遺伝詞が見える少年   作:リボルビングバンカー

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お酒は二十歳になってから!!

私はホットワインも好きだぞ?


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「ジュエルシードを破壊したって……」

 

「簡単だったぞ、二度五行する必要があったのが面倒だが」

 

「それで一瞬次元震が……」

 

 次元震とやらが何かはわからないが、広範囲の軍事用音壊爆弾を使ったような事象は起きた。

 二度目の五行は事象自体を狙ったものだ。

 彼女の無茶に比べれば大したことはない。

 

 君は今、何をしているのだろう?

 

「さて、一度大事を起こしたことだし調査部隊でも待ちながら探索してくれ」

 

「分かりました、気をつけます」

 

 なのはが部屋に帰ってきたらしいので通話を切り、こちらも土蔵に篭る。

 

「Please allow me to introduce myself

 I'm a man of wealth and taste

 I've been around for long, long years

 Stole many man's soul and faith――」

 

Sympathy For The Devil(悪魔を憐れむ歌)ね、英語の復習かしら?」

 

 土蔵を開けて入ってきたのは忍だった。

 

「ああ、いらっしゃい。

 丁度哀れな子羊を思い出しからね」

 

「今、なのはちゃんと敵対してるっていう?」

 

「彼女は悪魔の所業によって生まれた可哀想な子羊。元凶はその親さ。

 何があってそこまでの業に手を染めたのか、ってね。憐れむしかない悪魔だな」

 

 ふと、気がついてしまったのか、顔色が変わる。

 工学に詳しい彼女だからだろう。

 

「自動人形?」

 

「いや、クローンか、あるいは感情関連の手術だ」

 

「そう――、確かに悪魔を憐れむしかないわね」

 

 土蔵のワイナリーからそこそこいいワインを取り出して、飲まない?、と聞かれた。

 未成年だが、飲んだことがないわけでもない。

 ロシアに旅行に行ったときは必須だった。

 

「頂こうか、すずかには内緒で」

 

「そうね、内緒で」

 

 習い事に行っているすずかには見せれない光景だ。

 

「それで、フェイトちゃんだっけ。

 なんで普通じゃないと思ったの?」

 

「機械なら部品を変えるだけでいいのに五行や風水をかなり気にしてた。

 そして、精神面において、何かに依存しすぎている。手を加えられた証だろう」

 

「長生きしてる人間の観察眼って怖いわね」

 

 笑いながら忍がおちょくってきた。

 まあ、確かに精神は長生きだろう。

 

「精神はとっくに百歳を超えているからな。長生きだと言われても異論はない」

 

 体は未熟だがな、と返す。

 

「まあ、いいじゃない。折角人間になったんだもの、楽しまないと損よ」

 

「ご尤もだ。今世では彼女に引っ掻き回されなくてすみそうで安心している」

 

 ふ、と顔色が変わった。

 あれはおもちゃを見つけた時の顔だ、と思ったときには既に遅い。

 

「彼女、ねぇ。誰かしら?

 なかなかに感慨深いため息をついたあたり結構縁があった人物っぽいけど」

 

「……異族(グラゾリアン)の女だ」

 

「グラゾリアン……ああ、純粋な人間じゃない人たちね」

 

 ここまで来たら逃げられはしないだろう。

 酒が入っているためか口は軽く、諦めるのも早かった。懐かしかった、というのもある。

 

「猫人の少女でな。

 よく猫になって裸で現れたり、自分の運命に振り回されて嘆いていたりと忙しいやつだった」

 

「その割には楽しそうね」

 

 そうだろうか? いや、他人の目から見ればそうなのだろう。

 

「そうだな、楽しかったのかもしれん。

 アメリカに逃がしてやったのにドイツに戻ってくるわ、お子様体型のくせに裸を見られて恥ずかしがるわでなかなか退屈はしなかったな」

 

「それ、すずかたちに言ったら洒落じゃすまなくなるわよ?」

 

 知っている、とだけ言って笑われるのに対して肩をすくめる。

 

「もう誰かに怒られたとか?」

 

「反独隊というレジスタンスの一人にな。

 仮にも女の子なんだから女として扱え、だそうだ」

 

 さらに笑わせることになったが、仕方ないだろう。

 

「で、その女の子の名前は?」

 

「ヘイゼル、ヘイゼル・ミルドグリフ。救世者の持ち主で、世界を救った少女だ」

 

 ああ、それで大事にしてたのか、なんて呟いてワインを回している。

 

「まあ、いろいろあったが悪くない記憶だよ。

 約千年前から手紙を出してくるくらい気に入られてたしな」

 

「そのシステム面白いわね。郵送会社もやってくれないかしら?」

 

「紛失するのがオチだ」

 

 まあ、そうよね。と笑い合う。

 

 むっ?

 

「あら」

 

 やはり、何かが起きたらしい。

 

「遠すぎてわからんな」

 

「だねぇ、後で大学の友達にでも聞いてみるわ」

 

「アル、神形具の手入れを……あー! お酒飲んでるー!!」

 

「あっ、やべっ」

 

「お姉ちゃんも! 鍵はお姉ちゃんかノエルさんしか持ってないんだから!」

 

「バレたか」

 

 このあとお説教を食らった。解せぬ。

 

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