ラノベより高い大きさのドリンクってなんだよ、P3のペタワックか!!
ああ、前話も本日投稿なのでそちらもよろしく――以上
朝食を終え、すずかを見送り、念のためにと恭也まで来た。バカップルいい加減にしろ。
さて、
「まずは右目の義眼の名前からだな」
「そんな大層な代物なわけ?」
大層な代物ですことよ。
「名前は
旧世界において
「はあ」
「救世者の
駕発動は全ての遺伝詞の視覚化という、ぶっちゃけチートなモノだ」
「そもそも強臓式機械ってのがよくわからないんだけど」
「簡単に言えば、人間の素材をベースに機械化したものだな。
素材は形あるものから形のないものまでいろいろだ」
忍は刀身のない剣のようなものを見せて、
「私の
つまり、すずかは"今"吸血鬼ではないということを告げた。
「ああ、あの時のセリフはそういう」
何やら誘拐時にそんなことがあったらしい。
「私の運命の仮発動は運命を切り裂くこと。
駕発動はすずかに吸血鬼のすべてを返し、私の吸血衝動を解放すること。
と、まあ――できるだけ駕発動は使いたくないのよ」
それに対し恭也は腰に差した直刀を抜き、
「俺の
仮発動は作用力場を自由に変動させることができる。
駕発動は刀身に写したものの割断だ」
マルシュの手記を元に現代で再現したものだが、オーバースペックと言っても過言でもない。
あくまで、現代において、と頭につくが。
「へえ。どうやって発動させるの?」
「……
使用者が己の意志を強く持ったとき、機械は反応、周囲空間に対して流体を放出すると同時、己と使用者の意志を剥き出しにした
つまり、"事実"を人の意志と機械が文字的に書き換えてしまう、という現象だ。
わかったか? わからんだろうなぁ」
「ぐぬぬっ」
鞘に収めた小太刀で頭を叩かれ、勝ち誇った顔を止められた。
「つまり――強く願い、意思を発した際に起動するという認識でいい。
こちらのほうが直感で動かす連中にはわかりやすいだろう。恭也氏もそうだった」
もう一発叩かれた。余計な事を言うな、か。口で言え口で。
「コホン。まあ、運命と革命は手記を元に再現した物のため使いにくい。
当時の画期的な燃料は現代に残っていないため別のアプローチが必要だった。
そのため、使用者の余剰生命力――旧世界では排気、賢石と呼ばれるものを消費する。
但し、救世者は大気中の流体を回収して起動する」
「ええと?」
「その目は俺が再現したものではない、ということだ」
オリジナルの強臓式機械だと言っているだろうに。
「まあ、かなり便利だぞ。慣れればな」
さて、と言って苦無を取り出す。
「強臓式機械の説明は終わったので、実演と行こうか」
「了解。久々だけど頑張りますか」
ノーモーションで額、心臓、首を狙う。
『運命は死を選ばない』
まっすぐ飛んでいた苦無が突然はじかれたように違う場所を飛んでいった。
「よしよし、腕はなまってないわね」
「と、まあ。運命の切り裂くとはこういうことだ。
死ぬ運命を覆した、と言えるだろう」
呆然としているな。
一般人だと思ってた人物が実は裏社会に浸っていたと知ったらこんなもんか。
「救世者なら『救世者は傷つかない』とか、『救世者を――は阻めない』とかで似たようなことはできる。
これが言実化という機能だ」
「――余計に頭がこんがらがってきた。
つまり、状況に応じて強い意志で何かを望めばいいのね?」
そういうことだ、と言ってコーヒーを飲む。ミルク入り砂糖なしで。
ティータイムということで、三人は紅茶を飲む。
「そういえば、駕発動ってどうやるの?」
「知らん」
「え?」
いや、さっきも言っただろうに。
はぁ、とため息をついてから
「本来なら自分のパーツを部品にして作るから自分の中の
「いいんだけど?」
「その義眼はマルシュの右目を材料に作られているため、独逸因子を読んだものしか知らん」
首をかしげて、何言ってるんだコイツみたいな顔をしている。
もっと分かり易く言ったほうがいいか。
「救世者の駕発動の言葉はヘイゼル・ミリルドルフと製作者のマルシュしか知らない。
どうしても知りたかったら僅かに刻まれてる俺の魂の遺伝詞を読むしかないな」
「なんであんたの魂の遺伝詞を読むのよ」
なぜって、
「俺はCITY時代の記憶がうっすらと残ってるからな。
記憶として思い出せなくとも、残ってる情報を読み解けば答えは見つかるだろうさ」
カチャリ、とカップをソーサーに置いて
「但し、
今は妊娠しないからどうでもいいかもしれんが、あまり推奨しないけどな。
ぶっちゃけ、相手の不要な記憶まで見ることがある。辛いぞ」
俺の過去の記憶は凄惨なもので、前世の記憶は戦争をしていた。
「まあ、見ないほうがいいってのもあるが……自分の方も見られるんだぞ」
「――ああ、それはちょっと」
ようやく危険性に気づいたらしい。
「じゃあ、ちょっと遺伝詞がよく見える目という認識でいいわけ?」
そうだ、と答えてクッキーをつまむ。
「さて、プレゼントというか、必要なものだ。持っとけ」
そう言って、ケースを放り渡す。
開けて、
「サングラス?」
「アイパッチでもいいんだが、小学生はそういうの特に気にするからな。
事故で羞明になった、って教師には言っておけばいいさ。
目の色が写りにくい緑だが、茶色の方が良かったか?」
「どっちでもいいかな。
って、緑色のレンズのくせに見える色は普通なんだ」
私が考案したのよ! と忍が胸を張る。
まあ、カラコンかサングラスが必要だとは言ってたが、準備が早すぎるだろ。
「影が見えにくくなってるから其の辺は遺伝詞を見て生活しろ。
後は、うん。慣れろ」
「大雑把ね。取り敢えず、家に帰って親に心配かけたことを謝ってくるわ」
「じゃ、玄関で待ってろ。神形具を持ってくる」
「急ぎなさいよ。私も車呼ばないと」