型の随伴ISの榴弾が目の前に迫っていた。

ユーロガイツに榴弾が突き刺さり、爆発しユーロガイツの起動を停止する。

 

「なっ・・!?」

研究員がうめくようにいったとき。

C2Sの右肩の巨大砲が輝き、ユーロガイツⅡに発射した。

 

そのユーロガイツⅡの少女が即座に反応、

シールドを最大エネルギーで展開する。

 

C2Sの超高速炸薬弾がユーロガイツⅡのシールドを突き破って炸裂し、そのユーロガイツを停止させた。

 

「実験は中止だ!ISをとめろ!!」

男が叫んだとほぼ同時に、ユーロガイツⅡがC2Sに向かって榴弾ライフルを発射した。

 

高エネルギーの榴弾がC2Sに向かう。

 

CS2は右腕をそちらに構えると、構えた右腕のまわりに赤い光球が発生し、榴弾の爆発を防いだ。

 

「あれはC2Sのエネルギー兵器です」

研究員の男がつぶやくように言う。

「光球でシールドを強化し、また両肩の高出力砲台に加え攻撃にも使えます」

 

次の瞬間C2Sがユーロガイツに両腕を掲げ、いくつもの赤い光る球が嵐のようにユーロガイツを襲った。

ユーロガイツⅡは数十発の光弾に被弾し機能を停止した。

 

「そ、そんな。ISが、ユーロガイツⅡが・・・」

男がうめく。

 

千冬はまずいと思った。もうこの場に兵器はない。

 

C2Sはあたりをうかがい。壁のひとつを見据えると、そちらに左肩の巨砲を放ち。

爆風で壁をやぶると、一方向にむかって飛び去った。

 

「あ、あの方角は・・・」

男がうめく。

「あの方角はシチリアIS学園のほうだ。このままではシチリアIS学園が壊滅する」

男が叫ぶ。

「し、至急シチリア学園に連絡しろ!!数人は助かるかもしれん!!」

そういった男は千冬を見て、平静を保っている様子なことをいぶかしんだ。

 

 

 

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シチリアIS学園

 

海上のコンクリートのグラウンドに向かって1機のユーロガイツが飛んできた。

 

「大変です!!シチリアIS学園都市で試作無人ISが暴走!!シチリアIS学園のISを標的に高速で接近中とのことです!!」

 

それを聞いて、セシリアがシチリアIS学園都市のほうの空を見ると、

三つの黒い影が飛行してきているのが見え、次に陸地のほうから2機のISが飛び立つのが見えた。

 

全員に通信が入る。

 

『こちらユーロガイツⅡのツーバディ!私たちがあれを止めます!みなさんは避難してください!!』

 

 

 

シチリアの上空で、ユーロガイツⅡが黒いISにライフルの銃口を向けた。

そのとき、数多の赤い光球がそのユーロガイツⅡに突き刺さり、後方に吹き飛ばした。

 

『アマンダ!』

 

もう一機のユーロガイツⅡの少女が叫んだとき。そのユーロガイツⅡを黒い影が覆った。

 

C2Sがユーロガイツの真上から右肩の高圧砲を発射した。

超高速で榴弾がユーロガイツに突き刺さり、炸裂してユーロガイツを真下に吹き飛ばす。

 

ユーロガイツが真下に吹き飛ばされているときにさらにC2Sの左肩の高圧榴弾が着弾し、

さらに吹き飛ばされて地面に激突した。

 

そのときC2Sの脇を二つの随伴機が高速で飛翔し洋上のグラウンドに向かった。

 

 

 

「無人ISが二機来ます!」

叫び声があがる。二機の無人ISが目前の空を加速してくる。

 

そのとき叫んだ少女の横を黒い影が通った。

 

「私が出よう」

それは黒い全身鎧のようなISグラビティカに身を包んだサラだった。

 

サラは加速してくる二機の無人ISに向かって駆け出し、重力子ブレードを抜いた。

 

ダンダンダンダンダンダン!

 

走り、グラビティカが加速する。次の瞬間、サラはグラビティカの片足に力をこめ、

強力な脚力で跳躍した。

 

サラのグラビティカが高く弧を描き高速で2機の無人ISと交錯する。

 

サラのグラビティカの重力子ブレードが、目前の無人ISの胴をバターのように切り裂くと、その後ろでヒートブレードを振りかぶっていた無人ISの斬撃を、

頭を中心に体を持ち上げ、頭をしたにしたまま避けて無人ISの首を切り飛ばした。

 

そのとき、その後方にいたC2Sがサラのグラビティカのほうに両腕を掲げると、数多の光球と両肩の巨砲を嵐のように放った。

それらの砲弾の嵐がサラのグラビティカに吸い込まれる。

 

「サラさん・・・」

それを見ていたセシリアがうめくようにつぶやいた。

「サラさんは大丈夫ですよ」ハリーがセシリアにいった。

 

C2Sが放った砲弾はすべてサラのグラビティカの手前で静止していた。

正確には静止しているのではなく、グラビティカが前方に発生させた三つの重力球のまわりを衛星のように高速で回転していた。

 

「私のグラビティカに遠距離兵器は効かない」

 

サラのグラビティカはすべての砲弾を回転がC2Sのほうを向いたときに開放し、同時に脚部に斥力球を発生して、強力に蹴って加速した。

 

砲弾の嵐がC2Sに着弾する。

C2Sはそれらをシールドで防御した。

 

そのときC2Sの眼前にサラのグラビティカが高速で接近し、

重力子を発生させたグラビティカの右腕を振りかぶり、C2Sに放った。

 

超質量の右腕がC2Sの胴部にめり込み、C2Sを後方に吹き飛ばした。

 

その瞬間サラはグラビティカの両腕に重力子を展開し、それぞれ振りかぶると目の前を何発も殴りつけた。

 

グラビティカから拳大の重力子がいくつも疾走し、それらがC2Sに着弾しさらに吹き飛ばし、

グラビティカの脚部にさらに斥力球を発生させると強力に蹴ってC2Sに加速した。

 

グラビティカはC2Sに加速しながら背部のビットを3つ前方に展開、

C2Sの手前の空間の重力を超加速し、加速重力場がC2Sの前半分を瞬間にこそぎとった。

 

C2Sは大破してそのまま地面に墜落した。

 

「ふぅ、こんなもんかな」空中にただよいながらサラがつぶやいた。

 

 

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サラのグラビティカがゆっくりと海上のグラウンドにもどってきた。

 

「ふー、それじゃぁ続きをやろうか」

「いや、続きじゃないですよ」とハリー。

え、と言ってサラが教官に確認する。無人ISの回収は専門機関が行うということだったので、

やはりそのままISの格闘訓練が続行された。

 

 

 

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