遺伝詞が見える少年   作:リボルビングバンカー

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九話目ですこれがラストだ!


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「……ふむ、何用かな」

 

「相変わらず気配に敏感ね。お仕事よ。クロノを手伝ってください」

 

「俺だけか?」

 

「アリサさんは特別補講中です。魔力変換資質のね。

 すずかさんはお友達が遊びに来るとかで帰りました」

 

 なるほど、そう口だけを動かして、やれやれと頭をかきむしり、

 

「出よう。そういえばフェイはどうした?」

 

「彼は研修期間兼無限図書館で調べ物中よ」

 

 そこはいつからあるのか、いつの書庫があるのかさえ解明されていないという。

 瑣末なことだったな。

 

「転送と撤退の転移を頼む。流石にその術式は記憶していない」

 

 ついにクロノがはっちゃけて俺たちは術式そのものを記憶することになった。

 何が起きてるかわからないから上手く発動できないのなら、何が起きているのかを全部把握させればいいんだろう!?、などと妄言を抜かし、事実それが現実に効果があったので採用されることとなった。

 

「では、行ってくる。期待はするな」

 

「向こうも百戦錬磨の騎士だもの、情報を手に入れるくらいしか期待していないから」

 

「それを過剰な期待というんだ。全く。オーダーは?」

 

「結界の外にいる主もしくは闇の書の所持者の確保。それから命を奪わないこと」

 

「拝命した。行ってくる」

 

 足元に展開された転移陣に従い、結界の外、上空に放り出される。

 

「なるほど、安全地帯とは恐れ入る」

 

 魔力平面を構築し、足場として着地する。

 

<アル、心当たりはあるか?>

 

<遮蔽物があり見渡しやすい場所、高層ビルの影だ。

 さらに絞り込むなら、そうだな下も見渡しやすい正面に高いビルがない場所でもあるだろう>

 

<なるほど、経験は伊達ではないらしいな>

 

 結界を軸に互いに時計回りで怪しい地点を探る。

 クロノが見つけたと連絡を短く入れた。

 

「ふむ、そこそこいいポジションじゃないか。狙撃……いや空間干渉か」

 

 上空で待機し、伏兵を叩く準備をする。

 アホタレ、空間転移の攻撃を予見していなかったな?

 

 ア

 

 という短い遺伝詞を神形具で増幅し、衝撃波として放つ。

 続いて背後にも。

 

「あってるだろう?」

 

「なっ」

 

 気配が違う。伏兵は二人だったわけか。

 

「あーあ、こりゃ逃げられるな。まあいい、取り敢えず、だ。ア」

 

 砲撃を五行して、

 

「依頼通り死なないように手加減はしてやるから本気で来い。

 仮にも熟練の重騎士だ舐めるなよ」

 

「ほざけ」

 

 射撃を五行の波で飲み込みながら反撃し、生半可な攻撃は五行を強めるだけとなり、最終的に防戦に追い込んでいく。バリアを張って防いだらそれを壊す五行を叩き込む。

 

 取った、と確信したときに大出力の砲撃を出されて結界を壊された。が、俺の任務は結界の維持じゃない。

 クロスレンジで、神形具を相手に叩き込み、右腕と変装を破壊した。が、それは囮で顔は右腕で隠され、カウンターでゼロ距離砲撃を食らった。

 

「チッ」

 

 こちらも左腕を砕かれ、転移で逃げられた。

 

<すまん、逃げられた。アリサを呼んでおいてくれ至急だ>

 

<それは問題ないけど、大怪我でもしたの?>

 

<左腕を砕かれた。遺伝詞は固まってないから今のうちに治したい>

 

 慌ててきた打撲のクロノに共に転送され、風水治療で神形具を刺され、二人揃って気絶した。

 

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