今日意識がはっきりしたの夕方でした。
真似しないように、ショートドラッグとかも良くないぞ~
「この辺、かな?」
「駕発動でも完全に把握しきれないってのは厄介だな」
アリサと俺だけでジュエルシードを確保しに来ていた。
正確にはエネルギーのみだが。
「っていうか、ポンポン他人の強臟式機械を駕発動させれるあんたの方がやばいでしょ」
そうだろうか? 暇なときは鍛錬か瞑想してるから結構排気はある方だけど。
さて、と。
「海浜公園、ねぇ」
「どうしたの?」
「なあ、海の方はどうなってる?」
「……えっと、かなり乱れてる」
海にもいくつかあるな。
「じゃ、探しますか」
「どのへんが怪しいとか」
ふむ、海浜公園ともなれば公的領域。
目につく場所なら見つかっているはず……
「防風林」
「了解」
五十分くらいしてからだろうか、アリサの方も休憩に入っていた。
『アルさん、ちょっといいですか?』
『何用?」
『ジュエルシードのことなんですけど、情報をまとめたいので会えませんか?』
あー、今は出くわしたくないな。
『作業中。ジュエルシードのいくつかは海の中』
黙った。情報と考えをまとめているのだろう。
『ライブ、という情報の流れを見れるんでしたっけ?』
ほう、ということはなのはが傍にいるな。
『ああ。視覚情報として世界をある程度観測できる』
『ジュエルシードの波長がわかったんですか?』
『逆だ。正しくない波長の場所を見つけたに過ぎん』
『ありがとうございます、目処が立ちました』
さて、
「急ぎますか」
バレたら面倒だし。
それから十分、無事ジュエルシードを発見。
「よしよし、治療の紋章を刻んだ精霊石の欠片で覆って、と」
「風水すればいいわけね。なのはにバレる前に仕上げましょうか」
ラ、から始まる強い掛詞を感じ、膨大な遺伝詞を操作している。
邪魔できないし、警戒をしつつ眺める。
「ジュエルシード、見つけ……えっ」
「遅かったな、ジュエルシードは
風水が終わったとともにフェイト・テスタロッサ+2がやってきた。
「お前が転生者か?」
相も変わらず転生者とかなんとか。
「知らん。そんな発言をしていたやつなら仕留めて警察に送り届けたがな」
「……どうだか。転生者は三人と聞いているからな、お前を倒せばちょうどだ」
はぁ、面倒くさい。
「そっちの。アリサだっけ、下がっておくといい。
世界を乱す連中を仕留めるのが俺の仕事だ」
「……乱すような事してたか、俺?」
「さあ、あいつにとっては乱してるんじゃない?」
あー、ああ。なるほど。益々面倒だな。
「仕方ない、時間稼ぎも兼ねてちょっと本気出すか。
アリサ、精霊石の風水が終わったら合図宜しく」
「はいはい、ついでなんだから風水紋章も試しておいてよね」
げっ、なんで知ってるんですかねぇ?
「情報網を甘くみないでよね」
フフン、なんて笑ってるあたり忍かすずかが原因だ。
アリサは口がうまいからなぁ。
「さて、依頼通りに風水紋章の起動をしますか」
ア、という遺伝詞を放ち、この区画に仕込んでいた風水紋章を発動させる。
そのためにいくつもの神形具を作っていたというのもある。
「なっ、その剣とこれの二つが転生特典か!!」
いや、転生特典ってなんだよ。
「
「千二十四万だ」
「……早いし」
風水の
但し、あの精霊石のかけらのように、自己進化の紋章を刻んでいない限りは、とつくが。
「……行け!」
「くっ! こんな無茶苦茶な特典を選ぶなんて!」
虚空から取り出したのは両手に鍔までしかない取手。
一瞬で振り抜き、剣を生み出した。
「……珍しいな」
ガチガチに固まって風水五行できそうにない。
色合い的には氷だが、あんなモノ存在するのか?
「このっ!」
本人のスペックも高い。が、時間稼ぎだけなら何とかなるだろう。しかし、こいつは遺伝詞の乱れが殆ど無い。機械化してるわけでもなさそうだし、あれ自体が本体か。殺したくは無いんだが……。
「加勢する。サンダースマッシャー!」
それは、
「悪手だな」
地竜が巨大化し、さらに手が負えなくなる。
「なら、本体を叩くべきだね!
あたしとフェイトがこの竜を抑えるから!」
「承知!」
ふむ、独軍の中級くらいの実力かな?
試せばわかるか。
「ア」
という敵意の赤の掛詞でを大気を五行し、爆風を起こす、それに突っ込み、さらに大気の爆発を五行して駆け抜ける。
「くっ」
「ふむ、そんなものか」
「ふざけるな! 魔法を使うくせに非殺傷設定も管理法も知らないのか!」
管理とかなんとか言ってるけど、そもそもとして、だ。
「残念ながら、俺は魔法は使えないぞ」
魔法のように見えるが、
「はぁっ!? 特典以外の攻撃で魔法が使えないだと!?」
特典以外の魔法ってなんだよ、と数時間問い続けたいところだが
「アル、風水終わった」
「了解。地竜はもうちょっと動き続けると思う。
遺伝詞を乱しておいて逃亡しますか」
「了解、詞変! 三百万の詞階よ!」
「アアアアアア!!」
弱すぎる遺伝詞をぶつけ、乱れを大きくする。
その結果、地竜は巨大化し、行動時間も多くなる。
「じゃ、精霊石だけ回収して残骸は廃棄で」
「あくどいわね」
精霊石をナイフでアボガドのように切り分け、中身のジュエルシードだったものを取り出し捨てる。
さて、結果をあとで確認しなくちゃいけないし、そろそろなのはも来る頃だ。
「逃げるぞ、すずかが来る前に!!」
「言ってないの!?」
「忍からの極秘ミッションだといっただろうに!」
藪を抜け、時間を切り取った結界から抜け出る。出口は五行で無理やり作った。
「ハァハァハァ……。そろそろ来るはずだが……」
「何がよ……フー」
「電話を受けてきてみれば、何やってるんだ?」
「忍のお使い」
「忍さんの密命」
「……頭が痛くなってきたが状況はわかった。月村邸でいいな?」
「頼んだ。バイクの後ろとサイドカーと好きな方を」
「サイドカーで」
「……アリサちゃんもアルに染まって自由人になってきたな。安全面から見ればサイドカー推奨だが」
悪かったな。
「おかえりー。よくやった、褒美をやろう」
「あんな割に合わない仕事二度とやらないわよ!!」
結構楽しかったけどな。
「で、精霊石の方は……ふむ、dpを作るのにはまだまだ足りないわね。
とはいえお疲れ様、アリサちゃんはお風呂入っていきなさい。海風でベタベタでしょ」
「ええ、着替えも持ってきておいたし遠慮なく」
アリサが出ていくのを見計らって、
「ミッション達成よ! 精霊石の感応性を復活させることができたわ!!」
「結局、何をさせてたんだ?」
「風化した精霊石を元に戻してもらったのよ。
dpシリーズの、カイザーブルグの心臓部といってもいい遺産のね」
「カイザーブルグは旧世界のドイツのとある研究者と技術者が千年前の技術と最新の技術を組み合わせて完成させた当時最新を誇る画期的なシステムを組み込んだ戦闘機だ。
まあ、目的が月に行くためだから宇宙船というべきなんだが、どうでもいいな」
「特徴は燃料の補給がいらないということ、自分で成長進化することが挙げられるの。
資料を見たときは頭を抱えたわよ、滅んだ文明進みすぎてるだろって」
「つまり、これがあれば再現できるのか?」
「後九倍の精霊石と紋章師が存在してればな」
「……まだいるのか?」
「精製し直した目的には十分足りてるわよ。再現したいかと聞かれたら頷くけど」
頷くんだ、と恭也が呆れた。遺失技術を探求するのが好きな忍からしてみれば聖遺物に見えるのだろう。槍か杯か釘か十字架か知らないが。
「まあ、後は紋章技術さえ発掘できたらノエルの動力をこっちに変えようと思ってね」
「ああ、そういうことか」
ノエルは充電式の動力で動く自動人形だ。充電の必要のない動力に変えたかった、というのが忍の夢だったとか。俺の知ってる自動人形は存在定義を失うか大破するまで動き続けてたからそういうのを知らなかった。
「幸いにも、
俺は紋章を彫り込む練習をする必要があるからな」
「彫り込むって、精霊石に?」
「その外側の箱に。カバーに彫り込むんだ。ふざけてるだろ?」
「……すまん、頑張ってくれ」
はあ、彼女には甘いやつだ。
「じゃあ、俺も男湯に行くから資料整理を二人でやってくれ」
土蔵から出たとき、すずかにショートアッパーをかまされて意識を失った。
バレてたらしい。