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「リィン曹兵、下見は完了、これより帰投する」
「了解ですぅ、というかいい加減"兵"呼ばわりはやめてほいしのですが」
「あ? 曹兵は曹兵だろうが。はやては中佐でなのはは大尉だろうに」
「なんで軍人扱いなのかと聞いているんですぅ!」
「出身が軍国だから」
諦めろ、ついでに頑張れとだけ言い残して終了地点の崖から飛び降りる。
全弾回避且つノーアタックでくぐり抜けるのは至難の業だった。
どうせ三人はどっかから観察してたのだろう。
「あー、もういいや、かえって仮眠室で寝よ」
RTAした後だ、酒飲んで寝てもいいだろう。
<アルー、仕事が入ったから早く戻ってきてねー>
F●CKこれだから仕事大好きな人種は。今日はこれで仕事終わりのはずなのに。
まあ、いい。運転手を止めてる場所までは歩いて帰ろう。
「お疲れ様です。すごい腕ですね、本局入りしないんですか?」
「本職はデバイス製造の下請けだ。たまに全部つくるが管理局で必死に働く気はない」
「まあ、部署によってはブラックですからね。
っと、いけない。すずか三尉に早く連れ戻せって言われてるんでした」
「とりあえず、ハッカキセルくらい吸わせろ。帰ってからも仕事だと思うだけで面倒だ」
「第97管理外世界出身って皆勤勉な人だと思ってたんですけどね」
「そりゃそこに住んでる勤勉な社会の人間がたまたま勤勉だっただけだ。
フランスは女を見たらデートに誘うしバカンスが大好き、イタリアは女を見たら愛を囁いてバカンスが大好き、といった風にな。日本はとりわけ働くのが大好きな連中の国だ」
「結局地域しだい、と。で、アルさんの出身の国は?」
「規律が大好きで政治の話も大好き。んでいつの間にかレディーファーストを学ぶ国だ。後散歩が大好き」
まあ、レディーファーストって元々女性を先に歩かせて危険を探知するカナリヤ扱いなんだが。
「変な国っすね。ああ、だから仕事が終わったのに急に入ってくるのが嫌いなのか」
「そういうことだ。働いて働いて働くの、なんて言ってるのは日本とアメリカだけだ」
ゴミをポケットに放り込んでヘルメットをかぶる。
「ゆっくりでいいぞ、本来仕事は終わってるんだから」
「そういうわけにも行きませんって。じゃ、出しますよ」
結局、仕事の内容は大したことなかった。
単にプログラミングエラーで止まってるからどうしたらいいのかわからなかっただけ。
……管理権限が俺のデバイスにしかないからといって勝手に使うのもどうかと思うが、よく知らない言語でエラーを吐かれて困って呼び出すのはもっとどうかと思う。仕事自体は急ぎだったのでますます頭が痛い。せめて日程くらい考えていろいろ仕事を割り振れよ、と逆に上に叱るのであった。