城ヶ崎家の長男はめんどくさがりのプロデューサー?   作:all

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5話

その後、本屋から徒歩で10分ほどでつくカフェに鷺沢と橘を連れて入り、注文を済ませた俺は本題に入ることにした。

 

「えー、それじゃあ本題に入る。俺はアイドルのプロデューサーなんだ。ほら、名刺」

「え!?346プロのプロデューサーさん!?」

 

声でかいよ…。なに、そんな以外だった?ただのロリコンかと思った?残念!シスコンでした。

 

「まあ、俺が言いたいことはアイドルやらねえか?ってことなんだが…。やりたくないなら言ってくれ。諦める」

「少しは粘らなくていいんですか?」

「いいんだよ。強制することじゃあない。それで、どうする?」

 

俺がそう言うと、橘は考え出した。まあ、直ぐに決められることでもないしな。

 

「…決めました」

「へぇ…速いな。答えは?」

「やってみます」

「よっし!OKだ!」

「それにしても、プロデューサーさんがスカウトなんて珍しい、ですね」

「まあな…。小日向にもいったんだが、新しくプロジェクトを始めようと思ってな。そのメンバーの一人に、と思って橘みたいなやつを探していたんだ」

「私のような、ですか。どんなプロジェクト何ですか?」

 

どんな…か。それを言われても困るんだが。正直に言うか。

 

「ぶっちゃけ俺の趣味だ」

「ロリコンですか?」

「断じて違う」

 

だが、俺の趣味でやると言うことは一つ意味があるのだ。その意味とは、ある程度の纏まったコンセプト。

武内さんの進める『個性』重視の色々な人種が集まるのとは違うと言うわけだ。

あと、俺のモチベーションが保たれる。

 

「あ、鷺沢もメンバーな」

「え、私も…ですか?」

「当たり前だ。何のために一緒につれてきたと思ってるんだ」

「つまり、私はプロデューサーさんの趣味、つまり好みだと言うことですか?」

「ん?え?違う…いや、そういうことなのか?」

 

何処か違う気もするんだが、違わない気もする。…どっちなんだよ。

 

「あ、注文来ましたよ」

 

店員がトレイにアイスコーヒー二つとイチゴパフェを乗せて持ってきた。勿論、アイスコーヒーは俺と鷺沢、イチゴパフェは橘である。ちなみに、イチゴパフェはこの店で一番高かった。容赦ねえ…。

 

「あ、わかりました。クール系の子が好みなんですね?」

「……」

 

否定出来ないのがつらい。

 

**

 

「涼太郎君ってさぁ、友達いないよね」

「なにか文句あんのか28歳。つか、何で知ってんだよ」

 

橘のスカウトに成功した次の日に俺は担当アイドルの一人、28歳の元警官アイドル、片桐早苗さんにいきなりそんなことを言われた。

 

「それぐらい見てたら分かるよ。基本無愛想だし。顔は美嘉ちゃんに似て良いのに」

「俺が美嘉に似たんじゃなくて美嘉が俺に似たんですよ」

 

まあ、確かに?友達と呼べる人は居ませんけど?なんなら仕事が友達。

 

「早苗さんは今日レッスンでしょ?行かなくていいんですか?」

「行くけど、涼太郎君も行かないかなって。ほら、アイドルのレッスンを見て助言したり、状態を確認するのも仕事でしょ?」

「そうですけど、前回も行ったし、今日はシンデレラプロジェクトの顔合わせがあるそうなので、莉嘉の顔でも見てきますよ」

「妹さんでしょ?私も見に行きたいなあ」

「まあ今度の機会に会わせますよ」

「ありがと!行ってくるね!」

「ハイハイ、がんばってくださーい」

「はーい。あ、次は見に来てねー」

 

そう言って早苗さんは元気良く部屋から出ていった。しかし、最後の部屋を出る瞬間のウインクはいかがなものか。童顔とはいえ、28ですよ?もう立派なアラサー。

 

「けどまあ、次は見に行こうかな…」

 

そう呟いて、仕事に戻るべく、パソコンに目を移す。そこで不意に、時計に目がいった。時間は2時を回っていた。さて、集合は6時半だった筈だ。そこまでは出来るだけ仕事をしよう。あと、そろそろ上司に仕事を減らしてもらうように掛け合うとしよう。プロジェクトの企画が進められん。

 

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