遺伝詞が見える少年   作:リボルビングバンカー

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六話目


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「は? お前らも狙われた?」

 

「うん、リンカーコアも取られちゃって……」

 

「戦い方が雑なんだよ、力任せとか魔力任せとか有り得ないだろ」

 

 二人揃ってうなだれている。なのはだ。

 

「私のとこは来なかったわよ。風水紋章仕込んでるから来ても平気だけど」

 

「うちは起動する前に倒したからね」

 

「あの戦力の三人を三人で相手取るとか冗談じゃないの?」

 

「あ? 全方位把握とか重騎士(パンツァーカヴァリエ)の常識だから」

 

 それで不意打ちを避けれたら苦労しないのだと、そういう顔をしている。

 

「で、恭也の方は?」

 

「お兄ちゃんは魔力がないから結界に入ることもなく無事でした」

 

「つまり役立たずと」

 

「ひ、酷っ。容赦ない口撃なの、この人!?」

 

 なのはも容赦がなくなってきたな。まあ、戦うのが得意なくせに肝心なところで役に立たないなら役立たずの汚名は真遁れまい。

 

「まあ、デバイス? の修理まで呑気にしてればいいんじゃね?」

 

「なんでそうのんきなの?」

 

「いや、数日前にうち、で昨日にそっちってことはしばらくこの辺避けるだろ」

 

 わからないらしい。結構簡単なロジックなんだが。

 

「要するに、居場所を特定されないために違う場所を狙うってことよ」

 

 アリサの一言に分かってなかったふたりが納得する。

 

「まあ、俺らは空も飛べないし転移もできないから関係ないけどな」

 

<あー、テステス。聞こえる~?>

 

「ところで、宿題とか終わったのか?」

 

「え、あの」

 

「昨日襲撃にあったってことは下手すると宿題終わってないんだろ?」

 

<返事が欲しいんだけど、聞こえてないのかな? おーい>

 

「アル君、流石にちょっと」

 

「まあ、宿題は最悪写せばいいだろうし?」

 

<そろそろ泣いていい?>

 

「どうぞご自由に」

 

<ウガーー! 聞こえてるんじゃないの!>

 

「虚空に話しかけるとか痛い人じゃないか。見えもしない人に返事するほど暇じゃない」

 

「すみません、こういう人なんで」

 

<うー、はい。んんっ。全員、放課後ちょっとなのはちゃんについて支部に来てね>

 

「何用で?」

 

<今後の対策と、本部からデヴァイスだっけ、それの情報が欲しいって>

 

「はぁ、行けばいいんだろ行けば。多少時間を空けての移動になるが問題ないか?」

 

「何か用事があるの?」

 

「本を返しに行く必要があってな」

 

 

 

 

 

 

 本を返しに図書館に寄り、習い事のあるアリサはそのまま車で帰る。

 そして、フェイトの家の前にたどり着いた。

 

「ここがあの女のハウスね!」

 

「アル、それ女性のセリフだから」

 

「いや、取り敢えず言っておくべきかと思ってな」

 

 ネットは結構面白い。DTの電詞板に行ってみたかったなぁと思いつつ、開けられた扉をくぐる。

 

「ちはー、お邪魔するぞ」

 

「邪魔するなら帰ってねー」

 

「はいよー」

 

「って、マジで帰らないで。冗談、冗談だから!」

 

 ややこしいやつだなぁ。

 

「で、何のようだ。魔法も使えない俺たちまで呼び出して」

 

 ペットボトルの紅茶を飲む。

 ノンシュガーなのに甘い。人工甘味料か……。

 

「ちょっとね。今後に備えて魔法を使えるようになってもらっておこうかと」

 

「風水五行や神器じゃダメなんですか?」

 

「あー、味方を巻き込んだ時にそれだと致命傷になっちゃうかも知れないから」

 

「要するに、首輪をつけておきたいんだろう?」

 

「まあ、そういうことですね。

 土日に練習しに来てください。もう一人も連れて」

 

「もう一人?」

 

「ええと、二人じゃなくて?」

 

「え?」

 

 あー、なるほど。気づいてないのか。

 

「なのはちゃんちで魔力反応もう一つあったんだけど」

 

「ふぇ?」

 

「あー、そういえば説明してなかったな。

 美由希も神器(リズム)使いだよ。凶悪すぎて封印してるけど」

 

「凶悪?」

 

 なんて言ったらいいのかな。まあ、わかりやすく結果だけ言えばいいか。

 

「触れたものを焼き尽くす神器。最高の右神器、その片割れ」

 

「触れたものをって、どの程度を?」

 

「全て。エネルギーでも非実態のものでも、氷であろうとも灰にする。

 彼女を戦場に出すとは、敵をすべて焼き殺す、ということだ」

 

「流石に、それは……」

 

「管理局としては許可できないな。

 幸いにして魔力量は微量だし監視に留めるとしよう」

 

「で、忍は……うん」

 

「どうしたんだ、言い淀んで」

 

 多分、

 

「何でもアリならこの中で一番強い」

 

「は?」

「へ?」

「え?」

 

「強いぞ、即死系の攻撃を無効化するし初手は必ず取られるし」

 

「おまけに身体能力も一級だしね」

 

「……映像を見る限り普通の人間に見えたんだがな」

 

「ああ、意図的に(・・・・)人間と同じスペックで動いてるからな」

 

 本気を出したことはない、とかなんとか言ってたが、多分7秒代でも出せるだろう。

 実際にそのくらい出せる恭也と正面からやりあってもなんとかなるくらいだからもうちょっと上に見積もってもいいかもしれないが、知らぬからどう答えたものか。

 

「彼女を呼び出すことはできるか?」

 

「多分。なのは経由でなら」

 

「お兄ちゃん、今日は忍さんとデートだけど」

 

「はい解散」

 

「……ああ、そういう」

 

 仕方ないだろ、他に興味を持つような分野なんて喪失技術くらいだぞ?

 

「まあ、帰ったら伝えておく。とはいえ、魔力制御なんてできないだろうけどな」

 

「どうしてだ?」

 

「魔力に変換せずに直接流体を操作してるから、としか言えんな。

 詳しくはドイツの実家にある俺の論文でも読め」

 

 

 

 適当にストレージデバイスとやらで練習したが、此方三人はちっともうまくいかなかった。

 魔力に変換する、という無駄な手間を挟む分効率が落ちすぎてどうしようもない、ということだ。

 

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