怨鎖ノ街   作:日本紳士

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 どうも皆さま日本紳士というものです。PIXIVやツイッター、なろうなんかで見たことあるぞ手前なんていう方がいるかもしれませんがお気になさらず。

 皆さま最初に言っておきます。此方の作品には恋愛表現やハーレムなどの要素は一切ありません。作者は「萌えより燃えだろ」理論を唱えておりますので、必然的にそのような内容になっていきます。ご了承ください。また、此方の作品はタグにもあるようにグロと性的な表現がR18にならない程度に含まれています。耐性がない方、そういうのにご理解がない方はご一考してください。
 
 それではどうぞ


Episode1

 ザァザァと地面を叩く雨音。その雫は黒く染め上げられ、過度な技術の進歩による弊害を物語る。その黒く汚染された雨に繁華街の目を焼くネオンが乱反射しより鋭い光となって暗い道を照らす。

 

 かちり―

 

 汚れた雨音が世界を奔る中、その中に微かなノイズが生まれる。それは撃(ハン)鉄(マー)を上げる音、何者かを殺すための殺意の撃(ハン)鉄(マー)を上げた音だった。音の発生源は汚染された雨を気にも掛けず使い古された人体保護コート、もとい襤褸を纏った男は右手に今の科学技術が進んだ時代としては錯誤的に思われるシックな外装をしたシングルアクションの大口径リボルバーが収まっていた。

 

 「……ナタリー、ここでいいんだよな?」

 

 《ええ、そこであってるわ。仕事の内容は覚えてる?》

 

 「過剰肉体改造者カブロカンの捕獲もしくは殺害だっけか? でもあの依頼人最後に『殺害を推奨します』って言っていきやがったぜ」

 

《怖い話ねー。ま、簡単なお仕事なら別にいいじゃないの》

 

 男は耳に装着しているインカムを通してナタリーという女性に仕事の内容を尋ねた。

 

 男とナタリーは二人で表向き政府公認の『何でも屋』ということになっているが本業はこうした過剰肉体改造犯罪者の駆逐を主とした『掃除屋』である。

 

 《さ、手早くやってちょうだい。『11ファニング』ユヴェンさん?》

 

 ナタリーに名前を呼ばれた男は露骨に顔を顰める。

 

 「なあ…その『11ファニング』ってやつダサくねぇか…?」

 

 《それは私も思ってるんだけど実際そうなんだから仕方ないじゃない。通り名なんて周りが勝手に呼ぶものよ》

自分の通り名に不服を訴えるユヴェンをナタリーが宥める。そして深い溜息をついてユヴェンは目的の下水道へと向かった。

           

          ▽    ▽    ▽

 

 「……クッセェ」

 

 《仕方ないじゃない、下水道だもの》

 

 鼻孔の奥に染みつくような悪臭が下水道に充満している。その匂いにユヴェンは顔を歪ませながら歩を進める。そして

 

 「見つけた、一旦通信封鎖するぜ」

 

 《わかったわ、頑張ってね》

 

 何があるかわからない為通信を封鎖する。そして下水道の一画、配電盤が設置してある場所に対象を発見した。対象の肉体は一般人の約二回りは大きく、腕部にはパイルバンカーの杭とおもわしき物が融合し背中に併設された排熱盤からは終始熱が放出されている。

 

(ここからじゃ厳しいな)

 

 現在ユヴェンはカブロカンのいる配電室へ向かう道の曲がり角にいる為しかも距離も遠い為にカブロカンの強化されている体皮を貫通することは難しい。距離を詰めるために曲がり角を出たら目の前に鉄杭が迫る。

 

 「ッッ!!?」

 

 咄嗟にユヴェンは体を捻りそれを回避する。なぜ接近がばれたのかとユヴェンは疑問を抱く。そしてその原因は足元にあった。

 

 「透明色レーザーポインターか…」

 

 文字どうり透明のレーザートラップである為、敵に気付かれにくいということで大戦中普及したトラップであるが、間抜けなことに敵も気づけなければ仕掛けた自軍すらも気づけず壊滅した部隊もあったということから、配備一か月足らずでお蔵入りとなった物だ。

 

「ネズミさんが一匹引っかかったなー、キヒッ」

 

 カブロカンがこちらへ振り向き嗜虐的な顔を浮かべる。

 

 「随分な物使ってるじゃねえか。どうしたんだこんな物?」

 

 ユヴェンの顏には脂汗と引き攣った顔が浮かぶ。当初の予定では密かに射程距離まで接敵し、補助AIに銃弾を叩きこんで平和に「お喋り』の時間の筈だった。だが今こうやって面と向かい合った状態になってしまったのであれば仕方がない。だが内心穏やかではないユヴェンの顏は、苦虫を噛み潰したような顔が張り付いたままである。

 

 「お前…俺は戦争帰りだぞ? しかもこのブービートラップを導入してたのも俺の部隊だ。少しちょろまかすことぐらい簡単だったぜ」

 

 「そうか、戦争帰りねぇ…そいつは良かったな。でも仲間の殆どは見殺しにしたんだろう?」

 

 ユヴェンはカブロカンの経歴を前もって調べてきていた。ユーリー・カブロカン中尉という男は戦争中工作兵の部隊を率いて戦場にトラップを敷いた。その戦果は非常に素晴らしいものだったという。だがある事故から彼の状況は一変する。それは不慮の事故で仲間が自分たちの撒いたトラップに引っかかり死亡したという事故だった。その責任を問われるも、カブロカンは不問にされ再び戦場に戻ったが、自らが死んだ部下と同じように死んでしまうのではないかという恐怖が戦場を地獄へと変えたのだった。そして終戦の際に残党狩りに遭い、更に地獄と化した戦場の中をカブロカンは少数の兵をいや、『お気に入り』の兵のみを連れて命からがら逃げだし運よく五体満足で生き延びたのだ。その後はその時の記憶等がフラッシュバックすることが慢性化し酒と快楽、そして麻薬に溺れ始める。金が無くなっては路地裏で人を殺して金を奪う、そしてまた現実から目を背けるを繰り返して今に至る。

 

 

 

 

 彼も戦争の被害者である。

 

 

 

 

 「う…うる…五月蠅いッ!! 黙れェ!!! お前に何がわかるッ! あの状態、あの時誰が何をできたっていうんだッ!! 仕方ないじゃないか、誰だって我が身が可愛いもんだろう!!?」

 

 地面に後悔と責任転嫁が混ざり合った唾液が飛び散る。それをユヴェンは興味もないといったように肩を竦める。

 

 「だからどうしたんだ? やったのはお前で逃げたのもお前だろう? 責任転嫁してんじゃないよ中尉さん」

 

 「それ以上喋るんじゃねェェエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!」

 

 カブロカンの肉体が機械的な唸りを上げはじめる。右腕部の鉄杭が発射位置へと持ち上げられ、右腕から紫電が奔る。ユヴェンは銃を右手に持ち、左腕に装着されているワイヤーアンカーに腰のナイフシースから取り出したマチェットを合体させ前方へカブロカンへと投擲する。

 

 「ブッッッッ散れ―」

 

 そしてカブロカンの右腕から雷が放たれる。それは一直線にユヴェンを目がけて奔り下水道の壁を抉りながら、地面を捲りながら進む。そしてユヴェンを貫いた                            

 

 

 

 

 

 

 

 筈だった。

 

 

 

 

 

 

 「なッ……」

 

 カブロカンが絶句する。だがそれもそのはず、重さ三十kgの特殊合金の杭を初速7,200m/sで発射するという、右腕部に付けられたレールガンならぬレールバンカーがたかが「リボルバー」一丁に曲げられる異常な事象が発生したためであった。

 

 「どうした、鳩がアハトアハト食らったような顔して。やったことは簡単だぞ? 逸れる角度に弾丸を打ち込んだだけだ」

 

 ユヴェンは顔に脂汗を滲ませた顏で荒唐無稽なことを言い放つ。7,200m/sで進んでくる物体に銃弾を撃ち込む、そんなことができる人間なんているのだろうか。仮に現在は技術が進んでいる為、それに反応できる体を作ったとしよう。だが、肉体がそれを実行できるようになっていてもそれを動かすのは脳だ。脳が認識しそれを逸らす為の動きを導き出さなければならない。つまりいくら技術が進んだところでソフトウェアがハードウェアに追いつけなければ意味はないために、今ユヴェンがやってのけた芸当は非人間的なモノであった。だがもしも、先天的にそんなことができるように造られていたとしたら。カブロカンは戦慄する。聞いたことがあったのだ、国が秘密裏に進められていた計画の一つで先天的に遺伝子を改造した強化人間の話を。

 

 「まさか……成功していたのか? おまえはあの計画で生まれたのか?」

 

 「そうさ、でもな、そんな悠長におしゃべりしてる暇あるのか?」

 

 「グウッ!!?」

 

 カブロカンが気を抜いている間にユヴェンはリロードを終え、間合いを詰めてもう一本のマチェットで腹部を抉る。体勢を崩しレールバンカーのリロードも出来ぬままカブロカンは達磨に解体され、地に組み敷かれ馬乗りになられた。もう詰みの状態だ。人工血液で地面を赤く濡らしながら痛覚遮断が効いてはいるがどうしても頭には手足を失った恐怖感と不快感がカブロカンを襲う。

 

 「さて、それじゃあちょっとお喋りしようぜ。なに質問は一つだけだ。イエスかノーかで答えろ、俺と同じ造られた子供たちを知っているか?」

 

 「うぐっ…し、知らない! 知らないよ!! なあもういいだろ!! 俺はもうこのガアッ!!!!」

 

 カブロカンの腹部に埋め込まれた補助AIをユヴェンが撃ち抜く。その足元には十一個の薬莢が転がっていた。『11ファニング』、それは文字どおり十一発の弾丸を一瞬で撃つという技巧(テクニック)のことである。カブロカンは補助AIが破壊されたことで肉体の統制が取れなくなり、体が意思に反してのたうっていた。さらには先程までかかっていた痛覚遮断が解除され、カブロカンの脳は激痛の波に襲われ崩壊しかかっていた。そんな様子のカブロカンを見てユヴェンは溜息を挟み

 

 「もう一度聞くぞ、俺と同じ奴らを他に四人しらないか?」

 

 「アヒェヒェヒェ……ガハァ……ァア」

 

 カブロカンは白目を剥き、口からは止め処なく唾液が撒き散らす。その開いた口からは呻き声なのか笑い声なのか解らない言葉が吐き出されていた。それを見てユヴェンは目を閉じ吐き捨てるように呟いた。

 

 「……今、楽にしてやるよ」

 

 残った一発を頭へと撃ちこみカブロカンは地獄から解放され絶命した。血と涎などによって汚れたその顔は先程の苦悶の顔と違って憑き物が落ちように安らかなものに見えた。

 

 「……ナタリー」

 

 《終わったの?》

 

 「ああ、残念なことにこいつもはずれだ」

 

 《そう…まあいいわ帰ってきて頂戴。お風呂沸かしといてあげるから》

 

 「了解ボス」

 

 そしてユヴェンは下水道を後にした。残ったものは弄ばれ無残に死んだ死体達と、肉と鉄が入り混じった塊だけだった。

 

           ▼     ▼     ▼

 

 

 歩く度に足下の水溜まりから小さい飛沫が上がり靴と服を濡らす。先程まで降っていた雨は止んだが薄暗い曇天は未だ続いている。

 

 「……やれやれ、だな」

 

 ユヴェンが街道を歩く往来をよけながら呟く。今回の依頼も外れたことに嘆息しているのだ。ユーリー・カブロカン中尉という男は今となっては堕欲を貪る鉄屑にしか過ぎなかったが、その経歴は華々しいものだった。

 

 彼は二十五歳のとき軍の技研に入りそこで数々の先の大戦を支えた兵器を開発した。透明色レーザーポインターと、彼の腕に装着されていたレールバンカーもその一つである。そして三十歳を迎えたときに体を機甲化し部隊に入隊。唐突の技師から兵士への転身の理由は、自分の兵器達が戦場でどれ程の効果を発揮しているか己の眼で肌で確かめたくなったからである。そして目の当たりにしたのだ、自らが創った兵器達が兵士達の断末魔の声を借りて雄叫びを上げているのを。それが彼には美しく広がった大輪に見えた。彼はその後ひたすらに戦場に種を蒔き続けた。まるで己が戦場の庭師であるかのように。そしてそれらが花を広げる度に彼は嘯いたのだ。

 

 ああ、なんて美しいのだと。

 

 彼は魅入られてしまったのだ、戦場という大釜で煮られている混沌に。その混沌に魅入られた者は狂気に染まり、飴玉を口の中で転がす童子の如く他人の命を弄ぶ。彼もそうなるはずだったのだろう。だが、一つの出来事が更に彼を変化させた。

 

 『特殊機甲工兵部隊の兵士十数名が使用していたトラップの爆発に巻き込まれ死亡』

 

 軍の広報で報じられた悲劇の事故。その原因は透明色のレーザーポインターを使用したトラップに気付かなかったということである。それにより透明色レーザーポインターの使用が中止、更には部隊を率いていたカブロカンが責任を問われることになった。そうしてこの一件が更に彼を蝕んだ。今までは恍惚とした熱い視線で視ていた花々が、一瞬にして恐怖の対象へと変わる。彼は責任を問われるも今までの功績により不問とされ戦場に戻ることになったがそこに今までのような思いは無い。なぜならば戦場という庭園は既に彼にとっての花園では無く、至る所に自分を怖れさせるモノが転がっている地獄へと変わったからである。

 

 そして彼は己が意識を護るために過度なアルコールと肉欲に溺れた。一時の快楽はその恐怖を忘れさせたからである。

 

 カブロカンの地獄の日々は流れついに終戦が訪れる。だがそれは再びの悪夢の始まり。それは敵国による残党狩りである。仲間の部隊が次々にやられ、カブロカンの部隊も着実に人が減っていく。だがそんなことに関心など無いかのように彼は逃げたのだ、唯々怖いが故に。隊長としての責務も人としての体裁すらもかなぐり捨てて獣のように呻きながら足を動かした。

 

 そして彼は地獄から生還した。二人のお気に入りの部下を連れて。それ以外の者がどうなったのかは言わずともしれたことだろう。

 

 地獄から生還し己が生きていることを喜んだカブロカン。やっと戦場の恐怖から解放される、そう思っていた。

 

 だが、現実はそうでは無かった。

 

 幾ら時が経とうとも戦場の恐怖が無くならない。目を閉じれば瞼に映し出されるかつて自分が美しいと声を漏らした大輪達。そして心を蝕む部下達を見殺しにしたという罪の意識。それに耐えきれずカブロカンは、再びアルコールと肉欲、そして戦場にいた頃にはやっていなかった麻薬にまで手を出し虚実の世界に精神を溺れさせていったのだった。繰り返される快感と酩酊と混乱。それらによって意識がトんだ瞬間、それだけが彼にとって安息の時間になっていった。

 

 「……胸糞悪りぃったらありゃしねぇな、クソが」

 

 ユヴェンは顔を顰める。カブロカンの過去、それは悲惨の一言で尽くせぬほどに凄惨なものであった。だがユヴェンが抱える闇も深い。そうでなければ目的のために人殺しなどできるわけがないのは自明の理である。

 

 「……十八人か、半年でよく殺したもんだな」

 

 ユヴェンが自らの罪を振り返る。依頼で十人、私怨のために五人、その他で三人。その中でもやはり一番記憶に残っているのは最初の一人目。

 

 「……っぐ」

 

 ユヴェンが顔を歪め口を手で押さえる。今でもその時の感覚が忘れられなくて激しい嘔吐感に襲われるのだ。それ程までにその出来事は彼に影響を与えていた。

 

「ぐっ、はぁ…はぁ……エナ」

 

 嘔吐によって呼吸が困難になりながらふと、溢れた『エナ』という名前。この名前こそが彼が今銃を執る理由であり、初めて殺した相手である。彼は今から一年前のある事件の際に彼女に乞われ嫌々ながらもその手で彼女の細首を絞めたのだ。彼女を殺した罪悪感と、彼女を死に追いやった己の兄妹達への復讐心に苛まれた。そして決心したのだ、この復讐心に身を任せると。己の兄妹達を皆殺しにすると。そうして今彼は此処に立っていた。

 

 「……」

 

 口元を拭いユヴェンは立ち上がる。そしてコートのポケットを弄り薬を一錠取り出して口内へと放り、硬質な咀嚼音をたてながら飲み込んだ。

 

 「安定剤切れそうだな……あとでラクゼンの爺さんのとこに寄るか」

 

 彼が今飲んだものは精神安定剤である。度重なる殺人とそれに伴う精神的負担は、幾ら確固たる覚悟を持った人間でも壊れていくのは必然だろう。故に彼はその疲弊した精神を少しでも摩耗させないよう薬を頼ることにしたのだった。

 

 心を落ち着かせ、ユヴェンは再び街路を歩き出す。薬を買うついでに何かナタリーに買っていこうかなどを考えていたその矢先。

 

 

 

 

 「イヤァァァァ! だ、誰かっ誰か助けてっ!!」

 

 

 

 声の高い少女と思われる悲痛な声が暗い路地から表通りへと木霊する。だが、そんなモノは聞こえなかったかのように往来を歩く人々は通り過ぎていく。仮に立ち止まった者がいたとしても、それはその現場に混ざるが混ざらないかを考えているような屑に過ぎない。

 

 「……チッ」

 

 ユヴェンの脳裏をあの時己が視た淫惨な瞬間がフラッシュバックする。そしてユヴェンは路地の方へと足を急がせる。何故なら再びそのような光景が起こると思うと、酷く胸糞悪くなったからだった。

 

 「オイオイ、嬢ちゃん。そう暴れられちゃおじさんとイイことできないよう?」

 

 「ん~! ん~!!」

 

 暗い路地の中ほどで、十代半ばほどの少女が大柄な男に組み敷かれていた。服は破れ、口には猿轡をされ、まさに調理されるのを待つだけの魚のような状態。男はズボンを開け外気に張り詰めた怒張を晒していた。

 

 「おい、オッサン。その薄汚ぇイチモツしまってどこかに行け」

 

 ユヴェンが静かに言い放つ。

 

 「ああん!? こっちは今からお楽しみ……」

 

 銃声が響く。ユヴェンの銃からは硝煙が立ち上っていた。

 

 「ギャァァァァァァ!!? お、おれのナニがぁぁぁぁ!!」

 

 ユヴェンの放った一発により男の性器が半ばから消失し血を吹き出していた。股間部を押さえ苦悶の声を上げもがく男にユヴェンは冷たく言い放つ。

 

 「失せろ、ヤレない体の次は生きることの出来ない体に変えるぞ」

 

 「ヒィィィイ!!」

 

 血を地面に落としながら男は脱兎の如く逃げ去った。ユヴェンは溜息を一つはさみ少女へと視線を向ける。

 

 「大丈夫か?」

 

 そう言い少女の口を塞いでいる猿轡を取ろうとしたときユヴェンは瞠目し、自らの首筋に触れる。

 

 「……嘘だろ」

 

 ユヴェンが驚いている理由、それは少女の首には自分と同じ、強化体の証である数字の焼き印があった為であった。

                                         Episode1end......       

 




 どうでしたでしょうか。感想、ご意見があれば是非ともいただきたいです。

 それでは皆様、また次回に。
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