城ヶ崎家の長男はめんどくさがりのプロデューサー?   作:all

5 / 6
4話

何時もと同じように徹夜し、何時もと同じように出勤し、何時もと同じように常人より仕事させられているどうも俺です。

 

「プロデューサー、大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃない」

 

俺が担当しているアイドルの一人、小日向美穂が俺を心配する。ありがたい、あなたが天使だったのか。

だが、その天使の癒やしすらも今の俺には通用しない。だって、マジヤバイんだもん。そろそろ訴えてやろうか、この会社。

 

「そうだ小日向、午後からスカウトに行くつもりだけど、お前はどうするんだ?」

「えっと、午後からはレッスンがありますね。それにしても、プロデューサーがスカウトなんて珍しいですね」

「ああ、ちょっと新しいプロジェクトをやろうかなと思ってな」

 

俺の言葉を聞いた小日向が俺に詰め寄る。

ちょっ、近いですよ小日向さん。あ、いい匂い。

 

「本当ですか!?」

「お、おう…」

 

あまりの勢いに驚きながらも、辛うじて返事をする。

 

「実現はいつか分からんがな。プロジェクト名は…そうだな

 

 

―――プロジェクトクローネにしよう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

いい娘が、全くいねぇ…。

街に出てアイドルに向いていそうな女の子を探しているが、見つかる気配がまるでない。

 

「どうすっかな…」

「えっと…ここを…」

「!見つけた」

 

あの小さい子、ビンゴだ。どうやら道に迷っているようだし、ここは一つ助けてやるとしよう。

 

「おい、そこのチ…君」

 

セーフ!危うくチビと言いそうになってしまった。

 

「なんですか?」

「道に迷ってるようだけど、どうしたんだ?」

「えっと、ここにいきたくて…」

 

少女は俺にメモ用紙を渡した。そこに描かれている目的地は本屋、それも知り合いがいるところだった。

 

「ここ、知ってるぞ。こっちだ、付いてこい。えーと…少女」

「え?え、ちょ、ちょっと待ってください!後私は橘ありすです!」

「OK、橘か。俺は城ヶ崎涼太郎だ」

 

急に歩き出した俺に驚いて急いで橘が着いてくる。

…不審者と間違われてないかな。武内さんじゃないけどど警察は勘弁してほしい。

 

しばらく歩くと、目当ての本屋に着く。鷺沢、いるかな?

 

「ほら、ついたぞ」

「あ、ありがとうございます」

「気にすんな。けどまあ、連れてきてやったんだから、一つ俺の話を聞いてもらおうか」

「な!?聞いてないですよ!」

「これが大人の汚さってやつだよ」

「うぅ…」

 

悔しがる橘を無視して、俺は本屋に入る。すると中から綺麗な声で「いらっしゃいませ」と聞こえる。どうやら今日はいるみたいだな。

 

「よう、鷺沢」

「涼太郎さんでしたか…。今日はどうしたんですか?」

 

俺の担当アイドルの一人、鷺沢文香だ。

 

「いや、アイドルのスカウト中にいい娘を見つけたんだが、迷子だったみたいでな。地図を見せてもらったら、ここにいきたかったようだから連れてきた」

「そうですか…。その子は?」

「今頃悔しがりながら本を選んでるだろうよ。っと、早かったな橘」

「買う本は決まってましたから」

 

ムスッとした橘が本を鷺沢に手渡して会計を済ませる。

 

「それで、話ってなんですか?」

「ああ、立ち話もなんだ、近くのカフェにでも行くか。何でも奢ってやろう」

「汚い大人の言うことは信用できません」

「そういうなよ…悪かったって」

「…わかりました」

「よし、決まりだな。鷺沢、バイトは何時までだ?」

「もう時間なので終わりです」

「じゃあ、お前も付いてこい。お前にも奢ってやる」

「では、お言葉に甘えさせてもらいます」

 

…これはスカウトだから経費は落ちるよな?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。