「お姉ちゃん、アルが!」
朝に帰ってくるなり宙に固定したアルを連れて泣きながら縋ってきた。
どうやら厄介事らしい。
管理局の旗艦で状態を確認し、本局でも確認したところリンカーコアなる部位の縮小以外問題点はないらしい。すぐに目を覚ましますよ、なんて言われたのに半日経っても目を覚まさないとか。
(そりゃ起きないわよ、こんな死にかけの状態なんだもの)
死にかけた人間を見たことがないのか、感受性が高いアリサちゃんですら気づいていない。
すずかはもしかして、位には考えているだろう。
どうせ同期できないモノでも入れて暴走させたのだろう。
手荷物の中に"運命"の柄がなかった。解析に回されていないのなら、原因はそれだ。
睡眠不足だったのか、すずかもアリサちゃんも今は眠っている。
必要なのは遺伝詞交換だろう。とはいえ、アリサの年齢じゃそれをこなすのも困難か。
「ふむ、確か電話番号は……」
「おはよう、お姉ちゃん――あれ、アルは?」
「治療の一環で管理局に預けることにした。延命の生体ポッドが必要だろうから」
「そんなに重症なの?」
「重症っちゃ重症ね」
取り敢えず、朝食でも食べていらっしゃいと言って追い返す。
<すみません、こちらの事情でアル君を……>
「いいのいいの、彼が決めたのなら止める権利は誰にもないから。
それと、今の彼、状態としてはリンカーコアだっけ、それのある一般人と同じでしょ?」
<はい。メディカルチェックをした結果、リンカーコアが縮小しています>
まあ、あんな大容量な中身を入れた反動だろう。
「そんなもので済んで良かったわ。下手したら消滅してるところだし。
だけど、紋章師のアテもなくなったし、研究も一時頓挫かな。最短でも六年は間が空くし」
<六年、ですか?>
「アリサちゃんが遺伝詞交換して
問題は、それをするには年齢がねー。小学生に寝たきりの男を犯せとか言えないでしょ」
<うっ、うわぁ>
「もっと言えばアルの方もまだ勃たないだろうし、早くて三年よね~」
<はい、終了! この話題終了! フェイトちゃんに聞こえたらどうするの!?>
「聞こえたら……頑張ってって応援するけど?」
<何を!>
「ナニを」
ウガー! と本格的にキレ始めたのでそこで話題を終わらせる。
「ところで、はやてちゃんはどう?」
<本当に唐突ですね、まあ、ただの疲労で倒れてただけなんで。
問題は違法行為の裁判ですね。いくら知らなかったとはいえお咎めなしというわけにも>
「まあ、当然よね。保護者が責任を取るのは。
あ、はやてちゃんには言わないでね? 多分、気に病むから」
<言えませんよ、自分を救った男の子の一人が吸血鬼になって死にかけてる、なんて>
パタパタと部屋から遠ざかる音がした。
聞かれちゃったか。まあ、遅かれ早かれ知る事になるでしょうし、いっか。
<あの、何かあったんですか?>
「ああ、気にしないで。すずかにバレただけだから」
<それ、拙くありません?>
「言えないでしょうし、言いたくもないでしょ。
友達に、あなたのせいで彼が死にかけてる、だなんて」
<それがまずいんじゃないかって……>
「まあ、其の辺は後で話し合っておくから。私も大学があるし、そろそろ」
<あ、ああ、はい。頑張ってくださいね>
さーて、どこから話したものかなー?
さて、空白期のなんやかんやとST編の準備でしばらく投稿が飛び飛びになります。
見つけたときにでもコメント残してくれると日々の生活に色ができるので誤字報告でもください。間違ってても気づいてない時多いので