「ア」
という一言と共に、手に持つ出来損ないの
音の爆発が起きたかのように大気が爆ぜる。
翠の色をした
と、同時に手に持つ剣にも罅が入った。
「やっぱ、こんな出来じゃダメかぁ」
ガリガリと頭をかく。
旧時代のオリジナルの神形具と異なり、低予算の神形具の出来栄えでは強度が足りない。
つまりは自分の未熟が招いた結果だ。
「本気で一から作ってみますか」
「どこに行くつもりなの、アル」
「あー、すずか。なんでこんな時間に?」
「いつもこの時間はここにいるかなって。
それで、
「神形具のチェック。昼休みのプールなら誰も来ないから」
「どうりで大きな荷物だと思った。
じゃ、授業に戻るよ」
ここで「えー」といっても無駄だろう。
おとなしくついていくことにした。居候の身では勝てない。
それはそれとして、
「放課後は工房に潜るから」
「ご飯くらいはまともに食べてよね」
「善処はする」
そういって何度も食べ損ねてるんだから、と文句を言われる。
熱中して忘れるなんてよくあることだ。
「あ、私の神形具もメンテしておいてくれると嬉しいな」
「
それどころか
彼女は
たまたま一緒に発見したMDと適応したらしい。
「初心者じゃ手入れもできないんだよ。機構がわからなくて」
「はいはい、滅多に使わないくせに」
むー、と膨れてポコポコと背中を叩いてくる。
「あ、仲良し二人組が帰ってきたわよ」
「あはは、ほんとに仲良しさんだね」
アリサ・バニングスと高町なのは。
一応級友である。すずかとは一年の頃から友だとだとか。
「外に居たんでしょ、アルはともかくすずかはさっきの突風は大丈夫だったの?
窓がすごく揺れてたけど」
「うん、あれくらいなら平気。心配してくれてありがとう」
「べ、別に大したことじゃないわよ」
ツンデレ乙、と声に出すとシバかれるので眺めておく。
「なによ、その視線は」
「別に。百合百合しいなと」
三人が首をかしげる。まあ、知ってたら驚きだが。
「と、授業が始まるな。席に着こうぜ」
「ちょっと!」
昼から二時限終え、放課後になったあとすぐにガラクタになりかけてる試作品の神形具を入れた袋を手にしてバスに乗り、月村家に帰る。
両親が海外に行っている間に両親の知り合いということで厄介になっている。
かれこれ4年目だが、そんなに仕事が楽しいのだろうか。
あるいは、おかしな自分を遠ざけたいだけだろうか。まあ、真実はわからない。
最寄りのバス停から歩き、家に入らず直接庭の土蔵に入って明かりを付け、自分の工房にこもる。
すずかの神形具の確認をして、自分のデヴァイスを解体する。
「作り直しだな」
バラした結果、刀身が歪んでいたため一から作り直したほうが早いという結論に達した。
制作は土曜日になってからのほうがいいかも知れない。
グッと伸びをして、土蔵の整理をする。
すずかの神器と神形具はここに眠っていたものだ。
曰く、前の世界からの遺品らしい。そんなことを示す一文があった。
「さて、頑張りますか」
ひとまずは、倉庫にしまってある素材の回収と、適当に山済みになってる道具の整理か。
結果として、夕飯の時間に呼び出されるまで土蔵にこもっていた。